路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政府】:こども家庭庁、23年4月創設 首相直属、法案決定

2022-02-25 20:23:30 | 【中央省庁・内閣府・1府11省2庁・公取委・主任の大臣・事務次官・官房・

【政府】:こども家庭庁、23年4月創設 首相直属、法案決定

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:こども家庭庁、23年4月創設 首相直属、法案決定 

 政府は25日、子ども政策の司令塔「こども家庭庁」を2023年4月に創設する法案を閣議決定した。新型コロナウイルス禍で虐待や貧困、少子化といった問題が深刻化しており、省庁の縦割りを解消し一元的に対応する狙いがある。今国会での成立を目指す。

 こども家庭庁のイメージ

 こども家庭庁のイメージ

 首相直属機関で、内閣府の外局として設置。他省庁に政策の是正を求めることができる「勧告権」を持つ担当閣僚を置く。担当閣僚は、省庁の対応が不十分との意見を首相に述べられる。

 厚生労働省や内閣府から、子どもや子育てに関わる主な部署を移す。幼稚園、小中学校の教育分野は文部科学省が引き続き担う。

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 政治 【政策・子ども政策の司令塔「こども家庭庁」】  2022年02月25日  20:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:困窮者現金支援6月末まで、特例貸し付けなど

2022-02-25 20:17:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【厚労省】:困窮者現金支援6月末まで、特例貸し付けなど

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:困窮者現金支援6月末まで、特例貸し付けなど

 厚生労働省は25日、新型コロナウイルス感染拡大によって生活に困窮する人向けの現金支援に関し、申請期限を現在の3月末から、6月末まで3カ月間延長すると発表した。特例の貸し付けを行う「緊急小口資金」「総合支援資金」のほか、貸付金の枠を使い切った人に最大60万円を給付する「生活困窮者自立支援金」、家賃を補助する「住居確保給付金」の特例措置が対象となる。

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 政治 【新型コロナウイルスの感染拡大に伴う施策・厚労省・新型コロナウイルス感染拡大によって生活に困窮する人向けの現金支援】  2022年02月25日  20:17:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:ウクライナ侵攻 ロシアは即時撤退せよ

2022-02-25 07:01:55 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説】:ウクライナ侵攻 ロシアは即時撤退せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ウクライナ侵攻 ロシアは即時撤退せよ 

 あろうことか、ロシア軍がウクライナに侵攻した。国際社会の度重なる警告を無視した暴挙である。

 他国の主権を侵害し、世界の平和と安定を根底から突き崩す明らかな国際法違反であり、言語道断だ。ロシアは即座にウクライナから撤退すべきである。

 ロシアのプーチン大統領は先日、ウクライナ東部の親ロシア派地域の独立を一方的に承認した。それだけでも主権の侵害なのに、きのうは侵攻を始めた。

 ウクライナ当局によると、首都キエフなど全土の軍事施設がミサイル攻撃を受けている。全面的な侵攻が進んでいるのだろう。放置すれば、影響はウクライナだけでなく、周辺国を含めた欧州全体に広がりかねない。国際社会は結束して、ウクライナの主権を守らねばならない。

 バイデン米大統領は「プーチン氏は破滅的な人命の損失をもたらす戦争を選んだ。世界はロシアの責任を追及する」と憤った。当然である。米国はロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」の運営企業と幹部に科した制裁をさらに強化するという。欧州連合(EU)も制裁を拡大する方針だ。

 ロシアは8年前、ロシア系住民の多い、ウクライナ南部のクリミア半島を強制的に編入し、国連や国際社会の反発を招いた。過ちをなぜ繰り返すのか。

 プーチン氏は、ウクライナを「歴史的、文化的、精神的に不可分のわが固有の領域の一部」と言い切っている。旧ソ連の構成国はロシアの領土とでも言うような態度だ。横暴ぶりが度を越えている。自身を皇帝だとでも思っているのだろうか。

 ウクライナがロシアでなく、EUに接近しようとするのは、プーチン氏の強権ぶりに嫌気が差していたからではないか。クリミアの強制編入でロシアの脅威がなければ、北大西洋条約機構(NATO)加盟を模索することはなかったかもしれない。

