路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政局】:「兵力・労働力の増強」が岸田政権の真の狙い? “異次元”少子化対策が戦前とダブる不気味

2023-03-28 14:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政局】:「兵力・労働力の増強」が岸田政権の真の狙い? “異次元”少子化対策が戦前とダブる不気味

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:「兵力・労働力の増強」が岸田政権の真の狙い? “異次元”少子化対策が戦前とダブる不気味

 「新型コロナウイルスの次に乗り越えなければならない大きな壁が少子化だ」

 自民党が27日に党本部で開いた「こども・若者」輝く未来創造本部の会合で、こう声を張り上げたのが本部長を務める茂木敏充幹事長だった。

<picture>少子化対策の本当の狙いは…(岸田文雄首相)(C)日刊ゲンダイ</picture>

  少子化対策の本当の狙いは…(岸田文雄首相)(C)日刊ゲンダイ

 同本部はこれまで、岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」に関する論点整理や、実現化に向けた具体策について検討を進めてきた。この日は、児童手当の所得制限撤廃や小中学校の給食費無償化、新婚・多子世帯への住宅支援──などを柱とする提言を了承。29日にも、小倉将信こども政策担当相に提出し、政策のたたき台への反映を目指す考えだ。

 「わが国の社会経済の存立基盤を揺るがす、待ったなしの課題だ」

 提言には少子化に対する与党の強い危機感がにじみ出ているのだが、政策実現に必要な財源や具体的な金額に踏み込んでいないことから、ネット上では、<統一地方選に向けた選挙アピール><本気度が感じられない>といった意見も少なくない。

 さらに岸田政権が、敵基地攻撃能力(反撃能力)保有を含む防衛力強化を掲げ、「防衛費を5年間で約43兆円に増額」という姿勢も示しているためか、SNS上でみられるのは、<少子化対策の本当の狙いは『兵力・労働力の増強』ではないか>との見方だ。

 ■人口増強策を進めていた近衛文麿内閣と似ている岸田政権の姿

 なるほど、歴史を振り返れば、過去に大東亜共栄圏の確立を目指し、人口増強策を進めていた当時の近衛文麿内閣と今の岸田政権の姿は似ているとも言える。

 近衛内閣当時の1941年1月の新聞紙面を見ると、「一家庭に平均5児を 一億目指し大和民族の進軍」といった見出しや、「産めよ、殖やせよ」という唱導とともに、一つの家庭につき平均5児以上をもうける──ことなどが細かく書かれているほか、「従来の西欧文明にむしばまれた個人主義、自由主義の都会的性格がいけないのだ」「自己本位の生活を中心にし、子宝の多いことを避ける都会人の多いことは全く遺憾至極である」との記述もみられる。

 自民党少子化対策調査会長の衛藤晟一元少子化対策担当相が、子ども政策に関する党会合で、奨学金の返済免除制度の導入をめぐり、「地方に帰って結婚したら減免、子どもを産んだらさらに減免する」と訴えて批判の声が上がったのは記憶に新しいが、これも「子宝の多いことを避ける都会人の多いことは全く遺憾至極である」という当時の風潮と重なるのかもしれない。

 近衛内閣以降、日本は軍国主義化の道を突き進むことになるのだが、果たして岸田政権はどうなるのか。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・政治・岸田政権】  2023年03月28日  14:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.13】:原発事故から12年 自然エネ100%へ福島無言の決意

2023-03-28 08:01:30 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.13】:原発事故から12年 自然エネ100%へ福島無言の決意

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.13】:原発事故から12年 自然エネ100%へ福島無言の決意 

 一昨日、東日本大震災は発生から12年。私は被災地、福島県の浪江、双葉、川俣町を2月中旬、コロナ禍以来、3年ぶりに訪ねてきた。

 「道の駅 なみえ」は晴天に恵まれた土曜の昼とあって名物のなみえ焼きそばやシラス丼を求めて大盛況だ。生鮮食品店からキッズプラザまであるこの広大な道の駅の照明や給湯の電力の約3割は2年前、浪江に完成した世界最大級の「福島水素エネルギー研究フィールド」で作られた純水素燃料電池でまかなわれている。

完成した福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)の写真
図1 完成した福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)

1.実証事業の概要

 もう1つ。これらの町を歩いて目に飛び込んでくるのは太陽光パネルを敷きつめたメガソーラーだ。20万枚ものパネルがまっ黒に田畑を覆って一瞬、ドキッとするところもある。原発事故で人々が追われ、荒れ放題の田畑。ならば、そこで原子力に代わって自然のエネルギーを生み出そうというわけだ。

 水素や太陽光だけではない。小型水力ダム、地熱、景観や騒音で論議を呼んでいる風力。これらを使って、福島は2040年を目標に自然エネルギー100%県を目指すとしている。それは原発の新規建設、運転期間の延長という国の裏切りに、原発推進でもない、脱原発でもない、「原発のいらない社会」を目指す福島の無言の決意があるように思う。

