【視点・12.18】:物足りない「石破論法」 国民へ具体的な言葉を 政治部・長崎高大
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点・12.18】:物足りない「石破論法」 国民へ具体的な言葉を 政治部・長崎高大
「一番楽しみなのは予算委員会かな。国会答弁は好きなんだ」
9月の自民党総裁選。投開票日の前夜、この時点では自身の当選を確信してはいなかったのかもしれないが、石破茂氏は番記者たちの前で冗談めかしてつぶやいた。
8月に政治部へ異動し、最初の大きな仕事は、直後に本格化した総裁選だった。上司にどの候補を担当したいか聞かれた際、私は「石破さん」と即答した。自分の言葉で率直にものを言う姿勢に、多少なりとも好感を抱いていた。
石破氏の番記者になってまず感じたことは、少なくとも総裁選の9候補の中では格段に取材機会が多いことだった。1日1回はテレビカメラの前で「オンレコ」の取材に応じ、2、3回とある日も珍しくなかった。もしかしたら「話し好き」という一面があるのかもしれないが、報道と、その背後にいる国民に向けて説明を尽くそうとする姿勢は見える政治家だと思った。
首相に就任してからは「楽しみ」にしていた予算委員会で今のところ安定した答弁を見せている。目立った失言はなく、言葉に詰まることも少ない。官僚が用意した答弁原稿に目を落とさずに質問者とやりとりする場面も多い。
首相周辺も「答弁内容の心配は全くしていない」と信頼を置く。首相から「答弁原稿はテレビを見ている高齢者にもわかるように」との指示があるそうで、自らもできるだけかみくだ...
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元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・視点】 2024年12月18日 06:00:00 これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。
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