「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          湯たんぽが売れています

2007-12-14 06:09:55 | Weblog
友人の経営するドラグストアの店頭で赤い色のプラスティック製の湯たんぽが
売られていた。友人の話では、この冬はお年寄を中心によく売れている。多分
原油高による灯油の値上がりで、夜間、石油ストーブの代わりに湯たんぽを使
う人が増えているのではないかという。

僕らの世代には、湯たんぽは炬燵(こたつ)、行火(あんか)と並んで懐かしい。
湯たんぽの「たんぽ」は湯婆(tanpo)と書き,その起源は中国だそうだ。すでに
室町時代には日本に渡来していたという記録がある。子供時代に使った湯た
んぽはねずみ色したブリキ製で、それぞれの家庭で火傷をしないよう、自家製
の布のカバーをつけていたが、それでも一度や二度、火傷をした苦い想い出が
あるものだ。

あんかは「行火」と書くそうだ。もともとは旅行用のこたつだったそうだが、僕ら
の子供時代には就寝時の炬燵がわりに使っていた。黒い陶器製で、中に木炭
や炭団(たどん)豆炭(まめたん)などを入れていた。炭団は炭の粉を丸めて作っ
たおにぎり状の燃料、豆炭は炭団より形は小さく円盤状で火力が強かった。

都会では昔ながらの家屋が減り、戸障子を使わなくなった。”すきま風”の寒さ
も昔語りになった。部屋の中の暖も電気炬燵が多くなったが、石油ストーブの家
も多い、石油情報センターの最近の発表では、灯油1缶(18㍑)は1755円と6週
連続値上がりしている。北海道のような寒冷地とは違うが、やはり灯油の値上が
りは家計を直撃している。独り暮らしの老人などは湯たんぽで自己防衛しなけれ
ばならない。