「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      "木を見て森を見ない” 鳩山民主党代表

2009-05-28 06:35:18 | Weblog
昨日NHKテレビで麻生総理と鳩山民主党代表の党首会談を見た。率直にいって北
朝鮮の地下核実験、ミサイル発射など緊迫した国際情勢を受けて、国の安保につ
いて真剣な討議を期待したが、与野党の野次の応酬だけが目立つ討議だった。

鳩山代表は、東京三鷹市の小学校の地域社会参加による”コミュニテイ・スクール”
を例にあげ、持論の友愛社会を訴え「麻生政権は官僚任せ、私たちは国民、市民、
生活者起点の政権を作りたい」と述べた。僕に言わせれば、鳩山代表は、いささか
”木を見て森を見ない”類の意見のようだ。

鳩山代表が例にあげた学校は、今、東京では流行のようになっている「学校運営協
議会」主導による公立小中一貫校の一つだ。首都圏では数年前、公立校の自由選
択制が実施されて以来、保護者の中には自分の住居から離れた地域の学校に子供
を通学させている。このため、明治以来、わが国公教育の特徴であった地域との絆
が失われてきた。

鳩山代表の意見は本末転倒している。三鷹の例をあげるのならば、今、ある意味では
曲がり角にきている学校制度を含む教育についての民主党のビジョンを述べるべきだった。
僕ら日教組による教育破壊を体験している世代にとっては、民主党代表代行の一人に
旧日教組の幹部がいることが大変気がかりなのだ。

先日NHKの昼の番組で、埼玉県加須市のお年寄りたちが郷土に伝わる芸能や農作業
などをボランティアで子供たちに教えて喜ばれていた。鳩山代表、友愛精神を説くのなら
ば、三鷹ではなく加須市の例を挙げるべきであった。わが国で欠けているのは郷土愛
であり国土愛である。