「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         気配り、思いやりを忘れた日本人

2007-12-10 06:09:13 | Weblog
先日のある新聞のコラムに欧米では電車内で乗客同士が少しでも身体に触れると
「エクスキュウズ・ミー」と声をかける。だが、日本では黙ったまま、これが最近のギ
スギスした車内の雰囲気を作っている。日本でもこれに似た便利な言葉があれば、
と書いていた。

コラム担当だから若い記者だとは思わないが、日本にも昔から”すみません””ごめ
んなさい””失礼”といった言葉がある。少なくと僕ら昭和一桁以上の世代は、その場
に応じてこの便利な言葉を使っている。コラム子の世代が使用しなくなっただけだ。

気配り、思いやりは昔から日本人の美徳であったが、残念ながらこれが失われかけ
てきた。車内でよく見かける風景だが、混雑した車内で、一人でも多くの人に座って
もらおうと、おばあさん世代が席をつめているのに、若い世代は大股拡げてケータイ
に夢中になっている。降車寸前にあわてて黙って他人を押しのける無作法者はたい
ていイヤホーンをつけている。他人のことなど知らん顔なのだ。

気配り、思いやりが失われてきたのは、われわれ老人世代の責任でもある。きちんと
次の世代へ教えなかったからだ。今からでも遅くない。僕は電車やバスの優先席に
は率先して座ることにしている。僕ら世代は自分より年寄がくれば、席を譲るが、若い
人の中には優先席でも立とうとしない。”いやがらせ”と見えるかもしれないが、まず
は率先励行である。坂本九の歌ではないが、態度で示すのが大切なのだ。コラム子
も古来からある日本語を使ってみてはいかが。