「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      捕虜収容所のメリー・クリスマス

2007-12-24 06:52:48 | Weblog
「戦場のメリー・クリスマス」(1983年日英など合作大島渚監督)をDVD
で見た。戦争中ジャワ(インドネシア)の山中の連合軍捕虜収容所を舞
台にした日本軍兵士と捕虜との人間的確執とおかしな友情を描いた作
品で、その年のカンヌ映画祭の候補ににも上った。また、ビート・たけし
や坂本龍一が俳優として登場、話題にもなった映画である。

僕は映画評論家ではないが、この種の自虐的反日映画はいくら作品が
高く評価されても好きではない。なぜこんな映画を日本人が製作するの
か真意がわからない。日蘭400年記念の2000年、僕はアムステルダム
の国立博物館で開催中の戦争展を見たが、一方的な反日展示物に驚
き怒りを感じたが、考えてみると戦争はそんなものだ。

「戦場のメリー・クリスマス」の原作は連合軍捕虜の体験だから、反日的
になるのは当然だが、なぜこれを日本人が映画にし"残虐性”を必要以
上に強調するのかー。狂気の時代とはいえ映画にあるようなシーンはあ
りえない。

戦争中の昭和19年12月25日、釜石捕虜収容所所長だった稲木誠少尉は
捕虜たちのためにクリスマスを祝うことを許した。すでに東京などの大都市
では米軍の空襲が始まっていた。とても当時としては考えられないことだ。
翌20年7月、連合軍は釜石を艦砲射撃し、防空壕に避難していた捕虜32人
が犠牲になった。戦後稲木少尉は、この責任を問われ横浜BC級裁判で5年
の刑を言い渡され巣鴨刑務所に服役した。

戦争は不条理であり。一面的なものではない。一方的な”南京大虐殺”の
映画が話題になっている。”戦場のメリー・クリスマス”を見て、一部日本人
の脳天さにハラがたった。