愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

行き詰まった抑止力論―「生贄」策と根本策=日米安保廃棄を提示できない日本のマスコミの思考停止に一言

2012-02-04 | 日記

沖縄防衛局の、いわゆる選挙干渉問題について、全国の新聞社の社説が、以下のように、今日の段階で「ほぼ」出揃ったかな?

北海道 沖縄防衛局長 選挙介入なら許されぬ
東奥日報 態勢を立て直し出直せ/沖縄防衛局長処分へ 
岩手日報 防衛局長「講話」問題 政官のウミを出し切れ 
信濃毎日 沖縄防衛局長 意図や言動を調べ直せ   
新潟日報 「防衛局長」講話 市長選目当ては明らかだ 
福井新聞 沖縄防衛局長処分 小手先で何も解決しない
京都新聞 沖縄防衛局長  「民意に介入」許されぬ 
山陽新聞 沖縄防衛局 徹底調査し事実明らかに 
中国新聞 沖縄防衛局長の「講話」 選挙介入否定できまい 
高知新聞 【選挙運動疑惑】徹底調査し厳正に対処を 
西日本新聞 沖縄防衛局 どっちを向いているのか 
宮崎日日新聞 沖縄防衛局長講話 処分すれば済む話ではない 
熊本日日新聞 沖縄防衛局長「講話」 態勢の抜本的な立て直しを 
沖縄タイムス [宜野湾市長選介入]伏魔殿と化した防衛局 2月2日
沖縄タイムス [防衛局長選挙関与]組織体質にメス入れよ 2月3日
琉球新報 選挙介入疑惑 防衛行政の膿出し尽くせ 
産経 沖縄局長「講話」 防衛相以下タガ締め直せ 
朝日 沖縄局長講話―組織ぐるみの「背信」だ 
毎日 沖縄防衛局長 選挙介入が常態なのか
日経 これで沖縄の信頼得られるか  
東京 防衛局長講話 選挙への「介入」許せぬ

ひととおり読んで、思うことを、メモしてみる。
1.基地を抱えている地域の新聞が、この問題を沖縄の問題であると同時に、自分の地域の問題として捉えているかどうか、それが鋭く問われているが、極めて不十分だった。
己の地域の基地問題を左右する選挙があるとき、米軍基地であろうが、自衛隊基地であろうが、その時、各地の防衛局がどのように振舞ってきたか、そのことを追及することなく、ジャーナリズムとしての存在感はないだろう。直近では岩国市長選挙がある。国は選挙に向けて、「補助金」という「アメ」をばら撒いてこなかったか?これは形を変えた「選挙干渉」ではないか?そのことを地元のメディアは追及したか?前回の選挙の時は露骨だったが、今回はどうだったか?或いは全国的にはどうなのか?

2.各社は、一応、自民党政権時代の、
1997年の名護市民投票では現地事務所を構え、ローラー作戦で戸別訪問を展開したこと、
98年の知事選では、自民党の小渕内閣で官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員(当時)が、稲嶺恵一陣営に官房機密費3億円が渡った、と証言したこと、
2006年の知事選の際の「干渉」などの事例や
96年の原発推進派陣営から立候補する元市総務課長への支援を要請した石川県珠洲(すず)市長選の事例など、の「干渉的行為」をあげて批判している。このことそのものは正しい。だが、そのような事実に対して、当時、徹底して追及の矛を高く掲げてやってきたか、そのことが自身に問われていると言わなければならない。この追及が甘かったから、やりたい放題にやられてきたのではないか?別の言い方をすれば、追及が甘かったから、自民党政権を温存してきたのではないか?自民党政権延命に手を貸してきたのだ。

3.その点で、今回、共産党に内部告発があったことの意味を反省すべきだろう。今のマスコミに対して信用がないのだ。告発しても、握りつぶされるという意識があったからこそ、共産党に内部告発があったのだ。このことは、九電のやらせメールにも、現れているのだが、その反省がないから、今回のようなことが起こったのだ。このことを真に反省しなかったら、次の内部告発があるだろう。

4.同時に、国民から離反した民主党政権を批判する「ための」方便として今回の問題を「批判」しているとするならば、メディアの「ご都合主義」は極まったと言える。何故このことを言うか。それは田中防衛大臣を「悪玉」として批判する自民党、特に自衛隊出身の佐藤議員、小池議員、石波議員が、「善玉」のように報道されているが、これもスリカエだろう。就任した田中防衛大臣の責任を追及するのは、天に唾するようなものだ。彼の大臣としての資質を問題にするのは別問題だ。
今回の問題は、自民党政権時代からの「因習」「驕り」なのだ。事実、前防衛局長の辞任によって復活した現防衛局長は、沖縄の保守勢力との重要なパイプ役として起用されている。自民党化した民主党政権からすれば、起死回生の切り札だったのだ。切り札である現局長のやったことは夜陰に紛れて書類を送ることだった。このようなデタラメな行為を行ったのは現知事とのパイプに、それなりの自信があったからだろう。まさに沖縄の「空気を読め」ない、官僚の驕りがあったのだ。
そうした背景を見過ごすマスコミは、今回の問題を一応批判してみせるが、免罪符にはならない。何故、このことを言うか。それほど、沖縄県民をバカにした話だからだ。そのことを自覚すべきなのだ。

