路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:ユネスコ見送り 安倍元首相恫喝の皮肉/01.28

2022-02-03 07:13:20 | 【国連・ユネスコ・世界遺産・世界有形無形文化遺産・記念物遺跡会議

【政界地獄耳】:ユネスコ見送り 安倍元首相恫喝の皮肉/01.28

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:ユネスコ見送り 安倍元首相恫喝の皮肉/01.28 

 ★政府は佐渡の金山遺跡のユネスコ世界記憶遺産登録申請を見送った。政府が弱腰なのは戦時中、朝鮮半島の出身者が大勢、過酷な強制労働の被害に遭った場所だと韓国政府が反発を強めているからだ。元首相・安倍晋三は20日、安倍派の会合で「論戦を避ける形で登録を申請しないというのは間違っている」「しっかりとファクトベースで反論していくことが最も大切」と岸田政権の対応を批判した。

 ★だが、もう1つ背景がある。なぜ日本政府が見送ったかといえば15年、当時の安倍政権の要求でユネスコは昨年から世界記憶遺産登録当時、反対する国がある場合は審査を中断して期限を決めず対話するよう制度を改めた。日本が要求して決めた制度のために韓国が反対することは必至で登録される見通しが立たないとの判断から岸田政権は断念したということになる。

 ★日本政府のユネスコへの制度改定は15年、中国が「南京大虐殺の文書」などの登録に安倍政権が強く反発したことから始まる。日中間の認識に相当の違いがある事柄を中国側だけの主張に基づいての登録は不公正と訴えたのだ。当時の官房長官・菅義偉はユネスコへの分担金・拠出金の支払い停止にまで言及した。それでも登録が決まったことに日本政府が猛然とかみついた末にできた新制度ということになる。安倍政権はまっとうな主張をしたつもりだったろうが、国際社会は自国に都合いい歴史だけを評価しようとするわがままとカネを止めるというどう喝に厳しく反応。この新制度では中国や韓国に関わりのある世界記憶遺産は関係国との決着がつくまで登録できないことになるだろうし、それは日本政府の考えだということになる。目先の感情は歴史の前ではひとたまりもない。(K)※敬称略

政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年01月28日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政界地獄耳】:市井紗耶香に逃げられ泥舟の立憲民主党は漂流中/01.27

2022-02-03 07:13:10 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:市井紗耶香に逃げられ泥舟の立憲民主党は漂流中/01.27

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:市井紗耶香に逃げられ泥舟の立憲民主党は漂流中/01.27 

 ★25日の立憲民主党常任幹事会で執行部は先の衆院選挙の総括を示した。共産党との野党共闘についてまるで連合に書かされたような「誤解となって有権者に伝わってしまった」などと書かれている。小選挙区での候補者一本化に関し「一定の成果はあったものの、想定していた結果は伴わなかった」などと総括。ところが「野党間の候補者一本化が否定されているように見える」などと反発が強く、党代表・泉健太と幹事長・西村智奈美は総括取りまとめの一任を得られなかった。

 ★仮に常任幹事会で了承されたところで、党内や全国の地方組織は納得しないだろう。連合の強引な野党共闘つぶしや国民民主党の離脱などについての評価も抜け落ち、共産との選挙協力だけがマイナスかの分析には違和感があろう。一方、元首相で立憲民主党最高顧問・菅直人の「ヒトラー想起」問題で党政調会長・逢坂誠二は「基本的には菅議員の個人的な発言。党としてどうこうということは特段の必要はないかな、というふうに思っている」発言にも党内では「相変わらずの事なかれ主義」「党として菅に注意するとか、処分する、こういう表現は党として使わないように徹底するぐらい言うべきではないか」といぶかる声もある。

  • 市井紗耶香氏。2021年8月に記者会見して22年夏の参院選への出馬を表明した(写真は立憲民主党の配信動画から)
市井紗耶香氏。2021年8月に記者会見して22年夏の参院選への出馬を表明した(写真は立憲民主党の配信動画から)

 ★参院選出馬予定の元タレント市井紗耶香が出馬辞退をSNSで報告。党はまだ本人から直接、話は聞いていないというが、市井はまじめで丁寧にあいさつ回りなどもしていて評判も良かったという。こちらも党内では「泥舟立憲から脱出したかったのではないか」などの臆測を呼んでいる。立憲民主党漂流中だ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年01月27日  08:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:お粗末な菅直人のヒトラー発言/01.26 

2022-02-03 07:13:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政界地獄耳】:お粗末な菅直人のヒトラー発言/01.26 ■立憲も維新も中身で勝負しろ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:お粗末な菅直人のヒトラー発言/01.26 ■立憲も維新も中身で勝負しろ

