「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      幸せは「きずな白書」で

2007-07-02 05:23:41 | Weblog
凶悪な犯罪があまりにも多すぎる。テレビで裁判の判決ニュースを
みても、そんな事件があったのかと思うほど次々に起きている。それ
も子供が親を殺したり、夫が妻を殺す家族内の犯罪である。1950年
代、僕が「事件記者」だった頃は"殺し”などめったになかった。

平成19年度の国民白書は「つながりが築く豊かな国民生活」である。
家庭、地域、職域の三つ場での”つながり”が希薄してきた社会現
象に焦点をあてて、それが個人や社会に与える影響を分析している。

希薄化現象は、残念だが確かに僕の周辺にも起きている。いつ頃から
始まったのだろうかー。バブル期以前の気もするが、決定的にしたの
は、やはり日本全体がカネに浮かれていた、この時期に加速化されて
きた。

戦前の日本の社会は、互いにつながりがあり、親しみがあった。例
えば、家族がそろって食事をとるのは当たり前であった。お祝いごと
があると、家でつくった赤飯やちらし寿司などを重箱にいれて近所に
配ったものだった。正月の年始参りは隣近所だけでなく、勤めの上司
同輩の家へも出かけた。

社会全体が忙しくなり、複雑になってきた。そして、社会全体のつなが
りが薄くなり、自己中心主義となった結果、お互い同士の温かみがなく
なり、助け合い精神がなくなった。犯罪の増加だけではない。老人の
”孤独死”なども、つながりの欠如からきている。国は「白書」で現象を
指摘するだけでなく、暖かい施策を望みたい。