 今回の侵攻についてプーチン氏は「目的は人民の保護」と述べた。ロシア系住民を念頭に置いているのだろう。ナチス・ドイツによるチェコスロバキア併合を思い出す。ナチスがズデーテン地方を併合した際、ドイツ系住民の保護を理由にしていたからだ。圧力を強めるナチスに英仏両国が譲歩し、小国チェコスロバキアは解体された。

 ナチスの横暴を食い止めなかったことが、第2次世界大戦につながったのではないか。国際社会がウクライナから目を背けることがあってはならない。

 ロシア系住民が多い国は他にもある。バルト3国は、今回の侵攻を受け、国際的な銀行間決済システムからのロシア排除を提案した。極めて重い制裁案は自国も巻き込まれかねない懸念が拭えないからに違いない。

 プーチン氏は国民の支持を得るため自国に「大国」の看板を掲げたいのだろう。しかしクリミア編入で制裁を受けながら再び侵略に乗り出し、信頼は地に落ちた。今回も「米国と同盟国がレッドラインを越えた」と責任を転嫁するありさまだ。

 強大な軍事力で他国を踏みにじるロシアに対し、日本も厳しい姿勢で臨まなければならない。国際社会と協力して、ロシア国債の日本での発行・流通などを禁じた制裁をさらに強化する必要がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月25日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:地球からの「逃げ方」?

2022-02-25 07:01:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【天風録】:地球からの「逃げ方」?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:地球からの「逃げ方」?

 ぐるり気球で一周、頂まで1カ月の登山、氷で覆われた極地探検―。三つのモデル周遊プランを紹介する光文社新書「火星の歩き方」が昨年末に刊行された。人跡未踏の惑星だが、多くのカラー写真や地図が旅情をそそる

 ▲そこには謎の堆積物が広がる平原があり、米グランドキャニオンの10倍規模もの大峡谷があるらしい。オリンポスは2万メートルを超える太陽系の火山最高峰とか。30~40代の惑星研究者3人が大真面目にガイドしてくれる

 ▲雄大なスケール感に圧倒されていると、今度はワニブックスPLUS新書から齋藤潤著「本気で考える火星の住み方」が出た。水が存在するようなので工夫すれば定住できると、こちらも理詰めで説いてある

 ▲この火星本ブーム、今は富豪限定であるものの、宇宙旅行が身近になった表れと言えそう。あるいは温暖化と大災害頻発で暮らしにくくなった地球からの「逃げ方」指南書かもしれない

 ▲極め付きが戦争だろう。とうとうロシアがウクライナに侵攻した。有史以来、争いに明け暮れてきた人類である。他の惑星に移住できたとしても、同じことを繰り返しかねない。その前に「平和な地球の歩き方」を本気で編まなくては。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月25日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:「強制不妊」初の賠償命令 国は責任認め救済急げ

2022-02-25 07:01:45 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【社説】:「強制不妊」初の賠償命令 国は責任認め救済急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:「強制不妊」初の賠償命令 国は責任認め救済急げ 

 戦後の旧優生保護法で障害者に強制していた不妊手術を巡り、国の責任を断罪する踏み込んだ判断が示された。

 聴覚障害のある大阪府の70~80代夫婦と、近畿在住で知的障害のある70代女性が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決である。大阪高裁はおととい、旧法は「極めて非人道的、差別的だ」として憲法違反と判断しただけでなく、国に賠償を命じた。同様の訴訟は、全国9地裁・支部に起こされているが、賠償命令が出るのは初めて。

 強制不妊の救済法は2019年に施行されたものの、国の責任が曖昧など、不十分な内容だった。支給される一時金も1人320万円にすぎず、高裁が今回命じた原告3人への損害賠償額2750万円に比べ、わずか3分の1程度でしかない。

 国は自らの責任を認め、上告を断念すべきである。併せて、不妊手術を強制された全ての被害者に謝罪した上で、救済策の拡充を急がねばならない。

 一連の訴訟では、四つの地裁で違憲判断が示された。ただ賠償請求に関しては、民法で定められた「除斥期間」、いわゆる時の壁が立ちふさがっている。

 賠償の請求権は20年間で消滅するというものだ。証拠資料が廃棄されたり関係者の記憶が薄れたりする前に法的関係を確定させるため、定められていた。

 除斥期間は薬害・公害訴訟などで争点となってきた。在外被爆者の援護や戦後補償を求める訴訟では賠償請求の棄却を求める有力な根拠として国が利用した。被害者救済をはねつける道具にされたのでは本来の趣旨から外れている。20年4月施行の民法改正で、除斥期間はなくなり、中断や停止のあり得る時効に統一されたのも当然だろう。

