「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      ”オイル・マネー”と”オイル危機”

2007-12-08 06:46:47 | Weblog
昨夕"オイル・マネー”でリッチなUAE(アラブ首長連邦)の独立36周年の
の祝賀パーティに招かれ、末席を汚した。会場の帝国ホテルの大宴会場
は皇室関係者から共産党委員長まで、幅広い招待者で一杯。原油価格の
高騰による”油断”への関心の強さか”オイル・マネー”で”一儲け”しようと
いう思惑なのかー。

僕は45年前、この国が英国の保護領で「休戦海岸」(Trucial coast)と呼ば
れていた頃、主都ドバイを訪れた。砂漠の中、空港もホテルもなく、もちろん
高層建築などなかった。ところが、今や世界一高層のホテルが建ち、中東
一のハブ空港が出現した。そして、セレブな観光地に変身した。

この国の急成長は20世紀の"奇蹟”ともいえよう。21世紀に入ってからも成
長は続き、2000年ー2005年の5年間の平均GDP成長率は13・4%。そしてこ
の成長の”牽引”は、オイルだけでなく観光、建設、金融サービスである。”石
油”以降の国家グランド・デザインを描き、本年4月発表された今後3年間の
GDP成長率目標も11%としている。UAEの推定石油埋蔵量は978億バレルあ
り、枯渇するのはまだまだ先である。

原油価格の高騰で、わが国の石油レギュラー店頭値段も1㍑あたり154・9円、
灯油も96・4円と高値を更新続けている。第一次オイル・ショックの経験を踏ま
えて、当時とは比較できないが、石油危機であることには変わりがない。

宴会場の一角に設けられた遊牧民のテントの中で、アラブ茶と乾しなつめをご
馳走になりながら、45年のUAEの高度成長と、化石燃料に依存している、わが
国の国家としてのグランドデザインは果たして大丈夫なのか、余計な心配をした。