「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ”良家の子弟”と政治家のキレ

2008-09-05 05:47:42 | Weblog
中曽根康弘元首相が昨日の「産経新聞」のコラム”首相退陣に寄せて”の中で「福
田君、安倍君にしても良家の子弟だ。下から汗水垂らして、ねじり上ったのではない。
地位に恵まれた面はある。温室育ちの日本の政治家は外国の指導者と太刀打ちで
きるだけの修行が必要だろう」と書いていた。

中曽根氏の言う”良家の子弟”の基準が何なのか解らない。また、福田、安倍両君の
批判なのかもよく解らないが僕流に解釈すれば、福田、安倍両君のお父さんは首相
だから”良家”で、その息子だから温室育ち。二人がコラムで批判されたのは、多分、
一年そこそこで政権を投げ出した、その耐え性のなさであろう。

民主党の小沢一郎氏の無投票代表が決まり、自民党も麻生太郎氏についで中曽根
元首相の秘書をしていた与謝野馨氏、都知事の石原慎太郎氏の息、伸晃氏が立候
補を表明、小池百合子・元防衛庁長官の名も取沙汰されている。まさに「自民党劇場」
だが、中曽根的見方を援用すれば、小池さんを除けば”良家の子弟”であり、汗水垂ら
した政治家とはおもえない。

僕は”良家の子弟”の政治家がキレやすいかどうかは知らない。が、もしそうだとするな
ら民主党の小沢氏が一番キレやすい体質のように思われる。昨年11月、自民党との大
連合の話が党の役員会で否決されると、プツンとキレ、代表を辞めると申し出たーあの
時のことを想い出す。

今どき”良家の子弟”という発想自体がおかしい。いくら超高齢者社会だといっても90歳
の政治家が口をだすことは老害だ。与党も野党も”永田町の論理”が如何に国民と遊離
してしまったか真摯に反省すべきである。