路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・07.27】:岸田文雄に8月組閣を断念させた意外な抵抗

2023-08-03 07:27:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政界地獄耳・07.27】:岸田文雄に8月組閣を断念させた意外な抵抗

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.27】:岸田文雄に8月組閣を断念させた意外な抵抗 

 ★26日には参院で特別委員会の閉会中審査が開かれ、マイナンバー制度を巡るトラブルなどが質疑されたが、この問題が秋の国会まで引きずられるのは必至だ。その対策もあって首相・岸田文雄が早ければ来月上旬にも党役員人事と内閣改造を断行しようとしていた計画は意外な抵抗にあって断念せざるを得なかった。マイナンバーカードの混乱や10月からスタートするインボイスへの国民の不安などを払拭、また防衛費増強の内訳などが明らかになることで議論が再燃することなどを鑑み、首相は早期の改造で秋の国会への準備期間を十分持つことで、乗り切る腹だったといえる。8月中のお盆前か、お盆後なら日程も落ち着くことから官邸は、その時期にもくろんでいた。

 ★思えば1年前、7月10日は参議院議員選挙が行われた。選挙中には元首相・安倍晋三が凶弾に倒れるなど、政界は騒然としたが8月10日、岸田の好きなサプライズ的な党役員人事と内閣改造が行われた。事態は安倍殺害とそれに伴う党内のざわつきを抑えることと、旧統一教会関係議員排除などの命題を帯びた組閣になった。

 ★今回も岸田にはこのサプライズ組閣が念頭にあったか、断念させたのは霞が関の官僚たちだった。「無論、各省の幹部たちも口には出せないが、今回は官邸周辺で首相を支える人たちがかなりしっかり進言してくれたようだ。この時期各省は概算要求をまとめる予算の入り口で、これを受けて各大臣は内閣改造で交代していくものだが、昨年8月の改造では、幹部クラスの夏休みがすべて飛んだといっても過言ではない。だが、それはしょうがない。なんだかんだと言っても各部署で1カ月ぐらいかけて交代で夏休みをとるのだがそれが消えた。それが今年も8月に組閣となると、働き方改革に逆行著しいということになる」(自民党ベテラン議員)。岸田内閣は霞が関の官僚に依存するところの大きい政権だ。「ちゃんと休んでもらうということになった」(党幹部)が真相だ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年07月27日  08:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【桂春蝶の蝶々発止】:迷走する大阪・関西万博 準備の遅れより問題なのは…70年万博、岡本太郎さんメッセージの上澄みだけパクった?

2023-08-03 07:16:00 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【桂春蝶の蝶々発止】:迷走する大阪・関西万博 準備の遅れより問題なのは…70年万博、岡本太郎さんメッセージの上澄みだけパクった?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【桂春蝶の蝶々発止】:迷走する大阪・関西万博 準備の遅れより問題なのは…70年万博、岡本太郎さんメッセージの上澄みだけパクった?

 【桂春蝶の蝶々発止。】

 2025年大阪・関西万博が迷走してます。海外パビリオンの参加国と建設会社の契約締結が進んでおらず、準備の遅れが指摘されています。日本建設業連合会の宮本洋一会長は「(4月の開幕に間に合うか)厳しい状況だ」「(開催延期を)考える必要がある」と発信しています。<button class="sc-FCznr hYoqqT" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-FCznr hYoqqT" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">万博会場となる人工島の夢洲</button>

          万博会場となる人工島の夢洲(株式会社 産経デジタル)

 【写真】落合陽一氏が手がけるパビリオンの外観。鏡のような建物の外観

 はっきり言いますが、25年万博については、「何を今さら」という気持ちが私にはあります。

 大阪府吹田市の千里丘陵で日本万国博覧会が行われたのは1970年です。全国の都市が焼け野原となった敗戦から25年しかたっていなかった。あの万博は、日本人が世界に向けて発信できる「復活祭」だった。来場者総数6422万人弱。1日の最大入場者83万人。迷子は累計5万人、何と女性が一人、そこで出産までしたというのです(笑)。

 なぜ、70年万博が盛り上がったか?

 私は戦後の高度経済成長の中で、「機械世界が織りなす豊かな暮らしと未来、それを生み出す人間の希望」に歓喜できる時代だったからでしょう。戦争という負のリセットが起こった後なのだから、それはとても理解できます。

 そして、忘れてはならないのが、いまも千里丘陵に凛然とそびえる「太陽の塔」と、デザインした芸術家の岡本太郎さんが、何を伝えたかったのかということです。70年万博のテーマは「人類の進歩と調和」でした。そのテーマに異論を唱えたのが岡本太郎さんだったのです。

 一説に、太陽の塔は岡本太郎さんなりの「土偶」であると言われています。科学技術と資本主義一辺倒で、豊かさを追い求める人類は本当に「進歩しているのか?」。そして、いつまでもやめられない戦争や、人が制御できない核エネルギーの使用拡散は「調和した社会」と呼べるのか?

 「人は今こそ縄文時代で人間がひたすら向き合った『いのち(生命)の根源』に向き合うのだ!」

 岡本太郎さんの、その想いを爆発させたシンボルが「太陽の塔」だった。そう、「太陽の塔」とは「反万博の象徴」でもあったのです。

 現在、あの夢の跡にポツンと残っているのは、万博へのアンチテーゼをぶち込んだ「太陽の塔」だけなのだから皮肉ですよね。

 そのうえで、2025年大阪・関西万博のテーマは何か?

 「いのち輝く未来社会のデザイン」(爆笑)。サブテーマが「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」…。

 ねっ? これって岡本太郎さんがやろうとした「いのちの根源」の上澄みだけすくって、まんまパクってるんですよ。落語でいうたら、爆笑王・桂枝雀師匠のモノマネで落語してるくらい滑ってるんです。

 行政主導の「アカンとこ」がモロに噴出している大阪・関西万博。実行委員はもう一度、太陽の塔をしっかりと魂でごらんになられるべきです。どうせダメなら「芸術(人間の想い)を爆発」させるべきですよ。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 

 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

 元稿:夕刊フジ 主要ニュース 芸能・エンタメ 【連載・「桂春蝶の蝶々発止。」】  2023年08月02日 17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【文春砲!】:「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね」“第二自民党”維新は、帰ってきた小泉・竹中路線なのか? 42歳・藤田幹事長を直撃

2023-08-03 07:15:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【文春砲!】:「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね」“第二自民党”維新は、帰ってきた小泉・竹中路線なのか? 42歳・藤田幹事長を直撃

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【文春砲!】:「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね」“第二自民党”維新は、帰ってきた小泉・竹中路線なのか? 42歳・藤田幹事長を直撃

 「行儀良くしているだけでは何も変わらない」

 日本維新の会の馬場伸幸代表が、「共産党は日本からなくなったらいい政党だ」と発言して物議を醸している。自らと異質な存在を認めないかのようなこの発言は「維新の危うさの現れ」ではないか。この問いに維新の若きエース・藤田文武幹事長は、語気を強めて、冒頭のように反論した。

「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね」“第二自民党”維新は、帰ってきた小泉・竹中路線なのか? 42歳・藤田幹事長を直撃
 「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね」“第二自民党”維新は、帰ってきた小泉・竹中路線なのか? 42歳・藤田幹事長を直撃

 4月の統一地方選挙で躍進し、日本政治の台風の目となりつつある日本維新の会。その維新の会を42歳の若さで引っ張っているのが、当選2回の藤田幹事長だ。

 藤田氏が何を考え、この国をどう変えようとしているのか。「文藝春秋 電子版」のオンライン番組「青山和弘の永田町未来café」は7月27日、そんな藤田氏の知られざる人物像に迫った。

 ◆「第二自民党」=帰ってきた小泉・竹中路線なのか

 藤田氏は番組で、維新の目指す方向性について次のように語った。

 「これまで野党は責任政党たりえてなかった。すべて批判に近いような形、イデオロギー対立でした。憲法、エネルギー、安全保障などで非現実的なイデオロギー対立が華々しく起こるんで、内政においてやらないといけない改革議論が進まない。我々は是々非々ですから。野党第一党を任せて頂ければ、新しい国会像を作りたい」

