路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【田原総一朗氏】:「政府によるメディアへの圧力の実態」テーマに立民小西議員とタブーなしで対談 

2023-08-22 05:15:30 | 【新聞社・報道・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌・世論調査】

【田原総一朗氏】:「政府によるメディアへの圧力の実態」テーマに立民小西議員とタブーなしで対談 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【田原総一朗氏】:「政府によるメディアへの圧力の実態」テーマに立民小西議員とタブーなしで対談 

 ジャーナリスト田原総一朗氏(89)が20日、都内で映画「テレビ、沈黙。放送不可能。2」の公開記念トークイベントに出席した。

映画の公開イベントに出席した、左から小西洋之参院議員、鈴木エイトさん、田原総一朗さん(撮影・沢田直人)

 

 映画は89歳という高齢の田原氏が、話しておかなければならない人物と、タブーや忖度(そんたく)なしで語り合う「田原が墓場に持っていけない話」として映像化した「放送不可能。」シリーズの第2弾。テーマは「政府によるメディアへの圧力の実態」で、立憲民主党の小西洋之参院議員と対談した。田原氏は「テレビ局は免許事業。政府の言うこと聞かないとつぶれる可能性がある。みんなおっかなびっくりやってる。逆に免許事業のテレビがどこまで政府とけんかできるか。それが僕の楽しみです」と話した。

 ■田原総一朗氏が“忖度無し“の映画公開「テレビがどこまで政府とけんかできるか」

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・ジャーナリスト田原総一朗氏・都内で映画「テレビ、沈黙。放送不可能。2」の公開記念トークイベント】  2023年08月21日  05:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【主張】:主張 上関町の調査同意 原発の持続に貯蔵施設を

2023-08-22 05:05:55 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【主張】:主張 上関町の調査同意 原発の持続に貯蔵施設を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:主張 上関町の調査同意 原発の持続に貯蔵施設を 

 原子力発電所の使用済み燃料を保管する中間貯蔵施設が、瀬戸内海に面した山口県上関(かみのせき)町に建設される見通しが開けてきた。

 中国電力と関西電力が共同開発を目指す事業である。18日に上関町議会への報告を経た上で、西哲夫町長が建設のための地質調査への同意を表明した。

 国の原子力利用の基本である核燃料サイクルが未確立の現状において、中間貯蔵施設の持つ意味は非常に大きい。

 エネルギーの安定供給と脱炭素社会の実現に欠かせない原子力発電を持続可能にするためには不可欠の施設なのだ。

 発電を終えたウラン燃料は、原子炉から取り出して原発建屋内の使用済み燃料プールに移される。燃料の高い余熱を取り去るためだ。

 核燃料サイクル計画では、冷却を終えた燃料は青森県六ケ所村の再処理工場に移送され、燃え残りのウランとプルトニウムを回収して新燃料として再利用することになっている。

 しかし、再処理工場の完成が予定より大幅に遅れているために、各原発で生じた使用済み燃料は増え続け、貯蔵プールの収容能力の上限に近づきつつある状態だ。プールが満杯になれば原発の運転はできなくなる。

 中間貯蔵施設は、貯蔵プールと再処理工場の間をつなぐ、大量保管能力を持つので、原発再稼働の促進に当たっても必要である。

 中間貯蔵施設に保管される使用済み燃料は、プールで熱量を落としたもので、キャスクという頑丈な金属製の専用容器に収納され、空気の自然対流を利用した空冷方式で管理される。放射線の遮蔽能力など安全性は極めて高い。

 増え続ける使用済み燃料の問題について、当面の打開策を国は「エネルギー基本計画」の中で提示している。電力事業者間の連携強化を促しているので、中国電力と関西電力による上関町での計画も、その流れに沿ったものと位置付けられよう。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年08月22日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:タリバン復権2年 恐怖政治は未来を閉ざす

2023-08-22 05:05:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【主張】:タリバン復権2年 恐怖政治は未来を閉ざす

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:タリバン復権2年 恐怖政治は未来を閉ざす 

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが、首都カブールを制圧し、権力を掌握してから2年が経過した。この間タリバンは、女性の教育や就労を大幅に制限したり、公開処刑を復活させたりするなど、国民への抑圧を強めた。

 タリバンを正当な政権として承認した国はなく、歳入の多くを占めていた国際社会からの援助が滞ったことで、貧困は急速に進んだ。国連は食糧不足なども含め「世界最悪の人道危機の一つ」と指摘する。

 タリバンは恐怖政治が国の未来を閉ざしている現実を直視すべきだ。国際社会に制裁解除を求めているが、抑圧的な政策を改めるのが先である。

 タリバンはカブール制圧直後、「イスラム法の範囲内で女性の人権を尊重する」とアピールしたが、言葉だけに終わった。日本の中学・高校に当たる中等学校や大学への女子生徒の登校を禁止し、国連と非政府組織(NGO)で女性の出勤停止を通告した。