 今回の訴訟でも、除斥期間が最大の争点となった。原告が不妊手術を受けたのは1960~70年代だったため、一審の大阪地裁は賠償請求を棄却した。

 大阪高裁は、旧法から障害者差別に当たる条文を削除し、母体保護法に改正した96年を起算点とした。原告の提訴時には20年が過ぎていたが、「人権侵害が強度で」「除斥期間の適用を認めることは著しく正義、公平の理念に反する」と強調。最高裁の2件の判例を踏まえ「例外を一切許容しないものでない」として、除斥期間の適用に制限を加えることにした。

 刑事事件でも重い殺人罪について、国は15年だった時効をなくした。「戦後最大の人権侵害」と原告の言う強制不妊に対し、しゃくし定規に除斥期間を当てはめることは許されない。

 大阪高裁は、原告らが長期間提訴できなかった理由として障害者への差別や偏見の影響を指摘。それを助長したのは旧法を推進した国だと非難した。人権擁護の最後のとりでとして、行政や立法をチェックするという司法の役割を果たした点も評価したい。国会議員に対しても、憲法違反が明白な旧法を立法した点で過失があると断じた。

 救済法の施行から間もなく3年。一時金支給は千件を下回り、想定の3分の1にも届かない。政府も国会も、救済に道を開く今回の判決を重く受け止めねばならない。障害者差別の払拭(ふっしょく)に努めながら、強制不妊の徹底調査や支給額引き上げ、国の責任の明文化といった抜本的な法改正を進める必要がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月24日  06:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:埋もれかける心の声

2022-02-25 07:01:40 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【天風録】:埋もれかける心の声

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:埋もれかける心の声

 4歳の時に病で光を失ったエッセイストの三宮麻由子(さんのみや・まゆこ)さんは時折、その境遇を「シーンレス」と造語で表現する。直訳すると、風景がない―。あえて視覚障害としないのには理由がある

 ▲音や手触りで辺りの様子を感じ取る。それは、病気や事故次第で誰の身にも起き得るからだ。障害者の話とあしらわず、「明日はわが身」といった感覚を持ってほしい。そんな思いも込めてのことらしい。裏返せば、まだ理解を欠く現状なのだろう

 ▲「障害者は不幸」とみる、ゆがんだ考えの温床が四半世紀前まであった旧優生保護法。その名の下に、本人が知らぬ間に不妊手術を強いていた。憲法の精神に背くとして、国に損害賠償を命ずる大阪高裁の判決がおととい出た

 ▲原告には、耳の不自由な老夫婦もいる。二人は「うれしい」「怒り、悲しみは続いている」と入り交じる思いを手話で伝えた。「元の体に戻せ」と心の声も聞こえてくるようだ。肉声で聞き取れず、何とももどかしい

 ▲救済の手を差し伸べられるべき被害者は約2万5千人もいるはずなのに、一時金の支給はまだ千人に及ばないという。心の声を埋もれさせないためにも、こんなときこそ「聞く力」の出番では。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月24日  06:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:ウクライナ危機 力で国境変更、許されぬ

2022-02-25 07:01:35 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説】:ウクライナ危機 力で国境変更、許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ウクライナ危機 力で国境変更、許されぬ 

 ロシアのプーチン大統領は、親ロシア派組織が実効支配しているウクライナ東部の一部地域について独立を承認した。

 2014年のクリミア半島の併合に続いて、軍事力を背景に一方的に国境を変更する試みといえよう。ウクライナの領土保全や主権をゆがめるもので、国際法違反である。到底容認できない。

 さらに恐れていたシナリオが現実となった。プーチン氏は独立を承認した地域に対し、ロシア軍を派遣するよう国防省に指示したという。平和維持が目的と主張しているが、他国の主権を侵すような軍事行動を正当化できるはずはない。

 国連憲章は、国の領土保全や政治的独立に対する武力行使を禁じている。国際社会は結束してロシアに対する包囲網を強める必要がある。「無法」を許すことがあってはならない。