 愛知県日進市から川俣町に派遣され、原子力災害対策課長を務めたあと、野菜作りに転身した宮地勝志さんの畑。まだ吹雪の日も多いこの季節に、ハウスでホウレンソウ、露地でニンニクが青い芽をのぞかせていた。

 そこに、まだまだ苦境のなかにありながら、新たな芽吹きの季節を迎え、半歩でも1歩でも、と前に進もうとしている福島の姿が重なって見えるようだった。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年03月13日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.06】:日野町事件「高裁も再審支持」 より陰湿化する捜査と冤罪

2023-03-28 08:01:20 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.06】:日野町事件「高裁も再審支持」 より陰湿化する捜査と冤罪

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.06】:日野町事件「高裁も再審支持」 より陰湿化する捜査と冤罪 

 「高裁も再審支持」のニュース速報に心の中で拍手を送った。34年前、滋賀県日野町で酒店経営の女性が殺害され、阪原弘さんが無期懲役で服役中、がんで死亡した日野町事件で、大阪高裁は大津地裁の死後再審を支持。無罪がぐんと近づいてきた。私は10年以上前、長男の弘次さんを取材、現場にも足を運んだ。

生前の阪原弘さん

 生前の阪原弘さん(他の写真を見る

 この再審審理で、またしても警察検察の証拠隠し。被疑者に現場を案内させる引き当て捜査での警察官の誘導や、その際の写真の順番の入れ替え。悪質、悪辣(あくらつ)な工作が次々明らかになった。

 だが私には、それ以上に許せないことがある。弘次さんによると、弘さんは調べの刑事から結婚したばかりの娘さんの話を持ち出され「嫁ぎ先に行ってむちゃくちゃにしてやる」と脅されて耐えきれず自白したという。その夜、家族の前でウソの自供をしたことを号泣しながらわび、翌日逮捕された。

 私の長い事件取材の経験でも、取り調べ中の暴力には屈しなくても、「子どもを学校に行けなくしてやる」など家族のことで脅されて耐えきれる人はまずいない。

 取り調べの録音、録画が進む中、手法を変えて家族の職場への聞き込みや親族宅への意味のない家宅捜索。捜査はより陰湿化しているともいう。

 相次ぐ冤罪(えんざい)事件の発覚で、国会や日弁連では再審法の抜本的改正や再審審理での証拠開示の制度化といった動きが進んでいる。

 私の取材から1年とたたず、75歳で亡くなられた弘さんの霊前に大好きだったお酒と一緒に、再審無罪確定、再審法改正の知らせを一刻も早く届けてほしい。

 来週13日、いよいよ発生から57年、袴田事件の東京高裁判断が下される。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年03月06日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.27】:重い作品の意義を説明せよ 「はだしのゲン」広島市教材外し

2023-03-28 08:01:10 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.27】:重い作品の意義を説明せよ 「はだしのゲン」広島市教材外し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.27】:重い作品の意義を説明せよ 「はだしのゲン」広島市教材外し 

 10日ほど前、朝日新聞の朝刊を繰る手が止まった。〈「はだしのゲン」教材から外す 来年度から 広島市の小3向け 市教委「被爆の実相、迫りにくい」〉

 広島市の統一教材「ひろしま平和ノート」で、原爆の悲惨さを伝える「はだしのゲン」は小3と高1でいくつかの場面が引用されていたが、小3は別の内容に、高1も大幅に縮小される。

<button class="sc-yyapj QSknM" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-yyapj QSknM" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">『はだしのゲン』は英語版も作成された。右は作者の故・中沢啓治さん(写真・時事通信)</button>
 『はだしのゲン』は英語版も作成された。右は作者の故・中沢啓治さん(写真・時事通信)

 「はだしのゲン」は作者の故・中沢啓治さんが6歳で父、姉、弟を失い、自らも被爆した体験と悲惨な少年時代を漫画に描き、単行本は全10巻、世界で4000万部が読まれている。

 市教委は教材から外す理由として「被爆の実相に迫りにくい」とし、さらにゲンが浪曲を歌って日銭を稼ぐ場面について、いまの子に浪曲はなじまない。栄養不足の母のためにコイを盗む場面は、誤解を招く-としている。

 その一方、教材から外すことについて「『はだしのゲン』の意義を否定するものではない」としているが、では、この程度のエピソードがこの重い作品の意義をどれほど否定したというのか。先生が少し説明すればすむことではないのか。もう1点、市教委は大学教授らと議論を重ねたというが、中沢さんが描いた以上の実相が果たして存在したのか。

 小3の教材で「はだしのゲン」を知り、この重い超大作に挑んでみたという広島の子どもたちも少なくなかったはずだ。

 今回の広島市教委の方針変更にふれた朝日新聞の「天声人語」は〈きれいな戦争がないように、教えやすい戦争もありえまい〉と書く。

 夏休みの読書感想文で、クラスの輪読会で、「はだしのゲン」がいつまでも同年代の子どものそばにいてくれることを切に願っている。

◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年02月27日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:中国駐日大使に異例の面会拒否…チグハグ外交の裏に透ける保身と米国への忖度