 国連のグローバル教育担当特使を務めるブラウン元英首相は今月、女性への抑圧は「人道に対する罪として訴追すべきだ」と国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官に捜査を求める書簡を送付した。

 人口の半数を占める女性から教育や就労の機会を奪うことは深刻な人権侵害であり、自国の発展の可能性を閉ざすも同然の愚策である。ともに社会を支える存在として、女性を学校や職場に復帰させるべきだ。

 国際的に孤立するタリバンに接近しているのが中国だ。中国はタリバンの政権を承認していないものの、アフガンの安定化に関与する姿勢を示している。中国は、タリバンの人権侵害をほとんど問題視せずに経済協力を進めようとしており、懸念する声があがっている。

 国連安全保障理事会は4月、アフガンでの女性に対する抑圧的な政策の即時撤回を求める決議案を中国も含む全会一致で採択した。決議案は日本が中心となり90カ国が共同提案した。

中国がアフガンへの関与を強めるのであれば、まずはこの決議の重さをタリバン側に説くべきではないか。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年08月22日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄】:処理水問題をこじらせているのは誰か

2023-08-22 05:05:45 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【産経抄】:処理水問題をこじらせているのは誰か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:処理水問題をこじらせているのは誰か 

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出は、今月内の実現をみすえて大詰めを迎えている。水産物への風評被害を防ぐ名案はないものか。岸田文雄首相が実際に飲んで安全をアピールすればいい、との意見を耳にする。

 ▼実はすでに前例がある。平成23年10月の記者会見での出来事だった。当時東電は原発の建屋地下にたまる水を処理して敷地内に散水していた。「安全というなら飲んでみたらどうか」。記者の挑発に内閣府の政務官だった園田康博氏がコップ半分ほどの処理水をあおった。残念ながら「政府の愚かさを代弁した」などと批判を浴びただけで終わってしまった。

 ▼政府の風評被害対策について、75%が「十分ではない」と答えた。昨日の朝日新聞が報じた世論調査の結果である。もっとも問題をこじらせているのは、むしろ朝日を含めた一部のメディアではないか、と食・健康ジャーナリストの小島正美さんが指摘する。

 ▼処理水に残っている放射性物質のトリチウムは人体に蓄積されることはなく、世界中の原発が同様の処理水を海に流してきた。この科学的事実を国民に伝える使命を果たしていないという。

 ▼「安全でも安心できない」との論理を振りかざして国民の不安をあおるのは、当事者意識がないからだ、とも。元毎日新聞記者の小島さんは手厳しい。ただしメディアの「改心」を待っている猶予はない。

 ▼ペットボトル一本でいいから、全国各地で処理水の海洋放出を分かち合うセレモニーがあっていい。小島さんが編集した『みんなで考えるトリチウム水問題』には、フリージャーナリストの井内千穂さんがこんな提言を寄せている。確かに多くの国民が処理水問題を自分事とするきっかけとなるだろう。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:GDP年6%増 外需頼みに危うさはらむ

2023-08-22 05:05:35 | 【統計データー・GDP(国内総生産)・国民経済計算・行政サービスのデジタル化】

【主張】:GDP年6%増 外需頼みに危うさはらむ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:GDP年6%増 外需頼みに危うさはらむ 

 4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が年率換算で6・0%増となり、3四 半期連続のプラス成長となった。数字の上では大幅な伸びである。だが、これを楽観するわけにはいかない。

 GDPの過半を占める個人消費など、内需が総じて弱いためだ。賃上げが物価高に追いつかず、新型コロナウイルス禍から経済が回復する流れに水を差している。

 GDPを押し上げたのは、あくまでも輸出などの外需だ。ただし、中国経済の減速や金融引き締めが続く米欧経済、ウクライナ戦争など、海外情勢は不確実性が高い。そこに依存した景気回復は危うさもはらむ。

 大事なことは内需をいかに底上げするかだ。上場企業の4~6月期決算の最終利益が増加していることは好材料だ。収益拡大を継続的な賃上げや積極的な投資につなげ、経済の好循環を確実にしなくてはならない。

 4~6月期は、自動車などの輸出が大幅に伸びた。輸出にカウントされるインバウンド(訪日客)需要も拡大し、今月には中国から日本への団体旅行も解禁された。訪日消費をどう取り込むかは引き続き重要だ。

 一方で個人消費は前期比0・5%減とマイナスに転じた。コロナ禍からの回復過程で対面サービスは増えたが、食料品や家電などの買い控えが響いた。企業の設備投資も横ばいだ。

 足元では7月の消費者物価上昇率が3・1%となるなど、物価の高止まりが続いている。ガソリン価格も再び高騰し、個人消費の本格回復を遠のかせかねない。人手不足が深刻化していることも懸念材料である。

 こうした経済環境に対応できるよう、デジタル技術などを有効に活用して1人当たりの労働生産性を高め、賃上げにつなげなくてはならない。特に中小・零細企業が取り組みを強められるかどうかが問われよう。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年08月21日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【産経抄】:あなたの色は何色?