 ロシアが派兵するのは、ロシア系住民が多い東部ドンバス地域の一部。親ロシア派が14年に「ドネツク共和国」と「ルガンスク人民共和国」を名乗り、一方的に独立を宣言した。ロシアがクリミア半島を強制編入したのとほぼ同じ時期のことだ。以来、8年間にわたってウクライナ政府軍と交戦状態にある。

 今月に入ってからは、ロシアや親ロシア派が「政府軍から攻撃があった」と主張し、占領地域の住民をロシアへ避難させ始めた。ウクライナは「偽ニュース」だと否定し、欧米はロシア側が侵攻の口実をつくろうとしていると警戒を強めていた。

 ロシアが力による現状変更に踏み出したことで、ウクライナ危機は新たな局面に入ったのではないか。

 ウクライナ東部に侵攻したロシア軍の駐留が長期化する可能性がある。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への加盟を何としてでも食い止めるとともに、この地域の「独立」の既成事実化を狙っているのかもしれない。

 政府軍とのにらみ合いが長引けば、偶発的な衝突から戦端が開かれる事態も否定できない。ひとたび武力紛争状態に陥れば、大混乱は欧州だけにとどまらない。各国が知恵を絞り、武力衝突を防ぐ仕組みを整えなければならない。

 米欧などによる対ロ制裁の発動も避けられないだろう。

 先進7カ国(G7)の外相が先週、ドイツで緊急会合を開き、ロシアが侵攻すれば、前例のない経済・金融制裁を科すと警告した。

 ロシアの主力銀行との取引停止や輸出規制、独ロを結ぶ天然ガスパイプラインの稼働停止などが検討されている。対ロ制裁では一歩踏み込んだ形である。大規模な制裁が発動されれば、ロシアも国際社会での評価や信用を落とし、国力を大きく損なうリスクがある。

 米政府高官は、今回のロシア軍の派兵について、実質的に親ロシア派が過去8年間にわたり支配してきた地域として、「新たな侵攻」とみなさない考えを示唆した。ロシアがウクライナへ再侵攻しないことを条件に危機の解決に向けて、首脳間の対話の道も残しているという。

 日本も国際法違反に対して毅然(きぜん)とした態度を取る必要がある。米欧と同調し、プーチン氏に自制を促す外交努力を続けるべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月23日  06:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:コウモリがつなぐ縁

2022-02-25 07:01:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【天風録】:コウモリがつなぐ縁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:コウモリがつなぐ縁

 我宿に一夜たのむぞ蚊喰鳥(かくいどり)―。熟睡できるよう蚊を食べる「益鳥」に願いを掛けた小林一茶の句である。実は鳥ではなく哺乳類のコウモリなのだが。古今東西、大抵は気味の悪い生き物とされるものの、親しまれる存在の例もある

 ▲まちの名前からコウモリと縁が深いのが福山市だ。シンボル福山城は蝙蝠(こうもり)山に立つ。「蝙蝠」という言葉は福に通じるとされ、城下町は「福山」と名が付いた。105年前にはコウモリと山をかたどる市章を制定した

調印式の模様     調印式の模様

 ▲ことしは福山城の築城400年。広くアピールしようと、市はコウモリ色を一層強める。ヒット映画「バットマン」シリーズの舞台である架空の街ゴッサム・シティと友好都市になった。コウモリの仮面、衣装で悪を退治するヒーローとのコラボだ

 ▲バットマンのマークにそっくりだ―と市章はこれまでも話題を呼んできた。世界の人気者と縁をつないだ、いわば「功労者」。だが「ばらのまち」を目指す街にはイメージが暗いとして、変更が議論されたこともある

 ▲バラとコウモリ。不思議な組み合わせで福山を世界に発信できそう。バットマン側も来月公開する新作映画をPRできる。コウモリが双方に幸福を呼び込むか。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月23日  06:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:出生前診断、拡大方針 妊婦支える体制整えよ

2022-02-25 07:01:25 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【社説】:出生前診断、拡大方針 妊婦支える体制整えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:出生前診断、拡大方針 妊婦支える体制整えよ 

 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」。その対象を全妊婦に拡大し、検査を受けられる施設を増やしていくとの指針を、日本医学会の運営委員会が公表した。

 現在の指針では対象外とされている35歳未満の妊婦でも、情報提供や遺伝カウンセリングを受ければ、認定施設で検査を受けることが可能になる。検査を受けられる施設の数も増やす。2022年度早期からの運用を目指すという。

