路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政界地獄耳】:芳野と小渕の会食 連合と自民党の接近シグナル/02.22

2022-02-26 08:05:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政界地獄耳】:芳野と小渕の会食 連合と自民党の接近シグナル/02.22

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:芳野と小渕の会食 連合と自民党の接近シグナル/02.22 

 ★17日夜、連合会長・芳野友子が自民党組織運動本部長・小渕優子と東京都内で会食していたことが発覚して野党関係者は大騒ぎだ。まして芳野はその会食直前まで立憲民主、国民民主両党議員が連合との協力強化を狙って設立した懇談会に出席、連合は夏の参院選の基本方針を決定したものの、立憲、国民両党を支援政党として明記せず「引き続き連携」との記述にとどめた。ただ「自民党とは連携しない」宣言した直後だっただけに波紋を広げている。

連合の芳野友子会長

 ★この会食は自民党サイドからの呼びかけだったようで、芳野がこたえた形になっているが、連合会長の立場で公式の会談ならば、幾人かを連れていくものだろう。小渕が「女性同士、懇談したい」と軽い会食であるならばもう少し慎重さが必要だったのではないか。なぜなら連合会長を安く売っているからだ。過去の歴代会長は春闘のこの時期、会社側と1歩も引かぬ不退転の決意で対峙(たいじ)したものだし、それが労働者の代表の意地の見せどころだったはずだ。芳野の行動は参院選前に随分と薄っぺらく見える。

 ★自民党関係者が言う。「自民党は随分前から、党3役を軸に連合と接触していた。希望の党失敗の後ぐらいから、水面下の会合を重ねていた。労使協調というが実態は民間労組の委員長などを経れば企業の労務担当役員になるケースが多い。実際に自民党支持の連合幹部は多い。いよいよこれで表面化することだろう。先の衆院選挙で連合は共産排除を言い続け、芳野連合行き先がなかったと言い出したが、実態自民党を流している。驚く話ではないのが実態だ」。つまり自民党連合は大筋でまとまり、組織運動本部長クラスと連合会長ばれるように会談してみせるまで近づいたというシグナルだろう。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年02月22日  07:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【政界地獄耳】:野党はもっと質問するべき/02.19

2022-02-26 08:05:10 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界地獄耳】:野党はもっと質問するべき/02.19

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:野党はもっと質問するべき/02.19 

 ★憲政史上、これほどさざ波すら立たなかった通常国会があっただろうか。野党は与党に対して大した質問もしない。では問題がなかったのかといえば自民党京都府連を舞台にした買収資金と思われてもおかしくない資金をまるでマネーロンダリングしたかのように扱っていたことが発覚した問題。まして京都選出の国家公安委員長が「問題ない」としてかたづけようとしていることは、先の参院選広島選挙区大型買収事件と酷似しており、大いに質問することがあるはずだ。

 ★またコロナ禍のワクチン接種に関して岸田内閣は先の内閣の教訓を生かしたとはいえず、ワクチン担当相の要領を得ない答弁も国民を不安にさせるが、野党は問いただしはしない。これほどスムーズなら各党が衆参の議院運営委員会の議題になるまでの本会議の日程、議題や法案などの調整や審議の下準備のために置く国会対策委員会は不要ではないか。議運だけで十分事足りる。そもそも正式な委員会でもない国対だが、国対委員長会談は与野党でのもめ事や重要法案の審議が大詰めになると断続的に開かれたものだが、今はその必要すらない。

 ★そもそも国対委員長というポストは1955年、自民党結党と共に生まれた。初代委員長は田中角栄内閣で衆院議長を務めた中村梅吉。保守合同で日本民主党から自民党に参画。激突国会の調整と根回しのために作られたポストだ。その後、国対は国会の舞台回しの裏方として野党をなだめたりすかしたり、時にはカネを積んで野党を黙らせたこともあった。野党から非公式の提案も国対の場で展開されたこともある。そして長年国対が国会運営を仕切るようになっていく。提案型などというシンクタンクの職員のような質問を繰り出す野党に国会を止めたり動かす力はない。来週火曜日には来年度予算案はつつがなく本会議で成立する運びだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年02月19日  08:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:政党も世代交代の時期か/02.18

2022-02-26 08:05:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:政党も世代交代の時期か/02.18

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:政党も世代交代の時期か/02.18 

 ★まれにみる低レベル予算委員会だが、それぞれの党はいろいろ問題を抱えていて、予算委員会を舞台に与野党の激突どころか自民党と公明党の与党は参院選挙を巡るすき間風は強くなるばかりだし、野党は野党で野党共闘どころか立憲民主党の目を覆いたくなるような衰退、共産党との共闘のお粗末な展開、その共産党日本維新の会にあやを付けられ防戦中。維新れいわ新選組立憲とももめている。国民民主党維新合流するふりをしながら裏切って今度は地方政党の都民ファーストとの合流にかじを切るなど、それぞれ有権者そっちのけでもめている。

 ★この現象から見て日本政党成熟しているといえるのだろうか。共産党は今年結党100周年、自民党は今年で65年、公明党は結党58年を数える。その老舗政党には歴史や経験が積まれていて、日本の政党史の大きな役割を担っているといえる。社会党が民主党になり、社民党として少数残ったが、こちらも約30年で財産を食いつぶした格好だ。その他の政党は組織と呼べるものは皆無だ。