 ★元首相で立憲民主党最高顧問・菅直人が日本維新の会を創設した元大阪市長・橋下徹言及した上で維新に関し「(ナチス・ドイツの)ヒトラーを思い起こす」と自身のツイッターに投稿した。維新を挙げて猛反発している。昨今、政治家は言論府ではなくツイッターなどSNSに持論や暴言を、さして責任や影響を考えずにまるで匿名の一般市民のように書き込む。またその後の炎上など、事の重大さに後から気付くことも多く、政治家発言には自戒が求められてきた。

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 ★立憲民主党は先の総選挙で自民党にも維新にも大きく水をあけられ、政党支持率では既に維新野党第1党明け渡している調査も散見される。元首相であり政治家としてもお粗末としか言いようがない。加えてナチスやヒトラーを形容詞や例題に使う場合は相当の覚悟を持って使うべきで、その意味でも党を挙げて対応しない立憲のガバナンスについてもいささか今までの同党の考えや対応と乖離(かいり)があるのではなかろうか。菅が直ちに謝罪をしないことも解せないが、維新を挙げて声高謝罪要求することにも違和感がある。

 ★17年11月。維新足立康史議員は衆院文科委で、自民、立憲、希望の党の議員3人を「犯罪者」と呼び18年2月、予算委では「加計学園問題の本丸は石破茂・元地方創生相。なぜ野党は追及しない。石破は野党とグルかもしれない」などと発言。当時の立憲民主党国対委員長・辻元清美にも「国交副大臣の時に(自治体に)補助金を配って(国有地購入費を実質)ゼロ円にした」などと発言した。別の日の予算委員会では「大阪の自民党というのは、やっていることは共産党以下だ」と言いたい放題。その都度処分を決め、衆院では懲罰動議幾度も出された。つまり維新にも歴史はある。お互い中身勝負してほしい。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年01月26日  08:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:「佐渡島の金山」推薦 普遍的価値、どう伝える

2022-02-03 06:59:55 | 【国連・ユネスコ・世界遺産・世界有形無形文化遺産・記念物遺跡会議

【社説】:「佐渡島の金山」推薦 普遍的価値、どう伝える

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:「佐渡島の金山」推薦 普遍的価値、どう伝える 

 新潟県にある「佐渡島(さど)の金山」を世界文化遺産に登録するよう求めて、政府は国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出した。ユネスコ世界遺産委員会の審査を受け、2023年度の登録を目指すという。

 これに対し、韓国が朝鮮半島出身者が強制労働させられていた場所だとして強く反発しており、登録への道は険しいと言わざるを得ない。日韓関係がさらに悪化する懸念も強い。

 軍事的な圧力を強める中国や北朝鮮をにらみ、米国を加えた日韓の連携強化が求められる重要な時期である。

 岸田文雄首相は自ら述べたように「冷静で丁寧な議論、対話」を基本に、遺跡の持つ「普遍的な価値」への理解が広がるよう、誠実に対応すべきだ。

 佐渡金山は、二つの鉱山遺跡で構成され、江戸時代の17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。採取から精錬まで手工業で行われていた時代の遺跡は世界でも例がない。

 新潟県や佐渡市は20年以上も登録を目指して活動を続けてきた。しかし国の文化審議会が昨年末に候補に選定するよう答申すると、韓国が歴史問題を理由に強く反発。現状では登録は困難だとして、首相も一時は推薦を見送る意向だったという。

 それが一転したのは、安倍晋三元首相ら自民党内から推薦を迫る突き上げがあったためとされる。安倍氏は「歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」と主張し、高市早苗政調会長も「国家の名誉に関わる問題だ」と訴えた。

 首相としては夏の参院選を控え、「弱腰」との批判が強まり、保守支持層の離反を招く事態を避けたかったのだろう。

 今回推薦された対象は、江戸時代の金の生産システムである。戦時中の強制労働被害の歴史問題とは切り離して、金山の持つ文化的価値の観点から登録の是非を議論するのが筋だとの声もある。さらに政治的な争点化にこだわる韓国側の対応も受け入れがたい。

 しかし、日本側も旧植民地時代の負の歴史と正面から向き合う姿勢を示さなければ、国際的な理解は広がらないのではないか。日韓対立をあおり、文化を政治利用するような発言とは一線を画すべきだ。