 胎児の異常を調べることは「命の選別」にもつながりかねない。対象を拡大するからには、不安を抱える妊婦に対して適切なカウンセリングをし、検査を受けない選択肢も提示するなど十分な情報提供も必要となる。妊婦ら当事者を支えるための丁寧な対応が求められる。

 新出生前診断は、妊娠10週以降の早い時期に妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを調べ、ダウン症の21トリソミーなど、3種類の染色体異常の可能性を判定する検査だ。倫理的な課題があるため、日本では厳しい条件を課し、「臨床研究」として13年に始まった。

 原則35歳以上とするなど対象を限定し、妊婦に十分な説明と心理面の支援をする遺伝カウンセリングを必須としてきた。実施施設についても、専門医がいて体制が整った大学病院など大規模な施設に絞って認定してきた。検査結果の解釈は難しく、専門知識を持った人が丁寧に説明しないと妊婦が判断を誤る恐れがあるためだ。

 しかし近年、そうした指針に沿わない認定外の民間クリニックが増えている。従来の指針では検査が認められていない若年の妊婦たちがネットの不確かな情報などを頼りに、そうした認定外施設で検査を受け、問題となっているという。

 認定外の施設には、美容外科など専門外のクリニックや、カウンセリング体制が整っていない施設が多い。疾患の可能性があるという検査結果だけ郵送され、相談など十分な支援が受けられずに、苦しむ妊婦も少なくないようだ。

 そんな現状を踏まえ、日本医学会などは新たな制度の検討を進めてきた。新指針は全ての妊婦に対し検査についての正確な情報を提供することで、不適切な認定外施設を選ばせないようにするのが狙いなのだろう。

 ただ、その効果は限定的とも指摘される。認定外の施設の方が、安価で手軽に受けられることや、3種類以外も調べることを売りにしているなどする。新たな指針によって、認定外施設を選ぶ妊婦が減るかどうか、実効性は疑わしい。

 まずはそうした不適切な認定外施設を野放しにしないための議論が必要なのではないか。これまでも認定外の施設への罰則など規制を求める声は上がってきた。認定外施設が増え、利用する妊婦が増えてきたから対象を拡大するというのでは、やみくもに出生前診断が広がる現状を追認していることになる。

 出生前診断の前提には、健康状態や障害の有無に関係なく、誰もが安心して産み育て、暮らしていける社会環境が不可欠だ。不安を抱える妊婦を支える体制整備はもちろん、生命倫理の問題にどう向き合うのか、私たち社会の在り方が問われていることを忘れてはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月22日  06:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:きょう「スーパー猫の日」

2022-02-25 07:01:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【天風録】:きょう「スーパー猫の日」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:きょう「スーパー猫の日」

 2月22日は「猫の日」。しかも今年は西暦2022年で、日付に2が六つ並ぶから「スーパー猫の日」と呼ぶらしい。えとの寅(とら)とネコ科動物の虎に直接関係はないとしても、猫好きにはたまらない年だろう

 ▲右手を上げるとお金を招く―。招き猫の御利益は本当の話かもしれない。宮本勝浩関西大名誉教授の試算によると、この1年間で猫が生み出す経済効果「ネコノミクス」は、ニャンと1兆9690億円にも上るそうだ

 ▲全国の飼い猫が食するキャットフードや写真集、カレンダーに猫カフェの売り上げ…。そうした消費支出に波及効果も加えた額で、東京マラソンの実に73回分に匹敵するという。猫にご褒美の小判をあげてみたくなる

 ▲左手を上げれば人を招く―。「城主」や「課長」として地元に愛され、観光客をいざなう猫たちが山陽路のあちこちで活躍している。近況をネットの中国新聞U35で紹介したので、まずはこの朝刊の社会面をご覧あれ

 ▲日付に七つもの2が並ぶ200年後のきょうを想像してみる。きっとAIが猫語を通訳してくれる時代だ。人にこびないその本音を聞いてみたいような、いや、怖いような…。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月22日  06:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:北京冬季五輪閉幕 掲げた理念、かすむ一方

2022-02-25 07:01:15 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説】:北京冬季五輪閉幕 掲げた理念、かすむ一方 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:北京冬季五輪閉幕 掲げた理念、かすむ一方

