「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          くい打ち桟橋 自然への冒涜

2010-05-02 06:17:23 | Weblog
普天間基地移設問題をめぐって辺野古沿岸にくい打ち桟橋を造る案が政府案として
浮上している。4日に鳩山総理が沖縄を訪問した際、おそらく正式に提示されることに
なろう。鳩山総理は辺野古の沖を埋め立てる、現行案については"自然への冒涜だ”
と強く反対しているが”くい打ち桟橋”案は、冒涜ではないのだろうか。

僕は海洋工学の専門家ではないが、10年ほど前、インドネシア人のマングローブ研修
員に同行して沖縄西表島で琉球大学馬場繁幸先生から、マングローブの養殖について
講義を受けたが、その際、海上に構造物を設けると汐の流が変わり、自然形態に変化
が出てくるという話を聞いた。それが何故かまだ耳の奥に残っている。

琉球新報によると、辺野古の現地の人たちは”埋め立て”でも”くい打ち桟橋”でも太陽
の光が海に届かないという点では同じで自然破壊に通ずると反対している。

鳩山総理は、いつも思うのだが、言葉の使い方が乱暴である。総理がメンツ上"埋め立
て”に賛成できないのは解かる。しかし”埋め立て”は必ずしも"自然への冒涜”ではない。
一つの例を挙げよう。鶴の飛来地として全国的に有名な鹿児島県出水市の平野は、江
戸時代、薩摩藩が財政確保のために有明海を干拓したものだ。年に一万羽の鶴がシベ
リアから飛来してきている。果たしてこれが自然への冒涜だろうか。問題は沖縄県民へ
の負担が多すぎるということだ。