「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        一丸となって戦った沖縄戦の頃

2010-05-14 05:48:14 | Weblog
「”沖縄戦が国内唯一の地上戦だ”というのは正しくない。訂正が必要だ」と前原誠司
国土交通相が、衆院沖縄北方特別委員会で民主党議員の質問に対して答えたという。
その理由は旧樺太(サハリン)や硫黄島でも住民を巻き込んだ戦争があったということ
らしい。戦争を知らない若い大臣だから仕方がないが、もう少し戦争について勉強して
貰いたい。とくに、今、鳩山内閣が普天間基地移設問題で、いたずらに県民の神経をい
らだたせている時だ。何故、こんな無神経な質問をし、答弁するのだろうか。

昭和20年3月、慶良間諸島に上陸してきた米軍は4月1日、沖縄本島にも上陸、5月の
今頃は守備隊司令本部のあった首里(那覇)の攻防をめぐって,死闘が展開されていた。わが
軍は陸軍87000人、海軍10,000人、沖縄県民義勇軍22000人、これに対して米軍は、そ
の数倍にあたる兵力。それに住民を巻き込んでの戦闘は近代戦史でもあまり類のない激
烈な戦闘であった。

当時、僕は中学3年で、本土決戦に備えて江戸川と利根川を結ぶ運河の浚渫工事に勤労
動員されていたが、沖縄についで米軍が本土に上陸してくるのは必至と覚悟していた。
来る日も来る日も掘られたドロをモッコにかついで働いていたが、動員監督官の言葉は毎日
"沖縄のことを思え”であった。僕らは、それに答え、一丸となって必死に働いた。

”沖縄は日本だと本土は本当に思っているのか”-これは朝日新聞の見出しだが、若い政治
家はもっと、忠実に歴史を学び、沖縄県民の気持ちをさかなでするような発言は控えるべきで
ある。