「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     外国人介護・看護師受け入れ事業は慎重に

2009-05-02 05:23:04 | Weblog
インドネシアとのEPA(経済連携協定)に基づく同国からの介護・看護師受入れ事業は
今年で2年目に入るが、これを仲介している国際厚生事業団によると、今年同事業団
が予定していた800人に対し、日本の病院・施設からの受入れ希望は今のところ360人
で、半分にも達していないという。すでにインドネシアでは派遣者の選考を終え、11月
の来日に向け待機中だとの事だ。

何故、日本側の病院・施設がインドネシア介護・看護師を希望しないのか。彼らの派遣
現場での評判は決して悪くはない。どうも日本側の制度そのものに問題があるみたいだ。
その第一は、期間内に日本の資格試験に合格しなければ帰国させる制度。このため受入
れ側は、渡航費のほかに彼らに日本語を学ばさせなければならい。これがかなりの費用
負担になっている。さらにここへきての不況で、これまでこの職種を敬遠していた日本人
の希望者が増えてきたのも起因しているらしい。

僕は過去の体験からこの事業には賛成ではなかった。言語や文化の違いからくる相互理解
の難しさを痛いほど知っている。いわんや人命にも関係のある仕事である。経済連携で片づ
けられる問題ではない。

とくにインドネシアでは旧日本軍が戦争遂行のため労務者を募集した。その数は100万人
(インドネシア側の主張)ともいわれ、その過酷の労働から今でも”Romusya"というインドネ
ア語が残っているほどだ。それだけに、たんに"採算にあわない”というだけで一方的に約束
を破ってはいけない。慎重に対応してもらいたい。