愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

自民党橋本聖子参議院議員の名前公表恫喝発言にオリンピック招致派のネライが見えてきた!これぞ、温床!

2013-02-11 | 日記

柔道の「暴力指導」の波紋は、ここにきて、捻じ曲げられるか、それとも暴力指導の真実と背景にメスをいれ、日本のスポーツ界、とりわけ柔道界の恥部・膿を出し切り治療を行い、完治させることができるかどうか、岐路に立っているように思います。

 「朝日」「毎日」の社説を参考にまとめてみました。

 1.選手と監督という立場の違いをどうみるかです。オリンピック出場という「餌」をぶら下げながら、「脅し」していたことを無視しているということで、橋本氏は弱者の立場から見ているのではなく、強者の立場から見ているということは問題です。

 2.この「脅し」は、これから出るかも知れない日本のスポーツ界の暴力指導の事実、告発に対してプレッシャーをかけ、ここで暴力指導問題を終わりにしようというネライが見えてきます。

 3.同時に、このことは何としてもオリンピック招致に傷を広げたくないという思いも見えてきます。

 4.税金でスポーツをやらせてもらっている責任を果たすためには表に出ろ、さもなければ、ものを言うなということを言っているのです。税金をもらってオリンピックの出場とメダルを取るのであれば、少しぐらいの不満、理不尽はガマンしろということでしょうか?

 5.仮に、そのようにしてオリンピックに出場して、さらにはメダルが取れたとしたら、それこそオリンピック精神に、柔道精神に、スポーツ精神と他の選手を冒涜していることになると思いませんか?

全日本柔道連盟倫理規定 http://www.judo.or.jp/の「禁止行為」

オリンピック憲章http://www.joc.or.jp/olympism/charter/の「オリンピズムの根本原則」

 6.橋本氏は、オリンピック選手としても、また国会議員としても、人権と民主主義、ルールを遵守することの意味を学んできたのでしょうか?呆れるばかりです。

 7.「選手たちが競技だけでなく、相応の社会的責任を有することは言うまでもない。社会の模範的存在として、例えば被災地などを訪れてボランティア活動などに励むことこそが責任を果たす」という「毎日」の「責任」論も狭く偏っています。これでは選手の人格権も薄められてしまうでしょう。選手を一人の人間として、納税者である選手に対して国家が見返りを省みず人間の発達を保障する立場から援助・支援するのではなく、税金=義務論も枠に押し込めようとするもので、これは大日本帝国憲法下の臣民の義務論の焼き直しです。

 ボランティアについては、以下の記事が参考になります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/

「ボランティア」volunteer の語の原義は志願兵であり(反語がdraft―徴集兵)、歴史的には騎士団十字軍などの宗教的意味を持つ団体にまで遡ることができる。語源はラテン語のVolo(ウォロ、英語のwillの語源)志願者である。英語圏では、現在も本来の語義どおり志願兵あるいは義勇兵の意味でもこの語が使われている。なお、ボランタリー(voluntary)とは自発的であるさまのことで、ボランティア活動の原則として挙げられる要素は一般に自発性、無償性、利他性、先駆性の4つである。(引用ここまで)

 これが「奉仕」と曲解され、今では文部科学省が教育の中に位置づけるなど、本来の意味とかけ離れたものに、「半強制」語として使われています。

 8.橋本氏の言動と以下の記事を見る限り、オリンピック金メダル至上主義と経済至上主義、国威発揚主義の枠内で、選手を手段として、今回の事件をみていることが判ります。これこそが、暴力指導の温床です。スポーツとオリンピックの理念からすると、自民党とJOC,全柔連の関係をどうみるか、これも問われなければなりません。

 9.最後にマスコミの役割です。「毎日」も「朝日」も、以上述べてきたことを根本的に解決するためには、マスコミ自身が金メダル至上主義、経済至上主義、国家発揚主義からの決別をしなければならないということです。日本のスポーツ界の「体質」とマスコミは別の位置にいたのか!?そうではないでしょう。この間の経過や歴史をみれば一連托生といわなければなりません!マスコミ自身が以下の言葉を上から目線ではなく、自らに課した言葉として発していく必要があるでしょう。