 ★では何がうまくいかなくなったのだろうか。党員や支持者の高齢化だ。草創期の党を命がけで作り守った世代が現役を退いた後、とってかわる人材は育っているのか。公明党を支える創価学会や共産党員、それぞれの信ずるものを支え、組織を作り体を張ってきたおかげでその体制は維持されているが、人材は育成されたのか。自民党はその組織をフルに使い党員拡大を続けたが仕事上のお付き合いの党員が多く、地域の組織を支える党員はどのくらい増えているのか。まさに企業もオーナー社長が退きサラリーマン社長の時代。官僚も事務次官を目指すより、収入の高い外資系企業に転職する時代。まったく同根ではないか。だからこそ今政党はどこかで次世代のためにかじを切る時期なのかもしれない。今の動きはその過程にあるのだろうか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年02月18日  08:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:ウクライナ侵攻 ロシアの無法を許さぬ

2022-02-26 07:49:35 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説①】:ウクライナ侵攻 ロシアの無法を許さぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:ウクライナ侵攻 ロシアの無法を許さぬ 

 国際秩序を破壊する暴挙を許すわけにはいかない。ロシアがウクライナへの軍事攻撃を開始した。国際社会は結束してロシアに立ち向かう必要がある。
 
 プーチン大統領はウクライナ占領は計画していないと言うが、戦火が拡大して多くの人命が失われる事態が憂慮される。ロシアは侵攻を即刻やめなくてはならない。
 
 ウクライナ国境地帯に二十万人近いといわれる大軍を展開した砲艦外交が功を奏さなかったとみると、実際に武力に訴える−。
 
 まるで弱肉強食の帝国主義時代に戻ったかのようだ。国連憲章は武力による威嚇やその行使を禁じている。代償は計り知れないことをロシアに思い知らせないと、まねする国が現れて、世界の平和と安定が保てなくなる。
 
 気掛かりなのは中国の動向だ。米国がウクライナに派兵する意思がないのを見て台湾侵攻に動くのではないか、という観測がしきりだ。中国には自重を望む。

 ◆国際社会は結束を図れ

 二〇一四年のクリミア併合に続くロシアの侵略行為に、西側は前例のない厳しい経済制裁を発動するつもりだ。クリミア併合の際、日本政府は北方領土交渉を気にして対ロ制裁に及び腰だった。今回は自由主義陣営の一員として足並みをそろえないと国際的な信頼を失う。
 
 ウクライナ危機以来、石油、天然ガス価格はうなぎ上りだが、一層の高騰は避けられない。世界がコロナ禍からの経済回復を目指す中での逆風だ。エネルギー価格は国民生活への影響が大きい。日本政府は国民生活の防衛に目を配る必要がある。
 
 プーチン氏は欧米との交渉で、バルト諸国まで広がった北大西洋条約機構(NATO)を、これ以上東方に拡大しないよう要求した。ウクライナやジョージア(旧グルジア)が悲願とするNATO加盟が現実になれば、安全保障上の脅威になると見なすからだ。
 
 だが、NATO諸国がロシアとの軍事紛争に巻き込まれるのを懸念して、ウクライナやジョージアの加盟を認める可能性がないことはプーチン氏も分かっているはずだ。米ロの専門家の間では、加盟にモラトリアム(猶予期間)を設けたり、ウクライナの中立化といった妥協案が挙がっていた。
 
 プーチン氏は冷戦終結とソ連崩壊に伴って出来上がった欧州の勢力図を塗り替えて、失地回復を図ろうとしている。欧州安全保障の再編である。交渉で欧米と折り合えば、欧州の安定につながっただろう。それが相互不信を克服できないまま最悪の事態を迎えたのは残念である。
 
 ウクライナの行方はロシアにとって安全保障の問題だけではない。ウクライナの首都キエフは、十〜十二世紀に大国として栄えたキエフ・ルーシ公国の首都だった。この公国がロシア、ウクライナ、ベラルーシの東スラブ系三国の礎となった。
 
 プーチン氏にすれば、ロシア発祥の地のウクライナが欧州になびくことは許容できないのだろう。ウクライナとロシアは一体と考えているからだ。

 ◆大国の狭間の分断国家

 そもそもプーチン氏の言動からは、ウクライナをはじめ旧ソ連諸国を主権国家とは認めていないことがうかがえる。旧ソ連圏はロシアの勢力圏であり、西側は手を出すな、と。だが、他国を自分の属国扱いする独り善がりは認められない。
 
 ウクライナの西部はカトリックのポーランドとの関係が深いのに対し、東部は正教のロシアとのつながりが強い。こうした宗教、文明の断層が走るウクライナは、影響力を競い合う米ロ角逐の最前線でもある。
 
 両大国の狭間(はざま)でウクライナはもみくちゃにされた。欧州とロシアのどちらを選ぶのか、とウクライナ国民に選択を強いる米ロによって分断は極まった。悲劇である。
 
 ただ、ロシアの蛮行をウクライナ人は忘れまい。ロシアがウクライナを支配したとしても、もはやウクライナの民心を失っている。
 
 それだけではない。フィンランドやスウェーデンでもNATO加盟論が台頭している。冷戦時代にソ連の桎梏(しっこく)に苦しんだ東欧諸国がNATOの庇護(ひご)を求めて加盟に走ったのも、ロシアへの恐怖心からだった。
 
 プーチン氏はロシアの安全保障環境を損ねているのは自分自身であることを悟るべきだ。
 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月25日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【筆洗】:ウクライナ東部ドンバス地域は石炭の宝庫で、工業が発展した。…

2022-02-26 07:49:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【筆洗】:ウクライナ東部ドンバス地域は石炭の宝庫で、工業が発展した。…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ウクライナ東部ドンバス地域は石炭の宝庫で、工業が発展した。…