 馬場代表は、共産党発言と同じインターネット番組「ABEMA的ニュースショー」の中で、日本維新の会を「第二自民党でいい」と述べている。この発言について、藤田氏は「イデオロギー対立のない責任政党同士が競争するという意味だ」と解説したが、「第二自民党」という表現は自民党との違いが乏しいことを肯定しているように取れる。筆者が質すと、藤田氏は次のように主張した。

 「現状維持微修正が自民党の習性で、その極みが岸田総理だと思います。時代の転換期の政治ではない。一つはこの30年間、国民負担率はずっと増えているのに、いらない補助金や優遇税制をやめられない。それでどんどん財源が必要になって、みなさんの生活に手を突っ込んでお金を召し上げることが続いてきた。これをやめさせないといけない。民の力を生かして国民の負担を下げ、とことん成長させる」

 そして「あらゆる業界の規制緩和を進める」と強調した藤田氏。しかし「規制緩和を進めて民間の競争に任せ、成長を促す」というのは、小泉純一郎元総理が竹中平蔵氏と組んで進めた「小泉構造改革」を想起させる。新自由主義的な小泉改革には「格差を拡大させた」という批判が付きまとうが、藤田氏はどう答えるのか。 

 「竹中さんは何であんなに叩かれるんですかね。合理的なこともたくさん言っていると思います。小泉さんや竹中さんが思い描いていたことの、数パーセントくらいしかできていないのが今じゃないですか。それをどんどん進めていくことが大事じゃないかと。ただ競争を認め、淘汰も受け入れる代わりに、従業員や家族にセイフティーネットをちゃんと敷いて不安を取り除いた上でチャレンジする。これがセットで行われるべきだと思っています」

 ◆「王道で共産党がなくなることを目指す」

 また、冒頭で紹介した馬場代表の「共産党は日本からなくなったらいい政党だ」との発言。藤田氏が「世界を見ても共産党と冠する政党が少なくなっている時代背景もある」などと釈明したのに対して、番組で新谷学・文藝春秋総局長は「支持しないことと、なくなった方がいいというのは別の話だ。乱暴に『なくなった方がいい』と言って、発言を撤回しない人が代表であることに怖さを感じる」と指摘した。しかし藤田氏は、馬場代表擁護の姿勢を崩さなかった。

 「馬場さんも松井さんも橋下さんも喧嘩太郎ですから。私はもうちょっと上品だと言っておきます(笑)。けど、激動期の政治って一点突破で突き抜けていく力強さも必要です。一方、この政党だったら任せられるという安心感も両方必要だと思うんです。チームでやっていきたい」 

 さらに「藤田さんも『共産党はなくなった方がいい』と思っているのか」と質すと藤田氏は、選挙を通じて実現していく考えを強調した。

 「大阪では、共産党や立憲民主党はなくなっているに等しいくらいの議席数になっている。僕たちの掲げる政策や改革指向がしっかり理解されれば、必然的に共産党や立憲民主党のような政治姿勢の人が少なくなり、なくなっていくことを王道で目指したいと思います」

 ◆予備選挙は「あり得ない」

 強気の姿勢を見せる藤田氏。その一方で、日本維新の会の“創業者”である橋下徹元大阪府知事は、衆院選では「自民党対野党の二者択一に持ち込むしかない」として、野党候補一本化のための予備選挙の実施を主張している。大先輩の提言をどう受け止めているのか。

 「チャレンジャー側が予備選をやると本選に出る前に負けますから、選挙戦略としてはあり得ないですね。それに立憲民主党には意見を一つにまとめあげる力がなくて、操縦が効かない船になっている。立憲民主党は誰も操縦できないし、私たちも乗る気がないとなるとその船にとって代わらないといけない」

 強気の姿勢と危うさは紙一重だ。日本維新の会が勢力を拡大するほど、加速度的に組織のガバナンスは難しくなり、一つ一つの判断や発言に対する風当たりは強くなるだろう。

 番組終盤、藤田氏に「順調にキャリアを積み上げてきた人は目線が高くなりがち。保守政治家だからこそ包容力が大事なのでは」と問うと、「多くの皆さんに信頼されうる態度振る舞いが、ベンチャーから全国政党に変わる政党にも私自身にも課題だと思う」と率直に語った。

 若き幹事長の挑戦がどういう顛末を辿るのか。日本政治の行方にも影響を与えることになる。

                   ◇

 藤田幹事長が出演した「青山和弘の永田町未来café」は、「文藝春秋 電子版」で観ることができます。

 ■この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます。

 

【フル動画】藤田文武×青山和弘×新谷学「維新は“ナショナル・ブランド”に飛躍できるか」

 

 元稿:文藝春秋社 主要出版物 週刊文春 【政治ニュース・日本維新の会】 2023年08月02日 17:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【文春砲!】:《パワハラ音声入手》「邪魔や!」「公認は僕の権限や!」維新・馬場代表(58)が選挙直前に男性市議へ“公認パワハラ”

2023-08-03 07:15:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【文春砲!】:《パワハラ音声入手》「邪魔や!」「公認は僕の権限や!」維新・馬場代表(58)が選挙直前に男性市議へ“公認パワハラ”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【文春砲!】:《パワハラ音声入手》「邪魔や!」「公認は僕の権限や!」維新・馬場代表(58)が選挙直前に男性市議へ“公認パワハラ” 

 ◆公認が下りなかったことに「納得はしてない」

 ■「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月10日号

元稿:文藝春秋社 主要出版物 週刊文春 【政治ニュース・日本維新の会】 2023年08月02日 16:12:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【さすが維新!】:「松井橋下アソシエイツ」が“口利きビジネス”と批判を浴び頓挫! 橋下徹は逆ギレして、スリカエと八つ当たり反論!

2023-08-03 07:15:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【さすが維新!】:「松井橋下アソシエイツ」が“口利きビジネス”と批判を浴び頓挫! 橋下徹は逆ギレして、スリカエと八つ当たり反論!

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【さすが維新!】:「松井橋下アソシエイツ」が“口利きビジネス”と批判を浴び頓挫! 橋下徹は逆ギレして、スリカエと八つ当たり反論!

 橋下徹氏と松井一郎・前大阪市長がシニアディレクターを務めるとして設立された「株式会社松井橋下アソシエイツ」だが、その後、批判が殺到したことにより、頓挫したらしい。

「松井橋下アソシエイツ」が口利きビジネスと批判を浴び頓挫! 橋下徹は逆ギレして、スリカエと八つ当たり反論!の画像1

橋下徹Twitterより

 本サイトでも先日の記事で指摘したが、「松井橋下アソシエイツ」の業務内容は “民間企業を相手に行政に食い込むためのコンサルタント業務”。ネット上でも「口利きビジネスだ」と指摘されていたが、実際に“口利き”するかどうかはともかく、ついこの間まで地方自治体の首長を務めた人物が、こんなビジネスに手を染めることが許されるはずがない。当然、各方面から批判が殺到する事態になった。

 すると、7日以降には同アソシエイツのHPが閲覧できない状態に。松井・前大阪市長も同日放送されたネット番組「櫻井よしこ言論テレビ」に出演した際、同アソシエイツについて「当面は活動休止状態」「もうちょっと我々も丁寧に説明してやろうかな」と述べた。強弁とゴリ押しを繰り返してきた松井、橋下両氏も今回はさすがにまずいと思ったのか。

 しかし、本人たちはけっして反省しているわけではないようで、むしろ、被害者面で反論を口にしている。

 たとえば、松井氏は同番組に出演した際、「もう批判の嵐ですよ、いま」「松井や橋下を叩きたいという人がゲスい勘ぐりのなかで話しされとる」「批判しているのは立憲の一部と共産党」などと、あたかもアンチによる攻撃で話が歪められたかのような主張を展開した。

