「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”ミャンマー人”と”ビルマ人”

2008-05-15 05:59:22 | Weblog
サイクロン被害の外国からの緊急援助受け入れをめぐってミャンマー軍事政権の評
判がすこぶる悪い。軍事政権はなぜ世界の国々や国際機関の善意を拒むのかー。
昔、僕らが大好きだった”ビルマ人”は”ミャンマー人”になってから人種が変ってしま
ったのだろうかー。いや、そうではない。軍事政権(Junta)の独裁が長すぎ,政権維持
に頑なになりすぎているのだ。

戦争中のビルマを舞台にした二つの本が戦後ベストセラーになっている。一つは竹山
道雄の「ビルマの竪琴」もう一つは会田雄治の「アーロン収容所」である。「ビルマの竪
琴」は戦後二回も市川昆監督のメガフォンで映画化されている。少し戦争中の日本軍
政に関心があれば、1988年のクーデーターで倒れるまでのビルマの指導者、ネ・ウイン
将軍が旧日本軍に協力したBIA(ビルマ独立義勇軍)の一員で、首都ラングーン(当時)
の陥落に功績のあったタキン・シュモンであることを知っていた。

僕はビルマ問題の専門家ではないが、ネ・ウイン時代の昭和58年、ビルマの技術研修
員と一緒に三週間、日本国内を旅した。彼らは礼儀正しく真面目で、従軍世代の先輩
たちがビルマ”メロメロ”になるのがわかった。

先日BBC放送をテレビで見ていたら「ミャンマー」ではなくて「ビルマ」の旧名を使用して
いた。宗主国だから旧名をつかっているのではないようだ。米国の一部のマスコミも「ビ
ルマ」のままだ。現ミャンマー軍事政権の独裁に対する反対意思表示だと聞いた。わが
国もどうだろう。軍事政権が依然として独裁を続けるならば、欧米にならって「ビルマ」の
旧名に戻したらどうだろうかー。