 ウクライナ東部ドンバス地域は石炭の宝庫で、工業が発展した。ロシア人が多いのは、労働力として移住したから

 ▼かつて駐ウクライナ大使を務めた黒川祐次氏の著書『物語 ウクライナの歴史』によると、後にソ連の最高権力者となるフルシチョフもロシア人だが、若いころはドンバスの金属工だったという

 ▼共産党の官僚になってからもウクライナで勤務。土地の歌も愛した。ソ連の指導者となり一九五四年、ロシアの一部のクリミアをウクライナに移管した。「ウクライナに対するロシア人民の偉大な兄弟愛と信頼のさらなる証し」が名目。当時は、その後のソ連崩壊もウクライナ独立も想像できず、黒川氏は「軽い気持ちでなされた」と推測する

 ▼そのクリミアを八年前に、力ずくで奪い返したロシアのプーチン大統領。親ロ派武装勢力が実効支配しているドンバスを守るためとして、軍事作戦を始めた

 ▼ロシア軍はドンバスに限らず、ウクライナ各地の軍事基地をミサイルで攻撃。首都キエフでも爆発音が聞こえたという。米国の警告を無視した侵攻である

 ▼フルシチョフ時代にキューバ危機があった。ソ連がキューバにミサイル基地を建設しているとして、米国が海上封鎖。核を持つ米ソの激突が危惧されたが、非公式折衝などの末に両国は矛を収めた。腹を割った話し合いを今の米ロに期待するのは、難しいのだろうか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2022年02月25日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相の一日】: 2月24日(木)

2022-02-26 07:49:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【岸田首相の一日】: 2月24日(木)

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相の一日】: 2月24日(木)

 【午前】8時27分、官邸。48分、国会。9時2分、参院予算委員会。11時58分、官邸。

 【午後】0時3分、秋葉剛男国家安全保障局長、滝沢裕昭内閣情報官、山田重夫外務審議官。48分、報道各社のインタビュー。52分、国会。1時、参院予算委。2時41分、官邸。56分、秋葉国家安全保障局長。3時1分、国家安全保障会議。22分、報道各社のインタビュー。26分、国会。32分、参院予算委。5時35分、官邸。56分、豊田章男トヨタ自動車社長。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・岸田首相の一日】  2022年02月25日  07:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:「是々非々」はすり寄ることか...国民民主党の予算案賛成、幹部が語った思惑 政治学者の憂い

2022-02-26 06:09:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政局】:「是々非々」はすり寄ることか...国民民主党の予算案賛成、幹部が語った思惑 政治学者の憂い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:「是々非々」はすり寄ることか...国民民主党の予算案賛成、幹部が語った思惑 政治学者の憂い

 世界がウクライナ危機で揺れる中、日本の国会も揺れている。国民民主党が異例の動きに出たためだ。問題の場は22日の衆院本会議。自公政権が提出した2022年度の当初予算案に賛成したのだ。同党は昨年10月の衆院選で与党の候補と対峙たいじしたのに、国の骨格を決める予算案で与党に歩み寄った。この間、わずか半年足らず。野党各党があっけにとられるのも当然だろう。国民民主党の矜持きょうじとは果たして何なのか。(木原育子、荒井六貴)

 ◆首相と肘タッチ、狙いは...

 「虎穴こけつらずんば虎児こじを得ず、といったところでしょうか」。発言の主は国民民主の国対委員長、古川元久衆院議員。「こちら特報部」の取材にそう語った。大きな成果を得るためには身の危険を冒すことも必要だ、という意味合いだ。
 
2022年度予算案が可決された衆院本会議=22日、国会で

2022年度予算案が可決された衆院本会議=22日、国会で

 22日の衆院本会議後、岸田文雄首相は「丁寧に政治を進める」と述べ、国民民主の玉木雄一郎党代表と肘タッチを交わした。取材は2日後の24日。古川氏は「ギブ・アンド・テーク」を求めた。利益を与える代わりに利益を得る、ということだ。
 
 「与党に政策を提案していくということ。リスクを取って相手の懐に飛び込んだのだから必ず実現する。ここからが勝負だ」。思い起こすのは2009年の政権交代。旧民主党だった古川氏は「実績を出したことが政権交代につながった。国民民主も成果を取っていかないと」と意気込む。

 ◆「野党だから政権批判」は「永田町の常識」

 身ぶり手ぶりを交えて熱く取材に応じたのは浅野さとし衆院議員(茨城5区)。「野党だからこうあるべきって、そんなのに縛られなくていい。国民の生活のために議員をやっている」
 
 くしくも24日、ロシアがウクライナに軍事進攻した。ガソリン価格の高騰に懸念が強まる中、ガソリン税を一時的に軽減する「トリガー条項」の連結解除について、岸田首相が検討を明言したことを評価する。これが予算案の賛成に回るきっかけになった。「野党だから政権を批判しなければならないっていうのはどうか。永田町の常識にしばられて考えるのは変えていかないといけない」

 ◆支持母体の連合、前例と違う動き

 与党に歩み寄った国民民主党はどんな党か。
 
 きっかけは17年の衆院選だ。東京都の小池百合子知事が旗揚げした「希望の党」の立ち上げとともに、旧民主党の流れをくんだ民進党は分裂。現在の立憲民主党の結党に参加しなかった議員で結成された。
 
 現在所属する国会議員は23人。国政政党としては5番目の規模だ。支援労組は、電力総連や電機連合など大手企業の労組が中心。日本最大の労組団体「連合」からも絶大な下支えを受けてきた。
 
