迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ニッポン徘徊―中山道73の2 福島関所跡•福島宿

2014-05-11 22:20:43 | 旧中山道
“天下の四大関所”と称された福島の関所は、江戸初期より木曽代官の山村氏が世襲で守護にあたり、特に「女改め」と「鉄砲改め」に重点をおいて、取り締まっていたそうです。

つまり、“入り鉄砲に出女”というわけです。

山村氏のことは「夜明け前」にも、抗い難い地方権力の象徴として、たびたび登場します。

しかし、そんな彼等が代々守護してきた関所も、明治2年に宿駅制度が廃止されると、すぐに取り壊されました。

敷地跡は、そんな権力喪失後の虚しさを、現在に伝えています(上段写真)。


さて、関所を過ぎて池井坂と云う細い坂を下った先が、福島宿。



しばらくは↑のように、旅館や商店が賑やかに続きますが、途中で枡形に左折して横宿に入り、醸造メーカーの前を過ぎると、右折して上り坂に。

坂を上りきると高札場、ここで左折した先が、“上の段”。

その名の通り、丘の上に古えの宿場の雰囲気が、やや観光地化されて残っています。

上の段を抜けると緩い下りと坂となり、再び枡形が続くのは、



敵の襲来から、本陣を守るための工夫です。

中山道が整備された1600年代は、まだまだ戦国時代の気風が濃厚だった、その名残といえます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニッポン徘徊―中山道73の1... | トップ | ニッポン徘徊―中山道74の1... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。