2023-08-22 05:05:30 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【産経抄】:あなたの色は何色?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:あなたの色は何色? 

 もしやわが母校も共学化されるのか。LGBTなど性的少数者の理解増進を図る条例が昨年制定された埼玉県は、浦和(男子校)、熊谷(同)、浦和第一女子(女子校)各高校など男女別学の県立伝統校があることで知られる。

 ▼小欄まわりにも卒業生がいるが、冒頭のような疑問を口にしていた。幸い、条例に基づき先日策定された同県の「性の多様性を尊重した社会づくり基本計画」に、共学化構想は盛り込まれていないが、条例に対する不安や疑問は、消えないままだ。

 ▼差別解消は必要としても、男性が女性を「自認」し、トイレなど女性専用スペースに入った場合の混乱など、逆に女性の権利が侵害されかねないとの懸念が拭えない。6月に制定された国のLGBT理解増進法をめぐっても、指摘されたことだ。

 ▼子供たちの教育への影響も心配だ。埼玉県が推進している「性の多様性を尊重した教育」の小学5・6年生用のリーフレットを見ると、虹のイラストが描かれ、「性っていろいろあるの?」「あなたと私の色を探していこう」などと書かれている。

 ▼「男なのにピンクが好きなんて、女の子みたい」などの言葉に「×」がつき、「その人らしさ」を大切にしようと促している。「らしさ」はお絵描きの虹の7色のように色分けできるはずもない。定義が曖昧な「性自認」「性の多様性」を尊べと言われても無理があろう。多感な時期の子供たちを惑わすような変な教育はやめてほしい。

 ▼学校の名簿の男女別をやめるほか、高校入試の願書の性別記入欄をなくすなど、性差否定の教育が行われているのは、埼玉県に限らない。男女の体力差や特性を無視せず、互いに敬い、協力し合う大切さこそ説いてもらいたい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年08月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【主張】:日米韓首脳会談 安保協力の意義は大きい 中朝露の脅威に連携対処を

2023-08-22 05:05:25 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【主張】:日米韓首脳会談 安保協力の意義は大きい 中朝露の脅威に連携対処を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:日米韓首脳会談 安保協力の意義は大きい 中朝露の脅威に連携対処を 

 岸田文雄首相とバイデン米大統領、尹錫悦韓国大統領が米ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで会談した。

 共同声明は「日米韓パートナーシップの新時代の幕を開く」ため首脳が集(つど)ったとし、3カ国の安全保障協力を「新たな高みへ引き上げる」と宣言した。

 日米韓の安保協力強化は共同の抑止力を高め、地域の平和と安定の確保に資する。3カ国首脳の合意を評価したい。

 ◆「時代の要請」意識した

 首脳や外務、防衛担当の閣僚らが年1回は会談することや、緊急事態になれば速やかに協議することを決めた。自衛隊と米韓両軍による陸海空など複数領域での共同演習の実施や、日韓による北朝鮮ミサイル発射情報の即時共有の早期開始を確認した。ウクライナ支援や拉致問題への協力で一致した。

 岸田首相は共同会見で「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が危機に瀕(ひん)している」としてロシアのウクライナ侵略、(中国による)東・南シナ海での一方的な現状変更の試み、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を挙げた。「日米韓3カ国の戦略的連携の潜在性を開花させることはわれわれにとっての必然であり、時代の要請だ」と語った。その危機感は妥当だ。

 北朝鮮は、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や変則軌道の弾道ミサイル、戦術核兵器の戦力化を急いでいる。国連安全保障理事会決議違反の弾道ミサイル発射を繰り返している。日米韓が共同演習で抑止力を強め、情報共有で対処力を高めることは理にかなっている。

 対中国で連携を打ち出した点も注目したい。共同声明は、中国の南シナ海での「危険かつ攻撃的な行動」を含め、インド太平洋地域の水域における一方的な現状変更の試みに「強く反対」した。さらに、「国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素」として「台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認」した。

 韓国は文在寅前政権当時も米国との間で「台湾海峡の平和と安定の重要性」で一致していたが、米韓間の安保上の信頼が揺らいでいたため大きな意味を持たなかった。中国との関係よりも日米を重視する尹政権が登場し、日米韓の首脳が直接会談で台湾問題を取り上げた。その意義は大きい。

 日米韓の国内総生産(GDP)の合計は世界の約3分の1で、総人口は約5億人だ。日韓間に共同防衛の約束はないものの、日米韓で安保協力を強めれば、中朝露という専制国家に対する抑止効果や外交力の向上が期待できる。