 その連合も前例と違う動きをみせる。夏の参院選の基本方針について当初、支持政党を明記しなかった。結局、旧民主党時代から後押しした立憲民主、国民民主両党の名前は入ったが「支持」「支援」ではなく「連携」。一方で自民党議員とのやりとりは増えているようにも取れる。日立労組出身で前出の浅野氏は「連合はいつも人物本位で支援の判断をする。連合の人も、与党と食事ぐらいする。野党だって与党とごはんを食べる時もある」と話す。
 
 ◆政治ジャーナリスト「余裕がない証拠だ」
 
 国民民主や連合が与党に歩み寄る理由は何か。
 
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「経済が疲弊し、コロナも相まって雇用もますます不安定になり、企業と政治が一体となって立ち上がらないといけない風潮になっている。労使交渉も結果的に協調路線になるのではなく、最初から出来レース。どちらも余裕がない証拠だ」と指摘する。
 
 国民民主は日本維新の会や都民ファーストとの共同歩調をにおわせたが、与党にすり寄った。政治ジャーナリストの泉宏氏は「党の支持率が低迷し、埋没の危機感があった」と指摘した上、玉木氏と岸田首相との接点も挙げる。
 
 玉木氏は同じ香川県出身で元大蔵官僚の大平正芳元首相を目標にする。大平氏は岸田首相の出身派閥の宏池会の元会長だ。「岸田氏が参院選に負けず、しばらく政権が続くとみられるため、岸田氏にすり寄っている」。自民にとって国民民主の賛成はメリットが大きいという。「野党はバラバラという印象を有権者に与える効果もある」

 ◆野党各党から疑問符「与党か野党か問われる」

 国民民主には、野党各党から厳しい声が上がる。立憲民主党の泉健太代表は「予算の賛否は首相指名選挙と同様に非常に重い。与党か野党か問われる」と疑問視。共産党の小池晃書記局長は「事実上の与党宣言と受け取らざるを得ない」との見方を示す。維新は自民との近さを指摘されるが、予算案は反対だ。藤田文武幹事長は「政権与党に何らかの取引をしたいのか、入りたいのか」といぶかる。
 
 衆院事務局によると、野党が衆院本会議で当初予算案に賛成したのは少数政党を除き、1994年度分の社会党と新党さきがけ以来。首相は新生党の羽田孜氏だった。「社さ」はのちに自民と連立政権を組んだ。

 ◆「申し訳ない。賛成するみたい」

 国民民主がまず予算案賛成を表明したのは21日の衆院予算委員会だった。出席した維新の浦野靖人氏は取材に「『えっ』というのはあった。与野党ともあきれているようだった」と語る。午前中の審議で国民民主の前原誠司代表代行は反対の姿勢で質問。それが午後に一転、前原氏が体調不良を理由に欠席し、玉木氏が賛成の趣旨を述べた。
 
 前原氏は午後の審議前、浦野氏らに「外れることになった。申し訳ない。賛成するみたい」と伝えたという。浦野氏は「維新は連立すら考えていない。国民民主はどこに向かって行くのだろうか」と首をひねる。政界では「前原氏が離党し、維新入りするのでは」とささやかれているという。

 ◆「野党は与党にとって面倒くさい存在でないと」

 野党にとって政府提出の当初予算案を審議する意味は重い。明治大の西川伸一教授(政治学)は「国民の利益になっているか、無駄遣いはないかチェックするのが1番重要な仕事」と説く。国民民主は「や」党ではなく、与党に近い「ゆ」党を超え、さらに「よ」に近い「え」党だと唱える。
 
 ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「国が1年間やろうとしている事業が、お金で数値化されたのが予算。賛成するのは政府与党の1年間の取り組みを認めたことになる」と語る。
 
 昨秋の衆院選で玉木氏は自らの選挙区で自民候補と戦った。同時期の参院静岡選挙区補選で立憲民主の枝野幸男代表(当時)とともに応援した。「野党で1つになっているからと投票した人には裏切りにもなる」
 
 「是々非々」という言葉が一部野党で好まれるが、先の西川氏は「聞こえはいいが、すり寄るということだ。野党のプライドはないのか」とクギを刺す。
 
 今後、ウクライナ危機が深刻化し、日本にも影響が及ぶと「国を挙げて団結を」という空気が世間に漂うかもしれない。ただ、団結の旗を振るであろう政府与党が的確に判断できるとも限らない。それは他の局面でもだ。だからこそ野党の厳しい視線が必要になる。
 
 西川氏は「野党は与党にとって面倒くさい存在でないと、権力のブレーキにならない。戦前の大政翼賛政治になる。取引し賛成してくれるのであれば与党になめられる。それならば自民党に投票すればいいということにもなる」と憂う。
 
  ◇  ◇

 ◆デスクメモ

 古川氏の言葉で気になったのは「実績を出したことが政権交代につながった」。今も政権交代を視野に入れるのかを知りたい。政権交代を狙いながら現政権と手を結んだとすると、話のつじつまが合わない気が。確固たる決意がないまま要求をのまされてばかり、とならぬよう願う。(榊)
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・国会・問題の場は22日の衆院本会議・国民民主党が異例の動き】  2022年02月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【外交】:ウクライナ侵攻で弱腰見せると…日本、中国の「現状変更」に警戒感 尖閣諸島など念頭

2022-02-26 06:09:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【外交】:ウクライナ侵攻で弱腰見せると…日本、中国の「現状変更」に警戒感 尖閣諸島など念頭

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交】:ウクライナ侵攻で弱腰見せると…日本、中国の「現状変更」に警戒感 尖閣諸島など念頭 

◆首相、ロシア制裁へ「G7と連携」

参院予算委で答弁する岸田首相

参院予算委で答弁する岸田首相

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、日本政府はロシアへの経済制裁などを巡り、先進7カ国(G7)で足並みをそろえる構えだ。背景には、軍事侵攻への姿勢が弱腰と映れば、尖閣諸島などを舞台に「力による現状変更」をうかがう中国の行動を助長させてしまうという警戒感がある。
 
