「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ”無人スタンド”の張り紙

2008-09-06 05:48:27 | Weblog
都会にも”小さな”秋が感じられるようになった。いつも自転車で行く自由ヶ丘の
”無人スタンド”にも季節の冬瓜(とうがん)が出始め、キュウリやナス、トマトが
姿を消し始めた。そんな季節の移りの中で、三軒あるスタンドの一軒が"おカネを
入れてからお取りください”と書いた張り紙を出した。"無人スタンド”は日本人の
道徳心の高さを示すシステムと誇っていただけに残念だ。

岐阜市のブドウ園のビニールハウスが荒らされ、出来秋に入って4回、150房が盗
まれたそうだ。農作物の盗難事件は年々増え、9-11月の収穫時に集中している。
貴金属などと違って金額ははらないかもしれないが、作る人の丹精が込められて
いる。戦中の食糧難時代、家庭菜園のうらなりのカボチャが盗まれ、嘆き悲しんだ
亡き母の姿が想い出される。

農作物だけではないらしい。友人の経営するドラグストアでも盗難が絶えないよう
だ。それも昔のようにおカネがなくて盗むのではなくて"ゲーム感覚”で遊び半分で
やるケースが多いという。モーゼの”汝、盗むなかれ”の十戒はどこへ行ってしまっ
たのか。取締るはずの警察官でさえも盗む世の中だ。世界に冠たる"無人スタンド”
も終わりを告げるのか。都会だけの現象である事を祈りたい。

戦後の混乱期、ヨーロッパのキリスト教会を中心に道徳再武装運動(MRA)が起き、
日本でも社会党(当時)の片山哲首相など同調者が多かった。日本版MRAが必要
になったのかもしれない。