 韓国が強硬に反対する姿勢の根元には、15年に登録された「明治日本の産業革命遺産」を巡る経緯がある。

 韓国はこのときも、長崎市の端島(はしま)=通称・軍艦島=などで強制労働があったとして登録に強く反対した。政府は韓国側の主張に対応する形で、世界遺産委員会で「犠牲者を記憶にとどめるために適切な対応をとる」と約束し、登録にこぎ着けた。

 ところが20年に開設した「産業遺産情報センター」の展示には、朝鮮半島出身者への差別はなかったとする証言などが含まれ、韓国側が再び反発を強めた。さらに昨年の世界遺産委員会では、日本側の対応が不十分だとして「強い遺憾」を示す決議が採択されている。

 ユネスコの審査は近年、関係国間の対話を重視する。日韓対立が続けば、2国間協議を促されて審査が滞る懸念もある。韓国との関係改善を進めるためにも、まず産業革命遺産についてきちんと対応し、国際社会への約束を果たす必要がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月03日  06:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:正直に限る

2022-02-03 06:59:50 | 【水産資源・海洋環境・漁業・水産加工・缶詰・調査捕鯨・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【天風録】:正直に限る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:正直に限る

  野駆けの帰り道。おなかをすかせた殿様は、目黒の農家で庶民の味覚、焼きさんまを分けてもらう。脂の乗ったそのおいしさが忘れられず、宴(うたげ)の席でもサンマが食べたいと求めるが…。おなじみの落語「目黒のさんま」である▲オチは殿が言い放つこんなせりふ。「さんまは目黒に限る」。目黒をサンマの名産地だと思い込んでいる世間知らずをあらわにし、笑いを誘う。そんな勘違いなら笑っても済ませられるが、欺かれては笑うに笑えない▲熊本県産をうたって出回るアサリの大半に外国産が混入している可能性がある―。驚きの事実が、農林水産省の調査で発覚した。中国や韓国からの輸入ものが熊本県産と偽装され、店頭に並んでいた▲安心・安全を求めて、わざわざ国内産を選ぶ消費者は多いはず。食への信頼を揺るがす許されない行為だ。実際の漁獲量をはるかに上回る「熊本県産アサリ」が流通していれば、いずればれると分かるだろうに、なぜ▲県知事から緊急出荷停止宣言が出され、まじめにやってきた漁業者や流通業者にとっては、とばっちりだ。イメージダウンはれっきとした熊本県産品にも及ぶだろう。信頼を取り戻すには、「商いは正直に限る」。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月03日  06:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:ミャンマー軍政1年 市民弾圧まだ続けるか

2022-02-03 06:59:45 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説】:ミャンマー軍政1年 市民弾圧まだ続けるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ミャンマー軍政1年 市民弾圧まだ続けるか 

 ミャンマー国軍がクーデターを起こして、きのうで1年になった。民主化指導者のアウンサンスーチー国家顧問兼外相らを拘束して、非常事態宣言を発令、実権を握った。

 その後も、国際社会の自制要請を無視して、抵抗する市民に銃を向け続けている。現地の人権団体によると、おとといまでの集計で1500を超す人が亡くなり、8千を超す人が拘束されたままだという。

 民主主義を弾圧し、人権を踏みにじる暴挙が1年後の今も続いているのだ。看過できない。

 国軍は来年8月までに総選挙を実施するという。ただ、自分たちに有利な比例代表制を導入して、権力は手放さない考えのようで、あきれるほかない。

 国軍は武力行使を即刻やめて、拘束されている関係者を解放すべきである。その上で、民主主義と法の支配に基づく政治を復活させなければならない。

 クーデターについて、国軍はスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が大勝した2020年11月の総選挙で不正があったためだと説明している。言葉通り受け止めた人がどれだけいるのだろう。選挙で大敗し、追い込まれた国軍が既得権益を守ろうと仕掛けたに違いあるまい。

 いくら武力で弾圧されても市民が抵抗をやめようとしないのは、国軍の説明を信じていない証しだろう。きのうも、抗議のため出勤や外出を控えるよう呼び掛けた「沈黙のスト」への賛同者は少なくなかった。

 この1年、国内は混迷を深める一方だ。特に深刻なのは国民生活への打撃である。欧米などの大手企業撤退や経済制裁で、昨年9月までの国内総生産(GDP)は前年比で18%も下落。5年前の水準に落ち込んだ。

 この1年で約160万人が失業した。あおりで国民のほぼ半数の2500万人が「貧困ライン以下の生活」を強いられているという。その責任は国軍にある。利権目当てで、いつまでも政権の座にしがみついているつもりなのか。国際社会の厳しい目も自覚する必要がある。