 
 「わが国は既に資産凍結や査証発給停止などの措置を取ることにしているが、事態の変化に応じてG7と連携し、さらなる措置を取るべく速やかに取り組んでいく」
 岸田文雄首相は24日の参院予算委員会で、ウクライナ情勢に関して、そう強調した。政府高官は「世界秩序の構造転換が起きてしまう重大なターニングポイント(分岐点)。首相が懸念しているのは、紛争を抱えた他の地域でも同じようなことが起きてしまうことだ」と解説する。
 
 尖閣周辺への領海侵入を繰り返す中国が本格的な侵攻に踏み切れば、安全保障関連法に基づく「武力攻撃事態」として個別的自衛権発動の対象になる。沖縄県・与那国島と100キロ余の距離にある台湾で軍事衝突が勃発しても「重要影響事態」と認定され、自衛隊が米軍などの後方支援に踏み切る可能性も出てくる。防衛省幹部は「中国はウクライナ情勢を観察し、どこまでの軍事力行使が国際的に許されるのかを注意深く分析しているはずだ」と語る。
 
 対ロ制裁によって、懸案の北方領土交渉に影響が及ぶのは避けられない。ただ、ロシアは2020年の憲法改正で領土割譲を禁じ、安倍晋三元首相が在任中にプーチン大統領と合意した共同経済活動も実現のめどが立っていない状況だ。日本と欧米の温度差が目立った14年のクリミア併合時と比べて、強い姿勢で臨みやすい環境にある。(生島章弘)
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・外交・ ロシア・ウクライナ侵攻問題】  2022年02月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:ロシアの暴挙 冷戦時代へ歯車戻すな

2022-02-26 06:00:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説】:ロシアの暴挙 冷戦時代へ歯車戻すな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ロシアの暴挙 冷戦時代へ歯車戻すな 

 広島、長崎への2度にわたる核攻撃以来、76年余りにわたって兵器としての核は使われなかった。それは僥倖(ぎょうこう)といってもいいだろう。冷戦時代には米ソなどが絡む一触即発の危機が幾度もあった。反核運動が世界的に盛り上がった1980年代には「ノー・ユーロシマ(欧州を核の戦場にするな)」というスローガンが流布したことを顧みると今なお背筋が凍り付く。

 ウクライナ侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領はおととい演説で「現在のロシアは世界最強の核大国の一つで、最先端兵器でも一定の優位性を持っている」と言い放った。軍事力を行使するに当たって、核による威嚇を否定していない。

 ロシアは2014年にウクライナ南部のクリミア半島を強制編入したが、それに先立って同国の親ロシア政権が崩壊した際には「核兵器を使う準備ができていた」と明かしたこともあった。大国の指導者としての資質を疑う。今回も被爆地の新聞として憂慮せざるを得ない。

 核兵器禁止条約の採択をけん引した非政府組織(NGO)・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN=アイキャン)も今回のプーチン氏の演説を直ちに非難したのはうなずける。「ユーロシマ」を現実のものにしてはなるまい。

 プーチン氏はウクライナ占領は企図していないという。ロシア系住民の多い東部2州を「クリミア化」するほか、ウクライナを縦断あるいは横断する形で軍事侵攻し、国土を分断して現政権を転覆させる「シナリオ」ではないかと識者はみる。

 しかし、もはやロシアとウクライナの問題では済まない。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は「標的はウクライナだけでなく、欧州の安全保障全体であり、ルールに基づく国際秩序だ」とみる。

 ウクライナが加盟していないため、北大西洋条約機構(NATO)がロシアに対して直ちに軍事行動を起こす可能性は低いだろう。とはいえNATOは19年以降、大規模な軍事演習を準備し、今回もウクライナ周辺の加盟国に軍を派遣している。米軍も欧州の駐留拠点であるドイツに増派する方針である。

 ロシアがウクライナから早期に軍を撤退させない限り、欧州に新たな紛争の火種が生まれてしまうだろう。ロシアがベラルーシに核兵器を配備する懸念も打ち消せない。冷戦時代へ歴史の歯車が逆回転する事態は断じて避けなければならない。

 中国の習近平国家主席とプーチン氏との間には「今の国際秩序は受け入れられない」という一致した理屈がある。中国はロシアの侵攻に静観の構えだが、対米関係で共闘するロシアを非難することもなさそうだ。

 きのう発表された先進7カ国(G7)の首脳声明はロシアに厳しい経済・金融制裁を科すことを明記したものの、国連安全保障理事会は機能不全に陥っている。国際社会が一致して国際法違反の主権侵害を指弾できないのは、由々しき事態だ。

 ロシアには第2次大戦でソ連がナチス・ドイツの電撃的な先制攻撃を受け、緒戦で多大な犠牲を払った苦い記憶がある。プーチン氏は「同じ過ちを繰り返してはならない」と訴えたが、詭弁(きべん)というほかない。彼の言う「自衛の戦争」は根拠が全くないことを知るべきである。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【天風録】:チェルノブイリとヒロシマ

2022-02-26 06:00:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:チェルノブイリとヒロシマ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:チェルノブイリとヒロシマ

 「むごい」。焼けただれた被爆者の写真を前に首を横に振り、惨状を再現した人形に手を合わせていた。2005年夏、当時のウクライナ大統領ユーシェンコ氏が広島市の原爆資料館を訪れた

