「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        ミャンマーへの関心の温度差

2009-05-14 05:08:34 | Weblog
ミャンマーの軍事政権によって自宅軟禁されているスーチーさん(63)が血圧低下と
脱水症で点滴を受けているというニュースを先日読んだが、今度は軟禁をさらに延長
する訴追手続きに入るためか身柄を刑務所内の裁判所に連行されたという。この国は
いったいどうなっているのだろうか。心配だ。

先日、滞在先のドバイのホテルでベッドメーキングにきた若い男女はミャンマー人の
夫婦だった。彼らは僕が日本人だと判るとミャンマーの窮状を訴え、アウンサン将軍
の名前をあげて軍事政権に対して批判を始め日本からの支援を求めた。しかし、今
の日本人でアウンサン将軍の名前を知っている人はどのぐらいいるだろうか。「大
東亜共栄圏」の教育を受けた一握りの僕らの世代だけだ。

スーチーさんの父親、アウンサン将軍は反英独立運動の志士で、昭和15年、旧日本
軍の支援を得て、日本に亡命「面田紋二」の日本名で浜名湖の弁天島の日本旅館に
匿われていた記録もある。戦争勃発とともに故国に帰りBIA(独立義勇軍)を結成、日本
軍と共に昭和17年3月,ラングーン(ヤンゴン)を陥落させた。その後日本の軍政をめぐっ
って紆余曲折があったが、戦後の1947年9月、完全独立を前に彼は凶弾に倒れている。

軍事政権以前のビルマと日本との関係は親密であった。僕も個人的な体験だが、昭和
59年、来日したビルマの技術研修員の面倒を見たことがあったが、同じ仏教徒で礼儀
正しく親日的な人たちであった。昔を知っている僕らの世代からみると、ミャンマーへの関
心度にはかなり温度差があるようだ。僕らの世代は昔のよしみもある。正常化に向かっ
てもっとコミットしてもよいと思うのだが。