 もっとヒドいのは、橋下徹氏だ。橋下氏は10日になって〈民間人になってまでこんな批判を受けるのはめんどくさいので活動は中止。国会議員の不透明な口利きを透明化するための中小企業支援モデルを作ろうとしたが止めた〉とツイート。さらに、こう述べたのだ。

 〈俺のことをいくらでも批判すればいいが、結局、国会議員や元国会議員たちの不透明な政治資金・政治献金と怪しい行政介入・口利きは放置状態。政治力のない中小企業は政治行政の支援を受けられないまま。民間から透明公平な中小企業支援モデルを作ろうとしたけど、アホくさ。私利私欲で生きるのが一番やね。〉

 まったくゴマカシにも程がある。「国会議員の不透明な口利き」が放置状態なのは認めるが、だからといって橋下氏と松井氏が企業の行政食い込みをコンサルティングすることがなぜ、「透明公平」ということになるのか。逆に、絶大な権力を振るった元首長ふたりが特定企業のバックについたら、行政への公正な民間参入を阻害し、維新や特定企業の既得権益を強化することになるのは明らかではないか。それを「透明公平な中小企業支援モデルを作ろう」とか、何をテキトーなことを言っているのか。

 ◆「事実上の口利き」と批判した泉房穂・前明石市長に逆ギレ 何の関係もない辻元清美批判をまくし立て

 しかし、橋下氏の詭弁はこれだけではなかった。「俺のことをいくらでも批判すればいいが」と言っておきながら、批判に対して逆ギレし、八つ当たりとしか思えないスリカエ反論をエスカレートさせているのだ。
 
 事の発端は、15日におこなわれた泉房穂・前明石市長と橋下氏のトークイベントだった。泉前市長は「松井橋下アソシエイツ」について、Twitter上で「これは“事実上の口利き”」「情けない気持ちになった」などと批判をおこなっていたのだが、橋下氏はこの泉前市長の反応に対し、トークイベントで橋下氏は呆れ返るような反論をしたらしい。

 「TOKYO HEADLINE WEB」がその模様をこう伝えている。

 〈橋下氏は泉氏に「“情けない”という言葉が極めて立憲民主的。きちんと政策論をやるんだったら応じますけど、“情けない”とか人間性を否定するようなことはやめたほうがいいですよ」とブチ切れ「辻元清美さんが朝日新聞インタビューで〈安倍さんと岸田さんには世襲政治家という共通点がある。世襲というゲタを履かされて国会議員になっているから勉強不足だし、生活実感がない〉と言っていたがとんでもない。泉さんも政策でいろいろ言うのはいいけど、僕が職員の立場だったらあんな罵倒している政治家のほうがよっぽど情けないと思います」とバッサリ。〉(「TOKYO HEADLINE WEB」7月16日付)

 2018年に『News BAR橋下』(ABEMA)で「僕もう辻元清美のクソババアだけは許せないですよ」などと罵詈雑言を吐いていた人物が、「情けない」という程度の表現を「人間性の否定」などと言って被害者面しているのには呆れるほかはない。

 しかも、肝心の「松井橋下アソシエイツ」に対する「事実上の口利き」という泉氏の批判の話が、記事を読む限り、なぜか何の関係もない辻元清美氏の話にすり替わっているのだ。ちなみに、橋下氏が持ち出した朝日新聞の辻元氏のインタビュー記事は安倍元首相死去後の「政界の風景」を語るという内容で、橋下氏への言及は一切なし。当然ながら誹謗中傷や罵詈雑言のような言葉は見つからない。

 対談をおこなった泉前市長もイベント後、〈イベントとは何の関係もない人物の名前をいきなり持ち出して、一方的にまくし立てたので、あっけに取られた。しかも誹謗中傷を続けたので、いったい彼は何がしたいんだろうと不思議な気持ちになった。そうやって、これまでやってきて、これからも、やっていくのだろうか…〉とツイートしていたが、自身の問題をごまかすためのスリカエであることは明らかだろ。

 ◆橋下お得意のスリカエ詐術 「元首長」による行政食い込みビジネスが批判されているのに「民間」連発

 しかも、橋下氏のスリカエ・八つ当たりはここからが本番だった。

 次に、矛先を向けたのが立憲民主党の泉健太代表。泉代表が、当該記事を引用リツイートし、〈泉房穂氏との対談なのに、橋下徹氏はひたすら立憲民主党ばかり攻撃している。私怨を持ち込んだ感情的な姿勢なら、政治番組のコメンテーターはやめるべき〉と投稿すると、橋下氏はブチギレ。こんなことを言い出したのだ。

 〈民間の会社について当事者に対するヒアリングや確認もせずに一方的に批判する立憲民主党を批判するのは納税者として、コメンテーターとして当然。あんたらの生活費、政党交付金は我々民間が納税して支えてるねんで。勘違いしたらあかん。〉

 〈今回の件で、立憲民主党が行政権を行使すると、法も手続きも無視して民間会社を批判する世の中になるのではと批判するのは当然。泉氏は行政権を行使したことがないから分からないのだろうが、政治行政が民間を批判するには慎重になるのが日本。それこそが真の立憲主義。立憲の名前をただちに返上せよ。〉

 〈今回の立憲民主党がやった俺が設立しようとした会社への批判は、政治論争ではない。法と手続きを無視したならば、完全なる民間への不当介入だ。その政党を批判するのは一国民、コメンテーターとして当然だ。会社は法に則って設立した。どこに違法性があるのか、立憲民主党としてしっかり答えよ!〉 

 言っておくが、倫理的に明らかに問題があると考えられる民間企業のビジネスモデルに対し、政治家が物申すことに何の問題もない。いや、それ以前に、橋下氏は「民間」「民間」とうるさいくらいに強調しているが、問題にされているのは、「民間」ではなく、いまも維新という政党、そして関西の行政に絶大な影響力をもっている2人の「元首長」が「行政」に食い込む企業のコンサルビジネスをやろうとしたことだ。それを「政治行政が民間を批判」とは、まさに「スリカエ詐術」でしかない。

●何様!? 橋下徹「俺の意見に全く耳を貸さない姿勢は政党として失格」と噴飯ツイート

 しかも、驚くべきことに橋下氏は、こんなことまで言い出したのである。

〈何よりも俺の意見に全く耳を貸さない姿勢は政党として失格だろ。批判されたら全否定。俺はなぜ立憲民主党が支持を得られないのか客観的に指摘したつもりだ。まず辻元清美氏の人を馬鹿にしたインタビュー記事。加えて民間会社への不当介入。普通なら真摯に受け止めるか、論理で反論するかだろ。〉

 「俺の意見に全く耳を貸さない姿勢は政党として失格だろ」って、いったい何様のつもりなのだろう。無論、このツイートには当然ながらツッコミが殺到する事態となった。

 〈なにさまwww #平熱パニックおじさん〉

 〈【結論】俺の意見に耳を貸せ〉

 〈無責任コメンテーターが何様のつもりか?〉

 〈すごいなこの特権意識。〉

 〈高校生の悲痛な声に対して「文句があるなら自分が政治家になるか、日本から出ていくしかない」と一蹴した件については、首長としてどうなんですかね?〉

 〈そういう恫喝が通用するのは維新内だけです〉

 「口利きビジネス」批判に真正面から反論せず、負け犬の遠吠えのごとく因縁をつけてまわり、最後には野党に「俺の意見に耳を貸せ」と要求する──。このパニックぶりには滑稽ささえ漂っているが、しかし、これが通用しているのが、いまの日本の言論であり、こんな人物を重宝しているのがこの国のテレビメディアなのだ。

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2023年07月19日  07:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪万博】:「『残業規制』適用しないで!」超法規的措置を政府に要請で「ブラック万博」の声…みずから決めた調達ルールでは「長時間労働」禁止の大矛盾

2023-08-03 07:14:50 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【大阪万博】:「『残業規制』適用しないで!」超法規的措置を政府に要請で「ブラック万博」の声…みずから決めた調達ルールでは「長時間労働」禁止の大矛盾