 ▲東京での首脳会談後、わずかな合間を縫った被爆地訪問はたっての希望だった。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で多くの住民が被曝(ひばく)した地の大統領として、核の惨禍を知る広島には、特別な思い入れがあったという

 ▲そのウクライナが今、なりふり構わぬ大国の砲火にさらされている。きのうロシア軍はチェルノブイリ原発と周辺を制圧した。1986年に事故を起こし、今は稼働もしていないのになぜ

 ▲敷地内には放射性物質が貯蔵されている。ウクライナは核武装するに違いない―。そんな疑念に、核超大国の指導者がとらわれているようだ。自らは大量の核を抱えているのに。悪魔の兵器は、傲慢(ごうまん)や疑心暗鬼も広げるのだろう。ウクライナは旧ソ連時代の核兵器を放棄した国だ

 ▲あらゆる努力をして将来あのような悲劇を阻止することが我々(われわれ)の義務―。ユーシェンコ氏が資料館で記帳していた。ヒロシマを見よ。悪魔に取りつかれた指導者に今こそ声を大にして言わなければ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:危機の世界秩序 平和と安定への結束を

2022-02-26 05:05:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説①】:危機の世界秩序 平和と安定への結束を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:危機の世界秩序 平和と安定への結束を 

 ロシアによるウクライナへの侵攻は、第2次世界大戦や冷戦を経て築かれた世界秩序へのあからさまな挑戦だ。

 国連憲章は前文で「言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害」から将来の世代を救うことを目的に掲げる。国家の領土保全や政治的独立を定め、領土を巡る軍事的威嚇や武力行使を禁じた。

 その理念に逆行して、ロシアはウクライナの首都キエフを含め、全土を制圧する勢いだ。

 ロシアが遂行しているのは侵略戦争にほかならない。

 自らも大戦で多大な犠牲を払い、その上に成り立っている国際秩序を、根底から崩そうとしているように見える。

 これでは、大国が力で覇権を競い合う弱肉強食の帝国主義時代に逆戻りしかねない。

 世界は冷戦後最大の危機を迎えている。

 国際秩序の安定を取り戻し、平和へと歩みを進める必要がある。そのために、国際社会の結束が今ほど求められている時はない。

 冷戦後の当初はロシアも自由や民主主義、法の支配といった普遍的な価値観の共有を目指した。主要国(G8)首脳会議の一員として世界の安定に関わり、プーチン大統領も協調路線を歩んだ。

 しかし旧ソ連の影響下にあった東欧諸国から北大西洋条約機構(NATO)への加盟が相次ぐにつれ、プーチン氏は欧米への不信を強めていった。

 ウクライナ侵攻は、旧ソ連の崩壊で失われた勢力圏を復活させる試みの一環だろうが、あまりに独善的な振る舞いが罪なき人々の尊厳を踏みにじっている。

 冷戦後、米国の一極支配と言われた時期もあったが、イラク戦争やリーマン・ショックを経て指導力は衰えた。オバマ政権以降は「世界の警察官」ではないことを公言している。

 そのうえ、「自国第一主義」を掲げるトランプ前政権がロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約など、国際的な協定を次々と破棄した。

 米国も国際秩序を乱した責任を免れない。

 今必要なのは崩壊が進む秩序の立て直しに向けた協調である。混乱に乗じた力による現状変更を認めるわけにはいかない。

 無秩序が支配する世界で、人々は幸福の実現を期待することはできないだろう。

 平和を最優先した世界を取り戻すため、各国の行動が求められる。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月26日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:JRまた混乱 官民連携の体制が急務

2022-02-26 05:05:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説②】:JRまた混乱 官民連携の体制が急務

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:JRまた混乱 官民連携の体制が急務 

 災害級の暴風雪が襲った影響で道内は今週、交通網がまたも混乱した。JR北海道は事前の計画運休で備えたものの、札幌発着を中心に完全復旧に至っていない。

 特に新千歳空港では千歳線が丸3日間全面運休し、23日には4千人が足止めされる事態に陥った。

 JRが翌日未明まで再開時間を何度も変更したことが、さらに利用客の不安と怒りを招いている。

 多くの受験生も巻き込まれた。
体調に影響がないか心配だ。

 想定外の積雪で作業が難航を極めたのは分かる。だがJRは不手際の原因究明を進めるべきだ。

 民営化した空港運営を担う北海道エアポートとの連携が適切に行われたかどうかの検証も必要だ。

 緊急時には行政が代替交通確保の調整機能を果たすなど、官民連携の体制づくりが急務となる。

 JRは今月上旬にも8日間にわたり計3500本運休したばかりだ。各駅で動けなくなった車両が除雪を妨げたのが原因だった。

 今回は事前に車両を待避させたが、恵庭周辺の記録破りの大雪と除雪車故障で作業が遅れた。

 故障車は導入から27年と老朽化していた。根室線でも21日に除雪車から出火する事故が起きている。設備更新を急ぐべきだろう。

 北海道運輸局は今回、札幌駅などで職員が滞留状況を確認し、バス、タクシー会社に空港連絡用の増便、配車を要請した。だが実際に混乱解消はできなかった。

 岸田文雄首相は24日の参院予算委員会で一連の暴風雪を「大きな災害」と答弁した。ならば国が責任を持ち対応する必要があった。

 JR北海道は実質国管理で経営も監督命令下にある。迅速な情報公開を促すこともできたはずだ。

 地元行政の受け身も気になる。道は官民の連絡部会議を開き再発防止を図るが、必要なのは道民の足を守る緊急時の司令塔設置だ。

 JRの内向き体質も問題だ。線路内の除雪は「教育が必要」として外部の応援を認めなかった。

 第三者を交え一連の対応を検証する意向だが、島田修社長はメンバーに過去安全対策に関わった技術系の有識者の名前を挙げた。

 これでは身内に甘い検証結果となりはしないか。利用客の声を反映できる人選や組織づくりに心がけるべきだろう。

 今冬は本州のような湿り雪が多いとの指摘もある。東北や北陸で実績があるJR東日本や西日本から除雪技術を学ぶ姿勢も大切だ。

 安全安心な運行という公共交通機関の基本に立ち返ってほしい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月26日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:二・二六の人事

