12日の予算委員会を見ました!検索すると、色々みることができます。反応もあり、参考になります。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20068197
http://www.msoku.net/archive/entry-982.html
中でも「産経」は、3回に分けて、ご丁寧に発言を文章化しています。肝心なところはスルーしていますが、「産経」の石原発言に対する位置づけが見えており、参考になります。
【石原氏の質疑詳報(上)】「暴走老人が戻ってきた」 衆院予算委 2013.2.13 08:24 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130213/plc13021308270009-n1.htm
【石原氏の質疑詳報(中)】「尖閣に灯台を造るべきだ」 衆院予算委 2013.2.13 08:40 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130213/plc13021308430010-n1.htm
【石原氏の質疑詳報(下)】子孫のために環境問題アピールを」衆院予算委 2013.2.13 10:04 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130213/plc13021310130011-n1.htm
しかし、安倍首相の登場が、国際社会でどのように受け止められているか、と同じように、この「独演会」と報道された発言をみると、国際社会に向けて日本の恥さらしと言えます。以下、日本のマスコミが伝えない事実を紹介しておきます。
“安倍内閣は過激な国粋主義者たち”/英誌『エコノミスト』指摘/“アジア地域に悪い予兆だ” [2013.1.8]
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-08/2013010801_03_1.html
「安倍談話」構想に反発/韓国各紙 “極右的な歴史観”警戒 [2013.1.6]
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-06/2013010601_02_1.html
旧日本軍「慰安婦」問題 米NY州議会が決議/提案議員 「日本政府は謝罪を」/“20万人が軍に強制され売春させられた” [2013.1.31]
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-31/2013013101_01_1.html
こうした諸事実を受けて、国会で安倍氏の姿勢を糺した志位質問、「読売」の報道に、その立場が典型的です。
志位委員長代表質問日本軍「慰安婦」問題 “文書がないから強制ない” 成り立たない議論首相否定できず
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-01/2013020101_02_1.html
河野談話は外交問題化させず…慰安婦問題で首相
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130131-OYT1T01834.htm
さらに参考資料として、以下の二つを掲載しておきます。
「慰安婦」問題 安倍発言 各国から激しい非難の声
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2007/05/0705j0320-00001.htm
http://nitiban.blog.ocn.ne.jp/blog/cat11860877/
以上の諸事実を踏まえて憲法改悪・大東亜共栄圏肯定・日米軍事同盟深化論者の安倍氏をけしかけた石原質問を伝えるマスコミは、石原氏の口汚い日本語、品位欠落に対して、批判もしていないのです。石原氏の使う言葉を観る子どもらにどのような影響を与えるか、想像できないとしたら、マスコミの共同責任の罪は計り知れないものがあると思います。
石原氏については、過去の記事を参照していただければと思います。
石原代表とマスコミの憲法軽視と知的劣化、日本の歴史冒涜にあきえつつ、それでも選挙で歴史的変革を 2012-12-15 23:38:45
http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/d/20121215
それでは問題は何か!について、以下述べてみたいと思います。
1.石原氏の下劣な言葉に批判したマスコミがないことです。例えば、
(1)三木首相を「バカ」呼ばわりし、「あんなやつ大嫌いだ」など、と感情を露わにしたことです。
(2)「オバマ(米国大統領)は世界の核兵器をなくそうと言いながら、あいつは核のシミュレーションをしている」とアメリカ大統領のオバマ氏を「あいつ」呼ばわりしたこと
(3)中華人民共和国を「シナ」と呼び、その理由を「中国は山口県、岡山県、広島県のことを言う。シナはシナで良いじゃないか」と正当化したことです。日本国内の一地域の「中国」名と国際社会における国家をゴチャゴチャにすることで、「シナ」論を正当化することが許されるでしょうか?
(4)「社会党のバカな議員」をはじめ「バカ」を連発しています。
こうした言葉を国権の最高機関、唯一の立法機関で、正当に選挙された代表者が発する意味について、何ら問うこともないのです。呆れます。日本国政府の品位の低さを国際社会に示す恥ずかしいことと言わなければなりません。
当日はEUの議員が来たようですが、国際的に、石原氏のような言葉を使う議員はどうなんでしょうか?これも日本文化なのでしょうか?
