【政界地獄耳】:本当の労働者の声担う本当の野党/02.05
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:本当の労働者の声担う本当の野党/02.05
★3日の毎日新聞の連合会長・芳野友子のインタビューを読んで、労働界や労働運動に関わってきた人たちはどう受け止めたか。「連合の労働運動は、自由で民主的な労働運動を強化、拡大していくというところから始まっている。その点で共産とは考え方が違い、相いれない」「労働組合に関わりのない方々には分かりづらいことかもしれないが、戦後の労働運動や連合が結成に至った経過などを説明すれば理解していただけるはずだ」と労働運動の王道のように言うが本当にそうだろうか。共産排除を理屈に野党共闘を破壊するのは連合が自民党に寄り添う口実ではないか。
★「連合」は大企業の正社員を中心に約700万人、働く者の1割程度の規模だ。芳野がどれほど偉いのかは知れないが、労働者の代表というよりは労働貴族の代表としての振る舞いならばよく理解できる。非正規雇用が激増する今日、労働運動の現場は中小企業の労働組合にこそ現実があり、国策産業といえる電力、電気、自動車、JR、UAゼンセンなどの連合幹部に今の働く者の不安や悩みなどわかるはずもない。芳野も就職後、早々に専従組合員になり、勝ち組労働組合内で出世していったにすぎない。
★景気が伸びず官界も政界も財界もあの手この手で30年やってきたが、いくら日銀が下駄を履かせても日本経済は伸びない。もう労働界を遊ばせ、労働貴族をのさばらせていくわけにはいかなくなった。もう野党のスポンサー気取りもやめさせ、労使が一体となって経済を立て直し、官製春闘にするために野党共闘を徹底的に批判しているのだろう。まもなく連合は第2経団連と名乗らずも、その役割に代わっていくだろう。労働貴族であり続けるための野党排除、自民党支援が始まる。その時、本当の労働者の声を弱者に寄り添う本当の野党が担わなければならない。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2022年02月05日 09:06:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
■連合は共産党とは相いれない 芳野友子・連合会長
◆連合は自由で民主的な運動
私が会長に就任してから、連合と共産党との関係についての私の発言がよく報道される。しかし、前会長の神津里季生氏と同じことしか言っておらず、困惑している部分もある。
そもそも連合の労働運動は、自由で民主的な労働運動を強化、拡大していくというところから始まっている。その点で共産とは考え方が違い、相いれない。現実的にも、連合の組合と共産党系の組合は職場、労働運動の現場で日々競合し、しのぎを削っている。
労働組合に関わりのない方々には分かりづらいことかもしれないが、戦後の労働運動や連合が結成に至った経過などを説明すれば理解していただけるはずだ。
◆立憲が何を目指しているかわかりにくくなった
先の衆院選では、共産が選挙運動の前面に出たことによって、現場によっては選挙対策本部に入ることや、街頭で弁士として並ぶことが難しい事態が起きた。結果として連合の動員力が発揮できないことがあった。
また、立憲と共産の党首会談で「限定的な閣外からの協力」という合意がなされたことで、あたかも立憲が共産とともに政権を担うかのような印象を与えてしまった。
そのこと自体への反発も大きかったが、そのことに注目が集まってしまったことで、立憲という政党自身が何を目指しているか、どういう国や社会を作っていきたいかが、有権者にわかりにくくなった。共産と一緒になって立憲は一体何をやるのか、と受け取られたのではないか。
もちろん、それぞれの候補者が訴える個別の政策はわかりやすく、素晴らしいものだった。しかし、全体像が見えにくくなってしまった。
政党にはそれぞれの国家観、どのような社会を作っていくかという考え方があるはずだ。選挙戦で協力することはあり得るが、基本にはそれぞれの党が自立していることが重要だと考えている。
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