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪万博】:「『残業規制』適用しないで!」超法規的措置を政府に要請で「ブラック万博」の声…みずから決めた調達ルールでは「長時間労働」禁止の大矛盾

 《大阪万博の残業規制の除外を政府に打診。人手不足なら高額の給料払って人を集めれば良い。お金が足りないから出来ないなら、そもそも大阪万博を辞めれば良いんじゃない?パビリオン作りたい所も少ないみたいだし》<button class="sc-gTnxSN dHGPsE" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-gTnxSN dHGPsE" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">大阪・関西万博の会場起工式(写真・共同通信)</button>

大阪・関西万博の会場起工式(写真・共同通信)

 【画像】「持続可能性に配慮した調達コード」の「長時間労働の禁止」項目  

 実業家のひろゆき氏が7月27日、自身のTwitterを更新。

 「万博の工事『2024年問題』規制除外を 協会が政府に打診」という産経新聞の記事を引用し、万博協会の姿勢に苦言を呈した。

 「2025年4月の開幕を予定している大阪・関西万博ですが、海外パビリオンはまだ1件も建設の許可申請が出されておらず、工事の遅れが懸念されています。  

 さらには、2024年4月から時間外労働の上限規制が建設業にも適用される『2024年問題』で、さらに工事への影響が出るとみられています。   

 こうした状況から、建設業界の時間外労働の上限規制を万博関連の工事には適用しないよう、万博協会から政府に打診したと報じられているのです。まさに “超法規的措置” の要請です」(週刊誌記者)  

 冒頭のひろゆき氏のツイートに対しては、SNSでは 《残業規制除外とか、作業員を使い捨てにする気満々じゃねえか》

 《これはほんとその通り。政府側はこんな要望は無視したほうがいい。人手不足なら給料上げるか、仮にそれが無理ならプロジェクト自体をやめるのが筋。オリンピックと同様、年寄りのメンツにこだわって無理に開催する必要はないと思う》

 《残業規制の除外するくらいなら万博は止めたほうがよい。 人の命のほうが大切》  

 など、賛同するリプライが多数集まっている。ほかにも、

 《労働者を残業させ放題なブラック万博とか異常過ぎるだろ…。何が「いのち輝く未来社会のデザイン」だよ》

 《数年前の東京オリンピックの時、新国立競技場の急ピッチ建設で過労自殺があったのを思い出しました》  

 と、批判的な意見が多数ある。

 「そもそも万博協会には、自らが定めた『持続可能性に配慮した調達コード』というものがあります。万博で調達される物品やサービスなどすべてが対象で、そこには『労働』も含まれており、『長時間労働の禁止』が明記されています。  

 にもかかわらず、残業規制を除外しようとするのは、『調達コード』に反し、矛盾した行為と言われても仕方がないのでは」(週刊誌記者)  

 7月21~23日に読売新聞が実施した全国世論調査では、大阪・関西万博について「関心がある」は35%にとどまり、「関心がない」の65%を大きく下回っている。  

 大阪府の吉村洋文知事は、万博について《課題は乗り越えていく》(7月25日のTwitter)と強気だが、「立ち止まる勇気」も必要ではないか。

 元稿:光文社 主要出版物 FLASH SmartFLASH 社会 【話題・地方自治・大阪府市・大阪万博問題】  2023年07月28日 15:45:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【深層探訪】:海外パビリオン着工ゼロ 資材高騰、人手不足が追い打ち 暗雲漂う大阪・関西万博

2023-08-03 07:14:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【深層探訪】:海外パビリオン着工ゼロ 資材高騰、人手不足が追い打ち 暗雲漂う大阪・関西万博

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層探訪】:海外パビリオン着工ゼロ 資材高騰、人手不足が追い打ち 暗雲漂う大阪・関西万博

 2025年4月に開幕予定の大阪・関西万博で、パビリオン建設の遅れが深刻化している。とりわけ海外の参加国・地域が建設するパビリオンでは、工事に必要な大阪市への申請がいまだゼロ。建設資材の高騰や人手不足など構造的問題が背景にあり、予定通りの開催を危ぶむ声もささやかれ始めた。  

<button class="sc-gTnxSN dHGPsE" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-gTnxSN dHGPsE" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">記者会見する大阪府の吉村洋文知事=26日午後、府庁</button>
 記者会見する大阪府の吉村洋文知事=26日午後、府庁(時事通信社)

 ◇国家事業に二の足  

 「25年4月に万博を必ず開催させる。絶対に遅らせない」。大阪府の吉村洋文知事は今月25日、山梨県北杜市で開かれた全国知事会議で、居並ぶ知事を前にこう宣言。26日の記者会見でも「開幕を遅らせる判断はない」と重ねて強調したが、状況は厳しさを増しつつある。  

 遅れが顕著なのは、約50の国・地域が自前で建てる「タイプA」と呼ばれるパビリオン。建設業者との契約交渉が難航しているとみられる。  

 海外のパビリオン建設は、各国が独自性をアピールする場であり、万博の「華」。ただ、その分デザインが複雑で難易度も高いとされる。  

 建設資材の高騰でゼネコン業界全体の利幅が縮小する中、業者側は受注に慎重だ。しかも、万博は国の威信が懸かる国家事業。大手ゼネコン関係者は「万が一、間に合わなかったら信用問題になる。リスクは大きいが利益は少ない。われわれも慈善事業でやっているわけではないし…」と警戒感をあらわにする。  

 さらに、建設業界では物流業界と同様、24年4月から時間外労働に上限規制が適用される「2024年問題」が控える。人手不足に拍車が掛かることは避けられない見通しで、建設業界関係者は「通常の仕事もセーブせざるを得ない状況だ。万博を優先するわけにもいかない」と話す。  

 ◇不協和音  

 パビリオン整備の停滞打開に向け、日本国際博覧会協会(万博協会)も対策に乗り出した。参加国・地域にデザインの簡素化を求めた上で、協会が代わりに建設業者への発注を担う「建設代行」を提案。言語面などのハードルを取り除き、契約を円滑に進めるのが狙いだ。  

 今月13日、記者会見した万博協会の石毛博行事務総長は、参加国側と建設業者双方への支援を強調。「年末までに着工すれば開幕に間に合う」との認識を示した。  

 しかし、この「年内発言」が波紋を広げる。日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設会長)は21日の会見で「何が根拠なのか分からない」と発言。「工事を請け負うには、きちんとした設計と適正な金額や工期が前提として必要だ」とけん制した。  

 ◇撤退の動きも?   

 そもそも、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれた前回の万博も、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が当初予定していた20年10月から1年遅れた。今回は最初から海外勢の準備期間が短いという悪条件を背負っていた。

 万博協会内からは「ドバイの延期が響いているのは間違いない」との声も。関西経済連合会の松本正義会長は18日の会見で「個人的な意見」として「(出展から)撤退する国もあるのではないか」と悲観的な見通しを示した。  

 これに対し、吉村知事は「しっかり1カ国1カ国と協議しているので、今は(撤退の)話はない」と強調。日本維新の会幹部も「日本のゼネコンの威信に関わる。絶対に間に合わせる」とした上で、延期説に対し「延期するくらいならやめるよ」と言い切った。    

 ◇大阪・関西万博を巡る主な動き

 2018年11月 25年万博の開催地が大阪に決定  

 20年12月 会場建設費が1250億円から1850億円に増えると判明

 21年10月 1年遅れでドバイ万博開幕

 22年 3月 ドバイ万博閉幕

 23年 4月 大阪・夢洲で起工式。パビリオン出展者への敷地引き渡し開始

    7月 パビリオン整備遅れが顕在化。万博協会が「建設代行」を提案  

 25年 4月 大阪・関西万博開幕予定

 元稿:時事通信社 JIJI.com 政治 【政局・連載・深層探訪】  2023年07月28日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪万博】:公費負担増は避けられず…会場建設費「3000億円」突破の恐れ、当初比の2.5倍に