2.尖閣問題で日中関係が悪化し、「風評被害」によって経済的損失を生み出したにもかかわらず、そのことについて、反省するどころか、さらなる緊張を煽っていることです。
3.安倍首相も、石原氏の発言を受けて、「兵員については約20年ぶりに実増させた」と憲法を否定する発言を行ったことです。
4.「横田基地については言いたいことがいっぱいある。腹が立たって仕方ない」と言いながら共有使用・利用を提案し、さらには横須賀基地を前提にした三宅島のNLPを提案しているのです。しかも驚くべきことに、三宅島の雄山の噴火の際に、ベーカー大使と一緒にピクニックを兼ねてヘリで招待したと言い放っているのです。三宅島の島民はどう受け止めたのでしょうか?このような人物を東京都知事として選んだことを「総括」していく必要があるように思います。
5.次に天皇=「神道の大司祭」論を持ち出して天皇の靖国参拝を正当化し、内閣に進言していることです。憲法の信教の自由と象徴天皇制の矛盾、天皇の政治的利用の思惑を暴露したという意味で、大いに評価されるべきでしょう。石原氏のホンネが見えました。
同時に侵略戦争肯定論に立った「国のリーダーがその国のために命をかけた英霊に対し、尊崇の念を表するのは当然」との安倍氏の英霊論についても、批判されなければならないところなのに、批判の記事はありません。「国のために命をかけさせられた、犠牲を強要させられた偽りの英霊」論については、別項で述べてみたいと思います。
「(米国)ジョージタウン大学のケビン・ドーク学部長が論文に書いていたが、彼はカソリックではありますが、『アメリカにおいて南軍も北軍の兵士も埋葬されていて、そこに大統領が参拝したからといって、南軍の奴隷制度を維持するという考え方に賛成するものではない。ただ国のために命をかけた人々に対する敬意の表明でしかない』と書いていたが、私もその通りだと思う」と述べていますが、これも内戦と侵略戦争の違いを無視する暴論です。さらには、安倍氏の論理をそのまま使えば、戊辰戦争と西南戦争において、官軍、政府軍に反対した会津・西郷隆盛など薩摩藩などの「英霊」は靖国神社には「神」として合祀されていません。
そうした侵略戦争を美化する、天皇のために命を犠牲にした「英霊」を祀る靖国神社論は、今後さらに国民的歴史認識として解明し、石原・安倍氏のような屁理屈が言えないような日本文化を創出していく必要があるように思います。
6.憲法尊重擁護の義務を負っている国会議員が日本国憲法を「この国の今日の混乱、退廃に導いた大きな原因である現行憲法」と口汚く罵る様を「表現の自由」として批判もしないのかどうか、判りませんが、石原氏の憲法制定史の誤りについて、批判も検証もしない日本のマスコミの立ち居地、ズルスルと憲法の改悪を認めていく立ち居地が見えてきます。憲法尊重擁護の義務は社会的公的機関としてのマスコミにも課せられたものであるとの認識からすれば、責任放棄と言わなければなりません。
この石原発言については、以前も記事にしましたが、一方ではマッカーサー憲法を批判しながら、一方では大東亜戦争肯定論を正当化するためにマッカーサーを利用する矛盾と卑屈さ、恥には呆れますが、これとて、歴史の過ちをについて、マスコミは検証すべきです。
以上、石原氏の衆院質問について、その問題となるべき箇所について述べてみました。最後に言えば、石原氏の「シナ脅威」論は、実は中華人民共和国に対する列島意識が根底にあることが、改めて判ったことは、反面教師ですが、成果と言えます。
それは石原氏は救いがたい「劣等意識と優越意識」を混在させた自己チュー人格の持ち主だということです。理由は、
1.持ち時間のすべてを持論展開、超右より思想の持ち主が、超右より思想を封印せざるを得ない安倍政権に対して、応えられないことは百も承知ししていながら、質問という形で迫り、国民の中にあるナショナリズム・大東亜戦争肯定論、日米軍事同盟深化正当論を扇動するための演出を図ったということに、石原氏の確信犯的性格、余命幾ばかりもない段階で遺言として述べたことは、石原氏の言葉を借りて言えば「我欲」そのものだったということです。
2.使い古された押し付け憲法論を唱えながら、天皇の戦争責任回避・免罪したアメリカについてはゴマカシ、天皇の命乞いを認めた、さらにいえば憲法を押し付けた人物を利用して侵略戦争を正当化し、その押し付けたアメリカとの軍事同盟を正当化し、憲法を改悪していこうとするメチャククチャ思想の持ち主であること、これは戦争の惨禍の被害を受けたアジア・太平洋の諸国民、日本国民の命への「尊崇」をないがしろにする独りよがりであるということです。
3.憲法改悪についてのべた、「(米国に)統治された国が独立した後、数十年にわたって存続している事例は、私は歴史の中でみたことがない。もし、日本という独立国の主権者、つまり最高指導者の首相がこの歴史の原理にのっとって、かつて勝者が一方的に作った憲法を認めずに廃棄するということを宣言したときに、これを阻む法律的限界はあるのか。日本の憲法をいかにお考えか」の部分を以下のように変えることができることを石原氏は想像もできないでしょう。
以下、愛国者の邪論が書き換えてみました!