2023-03-28 06:25:50 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【岸田首相】:中国駐日大使に異例の面会拒否…チグハグ外交の裏に透ける保身と米国への忖度

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:中国駐日大使に異例の面会拒否…チグハグ外交の裏に透ける保身と米国への忖度

 今年は日中平和友好条約締結から45周年の節目。台湾有事を抑止するためにも、平和的外交を通じて冷え込む日中関係を改善できるチャンスなのに、岸田首相はいまだに「外交力」を発揮できていない。それどころか、険悪ムードを助長する振る舞いを見せている。

<picture>「緊密な意思疎通」のはずが…(2022年11月、中国の習近平国家主席〈右〉と握手する岸田首相=代表撮影・共同)</picture>

 「緊密な意思疎通」のはずが…(2022年11月、中国の習近平国家主席〈右〉と握手する岸田首相=代表撮影・共同)

               ◇  ◇  ◇

 今年2月末に帰国した中国の孔鉉佑前駐日大使から岸田首相に対して離任あいさつの申請があった際、日本政府が却下していたことが判明。歴代大使の大半は離任時に首相と面会しており、慣例を拒否した岸田政権の対応は異例だ。共同通信が25日報じた。

 報道によれば、申請却下の理由は、硬化する日本国内の対中世論への配慮だという。

「岸田さんの出身派閥である『宏池会』の大先輩・大平正芳元首相は、外相時代に日中国交正常化交渉を主導しました。こうした経緯もあり、岸田さんは親中派とみなされてきた。国内の対中強硬派の保守層に配慮しなければ、低迷している内閣支持率をさらに悪化させることになりかねない。統一地方選を見据え、自民党の岩盤支持層である保守派の離反だけは何としても避けたかったのではないか」(永田町関係者)

 異例の対応の裏に岸田首相の保身の思惑が透けるのだが、元外交官で平和外交研究所代表の美根慶樹氏は「もっと単純な話ではないか」と指摘。こう続ける。

 「一般論として、どの国でも大使が節目にあいさつしたいのであれば、受け入れるのが普通です。ただ、日本の前駐中国大使が離任する際、共産党最高指導部との面会が実現しなかったといいます。そうであれば、日本側が中国に対して同様の態度を取っても、おかしくはありません。しかし、国内の対中世論への配慮が主な理由だとすると、それはそれで問題。中国からは当然のこと、第三国からも『日本は国内政治の思惑や配慮によって、外交儀礼を破る恐れがある国』とみなされかねません」

<picture>草葉の陰で泣いている(外相時代、日中国交正常化に向け訪中した大平正芳元首相。中国外交部の招きで舞劇「紅色娘子軍」を観劇、拍手を送る同氏=中央と、姫鵬飛中国外相=右、1972〈昭和47〉年9月26日)/(C)共同通信社</picture>

 草葉の陰で泣いている(外相時代、日中国交正常化に向け訪中した大平正芳元首相。中国外交部の招きで舞劇「紅色娘子軍」を観劇、拍手を送る同氏=中央と、姫鵬飛中国外相=右、1972〈昭和47〉年9月26日)/(C)共同通信社

 ◆「中国における日本の最大の理解者を敵に回すような行為」

  面会拒否のニュースが明らかになる直前、岸田首相は24日の参院予算委員会で「中国とも建設的な、安定的な関係を維持していく」「引き続き、意思疎通を図っていきたいと思っています」などと答弁していた。にもかかわらず、外交儀礼を覆すのは言行不一致ではないか。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。

 「日本国内に中国に対する厳しい感情があったとしても、日中に国交がある限り、慣例を破る理由にはなりません。結局のところ、日本政府は中国に厳しい態度を取る米国に配慮したのではないか。一般的に駐日大使は日本の最大の理解者であり、中国の駐日大使であれば、中国に帰国後の対日政策に大きな影響力を持つ。中国における日本の最大の理解者を敵に回すような行為は、外交上の愚策です」

 国際ジャーナリストの春名幹男氏も「気球騒ぎで一気に緊張が高まった米中関係を考慮して、米国へ追従する態度を改めて見せたのではないか」と分析。

 対米配慮に基づく対応だったとみる。

 詰まるところ、岸田首相の異例の対応は外交上、損失はあれど国益にかなうことなどない。言っていることと、やっていることがまったく噛み合わない「チグハグ外交」にはウンザリだ。 

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2023年03月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【佐高信「追悼譜」】:大川隆法は幸福実現党をつくる前、三塚博や小池百合子や丸川珠代を応援していた

2023-03-28 06:25:40 | 【新宗教=新興宗教と呼ばれる教団は多岐にわたり、時代的には19世紀に創始さ...

