「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           ”好戦的なナショナリスト”

2008-09-29 05:45:17 | Weblog
一昨日、昔の同僚の「公開時局講演会」を聴きに行った。東京のある区が後援して
いる生涯教育の一環として行われているもので、年に一回の催しだが、今年で19
回目を数えている。が、同僚が80歳を迎えるに当り、今年でピリオドを打った。人気
の催しだけにもったいない気がする。

友人は現役時代,ドイツとソ連(当時)の特派員をした経験をもつ。その体験をふまえ
て日本の外交の危機」について話をした。彼はモスクワ時代「北方領土」問題につい
て勉強しており深い見識をもっている。その持論から最近の竹島,尖閣、東シナ海
の”線引き”問題にふれ、日本の外交のヘナヘナ振りを批判した。学識に裏づけされ
ているだけに説得力があった。

会場の区の施設は満員、この種の講演会にしては珍しい。「生涯教育」の行事なため
かもしらないが、聴衆は前期高齢者以上の年寄りばかり、女性も多かった。講演後質
疑の時間があったが、質問の内容から、聴衆は日本の外交に疑問をもち、とくに福田
内閣の”ことなかれ”主義にイライラ感を持っている方が多いと見受けた。

折りから発足した麻生内閣について麻生氏は”好戦的なナショナリスト”だとNYタイムス
が報じたことが話題になっている。そして「外交政策を近代化して隣国を対等に扱え」と
論じているそうだ。ことほど左様に、わが国の外交については誤解されている。誤解の
原因は、何をいわれても黙っているからだ。

多少逆説的にいえば”好戦的なナショナリスト”は、辞任を申し出た大臣を徹底的にか
ばい、続々と押し寄せる中国有害産品に対して抗議し、まずは”毒ギョーザ”事件の真
相を国民に明らかにすべきだ。