 毎日 招致のために、主役であるはずの選手の人権をないがしろにしているとしたら本末転倒であることを最後に指摘しておきたい。

朝日 国内柔道で最高峰にある日本代表チームで、暴力やハラスメントが繰り返され、黙認されてきたのはなぜか。

朝日 国内柔道で最高峰にある日本代表チームで、暴力やハラスメントが繰り返され、黙認されてきたのはなぜか。

 

「対応に甘さ」JOC、自民党に謝罪 柔道女子暴力問題2013年2月5日10時59分

http://www.asahi.com/national/update/0205/TKY201302050096.html

 自民党スポーツ立国調査会と文部科学部会の合同会議の冒頭、あいさつする遠藤利明・スポーツ立国調査会長(左から2人目)。左は橋本聖子氏=5日午前、東京都千代田区、遠藤真梨撮影

 柔道女子日本代表監督らによる女子選手への暴力、パワーハラスメント問題で、日本オリンピック委員会(JOC)の福田富昭副会長らが5日、自民党スポーツ立国調査会・文部科学部会の合同会議に出席し、「対応に甘さがあった」と陳謝した。出席議員からはJOCや全日本柔道連盟の執行部の責任を問う声や、「このままでは2020年東京五輪招致に協力できない」といった意見が出た。 立国調査会の遠藤利明会長は会議後、選手からの相談を受け付ける第三者機関を設置するため、今月中に関係法の改正案を国会に提出する考えを示した。3月上旬に東京を視察する国際オリンピック委員会にアピールするためという。(引用ここまで)

 柔道暴力問題 告発選手の名前公表を…自民・橋本聖子氏 [ 2013年2月6日 11:46 ]

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/02/06/kiji/K20130206005137990.html

自民党の橋本聖子参院政審会長
Photo By スポニチ

 自民党の橋本聖子参院政審会長は6日午前、柔道女子日本代表での暴力問題を告発した選手15人の名前は公表されるべきだとの認識を示した。党参院議員総会で「長年のいろいろな問題を訴えることには非常に大きな責任がある。選手一人一人が理解しなければいけない」と述べた。 橋本氏は日本オリンピック委員会(JOC)理事で、選手の聞き取り調査をするためにJOCが設置した「緊急調査対策プロジェクト」のメンバーを務める。 総会では「プライバシーを守ってもらいながらヒアリングをしてもらいたいというのは、決していいことでない」と指摘。「あまりにも選手のプライバシーを守ろうとする観点から、15人の選手が表に出ていないことをどう判断するか。非常に大きな問題だ」と語った。 5日の自民党スポーツ立国調査会の会合でも、調査がしくにい点などを理由に告発選手名の公表を求める声が出ていた。(引用ここまで)

 全日本柔道連影の倫理規定における(禁止行為)

第4条本連盟に会員登録をしているすべての柔道人および本連盟の役職員は、以下の各号に示す行為を行ってはならない。なお、役員・監督等の指導者たる立場にある者は、自らを厳しく律するとともに、その違反の予防を徹底しなければならない。

(1)身体的・精神的暴力行為

いかなる場面においても、その問題解決の手段として、身体的または精神的な暴力行為(直接的暴力、暴言、脅迫、威圧等)を行ってはならない。

(2)セクシュアル・ハラスメント性的言動、表現によって相手に不快感を与える行為を行ってはならない。

①指導技法のつもりであったり、親しみの表現であったとしても、相手によっては不快感を抱くことがあることを、よく認識すること。

②本人にその意思がない場合でも、その言動によって相手が不快に感じた場合にはセクシュアル・ハラスメントに該当する場合があることを、よく認識すること。

③セクシュアル・ハラスメントを受けたと感じた場合には、相手に対して不快であることを明確に意思表示すること。(引用ここまで)