2023-08-03 07:14:00 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【大阪万博】:公費負担増は避けられず…会場建設費「3000億円」突破の恐れ、当初比の2.5倍に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪万博】:公費負担増は避けられず…会場建設費「3000億円」突破の恐れ、当初比の2.5倍に

 もうスパッと諦めた方がいいのではないか。

 2025年4月開幕予定の大阪・関西万博で、参加国・地域のパビリオン建設が全く進んでいない問題。背景に深刻な資材高騰や人手不足の問題があり、海外パビリオンの建設を引き受ける業者がいないことが影響している。気になるのは、パビリオンを含めた会場建設費が膨張しかねないことだ。建設費は、国と大阪府・市、経済界の3者が同額を分担する。コストが膨らめば、公費負担も拡大必至だ。

<picture>どこまでお金がかかるのか(万博会場予定地の夢洲)/(C)共同通信社</picture>

  どこまでお金がかかるのか(万博会場予定地の夢洲)/(C)共同通信社

 「昨年から今年にかけ、建設に関わる諸費用が急上昇している。発注しようとしても、まず受けてくれるゼネコンを探すのに一苦労です。見積もりをお願いすると『1カ月先に同じ費用でやれるか分からない』という理由で即決を迫られる。万博会場の建設費も膨張は確実でしょう」(設計事務所関係者)

 大阪万博の会場建設費は、もともと1250億円だった。05年の愛知万博などの実績を基に府が試算した数字に、経産省が物価上昇率を加味して17年に算出した。ところが、コロナ禍後の20年末に600億円増え、1850億円に膨張した経緯がある。

 今後、どこまで拡大するのか。一般財団法人「建設物価調査会 総合研究所」のデータを基に本紙が調べたところ、驚きの結果が出た。それによると、集合住宅や事務所など一般的な建築物の「純工事費」について、15年を「100」とした場合(17年は横ばい)、20年末は5ポイント上昇の「105」。つまり、17年からの3年間で上積みされた600億円は「5ポイント」に相当することになる。

<picture>パビリオン建設は全く進んでいない…(写真は、5月)/(C)共同通信社</picture>

  パビリオン建設は全く進んでいない…(写真は、5月)/(C)共同通信社

 ◆パビリオン建設はフツーの建物より高くつく

 「純工事費」はさらに21年以降急上昇し、直近調査の今年6月時点で「125」にまでアップ。20ポイントもの上昇だ。単純計算で、上昇分は「5ポイント=600億円」の4倍に当たる2400億円。合算すると4250億円にまで増えてしまう。粗い計算だが、これほどの膨張はあり得るのか。

 建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。

 「さすがにそこまでの膨張は考えづらいでしょう。しかし、20年末から現在までに建設コストはおおむね5割増しになっていますから、少なくとも、1850億円から900億円超、膨れ上がっていることが考えられます。さらに、パビリオンは工法も材料も特殊ですから、一般的な建築物よりコストが高い。また、工期が短くなれば、人件費も上がります。総合的に見て、3000億円を超える可能性があるでしょう」

 すると、国と府・市の税金からの拠出は2000億円か。どれほどの国民が納得するだろうか。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース マネー 【トピックスニュース】  2023年07月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【追及・大阪万博】:万博総合プロデューサーが連日開いていた「東京の一等地で深夜0時までの豪華誕生パーティ」の中身と参加者

2023-08-03 07:13:50 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【追及・大阪万博】:万博総合プロデューサーが連日開いていた「東京の一等地で深夜0時までの豪華誕生パーティ」の中身と参加者

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追及・大阪万博】:万博総合プロデューサーが連日開いていた「東京の一等地で深夜0時までの豪華誕生パーティ」の中身と参加者 

 東京を代表するセレブの街で、3日間にわたり政治家や芸能人などが集まる誕生パーティが開かれた。会の主役こそが森下である。この男が、ド派手な交友関係を築くまでの「舞台裏」を明かす。

 森功(もり・いさお)/ノンフィクション作家。'61年、福岡県生まれ。『週刊新潮』編集部などを経て、'03年に独立。『悪だくみ「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で'18年に大宅賞を受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など著書多数

 ◆ルイ・ヴィトンの紙袋

 東京・麻布十番にある小さな会員制ワインバーでは、5月8日から10日まで3日にわたって華やかなパーティが開かれた。

Photo by gettyimages

 店の前で見ていると、オープンの少し前、パーティの主役が姿を現した。白のインナーに濃紺の半袖シャツを羽織り、真っ白いパンツをはいている。いつものスーツ姿とは異なり、かなりラフないで立ちだ。午後7時のパーティ開始時刻が迫っているせいか、息を切らしながらドアを開け、店に駆け込んだ。

 大阪大学大学院医学系研究科寄附講座教授の森下竜一(61歳)である。招待客の一人が明かした。

 「あのワインバーは森下さんと親しい女性が切り盛りしています。森下さんの顧問先がバーの会員となって運営されていることもあってか、事実上、森下さんが店のオーナーといわれています。

 上京した折、森下さんが懇親の場として使っている。派手好みの森下さんらしく、今回の誕生パーティも有名人が集まって賑やかに開かれていました」

 ◆著名な来客者

 1962年5月12日生まれの森下の誕生パーティには、招待客が夜の帳に紛れて次々と地下の店に吸い込まれていった。見覚えのある顔も少なくない。

 2日目の9日に現れたのが、俳優の中村雅俊である。

Photo by gettyimages

 パーティ開始からすでに1時間ほどが経過した午後8時19分、中村本人が鳥居坂下交差点から歩いてやって来た。鮮やかなブルーの革ジャンに、黒っぽい細身のパンツスタイル。黒い帽子に黒マスクを着け、手には黒いトートバッグを提げていた。

 芸能人の多い麻布界隈にあって、遠目に見てもよく目立つ。当人は店の前で立ち止まり、店名の記された入り口脇の看板を確認して中へ入ったので、ひょっとすると常連ではないかもしれない。

 先の招待客に森下との関係を尋ねたところ、こう説明してくれた。

 「中村雅俊は'19年に開催されたアンチエイジングフェアで森下さんとトークショーに出演しています。日本抗加齢医学会の副理事長である森下さんは、その世界の第一人者ですからね。本人は目の下の弛みを気にしているのかな。二人の仲がいいのは間違いありません」

 ワインバーでの誕生パーティには、青山恭明も駆け付けた。本連載で何度も紹介してきた「2025大阪・関西万博」のメインスポンサーで、大阪パビリオンの総合プロデューサーを務める森下の顧問先であるシャワーヘッドメーカー「サイエンス」会長である。

 午後10時13分過ぎ、シルバーのトヨタ プリウスが店の前に横付けされ、助手席からスーツ姿の青山が、プレゼントらしきルイ・ヴィトンの紙袋を持って降りてきた。紙巻きタバコを取り出し、路上で一服すると、運転手といっしょにバーへ向かった。

 ◆政治家とのつながり

 パーティは連日午前0時頃まで続いた。最終日の10日には、政治家の姿もあった。午後8時過ぎ、黒のトヨタ カムリの後部座席から降りてきたのが自民党参議院議員の丸川珠代だ。ホワイトのパンツスーツ姿の丸川も店の看板を見て確認し、左手に赤い名刺入れを持って店内に入った。

 ある厚労省の官僚が丸川と森下の関係について言った。

Photo by gettyimages

 「丸川さんはお父さんが医者なんです。それで『私は医療系に強い』と言って、厚労族議員のポジションを目指している。それで第二次安倍政権の内閣官房にできた健康・医療戦略室の参与だった森下氏と親しくなったと聞いています。塩崎恭久元厚労大臣の後釜を狙って、安倍元総理と親しかった森下さんに近づいたのではないでしょうか」

 丸川自身の選挙区は東京だが、実父の征四郎は神戸大学医学部を卒業し、大阪市の医誠会病院長を務めてきた。自ら開く朝食会に森下を招待し、二人は懇意になっていったという。