「(米国に)統治された国が独立した後、数十年にわたって米軍基地が存続している事例は、私は歴史の中でみたことがない。もし、日本という独立国の主権者、つまり最高指導者の首相がこの歴史の原理にのっとって、かつて勝者が一方的に作った日米軍事同盟を認めずに廃棄するということを宣言したときに、これを阻む法律的限界はあるのか。日本の憲法をいかにお考えか」
いかがでしょうか?石原氏の論理が、如何に矛盾し、奇異なものか、お判りいただけたのではないでしょうか?マスコミが突っ込まなければならないことは、こうした石原氏のデタラメさです。
4.以上のメチャクチャ思想を正当化するために利用しているのが「シナ」と北朝鮮の「脅威」論です。石原氏は、自説をありえないことと自覚しながら、平気でウソと判りながら、「仮に」と前置きしながら、
「北朝鮮には200人近い人が拉致されて、中には殺されて、取り戻すこともできない」と述べているものの、「石原氏の頭のなかは、日本の強制連行にまでは想像できないのです。そのことは日米の「脅威」について想像できないのと同じです。
石原氏は、脅威を煽り、自説を正当化しながらも、
「仮に、尖閣をめぐる軍事紛争が起こったときに、あの島をシナが占領して何になるのか」「ガダルカナルと同じになる」
「中国は膨大な経済国になったが、ロジスティックの海上シーレーンが保持できるか。できっこないのを知っていながら挑発している」
「核戦争はありえないし、あってはならないし、そこまでシナも愚かではないと思うが、日米の防衛関係はきちっとする必要がある」とまで言っているのです。
「仮に北朝鮮にしろシナにしろ、ミサイルが飛んできても、国会議事堂を全壊するような破壊力はない」などと、石原氏の論法は、「仮に」と述べながら、現実の平和外交の多様な展開については、想像力も能力もないのです。
5.以上の思想の背景に、中国=中華思想に対する反発、劣等意識と優越意識の混在があると言えます。日本の「中国地方」と比べて、「シナ」を正当化したこと、向こう10年、尖閣をめぐる「防衛」は大丈夫だが、それ以降「先は分からない」と述べるなど、ある時は「シナ」と意識的に使い罵り、別のところでは「膨大な経済国になった」「中国」への嫉妬、恐怖があるのです。
このことは、以下のことでも判ります。それは「シナ」と北朝鮮の「あり得ない」ミサイル攻撃に対して「皇居を守れ」と都知事時代に指示した石原氏の「防衛」論です。しかも、この「防衛」論は、国民の生活など関心がないことを暴露したとんでもないものです。首都東京に在住する皇居にすむ神道の大司祭を守るという思想は、日本における中華思想の焼き直しなのです。
それは、以下の歴史の事実に対するゴマカシか無知によって示されているのです。
現在の奈良盆地につくった「天武持統文武元明政権」が宋の律令制度を模倣して宮を中心に「五畿七道」をつくって「日本」を統治したこと、「日本」も、東アジアの列島とその周辺の島々のごく限られた地域に限定されていたこと、東にいた蝦夷という集団を「征伐」するために「征夷大将軍」を設置して征服し「日本」を拡大していったことなど、思いもしないことでしょうか?
いや違うと思います。石原氏のような「博識」の知識人・国会議員であれば、十分承知していることでしょう。というこことは、承知していながら、日本における中華思想の模倣には沈黙し、シナの中華思想は認めないというメチャクチャ思想、「我欲」があるのです。
以上、石原質問の問題点を述べてきましたが、この質問を伝えるマスコミは石原思想の追認と言う恥べき報道をしたのです。そのことで、実は国際的な恥さらしをしてしまったということを、声を大にして言わなければならないと思うのは、如何でしょうか?
石原氏のメチャクチャ思想を、「またか」「暴走老人だから仕方がない」などと言って容認するのではなく、徹底的に批判していくなかでこそ、日本の未来が切り開かれるのではないかと思うのですが、如何でしょうか?
石原質問を報道するマスコミを監視してほしいと思います。
時事 石原氏が独演会=国政復帰後初の質問-衆院予算委(2013/02/12-19:07)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013021200898
毎日 衆院予算委:石原氏、独演会の様相…18年ぶり登場 2013年02月12日 22時53分http://mainichi.jp/select/news/20130213k0000m010099000c.html
東京 石原氏 再デビューは独演会 18年ぶり国会登壇 2013年2月13日 朝刊http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013021302000101.html
読売 石原氏、予算委で“独演会”…憲法や尖閣諸島で 2013年2月12日22時15分http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130212-OYT1T00987.htm?from=ylist
朝日 (この日の一問)維新・石原慎太郎氏→安倍首相 早期に改憲し、日本人のものに
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302120663.html
産経 石原氏、18年ぶり国会質疑「国民への遺言」 憲法や尖閣問題などで持論展開2013.2.12 23:53
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130212/plc13021223550027-n1.htm
産経 石原氏vs安倍首相の論戦要旨2013.2.12 23:55 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130212/stt13021223570005-n1.htm
スポーツ報知 石原慎太郎氏、18年ぶり国会質問で独演会 2月13日(水)7時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130212-00000176-sph-soci
石原氏「暴走老人です」 復帰後初質問は「独演会」に
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/02/13/kiji/K20130213005185610.html
「天皇陛下を靖国に!」石原慎太郎氏が国会質問で大暴走 [2013年2月13日 06:00]
http://matome.naver.jp/odai/2136064646571401901?&page=1
維新・石原共同代表 18年ぶり国会で質問< 2013年2月12日 22:41 >http://www.news24.jp/articles/2013/02/12/04223030.html
衆院予算委 維新・石原氏「国を守りきる基本的な法的体制を」 (02/12 21:46)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00240411.html