5.マスコミがやるべきこと、それはこれまでの選挙における政権政党と企業の干渉を徹底して暴くことだ。例えば、「利益誘導」の名の下に行われていた基地・原発・開発・公共事業の開発がある。

6.今回の問題ではトカゲの尻尾きりはよくないなどとは言うが、ではそうするか。展望は、どこも出していない。
あるのは、以下のような「対処療法」だけだ。これでは「ガン治療」にはならない。進行するガン=日米安保体制に切り込む手術をする「名医」はいないことになる。日本には「神の手」を持つ政党や学者や識者はいないことになる。少なくとも国民の目は、思考は、これでストップしてしまうだろう。だが、本当に「神の手」を持つ「名医」はいないのだろうか?

・国外・県外移設への思い切った方針転換が、在日米軍基地の約74%が集中する沖縄県民の基地負担を軽減する。官僚だけに責任を押し付けるのではなく、政治家が決断しなければ問題は解決しない。
・こうしたお粗末な状況が、現場の気のゆるみや混乱にもつながっているのではないか。野田首相はこれを機に、沖縄政策の体制をしっかり立て直してほしい。
・普天間飛行場の固定化(継続使用)を回避し、周辺住民の危険性を除去するために、政府は今後、正念場を迎える。ここは、野田佳彦首相が前面に立って、普天間問題の解決に全力を尽くすしかない。
・普天間の辺野古移設は、もう実現する見通しはない。政府は今度こそ立ち止まり、他の打開策を探るべきだ。
・本来なら、普天間の移設に指導力を発揮しなければならない立場であるのに、防衛政策の突っ込んだ議論が望めない状況にしているのは、極めて問題だ。
・一方、宜野湾市職員労働組合は市長選をめぐり、組織内候補として推薦を決定した特定の立候補予定者の選挙運動に協力するよう、組合員に対して文書で呼びかけているという。
・選挙運動や政治的行為の制限は公務員全般にあてはまる。勤務時間中に教職員団体の教員が選挙、政治活動に明け暮れている実態も表面化している。政治的中立を逸脱する活動は厳しく是正されなければならない。
・第三者による調査機関を設けて、過去の選挙にさかのぼって、徹底的な検証をすべきだ。それが十分にできなければ、田中氏の責任も問われることになろう。
・政府機関による選挙への介入とも言うべきもので、言語道断である。
・沖縄の信頼関係を傷つける不祥事がこうも相次ぐのか。このままでは米軍普天間基地問題の解決も、遠のくばかりだ。
・政府の政策を押し通すためには選挙への介入も辞さないのは防衛省の体質ではないのか。
こうしたお粗末な状況が、現場の気のゆるみや混乱にもつながっているのではないか。野田首相はこれを機に、沖縄政策の体制をしっかり立て直してほしい。
・普天間飛行場の固定化(継続使用)を回避し、周辺住民の危険性を除去するために、政府は今後、正念場を迎える。ここは、野田佳彦首相が前面に立って、普天間問題の解決に全力を尽くすしかない。
・選挙などへの介入が繰り返し行われていたとすれば、構造的問題である。
・国家公務員は政治的中立性から公職選挙法などで選挙運動や政治的活動を厳格に制限されている。行き過ぎた行為が厳しく処分されるのは当然だ。
・官僚側が問題の矮小(わいしょう)化を企図しているなら、田中直紀防衛相ら政務三役は「沖縄県民、国民の防衛省への信頼を回復するためには膿を出し尽くさねばならない」と毅然と振る舞うべきだ。官僚組織は、自ら国民の離反を招く致命的な過ちをこれ以上犯してはならない。
・この流れを止めることはできない。この流れに逆らって、これ以上、無理を押し通そうとすれば、日米関係にも深い亀裂を生むことになるだろう。
・一方では国民に復興増税、消費税増税を求めながら、もう一方では、巨額の税金を投入して負担軽減につながらない辺野古移設を強行する―あまりに理不尽だ。
・沖縄県警には、普天間問題という国策への影響を避けるため捜査に消極的だ、と県民の目に映ることのないよう筋を通してもらいたい。
・真部氏の処分はもちろん、沖縄の信頼を回復するため普天間問題に対処する防衛省側の陣容を抜本的に立て直す必要がある。
・野田首相は過去を「清算」すべく、いち早く現地に足を運ぶべきなのだ。有能な閣僚も据えられないのはリーダーシップの欠如であり、対話の糸口は全く見いだせない。
