愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

核兵器軍事抑止力こそ平和の存在を容認するとする安倍自公政権・富山・読売新聞などメディアが振りまく抑止力論者と憲法平和主義論は一致しているぞ!論を撃ち破ることだな!

2018-02-08 | 核兵器廃絶

マジで北朝鮮の核開発を阻止し、露中の脅威を軽減することが先決か!?

「核兵器軍事抑止力」論はどっちもどっち!

日本の核兵器保有論者は核兵器保有国に何をなすべきか!

憲法平和主義・非核三原則否定の安倍政権と政府の立場を浮き彫りにした論戦をしなければ!

核兵器抑止力論に基づく平和論では未来を切り開くことはできない!

ヒロシマ・ナガサキは核兵器抑止力論で命を奪われ破壊された!

読売 米核戦略見直し/現実を踏まえた抑止強化策に 2018/2/6 8

北朝鮮は核ミサイル開発を加速させ、ロシアと中国は核戦力を増強している。安全保障環境の悪化を踏まえ、米国が核抑止力の強化に乗り出したのはやむを得まい。
トランプ米政権が「核戦力体制見直し(NPR)」を公表した。今後5~10年間の核戦略の包括的指針となる。
国と同盟国の死活的利益を守るため、核兵器以外の重大な攻撃を受けた「極限の状況」でも核の使用を検討する方針を示した
電気・水道などのインフラや軍事施設を破壊するサイバー攻撃も念頭に、様々な事態に対して核戦力を運用できる態勢を整え、抑止力を高める狙いがある
核戦力の多様化が打ち出されたのも、今回の特徴だ。
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の一部の核弾頭を、爆発力を大幅に抑えた小型核に切り替える。都市に壊滅的な打撃を与える戦略核とは異なり、小型核は局地的な攻撃に使用される。艦船や潜水艦用の核巡航ミサイルの再配備に向けた開発も始める。各地域に柔軟に展開できる利点がある。同盟国に対する米国の「核の傘」の信頼性が向上することが期待できよう。
8年前に策定された前回のNPRは、オバマ前大統領の「核兵器のない世界」の理想を反映し、核の役割の縮小に重点を置いた。
オバマ前政権は核の「先制不使用」宣言も検討した。日韓から北朝鮮に対する抑止力の低下の懸念を伝えられ、断念した経緯がある。核軍縮を米露主導で実現するという構想は、ロシアのクリミア併合後の対立激化で頓挫した。
トランプ政権は「過去のいかなる時よりも、多様で高度な核の脅威に直面している」と指摘する。ロシアは小型核で米国よりも優位に立つ。中国はそもそも核戦力の実態が不透明だ。両国のNPRへの反発は筋違いではないか。
無論、核兵器の役割は、脅威の抑止にある小型核による攻撃が全面核戦争に発展する可能性や、核使用のハードルが安易に下がる事態への懸念は残る
河野外相は談話で、「同盟国に対する拡大抑止への関与を明確にしている」とNPRを高く評価すると同時に、「核軍縮の推進に向けて、引き続き米国と緊密に協力する」と強調した。米露などの緊張緩和と安保環境の改善を通じて、現実的な核軍縮を進めることが肝要だ。北朝鮮の核開発を阻止し、露中の脅威を軽減することが先決である。(引用ここまで

 