 また変わったところでは、立憲民主党参議院議員の羽田次郎も、くだんの誕生パーティに参加していた。小沢一郎らと自民党を飛び出し新生党を結成して第80代首相に就いた羽田孜の次男だ。森下と羽田には意外な接点がある。ある事情通が解説する。 

 「羽田次郎は森下が『次郎ちゃん』と名前で呼ぶほど長い付き合いのようです。羽田は『フォレストフィールド』という投資ファンドを経営しており、そこが阪大ベンチャーのアンジェスMGによる約5億円分の増資を引き受けている。いわば羽田と森下はビジネスパートナーでもあるわけです」

アンジェスは森下が遺伝子治療薬の開発を謳い、創薬ベンチャーとして起業した企業だ。新型コロナウイルス対策の国産ワクチン開発で、巨額の政府補助金を使った挙げ句、計画が頓挫して顰蹙を買ったのは、ついこのあいだの出来事である。

 麻布で開かれた阪大大学院教授森下竜一の誕生日パーティー。一見普通の誕生日パーティーだが調べていくとどうやら"黒い”部分が…。著名人も絡む「金権人脈」を巡ったパーティーの実情に迫る。

 ■後編記事で引き続き紹介する。

 ※:「週刊現代」2023年5月27日号より

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【話題・阪大大学院教授森下竜一の大阪万博を巡る数多くの疑惑・担当:森功(もり・いさお)/ノンフィクション作家】  2023年05月24日  07:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【追跡!】:大阪維新いよいよ逆回転…万博に続きカジノも「間に合わない」懸念はズサンな計画だから

2023-08-03 07:13:40 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【追跡!】:大阪維新いよいよ逆回転…万博に続きカジノも「間に合わない」懸念はズサンな計画だから

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【追跡!】:大阪維新いよいよ逆回転…万博に続きカジノも「間に合わない」懸念はズサンな計画だから

 大阪維新の会のイケイケぶりもいよいよ逆回転か──。

 大阪のカジノを含む統合型リゾートの開業が、予定していた「2029年秋~冬ごろ」に間に合わないと、大阪府の吉村知事が18日に言明した一件だ。大阪では、2025年4月からの万博をめぐっても、海外パビリオンの建設が開幕に間に合わない恐れが出てきて、関係者が大慌てというドタバタになっている。

<picture>間に合わない理由を国に責任転嫁(説明する吉村洋文大阪府知事)/(C)共同通信社</picture>間に合わない理由を国に責任転嫁(説明する吉村洋文大阪府知事)/(C)共同通信社

 カジノも万博も、今年4月に退任した松井一郎前大阪市長が府知事だった時代からの維新の肝いり事業。大阪湾の人工島「夢洲」を整備して、まず万博、その後にカジノというのが維新の描く“成長戦略”だが、どうにも雲行きが怪しくなってきた。

 吉村知事はカジノの開業が遅れる理由について、「国の認定に1年かかったので、開業時期をどうするのかについて再協議が必要になっている」と指摘した。昨秋にも政府に整備計画が認定されると見込んでいたのが、今年4月に遅れたことが原因だというのだが、ジャーナリストの横田一氏はこう言う。

 「認定が遅れたのは、夢洲が軟弱地盤で液状化リスクがあることが審査で問題になったからで、土壌対策を講じるよう求める条件付きの認定です。つまり、維新のズサンな計画が今の事態を招いている。大阪府市の責任ですよ」

 「カジノに税金は一切使わない」と松井前市長が豪語していたのに、土壌汚染などの対策費で約790億円もの公金を投入することになった。軟弱地盤対策でさらに費用が膨らみかねない。

 国、府市、財界で3分の1ずつ負担する万博の建設費についても、既に当初予算の1250億円から1850億円に上振れしているのに、パビリオンの建設遅れでさらに膨らむ恐れも出ている。

 “昭和”の色濃いカジノと万博を成長戦略にしたことが、ハナから間違いだった。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・大阪府市・大阪維新の会】  2023年07月20日  13:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪万博】:「全面キャッシュレス化」発表も通信障害にどう備える?「現金決済なくて大丈夫か」と不安視する声も

2023-08-03 07:13:30 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【大阪万博】:「全面キャッシュレス化」発表も通信障害にどう備える?「現金決済なくて大丈夫か」と不安視する声も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪万博】:「全面キャッシュレス化」発表も通信障害にどう備える?「現金決済なくて大丈夫か」と不安視する声も 

 2025年に大阪で開催される「大阪・関西万博」の運営主体である2025年日本国際博覧会協会は、4月6日に会場内での支払い手段について、全面的に「キャッシュレス化」することを発表した。日本は諸外国に比べてキャッシュレス決済の普及が遅れていると指摘されることが多く、高齢層を中心にまだ定着しているとは言い難い現状がある。万博をきっかけとした普及拡大も望まれるところだが、うまく期待通りに機能するのだろうか。

IT重視で進められてきた大阪・関西万博の会場(電気事業連合会パビリオンの外観イメージ。時事通信フォト/同連合会提供)

 

IT重視で進められてきた大阪・関西万博の会場(電気事業連合会パビリオンの外観イメージ。時事通信フォト/同連合会提供)

 

 

 万博を運営する同協会の担当者は、キャッシュレス化についてこう説明した。

 「会場ではクレジットカード、IC型電子マネー、QR型電子マネーなど日本最大級のブランド数となる約60の決済手段の取り扱いを目指しています。これにより支払いの簡素化、レジでの会計の時間短縮、非接触化によるウイルス対策、非現金化による防犯対策につながると考えています」

 会場ではブロックチェーン(分散型台帳)技術を使った独自の決済アプリ(EXPO2025デジタルウォレット)を導入する一方、高齢の来場者、修学旅行等で会場を訪れる学生など決済手段を持たない人を想定して、プリペイドカード販売でのサポートを検討しているという。

 前出の担当者は「会場をキャッシュレス社会の実験場にするとともに、日本のキャッシュレス推進につなげる狙いもある」と意気込みを見せた。

 国際博覧会でのキャッシュレス決済の本格導入は初めてのことだというが、懸念はないのだろうか。ITジャーナリストの三上洋氏はこう話す。

 「安定したネットワーク環境があることが大前提になります。IT重視で進められてきた大阪・関西万博の会場で各携帯キャリアの電波が届かない場所はないと思いますし、来場する多数の人をスマホアプリ上でガイドするという仕組みもあるので、何万人がアクセスしてもいい電波環境を作るはずです。それが作れないとなれば大騒動になりますから、まず問題ないと考えていいでしょう」

2025年大阪・関西万博の開幕1000日前イベントで、愛称が「ミャクミャク」と発表された公式キャラクター(時事通信フォト)

 

2025年大阪・関西万博の開幕1000日前イベントで、愛称が「ミャクミャク」と発表された公式キャラクター(時事通信フォト)

 ◆サイバー攻撃への備えは?