 ミャンマーを担当する国連の独立調査機関(IIMM)に寄せられた報告によると、人道に対する罪か、戦争犯罪に該当する可能性のある状況で、千をはるかに超す人が殺害されたという。きのう明らかにした。証拠を集めて、責任を追及しなければならない。

 国際社会の協力が今こそ求められている。にもかかわらず、孤立するミャンマーに救いの手を差し伸べる国がある。香港で民主主義を弾圧し、新疆ウイグル自治区では人権を侵害している中国である。力で人々を言いなりにさせている点では、同じ穴のむじなと言えようか。欧米などの国が停止した後も、ミャンマーへの投資を続けている。

 ミャンマーが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)も、効果的な打開策を見いだせていない。カンボジアをはじめ親中国で国軍に融和的な国と、国軍に批判的なシンガポールなどと意見が割れているからだ。

 それだけに、国連をはじめ国際社会は国軍への働き掛けをさらに強める必要がある。

 日本の責任も問われる。国軍とのパイプを自負してきたからだ。それを生かして、事態打開を迫り、市民への武力を即座にやめさせなければならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月02日  06:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:石原慎太郎さん逝く

2022-02-03 06:59:40 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【天風録】:石原慎太郎さん逝く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:石原慎太郎さん逝く

 小欄では名の通った人をよく引き合いに出す。現役生活が長ければ登場回数も多い。数えで百寿の大往生を遂げた作家、瀬戸内寂聴さんの場合は本紙データベースでたどれる平成以降だけで11回、その名がのぞく

 ▲この人は、倍の22回を数える。大学在学中に書いた小説「太陽の季節」で芥川賞をさらい、その後政界で運輸相や東京都知事を務めた石原慎太郎さんである。きのう訃報に接した。89歳

 ▲「暴走老人」を任じ、平成に入って小欄に登場した時も物議を醸していた。衆院議員だった石原さんが米誌に「原爆投下は人種偏見」「大虐殺」と自説を開陳。返す刀で中国大陸での旧日本軍の侵略行為とは訳が違うとも。小欄は「国家主義を振りかざすための原爆被害論」や八つ当たりの中国たたきをとがめている

 ▲一方で、ベテラン国会議員の特権だった肖像画を断る。都知事時代に「銀行税」導入で政府にけんかも売った。「ノー」が頼もしかったのか、理想の父親像では上位に入ったこともある

 ▲護憲派の寂聴さんとは政見こそ異にしたものの、人生を巡る往復随筆集を出版している。二人とも晩年たたられたがんの闘病談議に、あの世で花が咲いているだろうか。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月02日  06:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:オミクロン株で新方針 在宅患者支える体制を

2022-02-03 06:59:35 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:オミクロン株で新方針 在宅患者支える体制を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:オミクロン株で新方針 在宅患者支える体制を

 新型コロナウイルスのオミクロン株による感染者が爆発的に増えている。政府は医療体制のまひを防ぐため、若く重症化リスクが低い人は医療機関の受診やPCR検査をせず自宅療養に入ることを認めた。

 オミクロン株は、従来株に比べて感染力が強い一方、重症化しにくいとされる。国内で1日8万人にも上る感染者が出る中、救急や外来が機能不全に陥り始めていることに対応するための苦肉の策である。「症状があれば受診」という従来方針からの大きな転換と言える。

 重症化しやすい高齢者や持病のある患者を救う医療を確保せねばならない。そのため軽症の人に受診を控えてもらうことは、ある程度やむを得ないのかもしれない。しかし誰もが必要とする医療を受けることは憲法が保障する権利であり、制限されることがあってはならない。

 医療現場での「重症」「軽症」の捉え方と一般の人が抱くイメージとに、大きな隔たりがある点にも注意が必要だ。医療上の「重症」は集中治療室での治療や人工呼吸器の装着が必要な状態で、「軽症」は、肺炎にはなっていない状態を言う。「軽症」でも、高熱やせきが続いて苦しむ人もいる。

 1人暮らしや、病状が急変するケースもあろう。自治体は、そうした在宅患者の状況をしっかり把握し、受診、入院につなげなくてはならない。

 政府の方針は、外来医療の逼迫(ひっぱく)が想定される地域を対象にしている。40歳未満で基礎疾患がなく、ワクチン2回接種済みの人が受診せずに自宅療養することを認める。また診療や検査を受けられるまでに時間がかかる場合、重症化リスクが低い人は発熱などの症状があっても、自らキットで検査してから受診するよう呼び掛けることも認める。実際に運用するかどうかは自治体が判断する。