北國・富山新聞  米・核体制見直し/北方領土、尖閣にも影響 2018/2/8

ランプ米政権が新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を発表した。日本政府は、核抑止力が高まり、日本防衛に資すると評価しているが、ロシアとの北方領土交渉や中国の圧力を受ける沖縄県・尖閣諸島防衛にも重大な影響を及ぼす可能性があることを認識しておきたい。
ランプ政権の新核戦略指針は「世界は大国間の競争に回帰した」と宣言し、核近代化を進めるロシア、中国への対抗姿勢を鮮明にした。北朝鮮の核・ミサイル開発もにらみ、低爆発力の小型核弾頭開発や海洋発射型の核巡航ミサイル再配備など、多様な状況に適合した「柔軟な核戦力」を整備して核抑止力を高めるという。
既に中国、北朝鮮の核ミサイルの射程内に入っている日本にとって、米国の「核の傘」の充実は安全保障の強化につながる。が、核兵器の役割低下を目指した前政権の方針を転換するトランプ政権のNPRは、米中ロの核軍拡競争を激化させ、日本の外交・安保戦略に波及する恐れもある。
ロシアは、核弾道ミサイル搭載の原子力潜水艦をオホーツク海に配備している。オホーツク海は対米核戦略の要といえ、その防衛に不可欠の国後、択捉両島を重視している。ロシアにとって、両島の軍事戦略上の価値は、米国の核体制見直しによって一段と高まり、それだけ返還交渉も困難になると考えざるを得ない。
また、中国は今年に入り、攻撃型原子力潜水艦を尖閣諸島周辺の接続水域に潜航進入させた。対米核戦略上、東シナ海から西太平洋に至る海域を原潜が自在に航行できる状況をめざしているとみられ、尖閣周辺海域で日本の実効支配を突き崩そうという動きが止むことはないと、あらためて銘記する必要があろう。
核拡散防止条約(NPT)は、核兵器保有を米ロ英仏中の5カ国に限って認める一方、核軍縮交渉を誠実に行うことを義務づけている。が、NPTの条文は空文と化し、NPT体制の維持も危うい状況である。各国に核軍縮交渉の義務を果たすよう訴え続けるのは、日本の役割である。 (引用ここまで


トランプ大統領の核兵器抑止力論にもとづく核兵器開発推進を打ち出す!安倍政権支持を表明!核保有国と非保有国の橋渡し役破たん浮き彫り!北朝鮮に何と言うか!?

2018-02-08 | 核兵器廃絶

唯一の戦争被爆国日本政府と安倍政権は

とうとう米国の核兵器の枠内にしか存在できないことを表明した!?

憲法平和主義・非核三原則を活かす政権とは言えない!

朝日新聞 核戦略と日本/これが被爆国の談話 2018/2/7

毎日新聞 トランプ政権の「核態勢見直し」/新たな軍拡競争を恐れる 2018/2/4

 
中國新聞 米の小型核開発/被爆国が歓迎するとは 2018/2/6

トランプ米政権が公表した新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を、日本政府が「拡大抑止力が強化される」と歓迎した。「唯一の戦争被爆国」を名乗り、核軍縮・不拡散を主張してきた政府として、いかがなものか。
核兵器の使用条件を緩和し、小型核開発を盛り込んだ内容である。日本政府が「被爆国として核兵器のない世界に向けて国際的な議論をリードする重要な使命がある」としてきた方針と整合性がないだけでなく、全くもって懸け離れている。
73年前に米国が投下した原爆によって広島、長崎は核兵器の非人道性を身をもって体験している。「ほかの誰にも同じ苦しみを味わわせたくない」と廃絶を求めてきた被爆者たちの願いとも遠く隔たっていることを、日本政府は認識すべきだ。
人類は、冷戦期の核開発競争を経て、製造、開発の過程でも多くのヒバクシャを生む核兵器は絶対悪であり、必要なのは「廃絶」だと学んできたはずだ。その延長線上にオバマ前大統領が掲げた「核なき世界」があったのだろう。
それらを全て打ち消すのが今回のNPRである。米国や同盟国が、核兵器以外での攻撃を受けた場合に、核兵器で報復する可能性にも言及している。具体的には記されていないものの、サイバー攻撃に対する反撃なども念頭にあるようだ。
トランプ政権は、オバマ政権時のNPRと比べ、国際情勢が悪化していることを強調する。ロシアや中国、北朝鮮などを列挙して「柔軟かつ多様な核戦力」の必要性を訴えている。
その一つが爆発力を数キロトンに抑えた小型核兵器の開発だというのだろう。小型核は通常の核兵器と比べれば被害が局地的になるため、「使える兵器」とも言われる。だがそれは「抑止」どころか、核使用のハードルを下げるだけであり、とんでもないことだ。
米国が核兵器を増強し、核使用を検討すれば、ほかの国が対抗策として核開発を進める言い訳にできてしまう。米国の「多様な核戦略」によって核軍拡競争が加速するのは目に見えているのではないか。
米科学誌が先月、地球最後の日までの残り時間を概念的に示す「終末時計」の時刻を発表した。昨年より30秒進めて、残り「2分」。この時計の針を遅らせる努力こそが、核超大国や同盟国に求められよう。
NPRに開発方針が盛り込まれた、水上艦や潜水艦から発射できる核巡航ミサイルは、将来的に太平洋に配備される可能性もある。日本の港湾に核が持ち込まれる可能性も否定できない。「持ち込ませず」も掲げる非核三原則に反するものだ。
NPRは、昨年採択された核兵器禁止条約について「非現実的な期待に基づく」と完全否定している。それどころか米国も加盟する核拡散防止条約(NPT)体制の柱である包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准さえも支持しない考えを明記している。日本政府はCTBT早期発効を主導し、米国に批准を促さねばならない立場であることを忘れないでほしい。
NPRは同盟国の「責任分担」も求めている。被爆国が米国の核戦力強化を支えることなど、断じて許されない。