 ただ、そのうえで三上氏は“外部要因”についてこう懸念を指摘した。

 「昨年だとKDDI、一昨年だとNTTドコモで通信障害が発生していますが、その際にはいずれもキャッシュレス決済ができない店が出ました。大阪・関西万博の運営側の事情ではなく、携帯キャリアの通信障害などによって会場内でキャッシュレス決済ができなくなる事態が起きる可能性は排除できません。そうしたリスクへの備えが十分でないと、チケットの発券もオンラインなので、大きなトラブルに発展する懸念はあります。

 もう一点は大阪・関西万博の独自決済アプリそのものなどのシステム障害も起こり得ること。もちろん安全対策は取られるにせよ、アクセスが集中したり、予期せぬ障害が起きた時にシステムが停止するリスクは存在します。すべてをキャッシュレス決済化というのは先進的な取り組みではありますが、大阪・関西万博のように広く万人が集うようなイベントにおいて、バックアップとしての現金決済が用意されないのであれば、怖さはあります。システムというのは障害を起こす可能性をゼロにはできない。障害が起きた時の何らかのバックアップを用意するのが常識ですが、どのような備え方になるのか注視する必要があります」

 加えてサイバー攻撃などのリスクも当然、念頭に置く必要があるだろう。改めて協会に聞くと、サイバー攻撃などについての対策は「受託いただく金融機関のシステムによって運営管理されるので、対策は金融機関に対応いただくことになります」とし、通信障害については「対応策を検討しています。(障害が起きた時に現金が使えるかについても)検討中です」との回答だった。

 万博を成功裡に終えてキャッシュレス決済の普及拡大のきっかけとできるのか、期待と注目が集まることになる。(了)

 元稿:マネーポスト WEB 主要ニュース 社会 【話題・2025年に大阪で開催される「大阪・関西万博」の運営主体である2025年日本国際博覧会協会は、4月6日に会場内での支払い手段について、全面的に「キャッシュレス化」することを発表】 2023年04月14日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑・後編】:2年後迫る大阪万博を利用して企業PR・商品宣伝…「アンチエイジング」企業の黒すぎる実態

2023-08-03 07:13:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【疑惑・後編】:2年後迫る大阪万博を利用して企業PR・商品宣伝…「アンチエイジング」企業の黒すぎる実態

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑・後編】:2年後迫る大阪万博を利用して企業PR・商品宣伝…「アンチエイジング」企業の黒すぎる実態

 2年後に迫る大阪万博では、アンチエイジングに関する展示が数多く盛り込まれる予定だ。これを商機とばかりに利権屋は動き始めている。その象徴的なイベントが「アンチエイジングフェア」だった。

 ◆否定はしない会長

 翌日には森下と青山の二人による「再生医療とアンチエイジング」なる題目のトークショーも予定されていた。アンチエイジングフェアは、まさに万博に出展する顧問先企業のPRの場と化した。

 営利企業にとって、万博パビリオンの出展は宣伝活動の一環である。しかしその企業に雇われた顧問が、多額の血税を投じる国家イベントの万博を利用しているとなれば、話の次元が異なる。それは何度も指摘してきた。

Photo by gettyimages
 
 だが、彼らの行為はそこにとどまらない。こんなイベントまで利用して商品を宣伝しているのだ。

 彼らはまるで万博という国家プロジェクトをビジネスに利用した利権屋に映る。大阪府と大阪市が設置した大阪パビリオン推進委員会における総合プロデューサーの設置規程(地位乱用の禁止)第10条を改めて記す。

 〈総合プロデューサーは、その地位を利用して、自らが経営する又は雇用されている企業等やその商品を宣伝してはならない〉

 森下の講演は甚だしい規程違反ではないのか。

 本連載で書いてきた通り、もとはといえばサイエンスの青山と森下は2019年5月、関西テレビが主催したアンチエイジングフェアで出会っている。森下はこれより3年前の2016年6月から、大阪府の設置した「2025年万博基本構想検討会議」に有識者として加わっている。それが大阪府市の「万博推進委員会」と形を変える中、森下は日本維新の会の松井や吉村の後ろ盾を得て万博計画の中核を担ってきた。

 ◆否定はしない

 そして昨年のアンチエイジングフェアで二人の関係を確認すべく、まず青山に声をかけた。

 「森下さんにお金を払っていますよね」

 そう問いかけると、否定はしないが、こうはぐらかす。

 「なんか森下先生にお金を使いまくってるみたいな書き方をしているけど、たとえば講演なんかでは、そんなん、1円も払ってないですから」 Photo by gettyimages

 問題視しているのはそこではない。「顧問料を払ってらっしゃいますよね」と聞くと否定しない。そんなやりとりをしているうち、横からイベントスタッフが「すみません、ちょっと時間が」と割って入り、青山を連れ去ってしまった。

 その4日後、私の自宅に届いたのが、先の通知書なのである。通知書の差出人はサイエンス代理人の中村信雄。東京地検特捜部に在籍した経験もある検察OBのヤメ検弁護士だ。通知書では次のように書いている。

 〈(当方が)一般参加者を装い、フジテレビの正式な許可も得ること無く、突然押しかけ、本件記事の内容等について質問を繰り返し、取材活動を行いました〉

 会場で青山を呼び止めたのは間違いないが、それも通常の取材活動の一環というほかない。騒ぎを起こさないよう「改めて時間を頂戴できないか」と要請もした。そのあとイベントスタッフに名刺を渡し、森下への取り次ぎを頼んだ。すでにイベント終了時間の5時に近かったため、会場の客はほとんどなく、ブースのスタッフたちは後片付けを始めていた。

 しかし森下への取り次ぎを頼んだ相手は、関係者のいるスペースへ引き込んだまま戻ってこない。そこでやむなく、ブースのスタッフたちに展示商品について質問していた。すると、取り次ぎを頼んだスタッフが、私の後ろを逃げるように通ったため「ちょっと待ってください」と呼び止めた。

 ◆「別の会社」も登場

 ことの顛末はそれ以上でも以下でもない。しかし通知書は事実を捻じ曲げてこう書く。

 〈貴殿らの行動は、許された行動ではなく、威力業務妨害に該当するものであり、通知会社がフジテレビに支払った高額なスポンサー料も無駄になる等、本件イベントが中断したことによる通知会社の経済的損害及び貴殿らの高圧的な行動により恐怖を感じた青山氏の精神的損害は2000万円を下りません〉

 前に報じた記事の損害と合わせて3000万円を支払え、とご丁寧に中村名義の口座番号まで記しているのだ。が、そもそも森下の講演終了時点で5時に迫っていた。客もまばらで他のイベントもない。

 弁護士の中村は「取材許可なく質問を繰り返し恐怖を感じた」というが、前述したように広く公開された場で、取材申し込みの許可が必要なのか。おまけに抗議してきた当の中村はのちに講談社の顧問弁護士に対し「手打ちしませんか」と電話で持ち掛けてきた。

 大阪万博のメインスポンサーであるサイエンスは、福岡県の医療コンサルタント会社「ASメディカルサポート」と技術提携している。くだんのアンチエイジングフェアでは、サイエンスの隣でASメディカルのグループ会社N3が「ミラブルリボーン」なるシャワーヘッドを展示していた。ASメディカルの創業者は再生医療複合施設「九州再生医療センター」を経営し、GACKTがそこで治療を受けたとされる。

 創業者は、かつて外車の窃盗団の親玉と目され、逮捕されたこともあるが、幹細胞を使った流行りの再生医療分野に進出し、東京にもクリニックを出している。曰くつきの会社でもある。

Photo by gettyimages
 
 ASメディカルについて詳しくは稿を改めるが、森下はこの会社の顧問にもなっている。一昨年のドバイ万博イベントに出展し、そこで同じ出展者だったサイエンスと出会ったという。アンチエイジングフェアでは、そのASメディカルグループのN3のブースにも声をかけた。すると、AS側は週刊現代編集部に似たような通知書を送ってきた。サイエンスと合わせたその要求額はなんと4500万円。暴挙は彼らのほうではないか。

(敬称略 以下次号)

 ■森功
  もり・いさお/'61年、福岡県生まれ。『週刊新潮』編集部などを経て、'03年に独立。『悪だくみ「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で'18年に大宅賞を受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など著書多数

「週刊現代」2023年2月25日号より

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【大阪万博・地方自治・大阪府市・担当:週刊現代(講談社)編集部】  2023年02月21日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑・前編】:利権屋がうごめく大阪万博…質問しただけで「3000万円支払え」と要求してくるヤバすぎる実態

2023-08-03 07:13:10 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【疑惑・前編】:利権屋がうごめく大阪万博…質問しただけで「3000万円支払え」と要求してくるヤバすぎる実態

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑・前編】:利権屋がうごめく大阪万博…質問しただけで「3000万円支払え」と要求してくるヤバすぎる実態 

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   Photo by iStock(KODANSHA)

◆3000万円を支払え

 ◆驚くべき「通知書」が届く

 ◆「会長、お立ちください」

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【大阪万博・地方自治・大阪府市・担当:週刊現代(講談社)編集部】  2023年02月21日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【森功・寄稿】:アンジェス森下竜一と「黒い大阪万博」の取材過程を明かす…なぜ松井・吉村は逃げ回るのか

