路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・05.07】:米大学反戦デモ 一刻も早い停戦求めたい

2024-05-10 05:02:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説・05.07】:米大学反戦デモ 一刻も早い停戦求めたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.07】:米大学反戦デモ 一刻も早い停戦求めたい 

 全米の大学で、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に反対するデモが続いている。各地でデモ参加者が強制排除され、逮捕・拘束者は約50校で2300人を超えた。一部の大学ではデモ隊とイスラエル支持派とみられるグループが衝突して負傷者が出る事態になっており、収束の見通しは不透明だ。

 若者らはイスラエル擁護を続けるバイデン大統領に批判を強めている。11月5日の大統領選の投開票まで半年を切り、再選を目指す民主党のバイデン氏と、返り咲きを狙うトランプ前大統領の対決にデモの行方が影響を及ぼす可能性がある。日本も事態の推移を注視していくべきだ。同時に一刻も早いガザでの戦闘停止を求めたい。

 米大学の反戦デモは、昨年10月以降のガザ戦闘激化に伴って断続的に発生。4月18日にニューヨークのコロンビア大で100人以上の逮捕者が出たのをきっかけに注目が集まり、全米に拡大した。同大は1960年代後半にベトナム反戦デモが大々的に行われた歴史があり、米国では当時との類似を指摘する見方もある。

 バイデン氏は、今回のデモについて「抗議する権利はあるが混乱を引き起こす権利はない」と大学敷地の一部占拠などを非難。イスラエルの自衛権を支える外交方針に変更はないとしている。だが、米CNNテレビの世論調査では18~34歳の若年層の81%がバイデン氏のガザ対応を「支持しない」と回答。支持離れが深刻となっている。

 米国の有権者2億4千万人超のうち、若年層の有権者は約3割を占める。大統領選で若者票は伝統的に民主党に有利に作用してきたとされる。今回の大統領選は、各種世論調査でバイデン氏やや劣勢という結果が出ており、デモへの対応などで若者の支持をさらに失えば、バイデン氏の再選戦略に影を落とすことになりかねない。

 一方のトランプ氏は、バイデン政権が大学の治安を維持できていないと批判し、デモを攻撃材料にした。不倫口止め疑惑に絡む事件など4事件で起訴されているトランプ氏だが、バイデン氏と初対決した2020年の前回大統領選と比べ、若者からの人気が高まっているという調査結果が出ている。

 接戦が予想される大統領選で若者票が勝敗の鍵を握ることも考えられる中、日本はデモの状況を注意深く見守る必要がある。トランプ氏が復権を果たせば、安全保障や経済政策が転換する可能性があり、日本にも大きな影響がある。4月には岸田文雄首相が訪米しバイデン氏と会談した一方、自民党の麻生太郎副総裁はトランプ氏と面会した。大統領選をにらみ、双方と関係強化を図りながら対米方針を練っておくことは重要だ。

 デモはフランスやオーストラリア、イタリアなどにも広がっている。ベトナム反戦運動のように国際的なうねりとなり、ガザ情勢に変化をもたらすきっかけになるかもしれない。日本は国際社会とともに即時停戦の道を探るべきだ。

 元稿:熊本日日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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