【佐高信「追悼譜」】:大川隆法は幸福実現党をつくる前、三塚博や小池百合子や丸川珠代を応援していた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【佐高信「追悼譜」】:大川隆法は幸福実現党をつくる前、三塚博や小池百合子や丸川珠代を応援していた

 ◆大川隆法(2023年3月2日没 享年66)

 大川が師と仰いだ渡部昇一が亡くなった時、郷里の『荘内日報』に「大川の先生が渡部」と書いて批判したら、渡部ファンからブーイングが来た。残念ながら私は渡部と同郷なのだが、大川は渡部との対談で「渡部先生のご著書の影響が『幸福の科学』の知的探究態度の出発点みたいなところがあるんです」と言っている。

<picture>大川隆法氏(C)日刊ゲンダイ</picture>
大川隆法氏(C)日刊ゲンダイ

 渡部ば”オトコ櫻井よしこ”のようなウルトラタカ派だが、「幸福の科学」はかつての創価学会の如く批判に対して過剰反応する。私が2012年4月29日号の『サンデー毎日』のコラムで、「霊言」と称して、さまざまな人間の言ったことを大川著として出すのはおかしいと指摘したら、編集部にしつこく抗議してきて、結局、「幸福の科学グループ専務理事」という肩書の里村英一と対談することになった。

 里村はTBSに勤めていたらしいが、最後のヤリトリが傑作で、里村が、

 「実はきょう、幸福の科学の入会申込書も持ってきました。佐高さん、口が悪くて後生危ないから、この入会申込書にサインをお願いします」

 と言うので、私は、

 「総裁にするなら考えてみますよ(笑)」

 と皮肉った。すると、

 「その発言が非常に堕地獄的。佐高さん、これがファイナル・ジャッジメント(最後の審判)ですよ」

 と真顔になって怒る。冗談が通じないのである。そんな彼らに強烈な打撃となったのが、隆法の長男・宏洋が書いた『幸福の科学との訣別』(文藝春秋)だった。それによれば、お布施だけで1年に300億円も集まるおカネは「世界に1つしかないんだ」と隆法が自慢したウン千万円の腕時計や、女性幹部の高い給料とアクセサリーに化けた。信者は公称1100万人などと言っているが、熱心な信者は選挙の際の得票数で明らかだろう。

 東大法学部卒の隆法は総理大臣になりたくて国政選挙に候補者を立てた。幸福実現党をつくる前は、自民党の三塚博や小池百合子、そして丸川珠代などを応援した。

 隆法の主張は「憲法9条の改正や核保有を政策に掲げるなど、相当な右寄り」で、原発についても推進派だが、以前は「原発は地球を滅ぼす」と、むしろ左寄りのことを言っていた。また、離婚した前夫人のきょう子とも、本当は別れたくなかった、と宏洋にバラされている。

 最後に大川の『ノストラダムス戦慄の啓示』の一節を引こう。

 「21世紀、リヴァイアサン(日本)は無敵となるであろう。年老いた鷲(アメリカ)の喉を喰いちぎり、また力尽きた赤き熊(ソ連=現ロシア)を打ち倒し、老いたるヨーロッパを嘲笑い、中国を奴隷とし、朝鮮を端女(はしため)とするであろう」

 何と傲慢で恥知らずな予言であることか。(文中敬称略)

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「佐高信「追悼譜」」】  2023年03月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.03.09】:国会で鹿児島県医師会職員わいせつ事件の質疑|県医師会「複数回で合意あった」

2023-03-28 05:25:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【HUNTER2023.03.09】:国会で鹿児島県医師会職員わいせつ事件の質疑|県医師会「複数回で合意あった」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.03.09】:国会で鹿児島県医師会職員わいせつ事件の質疑|県医師会「複数回で合意あった」 

 国が示した見解は、女性の人権を無視して一方的に「合意があった」と結論付けた県医師会や、当初女性の告訴状提出を拒んだとされる鹿児島県警の姿勢を否定するもの。改めて、女性の人権を無視して暴走した県医師会・池田会長の責任が問われることになりそうだ。

 ■女性の人権、踏みにじった県医師会

 事件が起きたのは2021年の秋。当時新型コロナの療養施設で調整役を担っていた鹿児島県医師会の男性職員が、療養施設に派遣されていた女性スタッフに何度も強制性交が疑われる行為に及び、22年2月に「合意はなかった」とする女性から刑事告訴されていた。

 県医師会の池田琢哉会長は、事件が表面化する前の22年2月10日、わざわざ県の担当部局に出向き『強姦といえるのか、疑問』、『複数回』、『(警察からは)事件には該当しないと言われている』などと説明。“合意があっての性交渉だから問題ない”という考えを示していた。

 事案の矮小化を図ろうという狙いがあったことは明らかで、そこには療養施設で不安を抱えながら過ごしていたコロナ患者に対する配慮や、「強制性交」の被害を訴えている女性に対する思いやりの気持ちは一切なかった。

 事件を知った県から報告書の提出を求められた医師会は、男性職員がパワハラやセクハラの常習者であることを把握しながら、対外的にはその事実を隠蔽。県への報告書には男性職員を庇うような文言を並べ立て、会見では、医師会の顧問を務めている新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が、警察による捜査が継続している状況であることを知りながら、「合意に基づく性行為だった」と断定していた。