 新方針の運用は、沖縄など各地で広がっている。広島でも濃厚接触者への連絡を感染者本人に委ね、保健所による濃厚接触者の検査もやめるという。

 濃厚接触者に求めている待機期間についても、岸田文雄首相は10日間から7日間に短縮すると明らかにした。社会経済活動を維持するためには必要な変更だろう。政府や自治体は、不安や混乱を招かぬよう丁寧な説明をしてほしい。

 ところが、自分自身で感染の有無を確認できる抗原検査キットは品薄が続いている。政府は製造業者に増産を求めているが、さらなる加速が必要だ。

 安心して検査や療養できる状況がなければ、受診せず自宅にはいられまい。保健所だけでなく、地域医療が連携して健康観察をするなど、在宅患者を支える体制が要る。

 オミクロン株が確認された昨年11月以降、政府は「厳しい水際対策」で「国内感染の増加に備える時間を確保できた」と胸を張ってきた。岸田首相も「最悪の事態を想定」「先手先手の対応」と繰り返してきた。

 にもかかわらず、医療がパンクしている現状は、オミクロン株特有の事態に対する準備が甘かったということではないか。

 感染のピークはまだ先とみられる。検査キットの確保はもちろん、治療薬の普及やワクチンの追加接種を急ぐなど総力を挙げて乗り切らねばならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月01日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:無為の時はここまでに

2022-02-03 06:59:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

 『漂流する日本野羅針盤を目指し手』:【天風録】:無為の時はここまでに

 『漂流する日本野羅針盤を目指し手』:【天風録】:無為の時はここまでに

 1月は往(い)ぬる。おとそ気分が抜け切らないうちに過ぎていく。ただ今年はいつも以上に、時計が早回りした気がする。市中を駆け巡るオミクロンにあおられ、右往左往するうち時間を無駄にしたよう

 ▲ひと月どころか、丸々1年があっという間だった。ミャンマーで国軍がクーデターを起こしたのは昨年のきょう。今の時代、国民に向けて発砲するといった非道で野蛮な行為がいつまでも続くはずがない。そう国際社会は高をくくっていたのだが…

 ▲若者のデモに猛スピードで車が突っ込み、市民をかくまったと少数民族の村が焼き打ちに遭う。この1年間で100人以上の子どもを含む1500人が容赦ない暴力の犠牲になったという。時間を巻き戻せないものか

 ▲国民の半数近い2500万人が貧困ライン以下の暮らしにあえいでいる。国の将来を担う学生がジャングルに身を潜め、ペンを銃に持ち替えて国軍への抵抗闘争を続けている。「世界から見捨てられた」と嘆きながら

 ▲節目のきょう、現地の市民は「沈黙のストライキ」を予定し、国軍は武力で蹴散らす構えとされる。これ以上の流血の事態を避けるには、国際社会が無為の時間をむさぼる猶予はなさそう。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月01日  06:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【新型コロナ】:オミクロン対応 甘さ露呈 ワクチン、濃厚接触者…官邸に焦り

2022-02-03 05:06:00 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【新型コロナ】:オミクロン対応 甘さ露呈 ワクチン、濃厚接触者…官邸に焦り

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:オミクロン対応 甘さ露呈 ワクチン、濃厚接触者…官邸に焦り 

 急拡大する新型コロナウイルスのオミクロン株に対する岸田文雄政権の備えの甘さがあらわになってきた。首相は「最悪の事態を想定する」としてきたが、ワクチンの3回目接種は遅れ、急きょ自衛隊の大規模接種を増強。2日の衆院予算委員会では与党議員からも苦言が出た。学校の感染対策や緊急事態宣言の判断基準なども、感染力が強くて軽症が多いとされるオミクロン株に対応した見直しが進んでおらず、官邸も焦りを強めている。

オミクロン対応 甘さ露呈 ワクチン、濃厚接触者…官邸に焦り

 「今のままで本当に大丈夫なんでしょうか」。2日の衆院予算委で、与党・公明党の国重徹氏は3回目のワクチン接種が1月末時点で全国民の3・5%、1日当たり30万~40万回程度にとどまると指摘し、「強力に加速する必要がある」と訴えた。昨年12月に始まった医療従事者への接種も「4~5割」(堀内詔子ワクチン接種推進担当相)どまりだ。

 首相は接種の遅れについて「足らなかった部分は謙虚に指摘を受け止めたい」と低姿勢に終始。自民党の西村康稔氏や立憲民主党の長妻昭氏が、菅義偉前首相と同様の「1日100万回の目標を」と迫ったが、「一律に何万人という目標を掲げることは適切かどうか」と応じなかった。

