「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         あるインドネシア人親友の死

2008-05-31 05:51:03 | Weblog
自分より若い人に先だたれるぐらい悲しいことはない。昨日、インドネシアのメ
ダンにいる親友、シャフルームさんが急死したと、息子さんから電話があった。
まだ、昭和18年生れ、僕より一回りも若い。彼とは20数年まえ、豊橋技術大學
の研修先で知り合い、以来、家族ぐるみの付き合いをさせてもらっていた。

平成9年、僕は当時彼が学長をしていたITM(メダン高等工業専門学校)のESS
(英語クラブ)の顧問をしながら彼の家に寄宿、夜はボランティアで外国語学校
で日本語を教えた。考えると、当時の僕は亡くなった彼の年齢ぐらいであった。
インドネシア人は早死にが多い。あれから、まだ10年すこしなのに当時僕と一
緒に日本語を教えていた同僚二人が、すでにこの世にいない。

JOICEP(家族計画国際協力財団)の最近の資料によると、インドネシア人の平
均寿命は、男性66・7歳、女性は70・2歳である。日本人の男79・00歳、女85・91
歳に比べれば、はるかに低い。原因はいろいろ考えられるが、やはり医療制度に
あるのではなかろうかー。まだ、一般国民を対象にした健康保険制度がないから
庶民はなかなか医療機関に行けない。特に、年金は一握りの恵まれた人しか受
給しておらず額も少ない。

この国では後期高齢者医療制度を検討する必要はない。しかし、わが国では失い
かけてきた家族の絆が残っている。介護保険制度はないが、家族が自宅で老人の
面倒を看ている。息子さんの電話によると、彼の死因は心臓麻痺であった。