「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        大相撲の人気の衰退

2007-07-03 05:38:20 | Weblog
大相撲名古屋場所を前にして新弟子受検者がセロだった。これは
大相撲開闢(かいびゃく)以来とのことだ。双葉山の69連勝時代
の大相撲の隆盛期を知っているオールド・ファンにとっては寂しく、
嘆かわしい次第だ。

あの時代、大相撲は春場所(1月)夏場所(5月)年2回興行だった
が、両国の旧国技館は初日から連日、超満員で初日などは徹夜
で客が待つほどの盛況であった。当時小学生だった僕らも場所中
はもっぱら話題は「相撲」で、夕方外で遊んでいても相撲放送が始
まると家に帰り、ラジオにかじりついた。

大相撲の不人気はやはり外国力士の”導入”にある。名古屋場所
の番付をみると、東西の横綱がモンゴル力士、大関を含む三役力
士が7人中3人、十両以上の関取はなんと12人もいる。大相撲は国
技である。古い石頭でいえば、大相撲は”国際化”すべきではなか
った。大相撲はただ強いだけではなく、いわれぬ日本の”伝統美”
があったが、これが壊されてしまった。

大川端に響く櫓太鼓、江戸八百八町へ歩いてまわったふれ太鼓など
には、浮世絵的な江戸の情緒があった。外国人力士が角界入りして
以来、協会は、このような伝統美をおろそかにしてきたのではないだろ
うかー。ただ勝つために”とんだり、はねたり””八艘跳”の奇手やショ
ッキリまがいの仕切りを是認している。

敗戦直後、歌舞伎の危機があった。しかし、関係者の努力で頑固に伝
統を守りとおした。こと相撲に関しては、ぼくは”攘夷”派で、外国人は
ご遠慮願ったほうが好いと思っている。