 北京冬季五輪がきのう閉幕した。昨年夏の東京五輪・パラリンピックに続き、新型コロナウイルスが世界に広がる中での開催となった。期間中、ロシアによるウクライナ侵攻の懸念が国際社会を覆った。感染症と戦争という二つのリスクに脅かされた大会だったと言えよう。

 そもそも中国での「平和の祭典」開催には人権擁護の観点から異論があった。中国政府による香港の自治と民主主義弾圧、新疆ウイグル自治区での人権抑圧などを考えれば、ふさわしい国とは到底言えないからだ。実際、米国をはじめ「外交ボイコット」の動きもあった。

 人間の尊厳に重きを置く平和な社会の推進という、崇高な理念を五輪は掲げている。その在り方が、これまでに増して問われるのも、当然かもしれない。このまま理念をかすませてしまうわけにはいかない。

 日本選手の活躍には目を見張った。獲得したメダルは18個。4年前の前回大会の13個を上回り、冬季五輪では史上最多となった。スキージャンプ個人ノーマルヒルの小林陵侑選手、スノーボード・ハーフパイプの平野歩夢選手、スピードスケート1000メートルの高木美帆選手が、金メダルに輝いた。日頃の鍛錬があったからこそ、最高の舞台で力を発揮できたのだろう。3人の努力をたたえたい。

 宣伝の場にしよう―。そんな中国政府の狙いが随所で表れた大会でもあった。聖火リレーの最終走者には新疆ウイグル自治区の選手を起用した。ウイグル族弾圧が疑われる中、批判をかわしたいのだろうが、人権抑圧を否定するなら、国連などによる調査を受け入れるべきだ。

 中国政府をたしなめる役回りの国際オリンピック委員会(IOC)だが、忖度(そんたく)ぶりが目に余った。女子テニス選手の安否が懸念される問題では、バッハ会長がこの選手と面会したり一緒に観戦したり。選手の無事をアピールしたい中国政府の思惑を後押しする行動を重ねてきた。

 それでも、大会組織委員会の横紙破りには堪忍袋の緒が切れたようだ。IOCが問題視したのは、「台湾は中国の一部だ」「新疆ウイグル自治区での強制労働問題はうそだ」との報道官の発言である。中国政府の主張をそのまま会見で垂れ流すのでは、政治的中立性を保つという五輪憲章に反している。

 ドーピング疑惑が今大会でも持ち上がった。かつて違反隠蔽(いんぺい)や検査データの改ざんといった国家ぐるみの不正が発覚したロシアの選手である。これまでIOCが、ロシアに甘い姿勢で臨んできたため、不正が根絶できなかったのではないか。そんな疑念が拭い切れない。

 今回疑われているのは「要保護者」扱いとなる15歳の選手である。周囲の大人たちを含めて徹底調査が欠かせない。

 五輪が曲がり角にあることは東京、北京大会でより鮮明になった。「選手第一」と言いながら、スポンサーの意に沿って開催日時を決めるなど、商業主義に毒され過ぎてはいないか。

 開催地選びも、多額の費用負担に住民の理解が得られにくくなっている。とはいえ強権国家での開催は、フェアプレーの精神や人権尊重といった五輪憲章に背きかねない。IOCは、こうした難題から目を背けず、抜本改革に乗り出すべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月21日  06:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:曲がるストーン

2022-02-25 07:01:10 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【天風録】:曲がるストーン

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:曲がるストーン

 カーリングという競技名は、氷上のストーンが巻き毛(カール)のようにゆっくり曲がることが由来とも言われている。だが直径30センチ、重さ20キロのストーンがなぜ曲がるのか、そのメカニズムはよく分かっていない

 ▲時計回りなら右へ、反時計回りなら左へ曲がる。摩擦の影響や氷の状態が原因などと数多くの仮説はあるが、定説はない。緻密な読みと駆け引きを伴う頭脳スポーツなのに、頼みとなるのが科学的なデータよりも選手の経験と感覚というのが面白い

 ▲そのストーンの曲がり具合をつかむのに最後まで苦労したようだ。きのう閉幕した冬季五輪カーリング女子決勝で、英国に敗れた日本代表のロコ・ソラーレである

 ▲前回平昌大会では、カーリング初の銅メダルを獲得した。期待の大きかった今大会、1度は予選を敗退したと思い込んで号泣し、まさかの突破に歓喜し2度目の涙も見せた。そこから世界一を争う舞台に上り詰めた。胸を張っていい銀メダルだろう