 毎日社説:柔道暴力問題 勇気ある告発者を守れ 2013年02月10日 02時30分

http://mainichi.jp/opinion/news/20130210k0000m070086000c.html

 「アスリートファースト(選手第一)」は2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会がしばしば強調するコンセプトだ。招致を推進する人たちはスポーツ界の暴力根絶に向けて行動する際にもこのことを肝に銘じてほしい。 柔道女子日本代表監督の暴力指導などを選手15人が告発した問題で、自民党の橋本聖子参院議員が先日、15人の名前は公表されるべきだと受け取れる発言をした。 「プライバシーを守ってもらいながらヒアリングをしてもらいたいということは決してよいことではない」「あまりにも選手のプライバシーを守ろうとする観点から、15人の選手が表に出ていないことをどう判断するか。非常に大きな問題だ」 この発言は告発への抑止効果を持つ。柔道と同様の問題を抱えている競技で告発を考えている選手の側に立てば、名前がさらされることで不利益を被ることを恐れて二の足を踏むことが十分予想される。 元オリンピック選手で日本オリンピック委員会(JOC)の理事も兼ねる橋本氏は今回の柔道暴力問題では選手の聞き取り調査をするためにJOCが設置した「緊急調査対策プロジェクト」のメンバーでもあることを自覚すべきだ。選手の名前はすでにJOCが把握している。だれに対して公表するのか。公表するメリットは何か。弱い立場にある選手に寄り添うというより、突き放すような態度の橋本氏に対して選手たちは心を開けるだろうか。 その後、橋本氏は報道各社にコメントを送り、「氏名を公表すべき」とする発言は行っていないとしたうえで、「オリンピック強化には税金が投じられており、その公益性に対する一定の責任を理解すべきという指摘もあり、そうした意見を受けての発言でした」と釈明した。 確かに橋本氏が指摘するように強化費や遠征費などの名目で選手たちには税金が投入されている。選手たちが競技だけでなく、相応の社会的責任を有することは言うまでもない。社会の模範的存在として、例えば被災地などを訪れてボランティア活動などに励むことこそが責任を果たすということであり、告発に対する報復措置への不安が消えない中で名前を公表することではない。 06年4月施行の公益通報者保護法は企業の法令違反や不正行為などを告発した労働者を保護する法律だ。今回のケースが該当するかは別にして法の精神に照らして言えば、勇気ある告発に踏み切った彼女たちは保護されなければならない。スポーツ基本法も「スポーツを行う者の権利利益の保護」をスポーツ団体に課していることを付け加えておく。

 毎日社説 柔道暴力問題/五輪招致とからめるな 2013年02月06日 04時00分http://mainichi.jp/opinion/news/20130206k0000m070109000c.html

