【政界地獄耳】:したたかに北方領土、エネルギー供給をカードに変えるべき/02.08
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:したたかに北方領土、エネルギー供給をカードに変えるべき/02.08
★7日は「北方領土の日」。都内では「北方領土返還要求全国大会」が開かれ、あいさつした首相・岸田文雄は「領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、粘り強く交渉を進める」と述べた。だが北方領土問題と北朝鮮の日本人拉致問題について「私の在任中に解決」を豪語したものの“外交の安倍”がそれらの交渉を台無しにしているのはご承知の通りだ。まして昨年12月26日の北海道新聞(デジタル版)で元首相・安倍晋三は「外交において100点を狙って0点になるならば、何の意味もありません」「ロシア側が考慮する可能性のあるものを投げかける必要があると考えました」と2島返還論を正当化し岸田にもそれを引き継ぐよう要求した。
★日米首脳会談が実現しなかった代わりのオンライン会議が米バイデン大統領と岸田との間で行われたのは先月だが、首相がウクライナ情勢について「いかなる攻撃にも強い行動をとることについて米国などと調整を続けていく」と発言したことを引き合いに2日、日本外国特派員協会で会見したロシアのミハイル・ガルージン駐日大使は「強い行動という言い方は、ロシアと日本のあらゆる関係を発展させるという指導者同士の合意と矛盾し、対話の前向きな雰囲気作りにつながらない」と強くけん制した。
★着任したばかりのエマニュエル駐日アメリカ大使は3日、ツイッターで「ロシア大使が日本を威嚇したタイミングはこれ以上ないほど悪い」と参戦。けん制球の投げ合いが続く。だが、ここで外相経験を岸田は生かすべきだ。ウクライナ情勢の緊迫化でロシアから欧州への天然ガスや原油の供給の停滞懸念でエネルギー価格は高騰する。米国につくかロシアにつくかではなく、したたかに北方領土やエネルギー供給をカードに変えるべきだ。失われた日ロ外交を取り戻すために。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2022年02月08日 08:09:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。