北海道新聞  米の核見直し/廃絶の願いに逆行する 2018/2/4

トランプ米政権が、新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を発表した。
米国や同盟国が通常兵器で攻撃された場合でも、核兵器で報復することを排除しない方針を明記した。爆発力の小さい小型核や、核弾頭を搭載した巡航ミサイルの開発も盛り込んだ。
米国と旧ソ連が対峙(たいじ)した冷戦時代に針を戻すような時代錯誤の決定と言わざるを得ない。
日本政府がこの方針を歓迎しているのも理解に苦しむ。
唯一の戦争被爆国として、米国が核廃絶に向かうよう説得しなければならない。
NPRの公表はオバマ前政権の2010年以来で、オバマ氏が掲げた「核なき世界」を真っ向から否定するものだ。
見直しの背景には「冷戦終結後、最も複雑で厳しい安全保障環境に直面している」ことがあるという。具体的にはロシアや中国、核・ミサイル開発を進める北朝鮮などを「脅威」に挙げる。
しかし、核の力を強化し、脅威を排除するやり方は、他国にも核増強の口実を与え、軍拡競争をあおることになろう
小型核は敵の重要施設などへのピンポイント攻撃を想定しているようだが、核兵器使用のハードルを下げ、核戦争への引き金にもなりかねない。
さらにNPRは、国連で採択された、あらゆる核兵器を非合法化する核兵器禁止条約について「非現実的な期待に基づいている」と一蹴した。
採択を推進した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」にノーベル平和賞が贈られ、核廃絶に向けた機運が高まる中、これに大きく逆行する。
現行の核拡散防止条約(NPT)は、米国やロシアなど5カ国に核保有を認める代わりに、誠実に核軍縮交渉を行うことを義務づけている。米国はこれを忘れてはならない。
一方、河野太郎外相は、米国の核抑止力が強化されるとしてNPRを「高く評価する」との談話を発表した。
政府は、核保有国と非保有国の「橋渡し役」を自任してきたのではなかったか。
核兵器の役割を拡大させる方針を後押しすることが日本の果たすべき役割ではあるまい。
「戦争被爆国として、米国の方針に追随しないよう求める」(田上富久長崎市長)という被爆地の声に耳を傾ける必要がある。

岩手日報 米国の核戦略/際限ない軍拡が始まる 2018/2/7

トランプ米大統領は、この世界をどこに連れて行こうとしているのか。核戦争が明日にも起きそうな冷戦時代の再現ではないか。米政権が打ち出した新たな核戦略指針「核体制の見直し」にそんな怖さを覚える。
核使用のハードルを下げたことが最大の特徴だ。米国や同盟国が核以外の攻撃を受けた場合でも核で報復する可能性を排除しない。核の先制使用も否定していない。
そのために「運用」しやすい小型核兵器を開発する。懸念されるのは、海洋発射型の核巡航ミサイルの復活だ。
攻撃の機動性は格段に高まるが、通常弾頭が核弾頭と誤認されるリスクとも隣り合わせだ。核ミサイルを搭載した艦船が日本に寄港すれば、非核三原則に触れるという問題も起きてこよう。
核戦力の見直しは、米国への脅威となっているロシア、中国、そして北朝鮮の核に対抗するためだ。トランプ氏の持論である「力による平和」を体現した。
結局は、圧倒的な核戦力を持ち、世界の盟主として君臨しようということだ。その姿勢に対し、中ロや北朝鮮が素直に引き下がるとは考えにくい。行き着く先は互いに「抑止力」を高める、際限のない軍拡競争ではないか。
核のパワーゲームが再び始まる。一触即発。偶発的な核使用の危険が増す。小型核は限定的で爆発力を抑えるといっても、「使いやすさ」につながる。歯止めが利かなくなることが怖い。
人類はあの戦争で核兵器の悲惨さと非人道性を学んだはずだった。それが核軍縮を前に進める原動力となり、オバマ前大統領も「核兵器なき世界」を提唱した。
昨年は核兵器使用はもちろん、開発や保有、使用の威嚇も禁じた核兵器禁止条約が国連で採択された。トランプ政権の選択は、世界の人々のこうした願いに逆行するものと言わざるを得ない。
米国の「核の傘」に頼る日本の立場も問われよう。政府は即座に抑止力の強化を歓迎したが、考え抜いたうえでの結論だろうか
現実に北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威はある。だが、それをけん制する戦力は新指針でなければできないのか。米国は既に圧倒する戦力を持っているのではないか
一方で、核廃絶を願う世界的な潮流がある。唯一の被爆国として、核保有国と非保有国の橋渡し役を担うべき日本が米国に追随し、冷戦への回帰を後押しするような態度をとることには国内外から疑問の声も大きい。日本に続く被爆国をつくりださないために何をすべきなのか。核廃絶の理想と責任を改めて考えたい。(引用ここまで