2022-02-26 05:05:30 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【卓上四季】:二・二六の人事

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:二・二六の人事

 陸軍皇道派青年将校による二・二六事件には人事の伏線があった。それは陸軍次官に就任した柳川平助が腹心の小藤恵大佐を人事権を握る補任課長に任じたところから始まったと、元陸軍少将田中隆吉の「日本軍閥暗闘史」にある

左から、川島芳子川島浪速、田中隆吉。1933年撮影。

 ▼小藤は職権を利用して、人事異動のたびに皇道派中の最も熱狂的な尉官を東京の近衛師団に集めた。永田鉄山軍務局長が暗殺された相沢事件のころにはすでに20人超に達しており、クーデターへの決心を強固なものとしたという見立てだ

 ▼事件の動揺が全国に広がる中、田中が参謀を務めていた関東軍では注意を要する青年将校を一斉に拘束。直ちに事態を掌握した。人事が組織の行方を左右することは時代を問わない

 ▼二・二六事件後、統制派が力を増す中、田中が「その欲するままに国政を左右することができた」と批判した人物がいる。永田に代わり台頭し日米開戦に突き進んだ東条英機だ

 ▼派閥の暗闘がもたらした戦争遂行への道。「田中から見れば、青年将校も踊らされた存在だった」と作家保阪正康さんは「帝国軍人の弁明」(筑摩選書)に書いている

 ▼極東国際軍事裁判で検察側証人となったことから、裏切り者扱いされた田中が残した教訓がある。偏狭な優越感は他民族の反感を買い、百害あって一益ももたらさぬ。戦後日本は平和の先駆者たれと願った田中。派閥争いの愚を知る者の重い言葉である。2022・2・26

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年02月26日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【水曜討論】:沖縄復帰50年 現状は

2022-02-26 05:05:20 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【水曜討論】:沖縄復帰50年 現状は

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【水曜討論】:沖縄復帰50年 現状は

 1972年5月15日に沖縄が日本本土に復帰して、今年で50年を迎える。太平洋戦争末期の沖縄戦後、27年間にわたり、米国の統治下に置かれた沖縄。亜熱帯の気候、独特の歴史や文化が人々を引きつけ、観光地として人気が高い一方、米軍基地の整理・縮小は進まず、今も「基地の島」だ。復帰とは何だったのか。3氏に聞いた。 

 ■基地問題 本土は他人事 元沖縄県知事・稲嶺恵一さん

 復帰直後の沖縄の人の意識は、半分が日本の沖縄県民、半分が沖縄人でした。1980年代、当時の西銘順治知事は「沖縄の心とは」と問われ、「ヤマトンチュ(日本人)になりたくて、なりきれない心」と言いました。でも、本土への同質化が進んだ今の若い人の意識は、完全に沖縄県民になりました。

 インフラが急速に整備され、県民の生活は向上し、観光業などを中心に経済発展しました。ただ、県民所得はいまだ都道府県で最下位。中央のまねをするのではなく、沖縄の特性を生かし、伸ばすことが必要です。

 私は県知事時代、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を容認しました。辺野古移設に県民の6割以上が反対というのは一貫しています。それでも、本島北部に空港があるのは沖縄の将来の財産になると考え、軍民共用や使用期限の条件付きで認めました。オール・オア・ナッシングで沖縄が国と対立するのは良くないとの思いもあり、ギリギリの落としどころを探りました。苦渋の決断でした。

 しかし、それを日本政府は分かってくれませんでした。条件は消え、計画は変更されました。沖縄の複雑な、苦しい状況は理解してもらえませんでした。

 2004年、沖縄国際大の米軍ヘリ墜落事故が起きました。当時の小泉純一郎首相に面会を求めましたが、夏休みだと会ってくれませんでした。寂しかったです。基地問題への考え方が沖縄と本土とはずいぶん違うと。

 なぜ、沖縄にこれだけ米軍基地が集中しているか。それは米国統治下にあった沖縄なら持ってくるのが簡単だと本土から移転されたからです。復帰後も沖縄に残された基地問題について、本土の人が言うのは「沖縄の皆さんは大変だね、ご苦労さんだね」。そして「よろしく頼むね」と。日米安全保障体制は大事だと、在日米軍基地は必要だと思っていても、自分のところに基地が来るのは困るのです。

 沖縄の基地問題と言いますが、沖縄だけの問題ではありません。外交、安全保障をどうするかは日本全体の問題のはずです。そこに真剣に向き合ってほしいのです。

 ■過大な憲法への「幻想」 「反復帰」唱えた元裁判官・仲宗根勇さん

 27年にわたる米軍統治下の沖縄は人権が脅かされていました。小学生のころ、近所の畑で米兵に乱暴された女性の死体を見ました。軍用車両にはねられ、裁判もなく亡くなった親戚もいます。土地は奪われ、むき出しの暴力にさらされていました。

 だからこそ、沖縄人にとって光り輝いて見えたのが日本国憲法でした。憲法の下に入れば、人権が守られ、平和な暮らしが取り戻せるのではないか、と。復帰運動は「平和憲法の下への復帰」がスローガンでした。

