「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         大山鳴動? 消えた年金

2007-07-16 05:03:49 | Weblog
”国民の皆様がコツコツ納められた年金は必ずお返しします”-と参院
選を前にして安倍総理はオウムのように獅子吼する。その矢先「年金記
録確認第三者委員会」が申請のあった15件について、判断基準方針が
公表されてから僅か数日で審査して発表した。選挙目当てと勘ぐられる
ような手際のよさだ。

記録訂正が認められた15件のうちの事例の一つをみた。「国民年金を
40年間1度も未納しなかったが、1か月だけ未納だった」というケース
である。申請者には悪いが、5,000万件の「消えた年金」の中の一つ
の”復活”ケースとしては・・・・という感がないでもない。審査がOKでも
受領者の年金額にはほとんど、はねかえらない。

「消えた年金」問題は5,000万という数字に国民が驚き、惑わされてい
る嫌いもある。社会保険庁のずさんさから、こんな巨大な数字が国民の前
にさらけ出されたが、実際の被害者はこの数字の何百分の一か、何千分
の一以下にすぎないと思う。それでも、あってはいけない問題だが、果たし
て国論を二分までして争うような問題なのだろうかー。

この問題は”5,000万”という数字を国民の前に出す前に、その実態を
まず調査して対処すべきであった。「第三者委員会」への再審査請求数は、
現在283件、今後地方の「第三委員会」が動き出しても、そんなに大きな
数とは思えない。大山鳴動してもの感じがする。今回の問題で、国民の年
金への関心が高まったのはプラスだったが。