2023-08-03 07:13:00 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【森功・寄稿】:アンジェス森下竜一と「黒い大阪万博」の取材過程を明かす…なぜ松井・吉村は逃げ回るのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森功・寄稿】:アンジェス森下竜一と「黒い大阪万博」の取材過程を明かす…なぜ松井・吉村は逃げ回るのか

 ■前編『【連続追及】大阪万博トップの「アベ友」阪大教授の重大疑惑に、大阪府市が「記事改竄」までして異様な反応』より続く。

 莫大な血税が投入される国家イベントたる大阪万博で、不可解なスポンサー選びが行われている―。この疑惑を報じた本誌記事に対して、大阪府市が示した見解もまた、不可解極まりない内容だった。

 一大汚職事件に揺れた東京五輪・パラリンピックと並ぶ国家プロジェクトの開催が、 残りあと2年あまりに迫っている。2025年大阪・関西万博である。開催地となる大阪湾の人工島、夢洲の土壌汚染問題やパビリオン建設費の高騰など、数多くの問題が取り沙汰されるなか、私は週刊現代で昨年2回に分け、大阪万博について報じた。

《これまでの追及記事》

 ◆記事内容を誤誘導する大阪府市

 HPでは〈記事内容〉としてパビリオン推進委員会のスタッフの証言を取り上げ、こう見解を示している。

 〈万博推進局には、記載のある取材を受けた職員はおりません〉

 あたかも取材もせず証言をでっち上げているかのように誤誘導する意図が明らかだ。記事では、〈推進委員会のあるスタッフが指摘する〉としてコメントを紹介している。それが〈取材を受けた職員はおりません〉にすり替わっている。匿名証言の犯人捜しをしたのだろうが、そもそも万博関係者にどのような調査をしたのか、むしろ尋ねたいくらいである。

 当該記事の執筆にあたっては、匿名を条件に数多くの万博関係者に取材した。だが大阪府市は、記事中のコメントを、何も取材せずに作り上げた「でっち上げ証言」だと誤認させている。

Photo by iStock
 
 当方が疑問視している大きな点は森下竜一とサイエンスとの関係性であり、そこは万博推進局にも何度も質問してきた。しかし、何らまともな回答は得られなかった。

 たとえば森下はサイエンスから定期的に顧問料の支払いを受けてきたと考えられる。この件については、'22年9月13日に万博推進局で大阪府・大阪市万博推進局および出展部出展企画課の職員と面談の取材を行った。出展部および事業推進部の担当者はこう話していた。

 「(森下がサイエンスの顧問であることは)協賛企業になるときに、ホームページで調べてたまたま見かけました。だからサイエンスの顧問就任は存じ上げています」

 ◆「チェックはしていません」

 このとき彼らには森下に多額の顧問料が発生している疑いについて次のように質した。

 「サイエンスにおける森下氏の活動実態や双方の関係について調べる必要はないのでしょうか」

 だが、府市の職員は以下のような回答だった。

 「正直、そういうところに対するチェックの必要性が議論の対象になったことがありませんでした」

 「どういった企業とつながりがあるのか、実際のところそのチェックは何もしていません」

 私はこう突っ込んだ。

 「それでいいのでしょうか。不透明な関係性について大阪府市ではどうお考えでしょうか」

 大阪府市に対しては改めて「サイエンスから大阪万博に関連した報酬の支払いが発生しているかどうかについて、万博推進局は調査・確認しているかどうか」と10月3日付の文書で質問し、総合プロデューサーの顧問先企業がメインスポンサーになっている関係についての見解を尋ねた。しかし、今もってそこは何も回答がない。

 結局、何も答えていないし何も明らかにしていない。今回、あらためて大阪府市に質問状を送ったが、いったんは対応すると伝えてきたにもかかわらず、結局何の回答もなかった。これは許される対応ではないだろう。

 大阪万博は東京五輪と異なる点もある。それは万博推進委員会が公益財団法人「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」と違い、法律で定められた法人格のない任意団体であることだ。

 ◆吉村知事は何も答えない

 そこで大阪府市は昨年7月、新たに一般社団法人「2025年日本国際博覧会大阪パビリオン」を立ち上げた。ここにもサイエンスが理事として加わっている。

 この件についても10月3日付で「なぜ任意団体とは別に社団法人を設立したのか。設立までの詳しい経緯ならびに法的根拠などをうかがいたい」と質問したが、いずれもまともな答えがない。

 もとより取材過程では、万博を推進する松井や吉村に取材を申し込んだが、どちらも回答拒否だった。そこについて、大阪府市は〈すでに大阪府・大阪市として回答済みの内容である旨を回答し対応しており〉〈回答を拒否したものではありません〉とHP上に記している。

 しかし、当方はあくまで責任者の一人として、大阪市長の松井や大阪府知事の吉村に対して見解を求めたものであり、事務方である万博推進局の考えを尋ねたわけではない。なによりサイエンスを含めた万博の協賛企業のパビリオン出展を承認した責任者は、推進委員会会長でもある大阪府知事の吉村だ。前述したように吉村の承認は、くだんのHPにも明記している。語るに落ちるとは、まさにこのことだろう。そして推進委員会の会長代行が市長の松井である。不審な点がある以上、松井や吉村がそこに答える義務があるのは議論の余地がない。

 これ以上、大阪府市のHPについて紙幅を費やすのは憚られるので、ここまでとする。だが、大阪万博を巡る疑念や問題は何も解き明かされていないのである。それどころか増幅し続けている。

 ◆疑惑を裏付ける証言

 大阪万博の取材過程で、昨年11月18日に開催された「アンチエイジングフェア2022 in 台場」を訪ねた。そこには、森下が講師として登壇、映像を交えながら大阪パビリオンにおけるサイエンスの出し物を宣伝していた。顧問先企業のPR活動は、総合プロデューサー設置規程・第10条〈総合プロデューサーは、その地位を利用して、自らが経営する又は雇用されている企業等やその商品の宣伝をしてはならない〉に抵触する可能性が極めて高い。

 大阪パビリオンの総合プロデューサーである森下が中心となり、万博のスポンサー選びが行われたことは、多くの関係者が証言している。

 大阪府市はHP上で、協賛企業は〈推進委員会会長が承認するものであり、総合プロデューサーが選定するものでは、ありません〉と記しているが、昨年9月13日に万博推進局にて面会取材を行った際、私が「総合プロデューサーがスポンサーを選ぶのか」と質問すると、当の万博推進局の担当者はこう言った。

 「出展のテーマとズレていないか、われわれには分からない部分もありますので、常にプロデューサーに意見を頂いています。森下総合プロデューサーが中心になって色々と企画運営しています」

 場合によってはその音声記録を公開してもいい。(敬称略 以下次号)

もり・いさお/'61年、福岡県生まれ。『週刊新潮』編集部などを経て、'03年に独立。『悪だくみ「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で'18年に大宅賞を受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など著書多数

 ※:「週刊現代」2023年2月11・18日号より

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【担当:週刊現代編集部】  2023年02月09日  07:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【連続追及】:大阪万博トップの「アベ友」阪大教授の重大疑惑に、大阪府市が「記事改竄」までして異様な反応

2023-08-03 07:12:50 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【連続追及】:大阪万博トップの「アベ友」阪大教授の重大疑惑に、大阪府市が「記事改竄」までして異様な反応

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【連続追及】:大阪万博トップの「アベ友」阪大教授の重大疑惑に、大阪府市が「記事改竄」までして異様な反応 

 莫大な血税が投入される国家イベントたる大阪万博で、不可解なスポンサー選びが行われている―。この疑惑を報じた本誌記事に対して、大阪府市が示した見解もまた、不可解極まりない内容だった。

 ◆大阪万博を巡る疑惑

◆HPで記事を「改変」

 ◆大阪府市ははぐらかすばかり

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【担当:週刊現代編集部】  2023年02月09日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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