 万一、台湾有事になれば北朝鮮の挑発や暴発を防ぐため韓国の協力が欠かせない。一方、朝鮮半島有事では日本の協力が不可欠だ。尹大統領は15日の演説で、朝鮮国連軍の後方司令部と指定基地が日本にある点に触れ、「北の南侵の最大の抑止要因になっている」と説いた。その通りである。

 ◆レーダー照射解決せよ

 キャンプデービッド合意に沿って日米韓は具体的な協力を進めていかなければならない。 

 ただし、懸念や残された課題もある。

 韓国は反日感情を募らせやすく、政権交代で政策が大幅に変わってきた歴史がある。

 リアルな安保認識を持つ尹政権に政治的勢いがある間は協力を進められるかもしれない。だが、左派野党への政権交代などがあれば、文前政権時のような「戦後最悪」の関係に戻り、「新たな高み」など吹っ飛びかねない。そのリスクを忘れずにいるべきだ。

 2018年の韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題も解決していない。目標をミサイルなどで攻撃する準備で、危険な敵対的行為だった。韓国は今も事実を認めず、謝罪もしていない。自浄作用の働かない韓国の政府と軍は信頼しきれない。

 キャンプデービッド合意に沿って韓国が動けば、朝鮮半島にとどまらずインド太平洋地域や世界でも存在感が高まろう。国際政治の主なアクターとして登場できるかもしれない。それには、レーダー照射などの反日政策の清算が求められる。

 核兵器をめぐる分野は不十分だった。米国は共同声明で、日韓防衛に関し、核抑止力を含む米国の拡大抑止は強固だと強調した。それはよいとしても、核抑止自体の信頼性向上の取り組みへの言及がなかったのは残念である。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年08月20日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄】:2人の握手が向かう先

2023-08-22 05:05:15 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【産経抄】:2人の握手が向かう先

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:2人の握手が向かう先 

 ブッシュ(息子)米政権(2001年1月から2期)に招かれた海外首脳は、どこで応接されたかで大統領との距離を測ったという。テキサス州クロフォードの私邸、キャンプデービッド、ホワイトハウスの夕食会―の順である。

 ▼小泉純一郎元首相は全てに招かれている。中でもワシントン郊外の大統領山荘、キャンプデービッドでの交歓をご記憶の方は多かろう。ブッシュ氏から革のジャンパーと野球のボールを贈られ、上機嫌でキャッチボールしたのは01年6月末だった。

 ▼「ペリー来航以来、最良の日米関係」という首相周辺の言葉が小泉政権時の記事にある。古くは対立するエジプトとイスラエルの首脳会談も同山荘で行われ、平和条約につながった。険悪な両者の壁を溶かし、近い両者の距離をさらに縮める。友好の磁場がそこにはあるらしい。

 ▼岸田文雄首相と尹錫悦韓国大統領も、この山荘を舞台に改めて握手した。防衛面や経済安全保障など、中長期の協力を推し進めることで一致を見た、日米韓首脳会談である。中国と北朝鮮という脅威に対し、3カ国が結束の隙を見せてはならない。

 ▼北は核・ミサイル開発に前のめりで、中国は東・南シナ海での挑発をやめない。日韓の歩み寄りをバイデン大統領は勇断とみた。この握手はしかし、関係の永続を保証したものとは言い難く、「尹政権下」との条件付きか。日本が大きく譲った上での対応であることも忘れまい。

 ▼日米韓の安保協力は「新たな高み」に引き上げられ、日韓も世界を視野に入れた新たな関係を築く責任を背負っている。「友情は成長の遅い植物だ」と言ったのは、初代米大統領のワシントンである。気の遠くなるような時間がかかるだろう。やむを得まい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年08月20日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:コメ現物市場 価格形成透明化に期待

