「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

    久間防衛大臣の適格性

2007-07-01 05:25:26 | Weblog
久間章生防衛大臣がまたぞろ”失言”した。彼は今年1月「ブッシュ大
統領のイラク戦争開戦判断は誤っていた」と長官(当時)としては、首を
傾げたくなる発言をしている。あの時も世論から叩かれ”今後昔のこと
は言いません”とテレビで言っていたのを覚えている。

久間氏は評論家でも歴史学者でもない。防衛大臣という重責にあるの
だから、誤解を生むような発言は控えるべきなのだ。”広島、長崎の原
爆投下は、戦争が終ったという頭の整理から今は仕様がない”-という
今回の発言も全体からみれば解からないでもない。しかし、防衛大臣と
しては許せない。まるで米国の原爆投下の是認ともとられる。

国立オランダ戦史館が日蘭修交400年記念に発行した本には、久間大臣と
類似の論文が載っている。"原爆投下は人類全体の平和のためによかった。
日本人は”なぜ広島、長崎の原爆被害のことだけを騒ぐのだ”という論旨で
ある。欧米の歴史学者のなかには、このような歴史観が多い。

久間大臣は長崎県出身である。その大臣が”失言”とはいえ米国の"悪行”
を是認するともとらえられる発言をされては困る。長崎市の地元では一部
の原爆資料館の展示物に相応しくないものがあり、これを是正すべきだ、と
いう運動がある。大臣の発言は、相応しくない展示物の影響を受けている
のではないだろうか。

いずれにしても”失言”を繰り返す人物は大臣として適格ではない。