自衛隊の体質改善のものさしは憲法だ!憲法遵守擁護の義務こそ!
以下の二つの地方紙が自衛隊の不祥事について、社説を掲載しました。本来であれば、読売・産経・日経が、この不祥事について、社説を書くべきところですが、今のところ書かれていません。産経に至っては、これが教師であり、一般の公務員であったなら、どうでしょうか?ここに産経のデタラメさが浮き彫りになったと思いますが、今後の動向に注目しておきたいと思います。
北海道新聞 海自いじめ自殺/抜本的な対策が必要だ 2014/9/6 10:00http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/561220.html
西日本新聞 海自いじめ自殺/組織全体の体質を見直せ 2014/9/5 12:00http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/111864
この社説の検証に入る前に、8月から、今日までの間に、報道されている自衛隊の不祥事について、検索してみました。以下の関連ニュースに当たることができました。何と17件もあるのです。これは二つの点で、尋常ではありません。一つは、防衛省・官邸は何をやっているのか!二つは、これだけ不祥事が続出しているのに、テレビは音なしです。一体全体何をやっているのか!臭いものに蓋をしてしまっていると言わなければなりません!
自衛隊不祥事 の関連ニュース一覧 http://news.yahoo.co.jp/related_newslist/the_self_defense_forces_scandal/
1.2等陸曹を停職処分=タイヤ破裂、女性隊員死亡―陸自 時事通信 9月4日(木) 18時23分.
2.日本海軍から地続きの海上自衛隊のいじめ問題 dragoner 9月4日(木) 7時26分.
3.警備犬用品譲渡で3等海曹処分 海自舞鶴総監部 京都新聞 9月3日(水) 14時29分.
4.繰り返される自衛隊員パワハラ自殺、私的制裁で処分はこの8年で3倍増、人の命を奪い自分も壊れてゆく軍隊 井上伸 9月2日(火) 20時7分.
5.現職幹部4人を書類送検=保険金詐取、被害総額490万円―防衛省 時事通信 9月2日(火) 19時45分.
6.防大保険金詐欺で書類送検、男性3尉4人懲戒免 読売新聞 9月2日(火) 19時24分.
7.ふびんに感じ教えた…試験問題漏えいさせた3尉 読売新聞 9月2日(火) 10時15分.
8.いじめ自殺:海自の危機意識欠如 続く不祥事 「身内捜査が弊害」 カナロコ by 神奈川新聞 9月2日(火) 7時3分.
9.海自の内部試験問題、部下に漏らす 3尉を停職処分 朝日新聞デジタル 9月1日(月) 20時16分.
10.「処罰怖かった」陸曹、ひき逃げ容疑で緊急逮捕 読売新聞 9月1日(月) 10時49分.
11.ひき逃げ容疑、自衛官逮捕=70歳女性重傷―新潟 時事通信 9月1日(月) 9時4分.
12.「スリルを味わいたかった」 自衛隊員が万引き テレビ朝日系(ANN) 9月1日(月) 5時56分.
13.女性隊員18人にわいせつ、暴力 1等陸曹を停職処分 下志津駐屯地 ちばとぴ by 千葉日報 8月27日(水) 11時21分.
14.17人にわいせつ行為、陸自隊員処分 「激励のつもり」 朝日新聞デジタル 8月26日(火) 20時6分.
15.<陸自>わいせつ行為で1等陸曹を処分 18人の女性隊員に 毎日新聞 8月26日(火) 12時25分.
16.駅ガラス割り自衛官逮捕=器物損壊・暴行容疑―静岡県警 時事通信 8月24日(日) 11時7分.
17.海自横須賀教育隊所属の2等海士少年を逮捕 強姦容疑で鎌倉署 カナロコ by 神奈川新聞 8月5日(火) 7時3分.