 ▲はち切れんばかりの笑顔で隣の仲間の首にメダルを掛け合う姿に、大会中のモヤモヤ感も少し薄らいだ。ドーピング問題など後味の悪さもブラシで「スイープ」して一掃できないだろうか。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月21日  06:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:海賊版被害1兆円超 漫画文化脅かす危機だ

2022-02-25 07:00:55 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【社説】:海賊版被害1兆円超 漫画文化脅かす危機だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:海賊版被害1兆円超 漫画文化脅かす危機だ 

 無断でインターネットに漫画を載せる海賊版サイトのもたらす被害額が、2021年に推計1兆円を超えた。前年の5倍近くに急増しているという。

 コロナ禍で巣ごもり需要もあり、21年の漫画販売額は6126億円と四半世紀ぶりに過去最高を更新した。だが海賊版サイトの得た金額は、その1・6倍。不正なコピーが幅を利かせる、極めて異常な事態である。

 海賊版サイトは、閲覧者に漫画を「ただ読み」させてアクセス数を稼ぎ、広告料を受け取る。「ただ読み」で漫画の売り上げが落ち、漫画家や出版社が本来得られるはずの利益は不当に奪われている。

 そんな状況が続けば、漫画界の活動は停滞し、新作を生み出す活力は損なわれてしまう。捜査機関には、粘り強い取り締まりで海賊版サイトを根絶に追い込んでもらいたい。

 3年前には、人気漫画の「キングダム」「進撃の巨人」などを無断掲載した海賊版サイト「漫画村」の元運営者が逮捕され、懲役3年の実刑判決を受けている。月間1億6千万回ものアクセスがあったサイトは閉鎖されたものの、被害額は約3200億円と見積もられている。

 事件後、日本では著作権法を改正し、海賊版サイトに導く「リーチサイト」やダウンロードを規制した。ところが、サイトを管理するサーバーを海外に移して摘発を逃れる運営者が増え、海賊版サイトがまた息を吹き返しつつある。

 出版社側も手を打っている。海賊版サイトに広告料を払った広告代理店に加え、今月初めにはサーバーを提供した米IT企業に対しても損害賠償訴訟を起こした。米国の国内法を盾に運営者の名前や住所を情報開示請求し、サイトを閉鎖に追いやった事例もある。

 ただ、捜査や対策には時間と費用がかかる。摘発されそうになるとサイトを閉鎖したり、サイトを改名したりして運用者は巧妙に逃れる。海外を拠点にした違法行為の取り締まりには、外国の捜査機関などと一層の連携強化が求められよう。

 漫画という日本文化が消える危険性についても、直視すべきではないか。電子版は新人発掘の場と位置付けられ、海賊版による被害は若手漫画家を直撃する。新陳代謝を欠く文化が力を失うのは目に見えている。

 漫画はまた、日本を海外に売り込むクールジャパン戦略の要となるコンテンツでもある。その市場規模は世界を圧倒しており、ビジネスチャンスにつなげるためにも海賊版サイト退治をおろそかにはできない。

 海賊版の責任は、一義的にはサイト運営者にある。だが、一部の読者がその不正に手を貸している面も見逃せない。

 著作権の理解不足から、「海外サーバーなら合法」といったうその言い訳をうのみにしたり、違法と知らずダウンロードを繰り返したりする人もいる。

 とりわけ判断力の未熟な子どもへの対応が重要だろう。海賊版サイトの問題点を理解する学習の充実が欠かせない。

 法や捜査をかいくぐる海賊版の根絶に、抜本策はまだない。私たち消費者も当事者である。安易な閲覧で犯罪に手を貸し、漫画文化をも脅かす危険性を認識し、違法サイトは締め出す機運を高める責任がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月20日  06:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:おみくじ付き応援バーガー

2022-02-25 07:00:50 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【天風録】:おみくじ付き応援バーガー

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:おみくじ付き応援バーガー

 「おみくじ付き」と、のぼり旗が掲げられている。原爆ドームから程近い広島市中区の本覚寺が境内に据えたハンバーガーの自動販売機。本紙の地方版でも先日、話題に取り上げていた