 ■国が池田医師会長らの主張を否定

 8日の参議院予算委員会で、県医師会の男性職員による“事件”を取り上げて質問したのは、女性蔑視と取れる発言や差別的発言を繰り返してきた杉田水脈元総務大臣政務官を追及したことで知られる塩村あやか参院議員。

 塩村氏は、性暴力に関する質問のなかで、性被害を訴えている女性スタッフが「合意はなかった」と主張して刑事告訴していること、県医師会が「複数回の性交渉があったから強制性交ではない」などと強弁していること、鹿児島県警が当初、女性の告訴状を受け取らず事実上の門前払いにしたことなど、一連の経緯を詳しく説明。厚生労働相、法相、男女共同参画担当相、警察庁刑事局長にそれぞれの見解を求めた。

 質疑の冒頭、事件の受け止め方を尋ねられた加藤勝信厚労相は、新型コロナ療養施設でわいせつ事案が起きたことについて「大変遺憾」と表明。同省の健康局長は、鹿児島県が医師会に対して行った厳しい指摘(既報)を読み上げる形で、事案の内容を「承知している」と答弁した。

 次いで、強制性交の成立要件について法務省は、複数回か否かだけで判断するものではないと回答。小倉將信男女共同参画担当相は、一般論と断りながらも踏み込んで「複数回の性行為であっても望まないものなら性暴力にあたる」と明言した。

 性被害の訴えがあった場合の対応について問われた警察庁刑事局長は、「要件が整っていればこれを受理し、速やかに捜査を遂げて検察庁に送付する」とした上で、「被害者の立場に立って対応すべきで、その際は、警察が被害届の受理を渋っているのではないかと受け取られることのないよう、被害者の心情に沿って対応するよう指導している」と答えた。

 ちなみに、被害女性の訴えを門前払いした鹿児島中央署の井上昌一署長は、今年4月に県警の刑事部長に就任予定。国会で警察庁の指導方針が示された以上、性被害対応について、適正な指揮指揮を執るものと信じたい。

 今回の塩村議員の質問に対する国側の答弁は、鹿児島県医師会による「複数回あったから合意に基づく性行為だった」という一方的な主張と、いったんは告訴状の受理を拒んだ鹿児島県警の姿勢を真っ向から否定するものだ。「複数回合意論」を振りかざし、性被害を訴えている女性の人権を踏みにじってきた県医師会の池田会長とその側近らは、どう責任をとるのだろうか。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月に退職。以下「男性職員」)による強制性交疑惑が、参議院予算委員会で取り上げられた】  2023年03月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.01.19】:北海道警、警部補の強制わいせつ事件を隠蔽か?|処分記録では「不適切言動」

2023-03-28 05:23:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER2023.01.19】:北海道警、警部補の強制わいせつ事件を隠蔽か?|処分記録では「不適切言動」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.01.19】:北海道警、警部補の強制わいせつ事件を隠蔽か?|処分記録では「不適切言動」 

 北海道警察で昨年8月に処分があった不祥事で、当事者の警察官が強制わいせつ容疑で捜査を受け、同事件が地元検察へ送致されていたことがわかった。道警は当該処分を報道発表せず、わいせつ事件も公表を控えていたが、公文書開示請求により事実があきらかになった。

◆   ◆   ◆

 道警で「異性関係不適切事案」の懲戒処分があったのは、複数の公文書によると昨年8月24日。被処分者は北海道内のいずれかの方面本部管内の警察署に所属する警部補で、処分は6カ月間の減給(10分の1)だった。

 同じ日にはもう1人の警察官(警察署巡査)が上司への不適切言動で処分されており、同日午後の発表を受けて地元報道が処分の事実を報じることになったが、先の異性関係事案については今に到るまで報道された形跡がない。疑問を覚えた筆者は、同事案が発表されたかどうか、及び事件として捜査されていたかどうかを確認するため、同時期の『報道メモ』や『事件処理簿』などを開示請求した。

 これに道警が一部開示決定を出したのは、官庁御用納め直前の12月27日。年が明けて1月10日に関連文書が開示され、問題の処分が報道発表されていないことがあきらかになった。

 6カ月間の減給処分は、決して軽い制裁とは言えない。それが公表を免れたのは、なぜなのか――。筆者は現在、道警に確認の質問を寄せているところで、現時点では回答を得られていないものの、これが不祥事の「隠蔽」にあたる可能性を強く疑っている。当該事案が事件捜査の対象となっていた事実がわかったためだ。

 道警の『懲戒処分一覧』や『処分説明書』(*下、参照)などによれば、当事者の警部補は昨年6月25日夕、「異性」に対して「不快感を与える不適切な言動をした」という。

いかにも抽象的な言い回しで、これだけではどういう「言動」があったのかがはっきりしない。1月になって開示された文書を紐解くことで、これが「不適切」どころではない犯罪行為だったことがわかった。新たに開示された『犯罪事件受理簿』(*下、参照)の「罪名」欄には、はっきりこう記されているのだ――《強制わいせつ》。

