「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         台湾からの義理堅い年賀状

2007-12-27 06:22:42 | Weblog
台湾の陳さんから今年も早々と年賀状が届いた。「恭賀新年 佳節愉快 諸事順利」
といった市販の立派なカードに「より良い新春をお迎えまります様お祈りしております。
皆々様の御健康万事如意を心からお祈り致します」と日本語で添え書きされていた。

実を言うと、僕は失礼だが即座に陳さんの顔が浮かばない。10年ほど前スマトラ第二
五軍司令部の戦友会が東京で開かれた時、これに出席していた陳さんともう一人の
林さんと初めて会った。戦争中二人は日本軍の兵士として従軍していた。その後僕は
林さんとは観光旅行の際、台北で会っているが、陳さんとは会えなかった。

僕は開発途上国からの研修を手伝っていた関係で、アジア、アフリカの研修員の知り
あいが多い。しかし、毎年かかさず年賀状を頂戴しているのは、この台湾の二人だけ
だ。世話をした一、二年は頂くが長続きはしない。

陳さんも林さんも台湾では「多桑」(父さん)世代と呼ばれる、日本統治時代に生れ、
「日本人」として教育を受けた方々である。林さんの名前は大正。大正生れである。
頂く手紙は僕の孫より立派な日本語である。僕は二人から年賀状を頂くたびに、今
の日本人が忘れかけた義理固さに感心し、反省するばかりである。”多桑さん”世
代も10数年もすればいなくなる。せっかくの日台のこのよい関係も次世代も引続い
てもらいたいものだ。