・このままでは基地が固定化され、複雑に絡まる県民の感情は行き場を失っていく。不幸な閉塞(へいそく)状況を打開するのは一に政府の責任だ。沖縄が抱えている問題を全国民が共有し、一から出直すしかない
・沖縄ともう一度きちんと向き合うために何ができるか、政府は真剣に考えてほしい。一から出直すくらいの気構えで、普天間問題に関する対応を再点検してもらいたい。
・沖縄ときちんと向き合うために何ができるか、政府は真剣に考えるべきだ。
・地元の理解と協力あってこその安保・防衛政策である。
・あいまいな決着では、不信感はさらに深まる。
・普天間の県外・国外移設を強く求める沖縄の民意に、政府は正面から向き合わなければ
ならない。辺野古移設の日米合意に執着するだけでは、信頼を取り戻せるはずがない。
・防衛省は、その体質の抜本改革から出直すべきだ。
・沖縄県側の政府への不信はこれで一層高まった。野田政権は県内移設へのシナリオを見直して、沖縄県民と正面から向き合わなければなるまい。
・県議会や名護市、県民の反対が根強く、手詰まり状態にある普天間移設問題の混迷を解くには、まず沖縄県民の基地負担の痛みと、負担軽減を求める意思を理解するところから始めねばならない。選挙という仕組みで示される市民の意思に正面から向き合ことが大前提だ。
・辺野古移設という「日米合意」に固執し、沖縄の民意を都合のよい方向に誘導するかにも見える姑息な行為は、かえって県民全体の不信感を増幅させるだけだ。
・野田政権に必要なのは、再度のトカゲのしっぽ切りではなく、県民の求めに応じて真正面から「沖縄問題」に向き合うことである。
・普天間飛行場の沖縄県内への移設は絶望的という現実を直視し、米政府と一から見直しの協議を始めることに尽きる。姑息な手段では、アリ地獄から抜けられない。
・防衛省は沖縄への向き合い方とともに、役所の体質そのものが厳しく問われている、と受け止めなくてはならない。信頼回復の道は険しくなるばかりだ。政府を挙げて辺野古移設を抜本的に見直し、目に見える基地負担の軽減を実現するしかない。
・今回の問題をめぐり、与党が2日実施を提案した衆院予算委の集中審議を、野党側が一日先延ばしするよう求めたのは、自らに火の粉が降りかかる事態を敏感に察知した可能性を疑いたくなる。本紙記事は「深掘りしていったらおもしろい方向に行くかもしれない」という民主党幹部の言葉を紹介している。
・官僚の更迭はトカゲの尻尾切り。もはや、それで沖縄県内世論の軟化が期待される状況でもない。普天間問題で、民主党はマニフェスト(政権公約)を転換。事実上、自公政権下の政策を引き継いでいる。この状況では、政権交代の意義はないも同然だ。この際、基地問題を取り巻く政官のウミを出し切るところから仕切り直すべきだろう。
・辺野古案は沖縄県の意向を無視して米国と合意したもので、展望は開けていない。このまま進めるにせよ見直すにせよ、政府は沖縄県と話し合えるよう態勢を整える必要がある。
・野田佳彦首相は施政方針演説で「沖縄の声に真摯(しんし)に耳を傾け、誠実に説明し理解を求める」と語った。県民の目を盗むように移設への地ならしを進めても不信を買うだけだ。
・旧防衛庁ではかつて情報公開請求者の個人情報をまとめたリストを作って庁内で閲覧した問題が発覚した。裏で動く体質は防衛省全体に言えることだ。進めたい政策があるなら開かれた場で主張すればいい。
・県民との対話を一から組み立て直し、信頼を得る努力を重ねるべきだ。

7.日本国民の暮らしを規定している根本原因である日米安保、このことの解明を避けていては、膿は出し尽くすことはできない。根本的治療はできない。沖縄の問題は、そこまで突きつけているのだ。だが、それを曖昧にするイデオロギーが放射線のように、日本国民の頭の上に降り注がれている。このことを自覚しなければならないだろう。だが、このことを自覚した時、展望は切り開かれるだろう。

日米安保条約10条を使って、日米の本来の「絆」を断ち切るときだ。

峠まで息を切らせて登りたりうみの苦しみ明日を信じて

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