 オミクロン株は重症化の割合は少ないとされるが、感染力が強く、東京都で病床使用率が50%を超えるなど全国で医療逼迫(ひっぱく)の懸念が広がる。濃厚接触者も急増し、学校や職場も対応に追われる。政府は1月28日に濃厚接触者の待機期間短縮を表明し、2日には学校の臨時休校基準などに関する新たなガイドラインを示したが、対応の見直しは予算委などで野党の追及を受けた後だった。

 首相は飲食店への休業要請などの強い措置を伴う緊急事態宣言について「出したら政権がひっくり返る」と周囲に語るなど消極的だ。宣言の基準などを話し合うコロナ対策分科会は、首相が「最悪の事態を想定」して感染「第6波」対策の全体像をまとめた昨年11月以降、開いていない。政府の基本的対処方針の見直しも部分的にとどまる。

 長妻氏は2日の衆院予算委で「どういう対応をとるべきか、オミクロン仕様に変えなきゃいけない」と分科会の開催を要求。山際大志郎経済再生担当相は「速やかに開く」と応じ、予算委後、記者団に4日に開くと明らかにした。

 地方からも政府の対応に不満が募る。小池百合子・東京都知事は「(緊急事態宣言の)分かりやすい基準を速やかに示してほしい」と要望。全国知事会も1日の首相との意見交換で、オミクロン株の特性を踏まえた基本的対処方針の見直しを求めた。首相周辺は「オミクロン仕様とは何なのか。いろいろ整理してまとめなければ」と焦りをにじませた。(荒谷健一郎、敦沢政俊)

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【岸田政権・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策】  2022年02月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説①】:自宅療養急増 支援体制拡充が急務だ

2022-02-03 05:05:55 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:自宅療養急増 支援体制拡充が急務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:自宅療養急増 支援体制拡充が急務だ 

 新型コロナウイルスの変異株オミクロン株の感染拡大によって自宅療養者が急増している。

 政府は新たな方針を打ち出し、若年層で症状が軽く、重症化リスクが低い感染者は、医療機関を受診しなくても自宅療養に入ることを認めた。

 感染者自身が検査をすることになるが、抗原検査キットの不足は深刻だ。これでは感染しているのかどうかも判断できない。

 開発された飲み薬「モルヌピラビル」は発症から5日以内に使い始めなければ効果がなくなる。

 だが、抗原検査キットの入手困難に加え、PCR検査の結果の判明にも時間がかかり、服用が間に合わないケースが出ている。

 現状では安心して自宅療養に入るための前提が崩れている。容体の急変時に適切に対処できるのか懸念は拭えない。

 政府と自治体は自宅療養者に必要な支援が届くよう、抜本的に対策を拡充することが急務だ。

 オミクロン株による感染は重症化しにくいとされるが、感染者数増加が続けば重症者も増える。2日の死者数は80人に達した。自宅療養をしている人の死亡例も既に報告されている。

 札幌市では発熱外来のある医療機関に診療やPCR検査の依頼が殺到し、予約を休止する所も出た。重症化リスクの高い患者でも受診できない事態になっている。

 岸田文雄首相は自民党総裁選でコロナ対策として「医療難民ゼロ」を掲げ、発熱患者や自宅療養者が必要な医療にアクセスできない状況を改善するとしていた。

 だが、全国の自宅療養者は26万5千人を超え、第5波のピーク時の倍に達した。この数字からも政府の対応の遅れは明らかだ。

 そもそも感染を疑われる症状がありながら検査が受けられないのなら、待機をいつ解いていいのかも分からない。

 感染対策の基本である検査の徹底ができていないのは極めて問題で、まるでコロナ流行の初期に戻ったかのようだ。

 自宅療養者の健康観察を円滑に行うため、東京都品川区は患者がネット上の「仮想待合室」に入室・待機すると対応可能な医師が診察に応じる仕組みを整えた。

 神奈川県海老名市は1日2回の電話確認に加え、食料や生活必需品の購入、ごみ出しなどを希望すれば代行する。

 他の自治体の事例も参考に自宅療養者の支援をできる限り手厚くしていくことが必要だ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月03日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:起訴違法の判決 冤罪防止への重い戒め

2022-02-03 05:05:50 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説②】:起訴違法の判決 冤罪防止への重い戒め