2023-08-22 05:03:55 | 【食糧自給率・食品ロス・農業・JA・農家・化学肥料・米・牛・豚・養鶏・野菜】

【社説①】:コメ現物市場 価格形成透明化に期待

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:コメ現物市場 価格形成透明化に期待

 道内企業などが出資するコメの現物取引市場が来月開設される。

 多くが相対取引で決まるコメの価格形成を透明化しようと、農林水産省主導で制度設計した。
 卸売りとの相対取引ではJAグループが各農協を通じて生産者に仮払いする「概算金」が指標となる。生産動向などで算定されコメ自体の持つ価値が分かりづらい。
 新市場は流通量が少ない減農薬の特別栽培米などの取引から始める見通しだ。環境を重視した生産者の努力が評価対象となる。
 売り手としてホクレンが参加を検討している。一方で全国のJA関連団体や大手コメ卸は対応が未定で、様子見の状態という。
 市場がコメの価格をリードするには十分な取引量が課題となる。生産者、消費者双方が納得できる新たな仕組みに育ってほしい。
 新市場の運営会社には公益財団法人の流通経済研究所(東京)や生鮮食品卸道内大手いずみホールディングス(札幌)が出資する。
 オンライン上で取引を行う方式で数量、生産地などの情報を公表し売り手側が希望する価格などを示す。卸売業者など買い手側の競りのほか希望注文も可能という。
 買い手が求める品質と生産者の生育情報をきめ細かくマッチングさせる機能が求められる。
 減農薬などの取り組みが価格にどう反映されるか、消費者に情報公開される運営も期待したい。
 初年度は2万トン、2027年度に12万トンの取扱量を目指す。全国のコメ販売数量の数%に過ぎず、あくまで相対取引の補完的役割だが、取引が活発になれば米価全体に影響を与える可能性がある。
 農水省によるとこれと別に同様の市場創設の動きもあるという。
 現物市場ができるきっかけは、21年に農水省が大阪堂島商品取引所のコメ先物取引の本上場を「取引参加の生産者などの数が少ない」として認めなかったことだ。
 同じ年にはコロナ禍の大幅需要減で全国的に概算金が減額され、生産者、消費者の双方から価格形成の仕組みに不信感が高まった。
 かつては公設の全国米穀取引・価格形成センターが自主流通米時代から指標価格を形成していたが、食糧法改正による流通自由化で取引量が減り11年に解散した。
 市場売買には生産者の一部に「投機対象となり価格が乱高下するのでは」との不安もあろう。
 だが減農薬などの付加価値が正しく評価されれば、経営安定だけでなく、消費者のコメ離れを食い止める効果も期待される。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:カンボジア政権 独裁の世襲に懸念多い

2023-08-22 05:03:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:カンボジア政権 独裁の世襲に懸念多い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:カンボジア政権 独裁の世襲に懸念多い

 カンボジアで40年近く実権を握ってきたフン・セン氏が、独裁色をいっそう強めている。

 先月の下院選では有力野党が手続きの不備を理由に排除され、フン・セン氏が率いる与党が125議席中120議席を獲得した。
 選挙結果を受けてフン・セン氏は首相辞任の意向を表明し、初当選したばかりの長男フン・マネット氏を後継首相に指名した。新内閣はきょう発足する。
 フン・セン氏は引退せず与党党首を続ける。院政を敷いて長期支配をもくろんでいるという。
 世襲による一族支配は、政権の私物化にほかなるまい。
 長年カンボジアが模索してきた民主化は、国際公約に等しい。
 にもかかわらず選挙は不公正で貧困や汚職の解消を求める民意は反映されなかった。政権は正当性を欠くと言わざるを得ない。
 カンボジアの民主化は瀕死(ひんし)の状態だ。独裁の長期化を懸念する。
 大虐殺を行ったポル・ポト政権後、内戦下の1985年にフン・セン氏は首相に就いた。93年には国連管理下で選挙を実施するなど、民主化を進めた。
 だが、近年は政権に批判的な野党やメディアを弾圧し、強権姿勢が目立つ。前回2018年の下院選では政府が野党を解党に追い込み、与党が全議席を独占した。
 今回も集会や討論が制限される中、有力野党が排除された上に、投票を棄権した場合は今後の選挙への立候補を禁じられ、無効・白票を促す行為も違法とされた。
 言論の自由をはじめ基本的人権を抑圧してはならない。
 フン・セン氏が強気なのは、中国が後ろ盾になっているからだ。
 中国からの巨額投資を受けて経済は急速に成長した。海軍基地内に中国軍が専用の基地建設を進めているとも指摘されている。
 これでは地域の緊張を高めるばかりだ。中国は自国の利益ばかりを優先してはならない。
 今回の選挙を巡り、米国や国連人権高等弁務官は野党の排除と報道規制を批判する声明を出した。
 国際社会は強権政治をやめるよう働きかけを強めるべきである。
 岸田文雄政権は懸念の表明にとどまる。これまで国連平和維持活動(PKO)などを通じ、復興や民主化を積極的に後押ししてきたはずだ。民主化を求めるカンボジアの人々の失望を招きかねない。
 首相はインド太平洋地域における自由や法の支配の重視を掲げている。そうであればカンボジアの独裁化を座視してはならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:自民党の派閥政治 国民の目線で政策論争を

2023-08-22 05:03:45 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【社説①】:自民党の派閥政治 国民の目線で政策論争を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:自民党の派閥政治 国民の目線で政策論争を 

 9月前半にも想定される内閣改造・自民党役員人事や来年の総裁選をにらんで、自民党内の派閥の動きが活発化している。
 岸田文雄政権を麻生太郎副総裁の麻生派、茂木敏充幹事長の茂木派が支える構図が鮮明だ。最大派閥の安倍派は安倍晋三元首相の死去後、体制再建に苦慮している。
 政治理念を共有する議員が集まって総理総裁候補を輩出し、政治を活性化する機能が派閥にはあるだろう。だが、国民生活に必要な政策を打ち立てて政治に反映する役割を忘れてもらっては困る。
 巨大与党である自民党の派閥が政権に与える影響力は大きい。国民への責任を自覚してほしい。
 かつて自民党各派は選挙の公認や閣僚・党役員ポストを巡る政争を繰り広げ、金権政治の温床ともなってきた。「密室政治」の暗い影は今もつきまとう。
 岸田首相は、自民党総裁として政治の意思決定の透明化に努め、派閥力学よりも国民感覚を優先して政策を遂行してもらいたい。
 