 事案は警察本部長指揮事件として捜査され、容疑者の警部補は昨年8月24日付で送検されていた。送致日は懲戒処分のあった日と同じだが、事件が起きたのは先述の通り6月下旬のこと。この間、道警の現職警察官による強制わいせつ事件が報道された形跡はない。

 つまり、こういうことだ。道警は6月に起きた事件そのものを公表せず、事件2カ月後の当事者の処分も発表せず、公文書では「強制わいせつ」を「不適切な言動」と言い換えた。これは「隠蔽」を疑われてもやむを得ない対応ではないのか。

 複数回の開示請求を重ねてようやくあきらかになった事実。とはいえ12月の開示決定も決して充分な情報公開を果たしていたとは言い難く、わいせつ事件の『事件指揮簿兼犯罪事件処理簿』は12枚中5枚が事実上全面不開示の「のり弁当」状態で、日付を除く事実関係がほぼまったくわからなくなっていた。

 わいせつ事件には被害者がいる。そのプライバシーを保護するため事案の公表を控えるという考え方はあるかもしれない。だが参考までに付記しておくと、道警は今年に入ってから少なくとも2件の強制性交事件を報道発表し、公式サイトにそれらの概要を掲載した。容疑者はそれぞれ「自営業」及び「会社員」の男で、被害者はいずれも10歳代の少女。事件のあった市町村や捜査した警察署も明かされている。これらを容赦なく公表しつつ現職警察官のわいせつ罪を隠し続けることに、もはや合理的な理由は存在しないと言ってよい。

 (小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【行政ニュース・北海道警】  2023年01月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【自民党】:銀座ママに岸田首相が公認証書授与 参院大分補選出馬表明の新人・白坂亜紀氏

2023-03-28 00:10:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【自民党】:銀座ママに岸田首相が公認証書授与 参院大分補選出馬表明の新人・白坂亜紀氏

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【自民党】:銀座ママに岸田首相が公認証書授与 参院大分補選出馬表明の新人・白坂亜紀氏 

 参院大分選挙区補欠選挙(4月6日告示、23日投開票)に出馬表明している自民党の新人で飲食店経営の白坂亜紀氏(56)が27日、党本部で岸田文雄首相から公認証書を授与された。

参院大分補選で自民党公認で出馬予定の新人・白坂亜紀氏(左)が党本部で岸田文雄首相から公認証書を授与され、ヒジタッチ(撮影・大上悟)参院大分補選で自民党公認で出馬予定の新人・白坂亜紀氏(左)が党本部で岸田文雄首相から公認証書を授与され、ヒジタッチ(撮影・大上悟)

 白坂氏は大分・竹田市出身で早大卒。在学中に老舗クラブに勤務し、東京・銀座でクラブ3店舗などを経営するオーナーママとしてテレビ番組でも紹介された。白坂氏は11日の会見で「少子化、もう待ったなしの問題」などと述べた。

 同補選には立憲民主党県連代表の吉田忠智参院議員(67=比例代表)が立候補を表明している。この日、立候補を表明していた元大分・別府市職員の小手川裕市氏(55)が出馬断念を明らかにしたことから白坂氏と、吉田氏の与野党一騎打ちの公算が高まった。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・選挙・自民党・参院大分選挙区補欠選挙(4月6日告示、23日投開票)に出馬表明している新人で飲食店経営の白坂亜紀氏(56)】  2023年03月27日  20:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【扇千景さんの葬儀・告別式】:政界などから700人参列「国会議員は母の天職だった」次男中村扇雀

2023-03-28 00:10:40 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【扇千景さんの葬儀・告別式】:政界などから700人参列「国会議員は母の天職だった」次男中村扇雀

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【扇千景さんの葬儀・告別式】:政界などから700人参列「国会議員は母の天職だった」次男中村扇雀 

 9日に食道胃接合部がんのため89歳で亡くなった、元参院議長で宝塚歌劇出身の女優、扇千景さんの葬儀・告別式が27日、東京・増上寺光摂殿で営まれ、政界、歌舞伎界、芸能界などから約700人が参列した。小泉純一郎元首相が弔辞を述べ、女性初の参院議長を務めた故人をしのんだ。

扇千景さんの告別式に設置された扇形に花が飾られた祭壇(撮影・狩俣裕三)

 

  ◇  ◇  ◇

 女優、国会議員、夫で歌舞伎俳優坂田藤十郎さんを支えた妻、役者一家の母。多岐にわたって活躍した扇さんを象徴する葬儀となった。

 喪主を務めた長男で歌舞伎俳優中村鴈治郎は、葬儀前の取材で「母は母でしたが、偉大な人であったとつくづく感じているところ」と振り返り、葬儀でも「女優、政治家、女房、最後は母として走り抜けた」とあいさつした。次男中村扇雀も「国会議員は母の天職だった。歌舞伎役者の女房としてもまっとうでき、本当に希有(けう)な人生だった」とした。鴈治郎の長男壱太郎は「いつも見守ってくれて励ましてくれた」、扇雀の長男虎之介も「あんなに力強くて自分の意思を強く持っている女性を見たことがない」と、存在の大きさを語った。

