「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             働くお母さんの悲劇

2008-09-23 06:23:14 | Weblog
千葉県東金市の住宅街の路上で昼間、五歳の保育園児の遺体が発見された。幼女は
看護師をしている母親(37)とマンションで二人暮らし。前夜は夜勤の母親と共に母親の
実家の病院に泊まり、朝、祖母と町の清掃活動に参加したあと友達の家に行くといった
まま行方が判らなくなっていた。

僕の周囲にはいないが、母子家庭、父子家庭が最近増えている。これは裏返せば結婚し
てすぐ別れてしまう若いカップルが多くなっていることなのだろう。僕らの若い時と違って
社会環境は激変している。昔は”共稼ぎ”夫婦は限れれていたが、今は"共稼ぎ”という言
葉自体が死語に近いほど当たり前になってきた。”共稼ぎ”が即離婚につながるとは思わ
ないが一つの要因にはなっているかもしれない。

福岡市西区の公園で死体で発見された小学一年の男児は、”共稼ぎ”の母親(35)が病気
を苦にしての犯行らしいが、やはり仕事と育児が負担になっていたのだろう。"共稼ぎ”が
こんなに日本の社会に定着しているのに、このような福岡の母親のような痛ましい事件が
後をたたないのは悲しい。

家の周囲を散歩すると、ヨチヨチ歩きの幼児たちが保母さんたちに手をひかれ、あるいは手
押し車に乗せられて散歩している。これを見ると、僕は馬齢を重ねたためだろう。目頭があつ
くなる。まだ母親のあとを追う年齢なのに。

”共稼ぎ”夫婦や母子家庭、父子家庭の増加で、託児所や学童保育は、学校教育と同じぐらい
日本の社会では重要な役割を担っている。が、その割りに行政側の関心は低く、支援も十分
ではない。都会の託児所では子供を遊ばせる庭すらない。学童保育といっても正規の職員は
何人いるのか。これではお母さんたちも安心して働けない。