「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            麻生総理の鈍感度

2009-05-15 06:39:17 | Weblog
鴻池官房副長官が"健康上"の理由で辞任した。医師の診断は「間質性肺炎」だそうで
美空ひばりの52歳の短い人生を奪った同じ病気だ。医学事典には”症状は強い咳が
出て、時には非常に致命的、治療も困難”とある。とても数日前まで女性とゴルフを楽し
んでいた身体ではない。

「週刊新潮」によれば、鴻池氏は先月末、政府が新型インフルエンザ対策で懸命の最中
知人の女性を連れて熱海へ2泊3日のゴルフ旅行に出かけたという。しかも国会議員に
公務用に与えられたJRの無料パスを使ってである。政府の要の職にある官房副長官の
行動とはとても考えられない。河村官房長官も辞任を受けた後の記者会見で、女性との
"不倫問題”が引き金になったことを認め旅行の費用は弁償すべきとさえ言っている。

ところがである。麻生総理は鴻池氏の辞任については、あくまで"健康上”のこととかばい
任命責任についてはないと、強く突っぱねていた。"健康上”のことまで、わからないという
のである。医学事典によれば「間質性肺炎」はとっさに発病するのではなく、普段から階段
の上り下りにも苦しくカラ咳が多いとある。

安倍総理の頃、政治家の鈍感力という言葉が流行した。小泉・元総理が内閣の支持率が
下がったことに関連し、作家の渡辺淳司氏の著書を引用して、政治家は時には鈍感力も
必要といった。たしかに一理はあるかも知れない。が、今回の鴻池問題についての麻生
総理の発言は国民とはかけはなれ、鈍感だと思っていたが、誰かにいわれたのだろう。
訂正し、鴻池氏も旅費を弁済したらしい。当たり前の話だが、鈍感でなくて好かった。