「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        柏崎原発の"風評被害”

2007-07-24 05:36:56 | Weblog
これだけ情報社会なのに依然"風評被害”があとを絶たない。中越沖地震でも
そうだ。地震被害も出ていない寺泊海水浴場はシーズンを前にキャンセルが続
出しているという。知事まで漁港に赴きサカナの安全宣言までしている。これは
どうやら地震直後の国や東京電力の対応の拙さからきていると思う。

地震直後テレビで柏崎原発の変圧器の火災の黒煙が映し出された。しかし、こ
れは原子炉とは直接関係ない施設で、原子炉本体は地震と同時に稼動をストッ
プしたことを知り安心した。もともと僕は国の原子力安全政策に万幅の信用を置
いている。置いていなければこの国には住んでいられない。

問題はその後の国と東電の対応である。原子炉本体に異常がないから安心した
のであろうかー。変圧器の消火に2時間もかかり、原子炉が止まったから問題な
いとみたのか、プレス・レリースも遅れている。さらに発表した数値に誤りがあり、
訂正している。非常時なことは解るが、まず必要なのは漏洩した放射性物質の数
値がまったく地域住民や付近の農水産業に影響ないことを明らかにすべきだった。

日本人は「原子力」にセンシティブである。国の原子力安全保安院や東電の専門
家にとっては、まったく問題がなくても、一般庶民にとっては”数値”の安全性では
なくて、放射性物質の”漏洩”である。IAEA(国際原子力機関)の調査など必要ない
事故だが、"風評被害”の拡散防止には役立つだろう。