  信濃毎日 米国の核戦略/力を振りかざす危うさ 2018/2/6

核廃絶への展望を一層見えにくくするばかりか、全面核戦争の危機さえ引き寄せかねない危うさをはらむ。米国のトランプ政権が打ち出した「核体制の見直し(NPR)」である。
米国や同盟国が核兵器以外の手段で攻撃を受けた場合にも、報復に核兵器の使用を排除しない方針を明記した。先制攻撃での使用も否定していない。
核戦略の中期的な指針として示した。オバマ前政権以来8年ぶりとなる。「核兵器なき世界」の実現を掲げた前政権の考え方を打ち消し、核戦力の増強と役割の拡大を図る姿勢を鮮明にした。戦力増強の柱は、小型の核兵器である。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する小型核弾頭のほか、新たな核巡航ミサイルを開発するという。
大型の戦略核兵器は現実には使えず、抑止力になっていないとのいら立ちが背景にある。一方、局地的な攻撃に用いる戦術核兵器は「使える核」と称される。戦術核の配備を進めるロシアに対抗して新兵器の導入が検討され、中国の軍備拡大や北朝鮮の核開発も視野に指針は策定された。
小型化により核使用の抵抗感が減ることは、意図の読み違えなどによる核攻撃の危険性を高める。たとえ局地的な攻撃であっても、相手が核保有国であれば、核による報復は避けられず、大規模な核戦争に至る恐れがある。
ロシアや中国が核戦力を増強する口実にもなり、歯止めのない軍拡競争につながりかねない。北朝鮮の核開発をむしろ後押ししてしまわないかも心配だ
トランプ政権はまた、国連で採択された核兵器禁止条約を「非現実的な期待」と批判。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准も否定している。核廃絶に向け、被爆者や市民、非核保有国が積み重ねてきた努力に冷や水を浴びせる振る舞いと言うほかない。
核拡散防止条約(NPT)は、保有国に核軍縮を誠実に進めるよう求めている。その責務をないがしろにすれば、NPTの空洞化は止まらず、核拡散は防げない。
世界が再び核戦争の脅威にさらされる事態を招いてはならない。力を振りかざし、核軍拡を進める姿勢を米国は改めるべきだ。
新たなNPRを日本政府が「高く評価」したことも納得できない。核保有国と非保有国の「橋渡し役」を担うと言いながら、米国の代弁者であり続けるなら、国際社会の幅広い信頼は得られず、被爆国としての発言力は損われる(2月6日)

