路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②・12.16】:囲碁・将棋界 伝統文化の継承着実に

2024-12-16 04:03:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説②・12.16】:囲碁・将棋界 伝統文化の継承着実に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.16】:囲碁・将棋界 伝統文化の継承着実に

 囲碁の日本棋院と日本将棋連盟は今年、創立100周年を迎えた。将棋連盟は東京と大阪に新会館をオープンさせた。

 長い歴史で幾多の名棋士を輩出し、現在は将棋の藤井聡太七冠、囲碁の一力遼四冠らの活躍がファンの関心を高めている。
 
 囲碁と将棋は身近で健全な娯楽として子どもから年配者まで幅広く親しまれている。その発展と普及に努める総本山が日本棋院と日本将棋連盟だ。今後とも伝統文化を着実に継承していく使命を果たしてほしい。
 囲碁の起源は古代中国という説が一般的のようだ。奈良時代に入る前には日本に伝来したともいわれている。
 将棋の原型は古代インドのゲーム「チャトランガ」とされる。世界各地に広がり、ヨーロッパではチェスとなる。日本伝来の時期は諸説あるが、遅くとも平安時代にはあったとみられる。
 未解明の点が多いルーツはアジア文化圏の奥深い交流の歴史を感じさせる。学術的研究の進展を期待したい。
 共に江戸時代に幕府の庇護(ひご)を受け、家元制度の下で盛んになる。明治以降は低迷期もあったが1924年(大正13年)に日本棋院と日本将棋連盟(当初は東京将棋連盟)が発足し、近代組織の体裁を整えていった。
 この100年間で囲碁・将棋の発展に大きな役割を果たしたのが新聞である。
 新聞社が主催するプロ棋戦の契約金を両団体の収入源とする形態が定着し、棋譜と対局の様子を毎日伝える新聞の観戦記がファンの拡大に貢献した。
 近年はインターネット中継で対局を楽しめるようになった。プロ棋士の研究に人工知能(AI)が欠かせぬ存在となり、棋士とAIが勝負すればAIに軍配が上がる時代である。
 それでも人間同士の対局は見る者を引きつけてやまない。頭脳と体力の限りを振り絞り、狭い盤面に広がる小宇宙の真理を探究する―。その姿が感動を与えてくれるからだろう。
 勝利を目前にした棋士が時に思わぬ失着をして逆転負けする場面は、人間にミスはつきものという真実を語っている。
 多彩な魅力を次世代に伝えていくために日本棋院、日本将棋連盟は、子どもへの普及活動には一層力を入れてほしい。
 
 スマホから離れて思考に沈む訓練は教育効果があろう。礼節を重んじ、対局後に勝者が敗者を気遣いながら一局を振り返る感想戦も、他の勝負事にはない独特の習慣だ。女性や海外への普及活動を推進し、裾野を広げる努力も欠かせない。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月16日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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