 柔道女子日本代表監督の暴力指導などを告発した選手15人の声明文を読んで胸を打たれた。自身の選手生命が絶たれるのではないか、人生をかけてきた愛する柔道が壊れてしまうのではないかという大きな苦悩と恐怖を抱えながら、未来の女子選手や女子柔道のために決死の思いで立ち上がったことが分かる内容だ。 叫びにも似たその声を、全日本柔道連盟(全柔連)も日本オリンピック委員会(JOC)も当初、真摯(しんし)に受け止めず、内部処理で済ませようとした。そのことが結果として、選手の相談を受けて調査や対策を進める第三者機関を設置するための法律改正が進むという状況を作り出したわけだが、スポーツ団体が自浄能力に欠ける組織であることを社会にさらしてしまったことについて関係者は猛省しなければならない。 暴力問題への対応が、国を挙げて取り組んでいる2020年オリンピック・パラリンピック招致とからめられていることに疑問を感じる。選手たちの声明文は招致活動への影響をおもんぱかって「まずもっておわび申し上げます」で始まっている。だが、スポーツ指導の現場から暴力やパワーハラスメントなどの不法行為を根絶するのは東京にオリンピックやパラリンピックを招致するしないにかかわらず、スポーツ界が率先して取り組むべき重要なこと。それが不十分だったため選手たちがやむにやまれず声を上げたのだ。 超党派のスポーツ議員連盟は第三者機関の新設を盛り込んだ日本スポーツ振興センター法の改正案をまとめ、今月中の国会提出を目指す方針だ。3月上旬に国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会が視察に来るため「スピード感をもって取り組みたい」という。招致にとってマイナスになる暴力問題に一刻も早く決着をつけたいらしい。 「選手第一」の実現のために歓迎すべきことながら、作業を焦るあまり、形を取り繕うだけの組織にしてはならない。調査に応じない競技団体に対してどんな強制力を持つかについても議論を尽くしてほしい。 JOCの対応からも招致活動を最優先したことがうかがえる。暴力問題が1月下旬に報道で発覚するまでの約2カ月間、全柔連に調査を任せ切りにしていた。1月7日にIOCに提出した立候補ファイルへの影響を恐れたのではないか。問題が発覚すると、招致を推進する文部科学相の指導を受けて緊急調査対策プロジェクトの設置などを決め、翌日には海外メディア向けの声明を急きょ出した。招致のために、主役であるはずの選手の人権をないがしろにしているとしたら本末転倒であることを最後に指摘しておきたい。

 朝日社説 女子柔道暴力―黙認の体質こそ解明を 2013年2月10日(日)付

http://www.asahi.com/paper/editorial20130210.html

 指導陣の交代で問題は終わらない。15人の女子選手が「決死の思いで」発した告発に本気でこたえ、安心できるスポーツ環境を作らねばならない。 国内柔道で最高峰にある日本代表チームで、暴力やハラスメントが繰り返され、黙認されてきたのはなぜか。調査と、再発防止の対策はこれからだ。 代表チームの監督につづき、全日本柔道連盟の強化担当理事とコーチが辞任した。選手を強化する責任者や指導者たちだ。  全柔連の動きは後手にまわっている。外部有識者による調査委員会の設置を決めたものの、時期や改善策として明確なものは打ち出せていない。

 「人としての誇りを汚されたことに対し、ある者は涙し、ある者は疲れ果て、またチームメートが苦しむ姿を見せつけられることで、監督の存在におびえながら試合や練習をする自分の存在に気づきました」 全柔連と日本オリンピック委員会(JOC)に告発した15人の言葉はとても重い。  こんな心理状態になりながら金メダルを期待される重圧に耐えていた。選手たちの苦しみは想像を超えるものだ。 15人が求めたのは、暴力をふるった監督らの更迭にとどまるものではない。勇気を出して訴えたのに、全柔連もJOCも公になるまできちんと取り上げなかった理由と責任を明らかにし、強化の方法や組織を改めてほしいと言っている。  30人の全柔連理事枠に外部理事を招き、現在はゼロの女性理事を入れることも必要だ。  全柔連の上にたつJOCは、選手15人から聞き取る緊急プロジェクトを始める。JOC理事4人と弁護士1人があたる。 対象は選手に限るという。しかし、全柔連の幹部からも聞かなければ、調査が形だけのものになるのは明らかだ。  双方の証言をつきあわせ、おきたことを確定しなければ、防止策も始まらない。選手とともに苦しんでいたコーチから聞くのも当然だ。 JOCも初めは選手たちの訴えに自ら動くことに消極的だったのだから、そうした理由も説明しなくてはならない。調査を透明で説得力のあるものにするためには、調査は利害のない第三者にゆだね、JOCはそれに協力する形にすべきだ。 スポーツでの暴力や体罰問題の発覚が相次いでいる。JOCは柔道以外の競技団体の調査を始めた。五輪種目に限定せず、全国の体育連盟も加わって、大学や中学・高校の部活動での実態も広く調べる方がいい。 (引用ここまで)