 京都新聞 「使える核兵器」/危機高め容認できない 2018/2/6

核廃絶への展望を一層見えにくくするばかりか、全面核戦争の危機さえ引き寄せかねない危うさをはらむ。米国のトランプ政権が打ち出した「核体制の見直し(NPR)」である。
米国や同盟国が核兵器以外の手段で攻撃を受けた場合にも、報復に核兵器の使用を排除しない方針を明記した。先制攻撃での使用も否定していない。
核戦略の中期的な指針として示した。オバマ前政権以来8年ぶりとなる。「核兵器なき世界」の実現を掲げた前政権の考え方を打ち消し、核戦力の増強と役割の拡大を図る姿勢を鮮明にした。
戦力増強の柱は、小型の核兵器である。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する小型核弾頭のほか、新たな核巡航ミサイルを開発するという。
大型の戦略核兵器は現実には使えず、抑止力になっていないとのいら立ちが背景にある。一方、局地的な攻撃に用いる戦術核兵器は「使える核」と称される。戦術核の配備を進めるロシアに対抗して新兵器の導入が検討され、中国の軍備拡大や北朝鮮の核開発も視野に指針は策定された。
小型化により核使用の抵抗感が減ることは、意図の読み違えなどによる核攻撃の危険性を高める。たとえ局地的な攻撃であっても、相手が核保有国であれば、核による報復は避けられず、大規模な核戦争に至る恐れがある。
ロシアや中国が核戦力を増強する口実にもなり、歯止めのない軍拡競争につながりかねない。北朝鮮の核開発をむしろ後押ししてしまわないかも心配だ。
トランプ政権はまた、国連で採択された核兵器禁止条約を「非現実的な期待」と批判。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准も否定している。核廃絶に向け、被爆者や市民、非核保有国が積み重ねてきた努力に冷や水を浴びせる振る舞いと言うほかない。
核拡散防止条約(NPT)は、保有国に核軍縮を誠実に進めるよう求めている。その責務をないがしろにすれば、NPTの空洞化は止まらず、核拡散は防げない。
世界が再び核戦争の脅威にさらされる事態を招いてはならない。力を振りかざし、核軍拡を進める姿勢を米国は改めるべきだ。
新たなNPRを日本政府が「高く評価」したことも納得できない。核保有国と非保有国の「橋渡し役」を担うと言いながら、米国の代弁者であり続けるなら、国際社会の幅広い信頼は得られず、被爆国としての発言力は損われる。(2月6日)

  神戸新聞 米の新核戦略/開発競争駆り立てる恐れ  2018/2/6  

ランプ米政権が、核戦略の新指針「核体制の見直し(NPR)」を公表した。ロシアや中国、北朝鮮、イランの脅威を強調した上で、「核なき世界」を掲げたオバマ前政権の方針を大きく転換した。
その内容は、世界の核軍縮の流れに逆行し、ロシアや中国などを核開発競争に駆り立てる恐れがある。極めて危険なものと言わざるを得ない。
8年前の前回NPRでは、オバマ前政権が核兵器の役割を減らす方針を示した。
ところが新指針では、米国や同盟国が核以外による攻撃を受けた場合に核で報復する可能性を排除しない姿勢を示した。爆発力が低く「使える核兵器」とも称される小型核の開発も盛り込んだ。これらは核使用のハードルを下げる懸念がある。小さくても核は核である。核戦争につながる可能性が大きい。
疑問なのは、米国も参加している核拡散防止条約(NPT)との関係だ。条約は、核兵器の保有を米ロ英仏中に限定し、5カ国に核軍縮について誠実に交渉することを義務付けている。その中で重要な役割を果たすべき米国が、核兵器の開発を進める姿勢を打ち出すことは、NPT体制を損ねることにつながりかねない。
新指針について日本政府は「高く評価する」とした。唯一の戦争被爆国として核廃絶を訴えるべき立場であるにもかかわらず、逆行する内容を肯定する姿勢にも首をかしげる。広島や長崎の被爆者から怒りや非難の声が上がるのは当然である。
昨年は、核兵器を全面的に違法化する核兵器禁止条約が国連で採択された。条約に貢献した非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞を受賞した。政府はこうした成果や経緯を正面から受け止める必要がある
冷戦期、米国と旧ソ連による核開発競争が繰り広げられた。1962年のキューバ危機の際には、米ソ核戦争が危ぶまれた。人類が自らの手で自らを滅ぼす瀬戸際にあったとされる。
米国をはじめ核兵器保有国は、過去を教訓に核廃絶への道筋を真剣に検討しなくてはならない。核戦争の代償の大きさをもっと自覚せねばならない。(引用ここまで

