「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        乳母日傘(おんばひがさ)の政治家

2007-12-23 06:37:14 | Weblog
韓国の大統領に当選した李明博氏は苦学力行の苦労人だという。これに関連して
NHKラジオの「新聞を読んで」という番組で出演者が日本の政治家は乳母日傘だと
李明博氏と対比させていた。乳母日傘とは三省堂の慣用句辞典によると「乳母が
世話を焼いたり、日がさせば日傘を差しかけたり故意に過保護な育て方をすること」
とある。転じて”世間知らず”という意味もある。

日本の政治家が全部が全部”乳母日傘”だとは思わないが、例えば今の内閣をみる
と、18閣僚のうち福田総理を初めてとして8閣僚が世襲、他の2閣僚も父親が地方議
員である。政治家としては"乳母日傘”で育てられてきている。そのせいか永田町や霞
ケ関のことには詳しいが、国民の気持ちからの乖離がみられる。言ってみれば世間知
らずだ。

新テロ特措法案をめぐる国会審議は足踏みしたまま。年金問題など難問が山積してい
る。臨時国会が再延長され14年ぶりに越年する異常事態だ。それなのに与党も野党
もUFO(未確認飛行物体)の有無論議をしている。さすがに”いい加減にしてくれ”という
意見もでてきた。

昨夜、NHK テレビが「年金問題」の特番を放送していた。升添労厚相の言葉を借りれ
ば”想定以上”の混乱である。少子高齢化からくる構造的な不安ではなく、事務方の怠
慢によるものである。このままでは国民が老後の生活に不安を持つのは当然である。
"乳母日傘”の政治家は、老後の不安などないからからか、与党も野党も「年金」の根
本的解決を考えず、政争の具に使っているとしか思えない。