 尾辻秀久参院議長と細田博之衆院議長は弔詞で国政への長年の尽力を述べた。祭壇も法号も、政治と芸能の両方で活躍してきた扇さんを示していた。扇をイメージし約3000本の花で華やかに作られた祭壇には遺骨や位牌(いはい)、天皇陛下からの祭粢料(さいしりょう)が置かれ、旭日大綬章、桐花大綬章、従二位が飾られた。

 法号は華扇院妙慧日寛清大姉(かせんいんみょうえにちかんせいたいし)。華扇院には女優として活躍し愛されたこと、妙慧には国会議員として要職を歴任して活動してきた意味が込められた。

 最後のあいさつで鴈治郎は「大好きだった父のそばで喜んでいると思う」と思いをはせた。遺骨お見送りの際には、扇さんが藤十郎さんとよく滞在し大好きだったハワイにちなみ、「すみれの花咲く頃」のハワイアンアレンジが流れた。さまざまな重責から解放され、扇さんは藤十郎さんの元へ旅立った。【小林千穂】

 ○…昨年いっぱいでコンサート活動を引退した歌手、俳優加山雄三(85)も参列した。家族ぐるみの付き合いをしていたそうで「(子供の)幼稚園の先生をご紹介いただいたりと、みんなお世話になりました。お世話になりましたと頭を下げるほか、言いようがありません」と話し、妻松本めぐみも「本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。

 ◆主な参列者 高円宮妃久子さま、岸田文雄、麻生太郎、尾辻秀久、細田博之、小泉純一郎、二階俊博、山東昭子、中谷元、大島理森、森英介、山崎正昭、塩谷立、中曽根弘文、河野太郎、西村康稔、山谷えり子、太田房江、猪口邦子、福山哲郎、田名部匡代、長浜博行、森喜朗、伊吹文明、武部勤、中山恭子、小池百合子、片岡仁左衛門、坂東玉三郎、中村東蔵、中村歌六、中村雀右衛門、中村芝翫、片岡孝太郎、松本幸四郎、尾上松緑、市川猿之助、片岡愛之助、中村勘九郎、中村七之助、市川中車、市川高麗蔵、中村松江、坂東亀蔵、坂東新悟、中村福之助、中村歌之助、中村玉太郎、加山雄三、植田紳爾、富司純子、三田寛子、藤原紀香(順不同、敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【訃報・9日に食道胃接合部がんのため89歳で亡くなった、元参院議長で宝塚歌劇出身の女優、扇千景さんの葬儀・告別式】  2023年03月27日  19:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【小泉純一郎元首相】:扇千景さんは「未来に向かって走り抜いた人だった」/弔辞全文

2023-03-28 00:10:30 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【小泉純一郎元首相】:扇千景さんは「未来に向かって走り抜いた人だった」/弔辞全文

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小泉純一郎元首相】:扇千景さんは「未来に向かって走り抜いた人だった」/弔辞全文 

 今月9日に89歳で死去した元参院議長の扇千景(おおぎ・ちかげ)さん(本名・林寛子=はやし・ひろこ)の葬儀・告別式が27日、東京都港区の増上寺光摂殿で営まれ、小泉純一郎元首相(81)が弔辞を読んだ。

扇千景さんの告別式に参列する小泉純一郎氏(撮影・狩俣裕三)

 

 小泉氏は2001年4月に発足した第1次小泉内閣で、扇さんを国交相で引き続き起用した。弔辞の内容は以下の通り。

   ◇   ◇   ◇

 扇千景先生のご葬儀に当たり、衷心より哀惜の念をささげます。

 私が自由民主党総裁に就任した際、保守党の党首であった扇先生はカウンターパートとしてともに政権運営に汗をかき、私が政治生命をかけた郵政民営化法案が成立した時、扇先生は参院議長をされていた。どのような場面でも笑顔をお見せになる扇先生を尊敬し、不思議な縁を感じていました。深い悲しみに包まれたまま、先生が亡くなられたことを受け入れることができないまま、祭壇の前に立っております。

 神戸市でお生まれになった扇先生は、宝塚歌劇団を経て、映画やドラマ、司会者としてあらゆる世界で活躍された。昭和52年、参院選全国区で初当選され、以来、5回の当選を重ねられ、26年5カ月の長きにわたり参院議員を務められた。その間の功績は誰もが知るところであります。

 扇先生は平成19年5月の政界引退会見で、「自分は『初』の文字がつく多くの経験をした」と語っておられました。

 その1つが、第2次森内閣での、女性として初めての建設大臣、国土庁長官への就任であります。当時は永田町と霞ケ関が激しく揺れ動いていた収賄事件の後でしたから、すぐに公共工事にかかわる丸投げを撲滅するため、公共工事入札契約適正化法の制定に取り組まれました。