さて、愛国者の邪論の以下の記事をご覧ください。ここに、自衛隊の憲法問題について書いておきました。
安倍内閣改造の大宣伝にかき消された海自・防衛大の「不祥事」!憲法違反の海外武力行使大丈夫か! 2014-09-03 23:16:49 | 憲法http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/09017efeb8af69b10aa6ce62d6c9428a
自衛隊は憲法の人権と民主主義を具体化するための教育を具体化しているか! 2014-08-24 14:50:11 | 憲法http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/ea51998b4413aff5b5983c6b70d29880
防衛大学と自衛隊は憲法の人権と民主主義教育を行っているか!防衛大学のいじめを検証してみる!その1 2014-08-24 14:22:56 | 憲法http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/a51ff5a7f2411a41399ce7afe8ff578e
それでは、以下の記事をご覧ください。この記事に共通しているのは、
1.体質問題について、改めるべきとしていることです。
北海道 海自の隠蔽体質も改める必要がある。
西日本 自衛隊全体の体質を抜本的に見直すべきだ。
2.しかし、その体質について、根本的に解明していません。皮相です。
北海道
いじめを容認する体質・染みついたいじめ体質を払拭する抜本的な対策を講じるべきだ。
集団的自衛権の行使容認を先取りする形で訓練が厳しくなり、現場のストレスが増大しているとの
西日本
この護衛艦内にはいじめを容認する空気がまん延していた
いじめの実態が分かる文書を海自が隠蔽していた・隠蔽体質
暴力や旧軍隊式の不条理な命令が横行する実態
外部から遮断された独特の組織内に構造的な問題があるのではないか
3.自衛隊と憲法との関係については、一言も述べていないことです。自衛隊と自衛隊員が日本国憲法によって守られていることを、自衛隊もマスコミも、どれだけ自覚しているか、です。違憲の組織が、人権と民主主義を尊重した運営になっているかどうか、です。それは隊員の自覚を呼び起こし、国民に信頼されるかどうか、分岐点だからです。
愛国者の邪論は、違憲の自衛隊は改組すべきと考えています。そしてアメリカに従属した軍事関係に終始符を打つべきだと思っています。とりわけ、安倍政権が違憲の集団的自衛権の行使の閣議決定を強行したことを受けて、自衛隊が、米軍と一緒になって、海外で武力行使が可能になりました。そのことによって、国民の中に、自衛隊に対する意識が微妙に変わってきました。そこで、違憲の自衛隊を憲法9条を遵守する組織に改組していくことを提案しているのです。
4.自衛隊の改組の内容は、以下のとおりです。
(1)国境紛争に備えるためには軍事的対応ではなく警察力と外交力によって解決する。そのためには自衛隊を国境警備隊にする。海上保安庁と合体させる。
(2)これまでの活動をさらに発展充実していくために災害救助・復興隊にする。
(3)この間の国際貢献を発展させるために
1)海外の武力紛争の調停部隊とする。
2)災害救助・復興隊とする。
というものです。これは憲法9条の、国際紛争を、国家による戦争・武力行使・武力による威嚇=脅し=軍事抑止力という手段を使って解決するというのではなく、「対話と交流」という平和的手段を多面的に多様に使って解決するという憲法9条の理念を活かしていくことが基本です。
この方向性は、憲法9条の「対話と交流」を具体化するということです。こうして非軍事抑止力、非軍事安全保障論を具体化しながら、紛争の土台・根っこを除去していくのです。
5.この組織には、徹底した憲法教育、人権と民主主義のための教育と実践が必要になってくるということです。したがってすべての活動に憲法が活かされているか、厳しくチェックしていくことになります。
それでは、北海道新聞とに西日本新聞の社説をご覧ください。
北海道新聞 海自いじめ自殺/抜本的な対策が必要だ 2014/9/6 10:00http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/561220.html