 「祖国」への復帰を叫ぶ主流派に対し、私は懐疑的な目を向け「反復帰論」を掲げました。復帰すれば救われるというのは、日本に過大な幻想と期待を寄せているのではないか、と。少し立ち止まって考えてほしいと、私なりの問題提起でした。

 日米両政府による返還交渉では、米軍基地を復帰後も維持することを確認し、有事の際の核再持ち込みを認める密約も交わしました。既にあの時、日米安全保障条約が優先され、憲法の内実は空洞化していたのです。復帰運動は、そんな憲法をあまりにも理想化していました。

 そもそも憲法に基づく日本の平和は、沖縄の軍事基地化が前提となっていました。日本は沖縄を米国に差し出したのです。

 日本は沖縄を犠牲にして戦争をやりました。住民の4人に1人が亡くなったと言われる沖縄戦で、日本軍は住民から食料を強奪し、集団自決を強要しました。住民を守らない軍隊への不信感が沖縄の根底にあります。

 今、自衛隊の「南西シフト」が鮮明になり、日米の共同訓練など軍事一体化が加速しています。基地は標的になり、狙われれば犠牲になるのは住民です。ミサイル一発で、沖縄が「蒸発」してしまうかもしれません。

 国は、再三にわたって民意が反対を示す米軍普天間飛行場の辺野古移設を進めています。本土では決して受け入れない新基地の工事を強行するのは、連綿と続く沖縄差別そのものです。憲法自体は素晴らしいものだと思っていますが、その理想とは相反する現実があります。これが本当に私たちが帰りたいと願った「祖国」なのでしょうか。

 ■活気出たが、なお深い溝 那覇市の出版社編集長・新城和博さん

 「復帰すると、沖縄にも雪が降る」。復帰の時、僕は9歳。小学生の間でうわさがありました。人形劇「ひょっこりひょうたん島」の影響からか島ごと引っ張られ、日本に近づくのではないかと。「世替わり」は子ども心に不思議な思いでした。

 復帰後、沖縄の街並みは変わりました。モノレールが開通し観光客相手の店が増えました。他の地方都市と同じく郊外に大型ショッピングモールができました。沖縄の場合、返還された米軍基地の跡地でしたけれど。

 かつて盛んに語られた「ヤマトに追いつけ、追い越せ」とのスローガンは聞かなくなりました。復帰20年の1992年は国の記念事業の目玉として首里城が復元され、活気づきました。復帰のことが語られるのも、最後かもしれないと思いました。

 でも、やっぱり、なんも変わっていないじゃないか。そう気付かされたのが、3年後の95年に起きた米兵による少女暴行事件です。抗議する県民大会に、僕もレジャーシートを持って家族で出かけました。静かな怒りが沖縄を覆いました。

 ちょうど沖縄出身の歌手・安室奈美恵さんが活躍し「アムラー」の社会現象を起こしたころです。新しい沖縄らしさをつくった明るいイメージと、基地問題が重くのしかかる現実。そんな光と影が沖縄にはあります。

 本土と沖縄の距離は物理的には縮まったように見えます。米国統治下で必要だったパスポートもいらず気軽に行き来できる。でも、足元には、ものすごく深い溝があると思うんです。

 最近の県内の世論調査では「本土は沖縄のことを分かってくれない」と感じる人が増えています。日米両政府が96年に合意した沖縄の基地負担軽減は、摩訶(まか)不思議にも、県内に新しい基地を造る問題にすり替わってしまっています。基地反対運動に関わる人々を「反日」「売国奴」などとおとしめ、攻撃にさらす沖縄ヘイト(差別扇動表現)という言葉も出てきました。

 沖縄の「日本復帰」とは、なんだったのか。この問いは今の日本を映し出す鏡です。その映ったわが姿こそを見つめ、考えてほしいな、と思います。(東京報道 玉邑哲也)

 ◆<ことば>沖縄の本土復帰

 太平洋戦争後、1952年発効のサンフランシスコ講和条約で日本の主権は回復したが、沖縄は本土から切り離されて米国の施政権下に置かれた。米軍は苛烈な地上戦で占領した沖縄をアジアでの軍事戦略拠点とし、「銃剣とブルドーザー」と呼ばれる強引な手法で住民の土地を奪い、基地建設を推進した。住民は「島ぐるみ闘争」と呼ばれる運動で抵抗した。69年、佐藤栄作首相とニクソン米大統領が首脳会談で沖縄返還を決定。沖縄は72年5月15日、米軍基地を抱えたまま日本に返還された。

  元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【水曜討論】  2022年02月23日  10:11:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ロイター】:ウクライナで貨物船被弾、日本企業関係の可能性 乗員は避難か

2022-02-26 01:52:30 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【ロイター】:ウクライナで貨物船被弾、日本企業関係の可能性 乗員は避難か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ロイター】:ウクライナで貨物船被弾、日本企業関係の可能性 乗員は避難か 

 ロイター通信によると、ウクライナ南部オデッサ州の港付近で25日、パナマ船籍の貨物船「ナムラ・クイーン」が砲撃で損傷した。日本の企業が関係している船の可能性がある。負傷者については報じられていない。ロイターは、乗員は避難したと伝えた。

 船舶情報サイトによると、同船は、愛媛県今治市の会社が船主として登録されている。

 インタファクス通信によると、ウクライナ当局は、船尾にミサイルが当たり、プロペラに損傷を受け、出火したと明らかにした。

 ロイターによると、ウクライナ当局は「ロシアが攻撃した」と述べた。同船は穀物を積んでいた。当局は「火災は制御下にある」と述べたが、別の船が救助に向かった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・欧州・ウクライナ情勢】  2022年02月26日  01:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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