昨日の国会中継、共産党ならではの質問だったな。
だが、その後の報道をみていると、多くの問題をスルーしている。そっちの方が、もっと問題だ。そこでいくつかメモをしてみる。では、その問題とは何か。
1、勤務中にメールをつくり、打って、「別添にファイル」に記載して人事係りに提出をお願いしている。これはりっぱな「業務」だ。ということは常態化していたことだ。事実「過去の名護市の市議選で、同じようなことがあったことが報告され」ている。http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4941640.html
2.聴講者に「通知」するよう「お願い」しているのだから、これは正式の文書だ。そもそも公務員は勝手に「業務」をすることはできないはずだ。必ず「起案」「承認」「実行」「復命」という段取りがあるはずだ。
3.前任者の一川前防衛相、田中現防衛相も知らなかったと語っているが、もしそうだとすれば、あまりに規律が弛緩していることになる。これも大問題だ。また承知していたがあまりに「常態化」していたので規律違反という意識がなかったとしたら、それも大問題だ。
4.今回の経過から見えてくるものは、自公政権時代もずっとやっていたということだ。過去に遡って膿を出すつもりがあるかどうかだ。これができれば、ホントに政権というか、自民党もひっくり返るはずだ。特に田中防衛省の素人ぶりを追及して政局化している自民党は、自らの問題として徹底して追及すべきだろう。さもなければ、単なる政局パフォーマンスとして見られるだろう。特に自衛隊出身の佐藤参議は、自分の時はどうだったか、情報を公開すべきだろう。
5.今回のようなことが内部告発として明るみに出たことは、直近で言えば沖縄防衛局が県に提出した環境影響評価(アセスメント)評価書問題など、沖縄防衛局のあまりの酷さに呆れかえり、怒り狂った職員が共産党に「内部告発」をしたのではないか?ということが予想される。防衛局にすれば、そこが最大の「ミス」「思い上がり」だった。こんなメールを送っても「大丈夫だろう」という意識があったのだ。九電のやらせメールがあったが、「ウチは大丈夫」という意識があったのだろう。
6.この問題は国家公務員の「不祥事」だが、防衛省だから、追及の手は薄まるか、及ばないのだろうか。事実、大阪市の組合が勤務時間中に選挙活動をしていたことが橋下市長に取り上げられ、大々的に公務員バッシングの対象としてキャンペーンが貼られた。だが、今回は共産党の「スクープ」ということもあって、別物のように扱われている。
7.防衛省・防衛局の言い分は「公務員として選挙権を行使すべきで、棄権すべきでないこと、公務員の中立性、公正性に疑いを持たれないようにすることなどを述べた」から問題はないということを言いたいのだろう。だが国民に「誤解や批判を受けかねない行為」ということは、実は「国民は誤解している。防政局は間違っていない」ということだろう。だったら、「家族・いとこ・親戚」の名前をリストアップして提出させる必要性はあるのだろうか?全く矛盾している。
防衛相、沖縄防衛局長を処分へ 「誤解や批判受けかねない」2012年2月1日(共同通信)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-186972-storytopic-3.html
田中直紀防衛相は1日午前、米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選に絡み真部朗沖縄防衛局長が部下の職員らに「講話」を行った問題で、「誤解や批判を受けかねない行為だ。引き続き調査し、近日中に政務三役会議を開き防衛省として判断する」と述べ、近く何らかの処分を検討する考えを表明した。国会内で記者団に述べた。
また防衛省の渡辺周副大臣と鎌田昭良官房長は、衆院予算委員会理事会に出席し、同省としての調査結果を説明。沖縄防衛局の職員、親族の調査を指示したメールについて「実在していた」と認めた。職員らへの「講話」は真部氏自ら発意した。
防衛省の報告要旨
防衛省が衆院予算委員会理事会で報告した内容は以下の通り。
一、メールは実在が確認された。
一、講話実施は真部朗沖縄防衛局長が発意し、1月4日にメールで指示した。
一、講話聴講者を選ぶため、沖縄防衛局総務部で宜野湾市在住もしくは親族が同市在住の職員を調べ、同月10日までに80人をリストアップした。実際に講話を聴いた職員は計68人だった。
一、真部局長は講話の内容について「市長選投票日と立候補予定者を紹介し、宜野湾市は米軍普天間飛行場所在地で、市民の民意が重要であること、公務員として選挙権を行使すべきで、棄権すべきでないこと、公務員の中立性、公正性に疑いを持たれないようにすることなどを述べた」と説明した。
一、参加者への聞き取りでは、特定の候補者を支持する内容は確認されなかった。
一、講話は2回行われ、1月23、24日にそれぞれ10分程度、真部局長が口頭で行った。
一、講話の記録の存在は確認されなかった。
ウチナーの叫び伝へる国会のヤマト揺るがす赤嶺の声
民族の悲劇の残滓いまもなほ基地ある限り独立遠し