 ■重要な会談が密室で
 
 岸田首相は政治の重要局面で麻生、茂木両氏と会談する機会が目立っている。衆院解散・総選挙が取りざたされた6月の通常国会閉幕後も、3氏は夕食を共にして政権運営を語り合ったとされる。
 こうした傾向は昨年の安倍氏死去後に強まった。「安倍1強」と言われた構図は一変し、麻生、茂木、岸田の第2~第4派閥が連合して主流派を形成し、安倍派は非主流の立場に回った感がある。
 問題なのは政権中枢にある政治家たちが何を話してどう判断したかが伝わってこないことだ。
 マイナンバーカードとの一体化に伴う健康保険証の廃止や東京電力福島第1原発の処理水放出など、国民の関心が高い課題にどう道筋を付けるのか。政策判断の過程を明らかにすべきではないか。
 政治家が内輪の会合を重ねる慣習は長年続いており、政治の当たり前の姿ととらえられがちだが、「国民の声に耳を澄ます」と繰り返す岸田首相の政治姿勢とはかけ離れているように見える。
 
 ■基盤弱く妥協相次ぐ
 
 岸田首相は就任以来、自らの派閥「宏池会」の伝統を意識した政策を掲げるが、力不足は否めない。
 「資産所得倍増プラン」は宏池会の創設者池田勇人元首相の「所得倍増計画」を思わせる。だが、その実績は少額投資非課税制度(NISA)の拡充にとどまる。
 大平正芳元首相の「田園都市国家構想」を受けた「デジタル田園都市国家構想」では地方のデジタル化支援の交付金を創設したが、大平氏が目指した「都市と地方が調和した社会」の姿は見えない。
 一方で目立つのは、宏池会のハト派イメージとは逆のタカ派的政策だ。専守防衛を逸脱する敵基地攻撃能力の保持を含む安全保障関連3文書の閣議決定や、防衛費の大幅増額などである。
 首相は、「現実主義」が宏池会政治の本質だとして正当性を主張する。だが実際は党内保守派に配慮して、政策の優先順位を逆転させているのではないか。
 政権基盤の脆弱(ぜいじゃく)さに起因する政治的妥協を、現実主義という言葉で正当化するのには無理がある。
 独協大の福永文夫教授(政治学)は「宏池会の創設者たちは保守政治の安定のために民主主義や平和に対する国民の意識を重視した。彼らが師と仰いだ吉田茂には欠落したものだった」と分析する。
 宏池会政治の継承者を自任するのであれば、各派の意向を忖度(そんたく)するのではなく、国民の声を優先する姿勢が首相には求められよう。
 
 ■不信を招く権力闘争
 
 自民党各派間の力関係が変化する中、党内保守派は政権への影響力確保に苦心している。
 保守派が多く所属する安倍派は塩谷立・元文部科学相を座長とする常任幹事会を設置する集団指導体制を取ることにした。最大派閥維持のため結束を誇示する一方、政策面での構想は明瞭さを欠く。
 安倍派の下村博文元政調会長は「秋の臨時国会で憲法改正の発議に至るかで岸田政権の本気度を見極めたい」と語る。しかし、内外の課題が山積する中で改憲が最優先されるべきテーマかは疑問だ。
 主流、非主流の立場にかかわらず、無派閥議員も含めて、政治不信を招く内向きの権力闘争から脱却する覚悟が求められる。
 自民党はリクルート事件などで派閥が金権政治を生じさせているとの批判を受け、首相や閣僚、党幹部の派閥離脱を決めた。
 「自民党をぶっ壊す」と訴えた小泉純一郎元首相の派閥解消論も結局は自らの出身派閥「清和会」の独り勝ちの構造を生んだ。自民党の歴史は派閥政治の弊害とともにあったと言わざるを得ない。
 岸田首相は派閥会長の座に居続けているが、より開かれた姿勢で国政課題に専念すべきだろう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【フォーカス】:処理水、溝残し放出へ 政府「一定の理解得た」 漁業者「約束果たさず」

2023-08-22 05:03:15 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【フォーカス】:処理水、溝残し放出へ 政府「一定の理解得た」 漁業者「約束果たさず」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【フォーカス】:処理水、溝残し放出へ 政府「一定の理解得た」 漁業者「約束果たさず」 

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が24日にも開始される見通しとなった。政府は「国際的な安全基準に合致する」とした国際原子力機関(IAEA)の判断と原発廃炉の必要性を訴え、「関係者の一定の理解を得た」とするが、漁業者の反対は根強い。政府は2015年から「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と説明してきており、「約束」をほごにしたとの批判が強まるのは避けられない。
東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク=1月
東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク=1月
 
