「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      宮本賢治元共産党議長の死

2007-07-19 05:47:38 | Weblog
共産党というと、僕らの世代の中には"火炎ビン"闘争を想い出す人が多い
のではないだろうかー。都会の駅前で”火炎ビン”を投げつけ、武力闘争で
政権を奪取するーといった政策だったようだ。”ようだ”というのは、当時僕
は"ノンポリ"学生で、政治には関心がなくマージャンなど遊びに忙しかった
からだ。従って、宮本元議長がどう"火炎ビン”闘争にかかわりあっていた
かは知らない。

"ノンポリ"学生の僕が改めて関心を持ったのは、戦前、共産党が非合法時
代に宮本元議長と同じように旧制高校ー東大というコースを経て共産党に入
党した地方の"秀才”が沢山いたことである。マルクス主義の「マ」もかじった
こともないし、戦前子供だった僕にはなぜ、"秀才”たちが共産党に魅せられ
たのかは解からない。

僕がインドネシアでお世話になり昨年なくなったN氏も宮本元議長とほぼ同年齢
の明治44年生れ、旧制一高時代に共産党に入党、警察に何度か逮捕されたあと、
当時の蘭印に”追放”された。運命のいたずらかN氏は、戦後インドネシアの独
立宣言の起草に関与した。

晩年のN氏から推測すると、昭和初期に学生だった”秀才”たちは軍靴の高鳴り
に焦燥を感じる一方「共産革命}に文字通りバラ色の夢を抱いていた純粋の青年
だった気がする。戦後になってソ連邦が解体し、東西の冷戦が終息するとは”秀
才”たちも想像できなかったと思う。歴史の予測などはできないものだ。