高知新聞 米の核戦略転換/軍拡競争をあおるだけだ 2018/2/8

http://www.kochinews.co.jp/article/158739/

国際社会の大勢が望むのは核廃絶である。昨年7月に120カ国以上が参加し採択された核兵器禁止条約が裏付ける。その平和への願いを米国は踏みにじるのか。
トランプ米政権が核戦略の新たな指針「核体制の見直し」を公表し、核兵器の役割や能力を拡大させる方針を打ち出した。オバマ前政権が国際社会に掲げた「核なき世界」の旗を消し去り、核兵器増強へかじを切る。
「抑止力を高める」とその理由をうたい、ロシアや中国、北朝鮮を現実的脅威と位置付け、正当性を強調する。だが「核には核」という軍拡競争そのものではないか。
東西冷戦の不毛な歴史を思い起こさせる。国際社会が目指す対話と協調の流れに水を差し、緊張の時代へと逆行させかねない。大国としての抑制も、思慮も欠く。
新指針は、トランプ大統領が昨年発表した国家安全保障戦略の「力による平和」をそのまま映し込んだ内容だ。「米国第一」主義に基づき、軍事的な優位性で国際社会に君臨しようとする思惑だ。
核使用の条件を広げる。通常兵器など核兵器以外の攻撃に対する報復手段として排除せず、サイバー攻撃への反撃も想定される。前政権が「極限の状況」に限った使用制限を大きく緩める。
爆発力を抑えた小型核の開発も進め、「使える核兵器」の導入を目指す。機動性の高い水上艦や潜水艦の巡航ミサイルなどへ小型核を搭載することで、敵国への威圧を強める狙いだ。
核の先制使用を辞さない戦術核配備を進めるロシアへの対抗や、軍事的台頭が顕著な中国へのけん制、さらに米国を狙った核・ミサイル開発に血道を上げる北朝鮮への現実的な戦略を描く。核の先制不使用も否定した。
だが、核の使用拡大は敵対する国を刺激し、偶発的、突発的な衝突を引き起こす危険性を増すばかりだ。軍事的な緊張下では、常に不測の事態が起きかねない。軍事バランスの不安定化に乗じ、テロ組織への核流出も招きかねない。
米国が核戦力を強めれば、他国がひるむとばかり考えるのは大国の思い上がりでしかない。
「核の傘」に頼る日本も新指針の下に組み込まれる。日本政府は同盟国への「拡大抑止力」が強化されるとして歓迎する。北朝鮮情勢があるにせよ、被爆国として世界に呼び掛けてきた核廃絶の訴えの説得力が揺らぎかねない。
新指針は同盟国にも「責任分担」を求めた。米国が指針に基づき海洋発射型の核巡航ミサイルを導入し、艦船の寄港を求めてきた場合、日本は非核三原則を貫けるのか。
トランプ政権は世界情勢の緊張をあおり、同盟国の弱みにもつけ込みながら、米国の利益拡大を図ろうとしているようにしか見えない。国際秩序を乱すばかりだ。日本もその蛮行に追従することは許されない。(引用ここまで

愛媛新聞社説 米国の核体制見直し 冷戦時代への逆行は許されない 2018年2月8日
 
 
先人たちが積み重ねてきた、核軍縮への歩みを無に帰しかねない方針転換に憤りを覚える。
トランプ米政権が公表した新たな核戦略指針「核体制の見直し」だ。核兵器の使用条件を緩和するほか、爆発力が低く「使える核兵器」とも称される小型核の開発を盛り込んだ。「核なき世界」を掲げ、核兵器の役割低減を目指したオバマ前政権の路線からの決別は、冷戦時代へ逆行する恐れがあり、断じて容認できない。
「米国や同盟国に対する攻撃への抑止力を高める」とするトランプ氏に「高く評価する」と応じた河野太郎外相にも、強い怒りを禁じ得ない。米国の「核の傘」に頼る現状とはいえ、唯一の戦争被爆国として訴えてきた核廃絶・核不拡散の主張とは明らかに矛盾する。反発を強める広島、長崎の被爆者たちの訴えに真剣に耳を傾け、同盟国として米国の新たな核開発に歯止めをかけなければならない。
新指針は、ロシアや中国、北朝鮮などへの対抗姿勢を鮮明にし、相手からの攻撃が通常兵器やサイバー攻撃など、核兵器でない場合でも、米国が核を使うことがあり得ると明記した。核の先制使用も辞さないとする姿勢は、北朝鮮をはじめとする他国にも「抑止力」の口実を与えることになる。
現に、中国人民解放軍は最近「他国の威圧に屈しない」として、核戦力の増強方針を表明。ロシア外交筋も「米国が極東で活発に活動する限り、ロシアの軍備増強は続く」と警告する。
さらに問題なのは小型核の導入だ。潜水艦発射弾道ミサイルに搭載する核弾頭を改良、爆発力を抑えた小型核の開発を進めるという。より確実な報復方法を示すことで、敵国に安易な先制攻撃をためらわせる狙いがある。しかし、小型核は兵器を使う際の心理的なハードルを下げる懸念があり、偶発的な核戦争を引き起こす恐れも高まる。大きさは全く関係ない。世界が一致協力し、いかなる「核兵器」の使用も食い止めるべきだ。
米国はすでに世界最大の軍事国だ。さらなる軍拡を進め、自国の優位性を確保しようとする姿勢は、冷戦時代の軍拡競争を再現させかねない。「世界は大国間の競争に回帰した」とするトランプ氏の認識自体が最大の懸念と言わざるを得ない。
新指針には同盟国の「責任分担」を求める記載がある。日本は米国から一層の防衛費増額を求められる可能性がある。海洋発射型の核巡航ミサイルが太平洋に配備されれば、核を載せた艦船が日本の港湾に寄港することも考えられ、日本の「非核三原則」はなし崩しになる。
河野外相は、被爆地の長年の訴えを無視する姿勢を直ちに改め、米国の新指針に反対するべきだ。核兵器禁止条約に加わらなかったことも含めて、日本には国際社会から厳しい視線が注がれている。今こそ核保有国と非保有国の「橋渡し」の役割を果たさなければならない。(引用ここまで
 