 
 
 処理水は現在、福島第1原発敷地内の貯蔵タンクで保管されているが、来年前半には満杯になる見通し。政府は汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した上で、放射性物質トリチウムの濃度が国の基準値の40分の1未満になるよう海水で希釈し、沖合に放出する計画だ。
 
 政府は今年1月、処理水の放出時期の期限を「夏ごろ」とすることを確認。7月にIAEAから放出計画への「お墨付き」を得たことを受け、漁業関係者との協議を本格化させてきた。最大のネックは政府と東電が15年に福島県漁連と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」という約束だった。
 
 このため政府は風評被害対策と漁業の継続支援で計800億円の基金を創設。首相は21日の面会でも必要な予算の確保を表明し理解を求めたが、坂本氏は「約束は破られていないが、果たされてもいない」と記者団に説明。「関係者の一定の理解を得た」(西村康稔経済産業相)とする政府との認識の隔たりは大きい。
 
 また処理水は1日の放出量が限られるため、全ての放出には30年ほどかかる見通し。今回の「見切り発車」の放出が将来にどんな影響をもたらすかは不透明な部分もあり、坂本氏は面会で「最後の一滴の放出を見極めるまでは予断を許さない」と訴えた。
 
 ただ廃炉には処理水の放出が必要で、漁業関係者の中にも放出を容認する意見もある。IAEAは「過剰な安全対策が逆に風評被害を招きかねない」とも指摘しており、漁業関係者らは処理水放出を巡る国内調整が難航すれば、中国などが日本産海産物への輸入規制をさらに強化し、風評被害が拡大しかねないというジレンマも抱える。
 
 坂本氏は「漁業者が子々孫々まで安心して漁業ができるように寄り添い、国の全責任において必要な対策を講じ続けることを強く求める」と首相にくぎを刺した。(村上辰徳、勝間田翔)

 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【フォーカス】  2023年08月21日  23:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:アフガニスタン 女性抑圧が国の再建を妨げる

2023-08-22 05:00:55 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①】:アフガニスタン 女性抑圧が国の再建を妨げる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:アフガニスタン 女性抑圧が国の再建を妨げる

 世界でもまれにみる異常な女性抑圧がアフガニスタンで行われている。イスラム主義勢力タリバンは、国際社会の要求に応じ、不当な措置を撤回しなければならない。

 アフガンでタリバンが政権を掌握してから2年が過ぎた。恐怖政治が敷かれ、女性抑圧政策は強化の一途をたどっている。

 アフガンの女性は、小学校までしか通えなくなった。就労も厳しく制限され、最近は美容院の閉鎖が命じられた。現地の女性が国連機関や国際NGOで働くことも禁じられている。

 女性が親族の男性の同伴なしに遠出することや、遊園地や公園、ジムへの立ち入りも禁止された。社会活動の否定に等しい。

 人権尊重と男女同権は、体制に関係なく、国家が守るべき普遍的な価値であり、国連憲章にも明記されている。国連の特使は、タリバンの女性抑圧は「人道に対する罪」だとして、国際刑事裁判所(ICC)に捜査を要請した。

 アフガンは国連加盟国として、事態を真剣に受け止め、早急に改善する責務がある。

 タリバンの女性抑圧は、イスラム法の極端な解釈に基づいている。統治の実務を担う穏健派幹部の中には女性の教育や就業の権利を認める考えもあるが、強硬な宗教指導者の影響力が強いため、実現には至っていないという。

 人口の半数を占める女性を排除して、どうやって国を発展させるというのか。

 タリバンは、2年前の政権掌握時には、「イスラム法の範囲内」での女性の権利尊重や、幅広い政治勢力が参加する「包摂的な政府」の樹立、国際テロ組織との関係断絶を掲げていた。

 多くの国は、これらの公約が守られることを、タリバン政権承認の条件としていたが、何一つ達成されていない。親米的な前政権時代の有力者は弾圧され、イスラム過激派のテロも続いている。

 タリバンを承認した国は、中国やロシアを含めて、一つもない。強権国家や独裁国家からも、統治のあり方を認められていない現実をタリバンは直視すべきだ。

 アフガンの財政は前政権時代から外国の援助に支えられてきた。各国は国連を通じた人道援助以外の支援を停止している。このままでは困窮が極まり、再建どころか、破綻の道を進むことになる。

 日本はタリバンに国際協調を働きかけているというが、成果は乏しい。現状の改革を強く迫る姿勢をより明確に示してほしい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:戦没者慰霊碑 行政が関与して風化防ぎたい

2023-08-22 05:00:50 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説②】:戦没者慰霊碑 行政が関与して風化防ぎたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:戦没者慰霊碑 行政が関与して風化防ぎたい