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:起訴違法の判決 冤罪防止への重い戒め 

 バス事故を巡り無罪が確定した元運転手がずさんな捜査で起訴されたと訴えた裁判で札幌地裁が先週、起訴を違法と認め、国に損害賠償を命じる判決を言い渡した。

 検察官による起訴の判断を違法と認めた判決は異例だ。

 判決は、検察官が必要な捜査を十分行わずに起訴したと断じた。

 おざなりな捜査は過去、多くの冤罪(えんざい)を生んできた。検察は判決を戒めとして重く受け止め、いかなる事件も虚心坦懐(たんかい)に捜査を尽くすと改めて肝に銘じるべきだ。

 胆振管内白老町内の道央道で2013年にマイクロバスが横転し乗客13人が重軽傷を負った事故で、元運転手は15年9月、前方注視を怠ったとして自動車運転過失致傷罪で在宅起訴された。

 元運転手は一貫して車の故障を訴え、札幌地裁室蘭支部は19年3月、バスの床下部品の破断が事故につながった疑いが排除できないとして無罪判決を言い渡した。検察は控訴せず無罪が確定した。

 検察官は、バスの製造元の社員の「部品が破断していても操舵(そうだ)に影響はなかったはずだ」などの証言を根拠に起訴していた。

 これに対し判決は「検察官は客観的判断のため、利害関係のない専門家の意見を聴くべきだった」と指摘し、そうすれば「事故原因が元運転手の過失にあったとの嫌疑はなかった」と結論付けた。

 ここで問題とされたのは捜査の基本がおろそかにされた点だ。

 元運転手がバスの不具合が原因と述べていたのだから、自動車工学の専門家の意見を聴くなり、走行実験を行うなり、徹底した調べを行うのが当然だった。

 だが検察はそれをせず、事件の真相解明に努める責務を果たさなかったと指摘せざるを得ない。

 見立てに沿った証拠のみを重視したのなら、思い込みに基づく危うい捜査と言うほかない。内部のチェックは働かなかったのか。

 判決は、犯罪成立の基礎となる「積極証拠」だけでなく、それを否定する方向に働く「消極証拠」も慎重に吟味すべきだと、あるべき捜査の形も示した。

 大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を反省して最高検が11年に定めた10カ条の「検察の理念」にも盛り込まれた内容だ。この基本に常に立ち返る必要がある。

 長く被告の立場に置かれた元運転手は、退社を余儀なくされるなど大きな犠牲を払った。

 検察は経緯と組織の問題点を検証して教訓を導き、再発防止につなげなければならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:五輪の夢

2022-02-03 05:05:45 | 【スポーツ全般・屋内外の競技種目・オリ、パラ、デフリンピック・国民スポーツ大会】

【卓上四季】:五輪の夢

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:五輪の夢

 「友好と平和へ 希望たぎらせつどう世界の千六百人」。50年前のきょうの北海道新聞朝刊1面の見出しだ。アジア初となる冬季五輪開幕の高揚感である

 ▼五輪関連施設の建設にとどまらず、幹線道路や下水道の整備も進んだ。地下鉄や地下街の開業でまちは活気にあふれ、多くの人がテーマソングに歌われた通り「生まれかわるサッポロの地」を実感しただろう

 ▼札幌市の原田与作市長が五輪招致を決めたのは、街づくり総合計画を進める起爆剤とするためだった。経済成長と人口増のさなか、都市基盤整備は急務だった

 ▼立候補決議案の説明では「北海道開発はもちろん市政十カ年計画などの推進力にもなり、北海道観光を世界に紹介する機会となる」と訴えた。開催時にはすでに職を辞していたが、1度の落選を経てこぎ着けた大会に喜びもひとしおだったろう

 ▼誤算だったのは開催関連費用の膨張だった。当初試算は50億円で市費負担は倍増しても25億円程度と見込んだが、全体費用は最終的にスケート関連施設だけで50億円を超えた。「弁明のしようがない増大に市民の不満も理解できる」と、自著「私の五十年 札幌と聖火」の中で複雑な胸の内を吐露していた

 ▼五輪を巡る環境や規模は大きく様変わりした。政令指定都市移行からも半世紀。人口減少社会を迎える中、再び五輪招致を目指す「サッポロ」の理念と意義が問われている。 2022・2・3

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年02月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:クーデター1年 ミャンマー弾圧阻止を

2022-02-03 05:05:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①】:クーデター1年 ミャンマー弾圧阻止を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:クーデター1年 ミャンマー弾圧阻止を 

 ミャンマーで国軍がクーデターを起こして1年がたった。

 2020年11月の総選挙で民主派が圧勝したことで、権益を奪われることを懸念した国軍が武力で全権を掌握した。民主派を率いるアウンサンスーチー氏を拘束し、市民への弾圧を続けている。