 ▲おまけが付くとそわそわする身としては、おみくじがうれしい。それに収益は寺で切り盛りする「子ども食堂」に充てられるという。ハンバーガー1個で何度もいい気分が味わえる。評判なのか、きのうはカレーチーズ味のボタンが売り切れだった

 ▲もともと、自販機とおみくじの相性はいい。周南市鹿野の宮司、宮本重胤(しげたね)が明治時代に編み出した印刷のおみくじは、同じく考案した自販機と相まって全国に広まった。相性ついでにいえば、社会運動にも向いていそうだ

 ▲重胤は一貫し、女性の神職任用や参政権を唱えた人である。おみくじ販売も、自前の機関紙「女子道」の台所をやりくりする算段の一つだった。その創刊は、女性解放運動家平塚らいてうの雑誌「青鞜(せいとう)」より数年早い

 ▲コロナ禍のさなか、子ども食堂には食の安全網にとどまらず、全世代を見守るよりどころとして期待も高まりつつある。350円で買った、例の応援バーガーのおみくじは「吉」と出た。幸先がいい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年02月20日  06:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:広島県、まん延防止再延長 実情踏まえ対策柔軟に

2022-02-25 07:00:45 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:広島県、まん延防止再延長 実情踏まえ対策柔軟に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:広島県、まん延防止再延長 実情踏まえ対策柔軟に 

 新型コロナウイルス対応の、まん延防止等重点措置の期限をあす迎える21道府県のうち、広島、岡山など16道府県については3月6日まで延長することが決まった。

 新規感染者数は峠を越えたと言われるが、1日の死者数はこのところ連日200人を超え、過去最多を記録していた。

 特に高齢者を中心に重症者数も増加している。また、オミクロン株の派生株で感染力が一層強いとされるウイルスが広がりつつあるという。医療提供体制への負荷は今後も続きそうだ。

 このような状況で今、対策を緩めるわけにはいくまい。再延長はやむを得ないだろう。

 とはいえ、まん延防止等重点措置の効果には、疑問の声もある。措置が解除される山口、沖縄などの5県において、感染者数や病床使用率が必ずしも改善されていると言えないためだ。

 それでも山口県は、感染の勢いが落ち着き、医療にも支障が生じていない―として解除へ。村岡嗣政知事は「経済を動かしたい」と力を込める。

 措置が適用された各自治体では、飲食店などへの営業時間短縮や、住民には外出自粛などが要請されてきた。地域の経済は疲弊している。行動制限を中心にした措置は、今回の第6波で効果があったのか。検証して見極める必要があるだろう。

 オミクロン株の特徴も分かってきており、それを踏まえた対策へとシフトすべきだ。医療提供体制が逼迫(ひっぱく)することのないよう感染状況を注視しつつ、地域経済の実情も考慮する。きめ細かく柔軟な対応が、道府県には求められる。

 第6波で特徴的なのは、高齢者施設、学校や児童福祉施設などでクラスター(感染者集団)が相次いでいることだ。

 オミクロン株への感染で基礎疾患や持病を悪化させ、重症化する高齢者が目立つ。高齢者へのワクチン接種を急ぐとともに、入所施設や学校などでの感染対策の強化が欠かせない。

 一方で、治療薬がそろい始めるなどコロナを取り巻く状況は変わってきた。高齢者をはじめリスクの高い人の感染時に即応できる体制を整えられれば、一律の行動制限を緩和することは可能ではないか―。そんな指摘が専門家からも聞こえる。

 広島県は、感染者数が依然下がり切らないため、まん延防止等重点措置の再延長を求めた。措置は1月9日以来、全国最長の約2カ月に及ぶ見通しだ。

 県内では入院病床の使用率も6割近くと高水準で、医療への負荷低減を急がねばならない。湯崎英彦知事は「一般の医療と両立できるレベルを目指す」と述べた。行動制限を伴う対策継続への理解を訴えながらも、全飲食店に要請してきた酒の提供の停止を段階的に緩めることを打ち出した。

 苦境にあった飲食店にとっては朗報に違いない。とはいえ、クラスター発生の恐れはある。店はもちろん利用する客も、予防に万全の注意を払い、節度を持った行動が求められる。

 飲食店への要請以外にも社会的な制限が、県民生活に支障を来している。休館したりサービスを一時制限したりする文化施設、公共施設もある。

 勘所を押さえ、柔軟で機動的な対策を取らなければ、コロナ禍は乗り越えられまい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月19日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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