「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              秩父の夜祭り(1)

2007-12-03 05:02:33 | Weblog
京都の祇園祭、飛騨の高山祭とならんで秩父の夜祭は日本三大曳山祭の一つで、
国の重要民族文化財だ。前から一度行きたいと思っていたが、近所の知人に誘わ
れて、きょう3日見に行く。祭りは4日午前0時すぎまで続くとのこと。その模様は明日
のブログで紹介したい。

日本の祭りというと、普通は夏、秋の季節のよい時だが、秩父の夜祭は12月の寒い
しかも真夜中に行われる。何故なのか、僕は疑問に思い調べてみた。理由はやはり
日本の神事が農業に関係があるように、農事とつながりがあった。「秋蚕仕舞うて麦
撒き終えて秩父夜祭」なのである。

秩父地方は「秩父銘仙」でも有名なように昔は名高い"養蚕王国”であった。この地方
では年に5回蚕の掃き立て行われるが、晩秋蚕の作業が終了するのが11月中旬すぎ、
ちょうど、この頃には小麦の種撒きも終わる。これから本格的な冬を迎える前の農民に
とって、この時季ははほっと一息つける頃なのだ。

今や、その養蚕も小麦も日本の農業ではマイナー的存在になってしまった。小麦の90㌫
近くは外国からの輸入に頼り、養蚕も化繊や外国からの安い絹に押され、生産農家は
ほとんどなくなった。これも時代の流れである。しかし、逆に夜祭は寒い冬の行事として
近年人気が出てきた。何事も発想の転換である。