 現地の人権団体によると、銃撃や拷問などによる死者は1500人を超えた。

 欧米は厳しい制裁を科している。11年前の民政移管から拡大していた海外からの投資は撤退が相次ぎ、経済はどん底にある。このまま暴政を続けていても、国の先行きが厳しいことは明白だ。

 そもそも武力で奪った政権に正統性はない。国軍は直ちに弾圧をやめるべきだ。民主的な統治に向け、全ての当事者と平和裏に話し合う必要がある。

 民主派は「挙国一致政府」を設立して対抗する。当初はデモが中心だったが、弾圧の激化を受けて「国民防衛隊」の結成を呼び掛け、各地でゲリラ戦を展開する。

 国軍は空爆などで対抗し、内戦の様相も呈している。

 この状況下、国連は事態収拾に十分な役割を果たせていない。国軍に影響力を持つ中国やロシアが武器禁輸など法的拘束力を持つ安保理決議に反対しているからだ。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)も一枚岩ではない。昨年4月の首脳会議には国軍総司令官も出席し、全当事者による対話や特使受け入れなど5項目で合意した。

 国軍が合意を順守しない中、今年の議長国で中国の影響を強く受けるカンボジアのフン・セン首相が先月、独断でミャンマーを訪問し、総司令官と会談した。

 カンボジアの対応は国軍の統治にお墨付きを与えたと受け取られかねない。シンガポールやマレーシアなどが反発したのは当然だ。

 会談後も弾圧はやまない。ASEANが一致して対応しなければ、国軍に見透かされ、5項目合意の実現は一層遠のこう。

 国軍は来年8月までに総選挙を行うとしている。スーチー氏は国家機密漏えいなどで訴追されており、刑期の合計は150年を超す可能性がある。民主派を排除する意図は明らかだ。

 非民主的な選挙で親国軍の政権を誕生させても、民主派の抵抗は収まらず、国の窮状は続くだけだ。国軍はその認識が足りない。

 日本政府は国軍とのパイプを生かし解決を促すとするが全く進展はない。弾圧阻止は急務だ。より積極的に関与する必要があろう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月02日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:石原氏死去 物議醸したタカ派姿勢

2022-02-03 05:05:35 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【社説②】:石原氏死去 物議醸したタカ派姿勢

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:石原氏死去 物議醸したタカ派姿勢 

 元東京都知事で、タカ派の政治家として知られた作家の石原慎太郎氏が死去した。

 芥川賞作家から政界に転じ、現行憲法の破棄や核保有などを主張した。また社会的弱者や周辺国への差別的な発言で物議を醸すことが多かった。

 そのため、政治家としての主張は自身が期待したほどには共感が広がらなかったとも言えよう。

 その足跡と問題点をしっかりと検証し、今後の国政や都政に生かしていくことが欠かせない。

 13年半にわたる都知事時代は「東京から日本を変える」と訴え、トップダウンの手法を看板とした。政府に正面から物申す姿勢は注目を集め、国政に影響を与えた政策も少なくない。

 2012年には沖縄・尖閣諸島を都として購入する方針を打ち出した。それを契機に政府は尖閣国有化に踏み切った。中国は激しく反発し、日中関係を悪化させる一因となった面は大きい。

 大手銀行への外形標準課税(銀行税)導入やディーゼル車の排ガス規制などは国に先んじて推進し、評価する声もある。昨年夏に開催された東京五輪の招致では旗振り役を担った。

 他方、中小企業支援を目的に開業した新銀行東京は甘い審査で融資が焦げ付き、経営難に陥って批判を浴びた。東京・築地市場の豊洲移転を巡る土壌汚染問題では、都議会で証人喚問を受けた。

 石原氏の手法や政策が及ぼしたことの功罪について考える必要があろう。

 政界デビューした当初は自民党に所属し、党内で若手のタカ派集団「青嵐会」を結成して中心メンバーとして活動した。環境庁長官や運輸相を務めた。

 知事就任後、4期目途中で辞職して国政復帰を目指し、新党を結成した。当時の橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と合流したが、早々に分裂した。

 自主憲法の制定を掲げながら、具体的な道筋を示すまでには至らず政界を引退した。

 文壇では異彩を放った。神戸の生まれで、幼少期は小樽で過ごした。一橋大在学中に小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞し、共著「『NO』と言える日本」は日米関係に一石を投じた。

 その一方で、「三国人」などと戦後の一時期使われた朝鮮人や中国人らへの侮辱表現を使ったり、東日本大震災は「天罰」と述べたりした。関係者を著しく傷つける発言が多かったことも否めない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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