橋下市長が坂本龍馬のマネをして、なにやら船中八策を作るらしい。それから学ぶとすれば、これまでのシステムが旧くなってきたということだ。まさに旧い殻が打ち破られようとしているのだろう。日本の歴史のなかでも、そういう歴史は、これまでもたくさん経験してきた。だが、旧体制派の橋下氏の「維新の会」はできないだろう。では本当の意味で「維新」を実現するためには何が必要か。そういう議論に参加する意味は、決して小さくない。そこで、以下のブログがヒントになった。
大阪市の橋下徹市長が策定する「船中八策」は天下を動かすか?2012年01月31日 00:00
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/d6a04ca6a9c229ba135fea1203a3e323?fm=rss
このことは、以前にも記事にしたことがある。
「政治主導、官から民へ、国から地方へ、日米同盟重視の路線の旗を掲げよう(中川秀直)」(2012-01-10 00:20:51)を読んで、少しコメントした。
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-11131619105.html
この発想は、中川氏の経歴をみれば、納得できる。以下みてみると、
自民党が政権交代を果たし、自公政権となるのか、というとそうはならない。自民党政権か自民党中心の連立を期待するは25・2%でしかなく、過半数を超えないからである。民意の過半数を超える期待する政権とは、「政界再編した新たな枠組み」である。「政界再編」の意味するところは、政治主導、官から民へ、国から地方へ、日米同盟重視の路線の確立であろう。民主党が、官僚主導、民から官へ、地方から国へ、日米同盟軽視の路線を行くのであれば、反対党は、政治主導、官から民へ、国から地方へ、日米同盟重視の路線をとらなければならない。それではじめて選挙に選択肢がうまれる。
この発想では、巷間言われている現在の日本の諸矛盾は解決できないだろう。
理由は、日米同盟(以前は日米安保体制と言っていた)は日本の戦後の枠組みである。言わば卵の殻だ。それを前提に、あれこれの「政界再編」を「模索」しても、二番、三番、四番煎じとなるだろう。それは70年代以降の歴史が示している。
そこで、板垣英憲氏の以下の問題意識に注目してみた。以下みてみると、
おそらく、橋下徹市長は、現代の坂本龍馬の気分だろう。現代版「船中八策」の策定に当たっては、作家である堺屋太一・元経企庁長官(元通産官僚)の知恵とアイデアを借りることになるに違いない。橋下徹市長が進める「維新」のプロデューサーであり、「維新戦争」総参謀長である。
橋下徹市長が、いかなる現代版「船中八策」を策定するか?3月ごろには発表する予定のようだが、実に楽しみなことである。
橋下氏の「船中八策」は坂本龍馬に苦笑されるだろう。理由は、
一つは、参謀たちの発想が中川氏たちと同じ旧体制温存派だから。
理由は、参謀の「堺屋太一・元経企庁長官(元通産官僚)の知恵とアイデア」というが、彼がやったことは、「1998年、小渕内閣に民間人閣僚として経済企画庁長官に就任。第2次森内閣まで務め、同時に総合交通対策担当大臣、新千年紀記念行事担当大臣、情報通信技術担当大臣なども兼任」し、橋本構造改革推進内閣後の内閣として「日本一の借金王」を支えたことだ。(http://ja.wikipedia.org/wiki/)
二つは、坂本龍馬の考案した頃の時代背景を現代に適用できるか、はなはだ疑問だから。
確かに板垣氏の言うように坂本龍馬が「いかに鋭い先見性を持ち、時代を先取りして、文章化していたかがわかる。つまり経済に強い政治家としての天才ぶりが、よく窺われる」というのは、確かにそのとおりだろう。
だが、19世紀から起こってきた資本主義の芽生えに対応した「都市」民衆と農村の民衆の世均しの動きに坂本龍馬が直接関係した資料があるかどうか、検討が必要だろう。
さらに「幕末・明治維新から今日までの144年の歴史を動かす『原点』とも言うべき新国家体制の基本方針になった」とあるが、「原点のひとつ」と捉える方が適切ではないだろうか。それは維新政府・薩長藩閥政府が民権運動や私擬憲法草案策定運動などに対応して大日本帝国憲法を制定したこと、幕末以来の歴史のなかで日本国憲法制定がどのように準備されていったか、以上のプロセスを踏まえることでこそ、現代版「船中八策」が作られると思うからだ。
因みに、慶喜の側近であった西周は、オランダ留学から帰り、慶喜に改革案を示していた。http://www.ndl.go.jp/modern/cha1/description03.html
当時欧米の制度を読んだものたちは、当時の日本の体制と政権の枠組みをどのように変えていくか、ここに集中していたようだ。突き上げる民衆の「世直し」にも対応して、だ。
板垣氏は、以下のように表現している。
農本主義を基本としてきた封建体制の日本が、いよいよ資本主義経済社会、加えて当時の欧米列強が行動原理としていた帝国主義・植民地主義、つまり弱肉強食社会に仲間入りする息吹と意欲がよく伝わってくる。
この発想に、民衆の動向を加味して現在の政治・経済・外交の枠組みに当てはめて、その枠組みを変えていくのだ。大いに議論する必要があるだろう。
では現代版「船中八策」とは何か。
一つには、現代版薩長同盟とは何かだ。
二つには、現代版「無窮ノ大典」「字内(うだい)万国」法とは何かだ。
三つには、現代版「宜シク従来有名無実ノ、官ヲ除ク」「万機宜シク公議」とは何かだ。
四つには、現代版「外国ト平均ノ法」とは何かだ。
今日、明日は用事あり、ここまでかな?ああ~力量不足かな
新しきことを構へてことをなす卵の殻をやぶるひなあり