「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        図書館と出版界の衰退

2007-07-14 05:46:36 | Weblog
知人から調べごとを頼まれたが、関係の本が家にない。”焚書”にしたい
ほどの本などで買うのはバカらしい。多分図書館にはあるだろうと家人に
話をしたら、小六の孫がインターネットで即座に調べてくれた。翌日には、
近くの区の中央図書館から借り出すことが出来た。

出版界の衰退がいわれてから久しい。これは最近の図書館の充実とサービ
スと関係があるのだと思う。つい30年ほど前には、町の場末に貸本屋があっ
たような気がするし、新刊の本や月刊誌を巡回で配達してくる業者もあった。
僕もこれを利用した記憶がある。

わが家の近くに数年前建てられた図書館は、施設もよくサービスも好い。た
まにお世話になるが、朝早くから館内は利用者で一杯である。そのほとんど
が僕らと同じリタイヤー組だが、中には若い人もいる。ここだけではないようだ。
親友の一人も散歩をかねて図書館通いを毎日の日課としている。

出版界の景気が悪くても日本人の活字離れはそれほど進んでいない気がす
るが、どうなのだろうかー。都会では住宅事情から書架のスペースがなく、どう
しても、必要な本は買うが、昔のように○○全集や△△辞典を揃えて書間に
おく時代ではなくなってきた。

戦争の後半になると、書店から娯楽本が消えた。敗戦前後は食糧と同様、活字
にも餓えた時代があった。少年だった僕らは、便所の落とし紙に使っていた古雑
誌をむさぼるように読んだ記憶がある。新聞社も各社が共同でペラ1ページの新
聞を発行していた時代である。