 
世界を冷戦時代の核軍拡競争に逆戻りさせるつもりなのか。
トランプ米政権が先週末、新たな核戦略指針を公表した。「核なき世界」を追求したオバマ前政権の理想主義を完全に放棄し、「力による平和」を信奉するトランプ大統領の攻撃的な安全保障観を投影した内容となっている。
指針の中で大きな問題点の一つは、核の使用条件の緩和だ。
核の使用を「死活的利益を守るための極限的状況」に限定した前政権の方針を踏襲しながらも、「市民やインフラへの重大な非核攻撃」を受けた場合も含む‐として、核の使用条件を緩和した。つまり「核でない兵器で攻撃されたとしても、核兵器で反撃するかもしれないぞ」という威嚇である。
指針には爆発力が低い小型核の開発も盛り込まれた。米国の保有する核兵器が強力で市民への被害が大き過ぎるため、事実上使えなくなっている現状を補完する目的である。「使える核兵器」を持ちたい、ということだ。
こうした米国の新戦略が念頭に置いているのは、とりわけロシアである。戦術核兵器の戦力で米国より優位に立つロシアに対し、同等の対抗手段を保持することで抑止を図る狙いとみられる。
危険な発想だ。仮に米国が限定的な紛争の鎮圧のために小型核を使ったとしても、相手の誤解や恐怖を呼び起こし、大国同士の全面的な核戦争に発展する可能性が高まる。そうなれば世界の破滅だ。
また、米国が核戦力を増強すれば、それがロシアや中国を刺激し、核大国間の軍拡競争に発展するのは目に見えている。冷戦後の核軍縮の努力を御破算にし、世界に不安定と恐怖をもたらす誤った戦略と言わざるを得ない。
河野太郎外相は新戦略公表を受けて「高く評価する」との談話を出した。唯一の戦争被爆国として「核廃絶」を掲げているはずの日本政府が、核使用を緩和し核軍拡を招く新戦略を評価するとは、本末転倒もいいところだ。せめて核軍縮に関してぐらいは、日本外交の自主性を発揮できないものか。(引用ここまで
 
