「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       アフリカ援助は慎重に頼みます

2008-05-22 05:57:24 | Weblog
この28日から横浜で始まるTICAD(アフリカ開発会議)を前に福田総理が
対アフリカ援助を2012年までに倍増すると発表した。TICAD向けの”打上
げ花火”とは思うが、国内の政治が停滞している、この時期に遠いアフリ
カへの援助倍増といっても国民の理解は得られるだろうかー。それより数
年前の”ムネオ"議員の時を想起し、また汚職の温床造りかと疑いたくもな
る。

この決定はODA(政府開発援助)の戦略的対応を話し合う「海外経済会議」
のあと行われたものだが、政府の財政諮問機関「財政制度審議会」ではOD
Aの従来通りの削減をもめている。それに反し"特例”としてアフリカの援助
倍増が決まったわけだから"戦略”的に重要なのだろう。

政府の援助計画は、道路を中心としたインフラ整備、コメの生産倍増、母子
保健の強化などを骨子したもので福田総理の言葉を借りれば、アフリカの
成長促進への"力強いイニシアチブ”だそうだ。一昨年11月、北京で開催さ
れた「中国・アフリカサミット」でも、中国は2010年までにアフリカとの貿易額
を1000億㌦にし、3年間で援助額を倍増する旨打ち出している。

中国の援助計画のあと、スーダンのダルフール内戦が激化し、ジンバブエ
の政治、経済が破綻している。これは中国の誤ったアフリカ政策が原因だと
指摘されている。1960年の「アフリカの年」以来、一ウォッチャーとしてコンゴ
の内戦やナイジェリアのビアフラ内戦などみてきたが、本当にアフリカ問題は
難しい。植民地時代、宗主国が手を焼いたのがよくわかる。ムネオ議員のよ
うな戦略では、失敗するのは必至、慎重にお願いします。