【政界地獄耳】:東日本大震災から11年/03.11 ■未来志向の記事並ぶ石巻の地元紙
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:東日本大震災から11年/03.11 ■未来志向の記事並ぶ石巻の地元紙
★今日3月11日で東日本大震災から11年になる。メディアには「復興」「風化させない」の文字が並ぶ。一方、「原発事故、住民の戦い続く」「癒えぬ傷」「新たに身元特定」などの見出しも。被災者、その後復興支援に関わった人たち、それを見守った国民、それぞれに3月11日が訪れる。その間、復興という言葉が独り歩きすることもあった。その最たるものが「復興五輪」と名付けられた東京五輪招致と開催だったかもしれない。物理的な復興と生活の復興、心の復興。いずれもイベントではなく人の営みが普段通りに戻ることを指すのではないか。
★宮城県石巻市、東松島市、牡鹿郡女川町をエリアとする夕刊紙、石巻日日新聞は1913年(大2)創刊の地方紙だが、震災では社屋が浸水、輪転機は水没した。だが発災翌日の12日から17日の6日間、記者たちは壁新聞をマジックで書き、市内の避難所6カ所に張り出し、避難所生活の生活情報や復旧関連情報を届け続けた。その後も簡易印刷や古い輪転機を稼働させ、1日も途絶えることなく新聞を出し続けた。
★記者たちだけではない、同紙の関係者はいずれも被災者でもある。その彼らは使命を果たし続けた。その石巻日日新聞の最近の紙面では「復興支援で訪れた石巻に移住、地域おこし協力隊になった若者の展望」「認知症の妻と共に徒歩で避難 生死を分けたのは事前の避難訓練」「女川の『ため』になることを模索 町と人をつなぐ語り部ガイド」「被災体験の差に葛藤 保育通じ伝える使命実感」と未来志向の記事が並ぶ。そこには「復興」という文字よりも前に進む生活の姿が活写されている。今日1日はそれぞれの11年をかみしめる日にしたい。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2022年03月11日 09:07:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。