 第1次小泉内閣でも、積極的に改革に取り組んでおられる姿を見て、国土交通大臣をお願いしました。

 4省庁が統合された新しい省。職員の意識に特に留意を払っておられました。その中でも、まじめに事業執行に当たる職員の意識の低下、公共事業を悪いもののようにとらえる風潮を感じた扇大臣は「公共事業は国の礎となる大切な事業なのだから、自信をもってやり抜きなさい」という言葉とともに、公共工事入札契約適正化法を浸透させることが公共事業に対する信頼性を回復させるものであるという思いを、職員1人1人に繰り返しおっしゃっていました。

 また、公共工事の入札透明化のために、電子入札を導入されたのも扇先生です。行政のデジタル化のみならず、透明化に貢献することを、確信しておられました。

 さらに参院議員に初当選した当時、女性として初めて内閣委員会に所属されたと扇先生にお聞きしておりましたが、それから27年後、さまざまな実績を積み重ねられ、平成16年7月、女性として初めて参院議長に就任されました。

 議長としては、参院改革に熱心に取り組まれ、中でも決算審査の充実のための会計検査院法の改正など、政府開発援助等に関する特別委員会設置など、現在の決算を重視する参院の礎を築かれました。

 また外交にも力を注がれ、平成17年、ニューヨークの国連本部で行われた第2回世界議長会議では参院議長として初めて演説をされました。核軍縮、日本のODA支援、気候変動、国連改革といった国際的な喫緊の課題を、国際社会における日本の取り組みを堂々とおっしゃられ、万雷の拍手を浴びておられました。

 また平成19年、議長として臨んだ参院創設60年の記念行事で、全国の中高校生から「私たちが夢見るこれからの日本」をテーマに作文を募集し、優秀作の表彰祝賀会が行われた際にはとても優しいお顔をされていたのが印象的でした。次代の育成にも真摯(しんし)に取り組んでおられました。

 まさに、立法府、行政府の双方で改革を進めていた扇先生こそ、信念と改革の気持ちを背に、未来に向かって走り抜いた人だったと思います。

 扇先生の思いが今、形になりつつあるものがあります。国土交通大臣の時に、日本の景観を改善したいという思いで指示を出された日本橋プロジェクト。日本の道路の起点である日本橋に、どうして天井のように高速道路がかぶさっているのと、いつも嘆いておられました。2040年度には、高速道路の地下化工事により、日本橋上空には青空が広がり、日本橋を飾っている翼を持った記念像をのぞくことができるようになります。扇先生には、空から日本の国民を見守っていただきたいと思います。

 思いが形になるもう1つのものは、見えない社会の天井を打ち破ってきた扇先生を越えようと、多くの女性が自らの思いを実現するため、自らの歩みを進めておられることです。

 扇先生は著書の中で「やっぱり女はだめだ、2度と女にはこのポストは与えないとだけは言われないように、いや、むしろ女でよかったと言われ、後輩に道が開けるよう務めなければというプレッシャーがかなりあったことも事実です」と書かれています。

 女性が活躍する社会を目指し、その先頭に立って切り開いてきた道には、続々と後輩たちが続いております。

 政治家として全身全霊で走り抜けてこられた先生に。あらためて心から敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

 扇先生。お別れをしなくてはなりません。先生のりんとしたたたずまい、けして忘れることはありません。どうかこれからは、愛するご家族のもとで安らかにおやすみください。あらためて扇千景先生のご冥福をお祈りし、ご遺族にお悔やみを申し上げます。元内閣総理大臣 小泉純一郎

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【訃報・9日に食道胃接合部がんのため89歳で亡くなった、元参院議長で宝塚歌劇出身の女優、扇千景さんの葬儀・告別式】  2023年03月27日  17:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年03月26日 今日は?】:大相撲春場所で新横綱稀勢の里が2場所連続V。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶり

2023-03-28 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年03月26日 今日は?】:大相撲春場所で新横綱稀勢の里が2場所連続V。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年03月26日 今日は?】:大相撲春場所で新横綱稀勢の里が2場所連続V。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶり

 ◆3月26日=今日はどんな日

  大相撲春場所で新横綱稀勢の里が2場所連続V。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶり(2017)

 優勝決定戦で照ノ富士(左)を小手投げで下す稀勢の里(26日、エディオンアリーナ大阪)

 ◆出来事

  ▼開港間近の成田空港に過激派が乱入、管制室を占拠(1978)▼北海道新幹線が新青森~新函館北斗間約149キロで開業(2016)

写真・図版開業から5年を迎える北海道新幹線=2021年3月23日、北海道知内町、豊間根功智撮影

 ◆誕生日

  ▼いしだあゆみ(48年=女優)▼後藤久美子(74年=女優)▼上原ひろみ(79年=ピアニスト)▼柳楽優弥(90年=俳優)▼高木雄也(90年=Hey!Say!JUMP)▼RIMA(04年=NiziU)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年03月26日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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