「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           ラスクと五家宝

2008-05-13 06:25:23 | Weblog
先日、友人の奥さんから”「日本一美味しい」ラスクです”とお土産を貰った。
他人にプレゼントする時の言葉としてはオーバーな気がしたが、ラスクの袋
には「合言葉は日本一美味しい」と印刷してあった。多分ネットで取り寄せて
くれたものだが、しゃれている。味が日本一であるかどうかは確かめようがな
いがキャッチフレーズは日本一だ。

幼かったときの原風景である。”カチカチボンボン”と鳴る柱時計の横の茶箪
笥の手の届かない上に赤いラスクの四角いブリキの箱が載っていた。戦争が
始まっても、まだ物があった時代の想い出である。当時の東京のサラり-マン
家庭ではビスケットとならんでラスクが”三時のおやつ”としてかなり普及していた。

ラスク(rusk)は欧米では幼児の離乳時にミルクに溶かせて食べるお菓子だと
いう説もあるが、一方ではガーリックなどをつけて食べるビールのつまみでも
あるようだ。が、その発祥は古くなり、固くなったパンの有効利用ではなかった
のではないだろうかー。

わが国でも干飯(ほしい)を利用した伝統のお菓子がある。関東地方では熊谷、
加須(埼玉県)などの名物「五家宝」である。水戸では「吉原殿中」と呼ぶ。どちら
も発祥は干飯のようだ。昨日、老妻が秩父へ日帰旅行で行き土産に「五家宝」
を買ってきた。「ラスク」も「五家宝」も素朴な味だ。食糧自給率が40%を割ったと
のこと。古くなったパンや干飯にも目をむけよう。少し考えすぎかな。