 戦没者を追悼する各地の慰霊碑が老朽化し、維持管理が難しくなっている。高齢化が進む遺族らに任せるだけでは、風化は避けられない。国や自治体は関与を強めるべきだ。 

 民間主体で建立された戦没者らの慰霊碑の管理は、主に遺族と地元住民が担ってきた。近年は、遺族が亡くなって管理者が不在になる事例や、地域の遺族会の解散が相次いでいる。

 全国団体である日本遺族会の会員数は、1967年の125万世帯から2019年には57万世帯まで減っている。

 19年の国の調査では、全国1万6235基の慰霊碑のうち、管理状況が「不良」は228基、「やや不良」が552基あった。存在や管理者が確認できない「不明」も1495基あった。現状はさらに悪化しているだろう。

 経年劣化した慰霊碑を放置すれば、災害時に倒壊する恐れもある。将来にわたり、誰が、どのように維持管理していくか、遺族が健在なうちに方針を決めておくことが急務である。

 遺族感情を考えれば、全てを残すことが望ましいが、管理にかかる多額の費用を踏まえれば、現実的とはいえない。日本遺族会も、地域に点在する慰霊碑の整理・統合は必要だとしている。

 こうした取り組みを進める上で、自治体が積極的な役割を果たすことが不可欠だ。

 滋賀県米原市は、老朽化した碑を解体・撤去し、新たに戦没者らを追悼するモニュメントや刻銘板を設置する事業を進めている。碑の跡地には説明板を設け、平和学習などに利用するという。

 事業の策定にあたって、米原市は有識者や地元の遺族会、住民代表で構成する会議を設置し、意見の集約を図った。会議の答申に沿う形で、碑の解体・撤去に公費を投じることを決めた。

 遺族側と協議し、残すべき碑を決めて管理費を補助している自治体もある。遺族や関係者と情報共有を深め、管理のあり方を丁寧に話し合うことが大切だ。

 国は、慰霊碑の管理は建立者が行うのが基本だとしてきたが、こうした現状を考慮し、一定の責任を持って関与する必要がある。

 自治体による慰霊碑の移設や補修費用の一部を国が補助する制度もあるが、倒壊の危険があるものといった条件があり、ほとんど利用されていないのが実情だ。

 国のために命を落とした人たちの存在を記録にとどめることは、国の大切な責務である。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:飲酒運転 根絶への取り組みを緩めるな

2023-08-22 05:00:45 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【社説①】:飲酒運転 根絶への取り組みを緩めるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:飲酒運転 根絶への取り組みを緩めるな

  飲酒運転やそれに伴う事故は、当事者はもちろん、家族ら周囲にも計り知れない損失を与える。根絶へ向けた取り組みを緩めてはならない。 

 岩手県二戸市で今月、酒気帯び運転容疑で検挙された市職員が懲戒免職処分になった。福井県でも6月、警察官が酒に酔った状態で車を運転したとして懲戒処分を受け、依願退職している。

 飲酒運転に伴う厳しい代償を、改めて自覚する必要がある。

 人口減少が進む地方では特に、車が生活の手段として不可欠な存在であることから飲酒運転が起きやすい環境にある。

 幹線道路沿いには駐車場を備えた飲食店も多く、「1、2杯くらいなら」と酒に手を出す人は少なくない。冠婚葬祭の場に車で来て、出された酒を断り切れずに飲んでしまうケースも後を絶たない。

 こうした時は、タクシーや運転代行サービスを利用したり、帰路で運転する人を事前に決めておいたりすることが鉄則だ。

 ただ、運転代行の車両台数は、コロナ禍による利用減で、減少傾向にある。2019年に2万3720台あったのが、昨年は1万7265台と3割近く減った。

 タクシーや代行車がつかまらないからといって、飲酒運転が増えることがあってはならない。本人はもちろん、同行者や飲食店も注意喚起すべきだ。

 福岡県は、飲酒運転を目撃した時の警察への通報を条例で義務化した。昨年の通報は2050件と過去最多で、検挙数の約1割は通報が端緒だったという。

 千葉県は、車で来た客に酒を提供し、県の再発防止命令に従わない飲食店に、5万円以下の過料を科すことや店名の公表を可能とする独自の条例を定めた。他の自治体も参考にすべきではないか。

 全国の飲酒運転による死亡事故数は、12年の258件から昨年は120件と半減している。

 飲酒運転の車に追突され、幼児3人が死亡した06年の事故を機に、酒を提供した店の責任者らや同乗者も刑事罰の対象とする厳罰化が進んだ効果だろう。

 それでも、飲酒運転による事故は絶えない。昨年は約2100件発生している。根絶には粘り強い取り組みが必要だ。

 アルコールは少量でも脳の機能を 麻痺まひ させ、飲酒運転の死亡事故率は飲酒していない場合の約7倍に上る。酒を飲まない人も、その危険性を理解し、社会全体で「飲酒運転は絶対に許さない」という意識を改めて共有したい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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