【金口木舌・01.14】:海洋博の遺産活用を
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・01.14】:海洋博の遺産活用を
「よく考えろ」という意味のミクロネシアの言葉「チェチェメニ」と名付けられた船が大阪府の国立民族学博物館で常設展示されている
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1975年、ミクロネシアのサタワル島から沖縄海洋博会場まで、レッパン船長率いるカヌー“チェチェメニ号”が3000キロの大航海を達成した。
▼帆付きカヌー船で、1975年の沖縄国際海洋博覧会の期間中、ミクロネシア連邦のサタワル島を出発し、沖縄までの約3千キロを6人の船員が48日間で渡ったものだ。海洋博終盤の大きな話題となり、ドキュメンタリーも制作された
▼航海を成功させ、到着した港はエキスポ港(現・本部港渡久地地区)だった。当時の港は、那覇市の安謝新港との間を水中翼船やホーバークラフト、フェリーが往復し、にぎわっていた
▼現在の閑散とした雰囲気からは想像もつかない。その港を再活用しようと民間事業者が動き出した。那覇と旧エキスポ港を結ぶ高速船の運航を計画している。本部町は活用に向け、後押しするという
▼海洋博開催からことしで50年。公共、民間を含めた過剰投資の反動は大きく、その後の景況悪化は「海洋博不況」と呼ばれた。遺産として残されたインフラの改修と利活用も必要。渋滞対策として、海上交通の再利用をもう一度考えても良いのかもしれない。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2025年01月14日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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