 沖縄タイムス 米の新核戦略/軍拡競争を招き危険だ 2018/2/8
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/206752
トランプ米政権は新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を発表した。
新指針は、核兵器の使用条件を緩和したことと、爆発力を低く抑え「使える核兵器」として小型核の開発を盛り込んだことが特徴だ。
核兵器使用の敷居を下げ、核軍拡を招きかねない内容である。 
新指針は、通常兵器による攻撃を米国や同盟国が受けた場合、核兵器による報復を排除していない。基幹インフラへのサイバー攻撃に対する反撃にも拡大する。
オバマ前政権が検討した核兵器の先制不使用も「妥当でない」と否定した。
さらに敵国の重要施設などへのピンポイント攻撃を想定し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する小型核を開発するとしている。
見直しはロシアや中国、核・ミサイル開発を進める北朝鮮、イランを名指しし、「米国は冷戦終結後、最も複雑で厳しい安全保障環境に直面している」ことを理由に挙げる。
名指しされた中ロはすぐさま反発した。
「安全保障のジレンマ」で、冷戦時代に逆戻りし、際限のない軍拡競争に突入するのは目に見えている。
核兵器使用のハードルが心理的にも低くなり、「使える核兵器」が現実のものとなれば、報復の応酬で核戦争の恐怖に襲われる世界が出現することになる。
核兵器は壊滅的な被害をもたらす。非人道的で「絶対悪」の兵器である。ヒロシマ、ナガサキの悲劇が物語っていることだ
新指針はトランプ大統領の「力による平和」を反映したものである。
「核なき世界」を掲げて核兵器の役割を減らすことを目指したオバマ前政権時代の2010年方針からの大きな転換である。
国連に加盟する圧倒的な国・地域が賛成して昨年7月に採択された核兵器禁止条約は核兵器の使用や開発、実験、製造、保有のみならず「使用をちらつかせる脅し」も禁じている。新指針は「非現実的な期待に基づいている」と同条約を否定。あらゆる核実験を禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT)批准も支持しない考えを明記している。
世界が求める核軍縮の流れに逆行し、核保有国に核軍縮交渉を義務付けている核拡散防止条約(NPT)を形骸化させるものである。核開発や核拡散を巡り、世界を不安定化させる懸念が広がる。
日本が米国の「核の傘」の下にあるのは現実だが、人類史上初の戦争被爆国として、核廃絶に向けて国際社会の先頭に立つ責務がある。
河野太郎外相が新指針を「高く評価する」と談話を発表したのは被爆者の心を踏みにじるものというほかない。
日本は核兵器禁止条約にも参加していない。米国の危険極まりない新方針にブレーキをかける努力をするのが被爆国として役割ではないのか。日本が主導して国連で採択されてきた核兵器廃絶決議の賛成国が昨年は減少した。「米国追従」だけでは国際的な信用を失うばかりだ。(引用ここまで
 
国際的な核軍縮の潮流に逆行した愚かな決定だ。
トランプ米政権が新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を公表した。核兵器の使用に道を開く内容で、「核なき世界」を目指したオバマ前政権の方針を大きく転換した。
世界を核戦争の恐怖に導くもので、危険極まりない。これを歓迎する日本政府の姿勢も疑問だ。両政府を厳しく批判し、再考を強く求めたい。
新指針は、核以外の通常兵器やサイバー攻撃を受けた場合の報復にも核を使うことを盛り込んだ。核の先制不使用政策も否定した。
さらに、小型核の開発も明記した。従来の核兵器は爆発力が強くて使いづらいため、爆発力が低く現実的に使いやすい核兵器が必要だと主張する。具体的には、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する核弾頭などを指す。
中国やロシア、北朝鮮の脅威を強調した上で、核兵器の役割を評価し、核使用のハードルを下げる。あたかも際限のない核軍拡へ突き進む宣言のようだ。時計の針を冷戦時代に逆回しする思考は容認できない。
新指針は、核廃絶を「非現実的」と指摘し、昨年7月に採択された核兵器禁止条約についても「非現実的な期待に頼っている」と批判した。
核兵器禁止条約は核の開発・保有・使用を全面禁止する初の国際法だ。悪魔の兵器を拡散させず、核依存の安全保障政策から脱却したいと願う国際世論を背景に生まれた。
推進役となった「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」にノーベル平和賞が贈られたのも、その土壌を受けたものと言えよう。
これに背を向け、核兵器が戦争を抑止するという「核抑止論」に固執することこそ、倒錯した思考ではないか
米国による核攻撃の恐れが増すことで、むしろ、他国も同様に核の増強に踏み切る危険性が高まる。世界情勢の不安定化を招き、軍拡競争の連鎖に陥ってしまう。
核拡散防止条約(NPT)は米ロ英仏中の5カ国に核保有を認める代わりに、核軍縮交渉を義務付けている。米国がその努力を放棄するのは無責任であり、許されない。
日本政府の歓迎姿勢にも大きな疑問が残る。河野太郎外相は新指針を「高く評価する」と肯定した。唯一の戦争被爆国とは思えない発言だ。
日本は核保有国と非保有国の橋渡し役を務めると明言しているにもかかわらず、米国の核方針転換に追随した。言葉と行動が伴わず、国際社会からの批判も強まろう。
核禁止条約への交渉不参加に加えて、またもや被爆者を裏切る行為だ。
日本は核廃絶を促すべき立場にある。米国に対して軍縮を進めるよう毅然(きぜん)と忠告する役割こそ求められる。
日米両政府とも核抑止力に溺れるのではなく、その呪縛からいち早く脱却すべきだ。(引用ここまで