「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       盧溝橋事件70周年と小国民

2007-07-08 05:08:05 | Weblog
盧溝橋事件が突発した昭和12年7月7日、僕は小学校に入学してまもなく
の1年生であった。2.26事件についての記憶はあるが、盧溝橋が起き
た日の事はまったく覚えていない。当時は子供だけではなく、大人もこの
事件をよくある日中の小競合いぐらいにみていて、これがその後大東亜戦
争にまで拡大し、7年間も戦火が続くとは予想もしていなかった。

7月7日は「七夕」祭りだが、この時代の”銃後の小国民”世代にとっては
「七夕」よりは、盧溝橋事件をきっかけに発展した日支事変のほうが思いが
こい。今年で70周年、現地では記念式典が行われ、今年も付属の記念館
には日本軍の”残虐”を示す展示物を見に1万人が押し寄せたという。

僕ら世代は日支事変というと、この軍歌を思い出す。
      ◇「日本陸軍」(作詞大和田建樹 作曲深沢登吉)
     天に代わりて不義を討つ 忠勇無双の我が兵は
     歓呼の声に送られて 今ぞ出で立つ父母の国
     勝たずば生きて還らじと 誓う心の勇ましさ
この軍歌は明治時代の作詞作曲の歌だが、歌詞の内容から日支事変が
始まると出征兵士を送る歌になった。銃後の小国民は日の丸の小旗を振
りながら出征兵士を駅まで送った。今ではこの軍歌を知る日本人も少なく
なり、駅頭でのあの情景も過去のものとなった。

「日本陸軍」と対の歌「日本海軍」(作詞大和田建樹 作曲小山作之助)が
ある。日露戦争前の日本の軍艦の名をすべて織り込んだ歌だそうだが、
残念ながら僕は知らない。最近、僕はこの歌が現在、北朝鮮で「朝鮮人民
革命軍」(作曲 金日成)となって広く歌われているのを知った。JASPAC
(日本音楽著作権協会)が過去50年間の違反を訴え、30億円を要求して
いるが返事がないそうだ。

結論として、何が言いたいのかー。日本人は好しにつけ、悪しきにつけ
て非常に忘れっぽい国民だということだ。