痛ましい犠牲を何人出せば海上自衛隊のいじめはなくなるのか。
横須賀基地所属の護衛艦の男性隊員が上司の1等海曹から暴行などのいじめを受け、護衛艦内で自殺したことが明らかになった。海自警務隊は、暴行と器物損壊容疑で1曹を書類送検した。海自では過去にも上司の暴行などが原因で護衛艦乗員の自殺が相次ぎ、その都度再発防止策を講じてきたが、今回も防げなかった。海自幹部は従来の対策を徹底する考えを示したが、それだけでは再発防止は難しいのではないか。染みついたいじめ体質を払拭(ふっしょく)する抜本的な対策を講じるべきだ。1曹の送検容疑は隊員の頭をペンライトや平手で殴ったり、艦内の出入り口の扉を閉めて手を挟んだりする暴行を加え、自殺翌日に隠し持っていた隊員の携帯電話を海に投げ捨て壊した疑いである。隊員は上司に対し、自殺するまで3回にわたり、1曹との関係を理由に配置換えを求めていた。自殺前日には上司2人と1曹、隊員の4人で面談した。1曹は指導内容を注意されたが、同日夕、隊員にバケツを持って立たせた。面談した上司のうち1人は1曹の行為を目撃したが、止めなかったという。また海自の聞き取り調査に、護衛艦の同僚のうち少なくとも約35人がいじめ行為を目撃していたことも分かった。隊員がこれだけシグナルを発し、周囲もそれを認識しながら状況を改善できなかった。いじめを容認する体質が変わっていないことを示しており、深刻である。海自では上司の暴行などが原因で、1999年に護衛艦「さわぎり」乗員が、2004年には同「たちかぜ」乗員が自殺している。
海自は若手幹部らに講習を受けさせ、「部隊相談員」を各部隊に置くなどの対策を講じてきた。だが悲劇は繰り返された。不十分だったと言わざるを得ない。専門家は護衛艦という閉ざされた環境がいじめを生みやすくしていると指摘している。集団的自衛権の行使容認を先取りする形で訓練が厳しくなり、現場のストレスが増大しているとの見方もある。
これら外部の意見も取り入れ、有効な対策を練ることが大事だ。ところが海自は、隊員の階級や護衛艦の名前、死亡日時などを明らかにしていない。遺族の希望と言うが、こんな基本情報さえ公表しないのでは第三者による客観的な検証もままならない。再発防止には、海自の隠蔽(いんぺい)体質も改める必要がある。(引用ここまで)
西日本新聞 海自いじめ自殺/組織全体の体質を見直せ 2014/9/5 12:00http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/111864
この組織にはびこる悪弊の根深さにあぜんとせざるを得ない。海上自衛隊の護衛艦勤務の隊員が今年、上司の1等海曹によるいじめやパワハラが原因で自殺していた。海自が事実関係を発表し、1曹を書類送検した。詳しい事情は「遺族の意向」を理由に公表されていないが、1曹が行ったとされる行為は陰湿極まりない。厳正な捜査の結果を待ちたい。
さらに問われるべきは組織の責任だ。自殺した隊員は3回にわたり1曹との関係を理由に配置換えを上司に求めていた。規律と階級が重視される組織にあって、精いっぱいのSOSだったであろう。しかも自殺前日には、隊員に対する1曹のいじめ行為を上司が目撃していながら止めなかった。上司は「自殺するとは思わなかった」と話しているという。それが事実だとすれば、この護衛艦内にはいじめを容認する空気がまん延していたとしか言いようがない。
いじめを苦に自殺する海自隊員は後を絶たない。今回と同じ横須賀基地配備の護衛艦たちかぜの隊員の自殺をめぐる訴訟では、いじめの実態が分かる文書を海自が隠蔽(いんぺい)していたことも発覚した。
海自が今回、自殺の原因をいじめ、パワハラと当初から認めたのはたちかぜ訴訟の反省もあるという。隠蔽体質からの脱却を目指すためにも、関係幹部の処分や再発防止策の徹底は待ったなしだ。気掛かりなのは、いじめが海自に限らず自衛隊全体に巣くっている疑念が拭えないことだ。実際にOBらが、暴力や旧軍隊式の不条理な命令が横行する実態を書籍やネット上で告発している。法的手段に訴える例も相次ぐ。先月だけでも、防衛大学校の学生が上級生らからいじめ行為と暴行を受けたとして告訴状を提出したほか、陸自高等工科学校でいじめを受けて退学に追い込まれたとして元学校生が国などに損害賠償を求めて提訴している。外部から遮断された独特の組織内に構造的な問題があるのではないか。自衛隊全体の体質を抜本的に見直すべきだ。 (引用ここまで)